曇り時々晴れ。
風はあって。
梅雨のさなかの。
カッコウの声は
何日か前から聞こえ始めて。
けさも聞いたよ。
という頃合いの日々に 「夏をゆく人々」 を見た。
映像特典に オリジナルと日本版の 二つの予告編が付いている。
オリジナルは 本編の まさに予告編だ。(当たり前か。)
日本版は 「ここから乗り換えですよ」と売り手が丁寧に知らせている。
丁寧に知らせるとは 日本に引きつけた選択をここまでも繰り返すのだな、と驚く。
画面が 音楽が 音声が 日本人好みと思われるような選択のもとに編集されていって、
ひとつの曲を違う指揮者で演奏しているみたいに 違う。
と 感じたことが、とてもとてもとても面白い。
マルティンの口笛の音を耳にして、
聞き手が心に描く情景は それぞれに違うのだろう。
違う情景の集合体が 一点に集まる、その静寂のような響きを なんと言ったらいいのだろう。