池澤さんが 「ル・コルビュジエ 絵画から建築へ―ピュリスムの時代」 の、しかも
107 「サヴォア邸」模型 についてのことを書いていた。
「しゃがんで地面の高さで真横から見ることが大事なのだ。」
切り抜いたそのコラムを読んで、そのうちに
文学全集の方に思いが向かい 「口訳万葉集」 というものが入っていることに気がついた。
じゃ借りてみようと出かけて棚を見あげると きれいにその巻だけが空いている。
せっかくだからと 近くの巻にも目をやると
「近現代詩歌」という巻があって 詩/短歌/俳句 が 3人の選者のもとに集められていた。
池澤さんは 詩 の選者で、自選作品も収められていた。
午後の歌 ――娘に
生まれて間もないおまえはまだおぼえている、
ついこのあいだまでいた世界の匂いとざわめきを。…
自選作品は そう始まっていた。
切り抜きに戻れば そのコラムの題は 「終わりと始まり」 となっていて
どれくらい前から続いているのか、そのうちのどれくらいを読んだことがあるのか
思い出そうとしながら
桜が木蓮が梅が椿が水仙が 花咲く この地この時の春寒に も一度開く、
シャーベットブルージャケット 69ページ。