ハイジ・ハイヂ・ハイディの解説には
ゲーテ・ギョエテの作品
「ヴィルヘルム・マイスターの修業時代」「ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代」
との関連説明が出てくる。
修業に遍歴、そう言われても初めて目にする題名で、
と言うか、Goetheか、読んだことないなあ。。。
と スピリ・シュピリ・シュピーリのところからGoethe風吹いて
「世界名作の旅」 の ゲーテ のところにやってきた。
この回の著者が訪ねたのは、「若きウェルテルの悩み」の舞台・(西ドイツの)ウェツラール。面会した、今東光似の町長・シュミットさんは、「なに、日本語の訳本が二十何種類も出ている? 信じがたいことですな……」と驚いている。1960年代のウェツラール町長も驚いているが、2020年近くの私も驚いた。そんなにあったの?訳本。どれどれ?と 手に取れたもの数冊を広げて、冒頭サーフィン。主人公ウェルテルが友ウィルヘルムにあてた書簡体。(ウェルテルはロッテに恋をしているのですが、彼女には許婚者がいるのでした。)
内垣啓一訳・若きウェルテル
「やっと離れられて、じっさいほっとしている! 親友よ、人間の心とは、じつにあてにならぬものだ! これほど愛している、別れがたく思った君をあとに残して、しかもほっとしているなんて! きっと、君は赦してくれるだろうね。…」
神品芳夫訳・若きヴェルター
「別れてきて、気がはればれしている。親しい友よ、人間の心とはなんたるものか。あんなにも親しくなり、離れがたく思っていたきみと別れて、しかもはればれしているとは。こんな言いかたを許してくれるね。…」
佐藤晃一訳・若きウェルテル
「きみのそばから離れてきたことを、ぼくはとてもうれしがっている! 親愛なる友よ、人間の心なんて、なんという妙なものだろう! 大好きなきみ、離れることなどできないと思っていたきみのそばから離れてきて、しかもこうしてうれしがっているとは! しかし、きみはそれを許してくれるだろうと思う。…」
柴田翔訳・若きヴェルテル
「離れてきて、どんなによかったことか! 最愛の友よ、人の心とはいったい何なのか! 君をかくも愛し、決して離れえぬ友としながら、その君を残してきて、しかも喜んでいられるとは! ぼくは解っているのだ。君はそれを宥してくれるに違いない。…」
高橋義孝訳・若きウェルテル
「ひと思いに出かけてしまって、ほんとによかったと思っている。人間の心なんて、変なものだね、君。ぼくがこれほどにも愛していて離れがたく思っていた君とわかれて、しかも朗らかにしていられるんだから。むろん君にはゆるしてもらえるだろうね。…」
竹山道雄訳・若きウェルテル
「離れてきてしまってほんとうによかった。友よ、人間の心というものはふしぎなものだね。あれほども懐かしく去りがたかった君から別れて、しかもよろこんでいるのだから! しかし、君は赦してくれるだろう。…」
手塚富雄訳・若いウェルテル
「ほんとうによかった、ひと思いに発ってしまったのは。きみよ、人間のこころなんて、なんと妙なものなんだろう。ぼくがこんなにも愛していて、離れることのできなかったきみを、おいてけぼりにしておきながら、こんなに陽気で、よかったと思っていられるんだから。だが、きみは許してくれるね。…」
翻訳の世界は 奥深い。
目で追っていくと この人のが 一番こなれているような気がするし、と思った次に
つっけんどんな印象の訳の人のを 試しに音読してみると 友人あての書簡としてはいい感じ出てるし、
恋の悩み人世代としては落ち着き過ぎなんじゃと思える文体の人のも でも、手紙ってそういう風に構えるところがあるとも言えるし、
な 一長一短ならぬ、もしかしたら一長一長(ナンジャソリャ?)になっていると思わせる。。。
翻訳の世界は 奥深い。
さて。冒頭サーフィンの先(≒ゲーテ、読んでみる?)に進むでしょうか。