小田原周辺のマイナースポットや些細な出来事を少しずつ
小田原の端々



小田原市内にある全ての天然記念物を巡ってみようと始めた天然記念物巡りの20ヶ所目は早川のビランジュへ出かけた。小田原市内には27の天然記念物が指定されているが、その中でも国指定の天然記念物は早川のビランジュだけ。このブログでも過去に何度か紹介したことがあるが、昨年の暮れに改めて写真を取りに立ち寄った。早川のビランジュはターンパイクの入口から約300mほどの場所に所在している。アクセスルートは早川のホテル街西側の道路沿いから。早川のビランジュへは道路脇から排水路のような小道を進み階段を登って向かう。ターンパイクの橋脚の反対側。一昨年に橋脚の改修工事が行われた際に周辺にあった潅木が伐採されてかなり景観が変わった。ターンパイクの橋梁の下を通り、狭い石段を登った先の崖下のような場所にビランジュが生えている。根元の近くには小田原市教育委員会が設置した案内版のほか、かながわ名木100選の案内版も設置されている。周辺は急斜面かつ狭い場所でビランジュ全体を撮影できる場所はほとんど無くて写真が非常に撮りづらい。また崖に隣接しているためかあまり木の大きさが感じられないロケーション。夏に訪れるとヤブ蚊がすごくて閉口するが、冬は蚊がいないので落ちついて眺めることが出来る。ビランジュはバラ科の樹木で、樹皮はうろこ状になって自然にはがれ落ちて、そのあとの木肌は紅黄色となって独特な色彩になるのが特徴的。根元はごつごつしていて独特の模様の木肌でなんとも迫力がある。早川のビランジュが国指定の天然記念物に指定されたのは大正13年12月9日とかなり前。ビランジュは温暖帯に植生する樹木で、小田原から東北部にはほとんど見られないことから学術上貴重なものとして、国指定の天然記念物となっているとのこと。樹高は約20mで樹齢は推定300年。ターンパイクの改修工事中は訪れることが出来なかったので数年ぶりに早川のビランジュを撮影したが、相変わらず撮りづらい被写体。場所が平坦で開けた場所だったらかなり見栄えがしそうだが、薄暗い崖下にどっしりと生えている姿は地味ながら力強さを感じる。小田原で唯一の国指定天然記念物としてこれからも長く残ってもらいたい。

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小田原市内にある全ての天然記念物を巡ってみようと始めた天然記念物巡りの19ヶ所目は沼代の王子神社に出かけた。王子神社のには大杉が境内に残っていて小田原市の天然記念物に指定されている。小田原市沼代にある王子神社は旧沼代村の鎮守として宝徳元年(1449年)に勧進されたと伝わる神社。沼代地区は山林が多く残っているがその中でも王子神社境内の杉は特に大きくて目をひく。王子神社境内には天然記念物を示す解説版の設置はされていなため、どの杉が天然記念物かの案内は無い。小田原市のホームページによると「王子神社の石段を登りつめた所に立っている」の記載がありそれに該当するのは石段を登りきった右側の杉の木。石段の左右に杉があるが拝殿に向かって右側にある杉は根元が周囲が6m以上の太さ。根元からまっすぐ上に幹が伸びていてかなり力強さを感じさせる樹勢。天然記念物を示すものは何も無いが、樹木名と小田原市指定保存林を示すプレートが取り付けられていた。小田原市指定保存林というジャンルもあってブログのネタになりそうなので今後色々と調べてみたい。王子神社の杉は樹高約30mの大杉で市内では最大級の古木。昭和56年3月30日に小田原市の天然記念物に指定された。王子神社は人通りの少ない場所に所在しているのでとても静か。ひっそりとした境内で大杉を見上げるとなんとも神妙な心持ちになる。これからも神社の神木的な存在として長く残ってほしい。沼代地区は自転車で訪れるのが大変な場所で、久しぶりに出かけたついでに沼代の地で戦死した上原中佐のお墓に墓参り。大きな杉の木を眺め、近くにある上原中佐の墓参りが出来てなかなか有意義な沼代地区探索となった。

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小田原市内にある全ての天然記念物を巡ってみようと始めた天然記念物巡りの18ヶ所目は飯泉の勝福寺と八幡神社に出かけた。勝福寺の大イチョウは県指定の天然記念物で既に紹介したが、隣接する八幡神社の社寺林とあわせた樹叢も天然記念物となっている。小田原市飯泉の勝福寺は平安時代に現在の飯泉の地に千代から移転したと伝わる古刹。隣接する八幡神社との境界は定かではなくて同じ敷地にお寺と神社があるような形になっている。勝福寺境内には大イチョウがあるが、八幡神社側にも大きな樹木があって勝福寺境内とあわせて社寺林を形成している。それらの樹叢が神奈川県の天然記念物に指定されたのは昭和47年7月21日。勝福寺と八幡神社境内には目通り幹回り2m以上の樹木が28本あって市内でも数少ない古木群。敷地の外周に沿って樹高のある古木が残っている。敷地内に樹叢の天然記念物を案内するような看板は設置されていないが、大木には名前や分布や用途などを記載したプレートが設置されている。八幡神社側はカヤやクスノキが多かった。八幡神社前には根元が瘤のようにふくれたカヤがある。しめ縄が巻かれているので八幡神社の御神木のようだ。隣の勝福寺の大イチョウが大きくて目が向くので、八幡神社前のカヤはあまり目立たないがよく見ると結構迫力がある。勝福寺の裏手は樹叢と竹林になっていて植生の変化があって面白い。社寺建築には竹林がよく似合う。勝福寺と八幡神社境内の樹叢は木々の間隔が適度に離れているので敷地内は日当たりがよくて木々の様子もわかりやすい。勝福寺の大イチョウとあわせてこれからも末永く残ってもらいたい。

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小田原市内にある全ての天然記念物を巡ってみようと始めた天然記念物巡りの17ヶ所目は飯泉の勝福寺境内にある大イチョウを見に出かけた。勝福寺の大イチョウは以前から好きな被写体で今までに何度も写真を撮っている馴染みのイチョウ。小田原市飯泉の勝福寺は平安時代の天長7年(830年)に現在の飯泉の地に千代から移転したと伝わる古刹。坂東三十三箇所第5番札所として江戸時代には庶民信仰の拠り所として多くの巡礼者が参拝した寺で、その境内でひときわ大きい樹木が大イチョウ。勝福寺の大イチョウは本堂前にあって根元周囲は防護柵で囲まれている。神奈川県の天然記念物で指定されたのは昭和32年2月19日。天然記念物のほかにかながわの名木100選にも選定されており案内版が設置されている。勝福寺の大イチョウは樹高約30mと県内のイチョウの中でも最大級の大きさ。樹齢は推定で約700年。根元周囲は9mを超える大木でどっしりとした風格を感じる。小田原市天然記念物に指定されている酒匂の上輩寺の乳イチョウ同様に乳柱が垂れ下がっている。イチョウの木は雌雄があるが勝福寺の大イチョウは雌木で銀杏が実る。樹齢700年を超える大木なので幹は過去に何度も折損している。近年では2011年の台風で主幹や大きな枝が折損し以降何度か枝打ちが行われている。そのため上部は葉が少ない。上の写真は大きな折損が出る前の2010年初冬の大イチョウ。こんもりと枝が生い茂り堂々とした樹形。現在の大銀杏は10年前と比べるとボリューム的に半分くらいになってしまい、少し寂しい状況。イチョウの木は枝の再生が早いので以前のように全体的に葉を茂らせて堂々とした樹形に戻ってもらいたいもの。

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小田原市内にある全ての天然記念物を巡ってみようと始めた天然記念物巡りの16ヶ所目は鴨宮の光照寺境内にあるヒイラギを見に出かけた。ヒイラギはギザギザの葉が特徴だが、光照寺のヒイラギは推定樹齢300年以上なので、老木らしい葉の特徴をもつヒイラギだった。小田原市鴨宮の光照寺は巡礼街道の西側住宅地に所在している浄土宗の寺院。明治初期に廃寺になった寺院が合併し明治13年に光照寺となった。現在の光照寺境内は寛永元年(1624年)創建の西光寺跡地。光照寺の入口脇に稲荷社の鳥居があって、その近くに小田原市指定の天然記念物であるヒイラギがある。樹高は約10mで樹齢は推定320年ほど。昭和45年12月15日に市の天然記念物に指定された。光照寺のヒイラギは小田原市指定の天然記念物のほか、かながわの名木100選にも選定されていて県が設置した案内版がある。もともとは枝ぶりが良くて名木らしい樹形だったが、大枝が枯れたりして剪定が行われたため以前のような樹勢は感じられなくなっている。ヒイラギは鋭い刺状の、のこぎり歯のあるのが特徴だが、老木のヒイラギはのこぎり葉では無くて丸みのある葉になってくるため2種類の葉が混在している。場所や枝によって葉の形が異なっていたりするので面白い。訪れたのは11月の中旬で丁度花が咲いていた。ヒイラギの花は意外と香りが強くて爽やかな香り。花の見頃の頃に訪れることが出来て良かった。光照寺のヒイラギは老木のため幹に空洞などが目立ち今後が心配だが、これからも末永く小田原市の天然記念物として毎年秋に花を咲かせ続けてもらいたい。

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