小田原市内にある全ての天然記念物を巡ってみようと始めた天然記念物巡りの15ヶ所目は入生田の長興山の枝垂桜を見に出かけた。長興山の枝垂桜は小田原の春の観光スポットとしても人気があり、花の見頃の頃には多くの花見客が訪れる。小田原市入生田の長興山の枝垂桜は旧東海道から少し入った紹太寺の山門から急な坂道を10分ほど登った山間に所在している。花の見頃の頃には茶店が開店して花見客で賑わうが、オフシーズンは訪れる客はほとんどいないので静か。枝垂桜の周囲はフェンスで囲われているため幹には近づけず、主に南側から見上げて眺める。現地に設置された案内板によると樹高は約13mで樹齢は約330年。紹太寺がこの地に建立された江戸初期に植えられたとの伝承がある。小田原市の天然記念物に指定されたのは昭和32年3月30日。ほかには、かながわの名木100選にも選定されている。樹齢300年以上の老木のため平成元年から樹木医による樹勢回復治療が継続して行われているが、なかなか回復せずに現在に至っている。幹の周囲には枝を支える添え木が何本も設置されていて、見た目にも老木の佇まい。枝垂桜の特徴でもある長く伸びた枝は少なくて、途中で折れた枝が目立つ。ここ数年は花の数も減ってしまったように見えて樹勢の衰えが心配される。樹齢300年の老木だが、最新のバイオテクノロジーによりクローンの苗が作成されていて、久野のわんぱくらんどや紹太寺境内に植栽されている。長興山の枝垂桜は江戸時代から連綿と続く小田原の桜の名所。これからも長きにわたりこの地で毎年春に花を咲かせてもらいたい。
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