スウェーデン音楽留学サバイバル日記 ~ニッケルハルパ(nyckelharpa)を学ぶ

スウェーデンの民族楽器ニッケルハルパを学ぶため留学。日々の生活を様々な視点からレポートします。

またもや新作CD

2007-05-16 23:37:42 | 授業 その他
今日はウロフによるレッスンの日。

今後の自習用にと、録音タイムになった。
ウロフのトラッド(伝統音楽)の基礎は、ウップランド地方の有名なフィドラー Curt TallrothIvar Tallroth(二人は兄弟)の伝統。
なのでこの二人から受け継いだ曲を中心にたくさん弾いてくれた。

その後「みんなにお願いがあるんだけど...」とウロフ。
以前このブログでリンネ生誕300周年関係でヴェーセンが5/25にコンサートをすると書いた。
「その時にCDを販売する人手がまだないんだ。興味ある?」って。
みんな「もちろん、いいよ。やる、やる!」と言うと、
じゃあ...とデカいバッグからヴェーセンのCDを取り出し私達にくれたのだ(写真)。

といっても、上記会話はスウェーデン語で、私は??状態だった。

何でCDを私にくれる訳?と聞くと、英語で一から説明してくれたのだった。
ごめんなさい。
でも、お礼に当日はいっぱい売らないとね!

前回はソロの新作を出したばかりだったけど、ヴェーセン(Vasen)でも新作を出したばかりらしい。
まだ聞いてないけど、今回は1曲をのぞいて全曲トラッドみたい。わざわざCDの表に書いてある。
CDのブックレットもまだ目を通していないので正しくは未確認だけど
「リンネがいた18世紀か19世紀?頃の、彼が聞いていたであろう曲」でフォーク(民族音楽)ともクラシックとも
取れるような曲調のものらしい。
でもヴェーセン・アレンジ。聞いてみるのがとっても楽しみ。

リンネ関連行事といえば、まだ決定してないけど私も来週、弾くかもしれない。
来週はこの行事で日本から両陛下の訪問予定。
そのため日本関係者が沢山来るらしい。
詳しいことは聞いてないけど、弾く相手はもちろん「日本関係者」のほう。
第一、いまだに返事待ちということで、キャンセルの可能性もある。
最初に誘ってくれたのはカイサというエキゾチックな美人ニッケルハルパ・プレーヤー。
今回の留学中、習うことがなかったのでブログであまり触れなかったけど、すっごくすっごくウマイ。
特徴はダイナミックな演奏。
あんなに聞く人を惹き込むエネルギッシュな演奏と歌でそうそう右に出る人はいない。
ウロフの「ニッケルハルパの歴史」の授業でも"現代のプレーヤー"部門で当然名前があがった。
私としては人前で弾くことよりもカイサと一緒に弾くことの方が緊張すると思う...。

さて、話は今日に戻して。
録音タイムの後はリハをウロフとダンスの先生アンドレアスの二人に見てもらった。

まずはByss-Calleの曲から。
弾きこんでいい感じになっていたつもりだった。
でも、さっそく私達の演奏を聞いて「もっとメリハリを!」と言う。

「まるで一本調子の声で"ワクワク スル ネ"としゃべっているみたい。
もっとこんな感じ!」とウロフが一緒に弾き始めた。
空気が一変。
まるで水色の壁が突然に黄緑に変わったかのような劇的な空気の変化を感じる。
あー、同じ曲なのに。同じメロディなのに。
なんで、こんなに違って聞こえるのか!?

ともかく盛り上げられた私達の演奏もウロフの空気にもちろん一瞬で染まります。
そうか、こんな弾き方があるのか、と演奏しながら納得。
弾き終わると「そう、そんな感じでね」と。
ずっと一緒に弾いていて欲しい。

昨日、チラッと書いた「B.O.B.」のボーダの曲の出だしが分かりにくい点について、
特にウロフには私達からは何も意見は求めていない。
でも、この「B.O.B.」を聞いてもらったら、すぐに「これはちょっと・・・」と気づいたみたい。
「後半(Bメロ)の方がボーダの特徴が出ているから曲の後半から弾き始めたら?」と。
やってみるとかなりしっくりと来たので、それで決定。解決。

ちなみに地方による曲の特徴、細かな部分についてはかなり感じ方に個人差がある。
ビングシューという村の曲は16分音符の続くリズムで知られている。
ディッテは「長い音はさらに長く、短い音は短くと強調するのがビングシューっぽい」と。
ウロフは「典型的なビングシューの曲は、弓を8の字に使ってスウィングするノリだ」と。
どっちかが正しいというよりは、感じ方の問題なのでできるだけ多くの人の意見を聞いて
絶妙にオリジナル・ブレンドするのがいいでしょう。
きっと。
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通しリハ

2007-05-15 23:01:51 | 授業 その他
今日は通しでリハーサルをした。

以前はみんなピリピリしていたけど、アレンジや曲や細かい部分が決まってからは皆すっかり落ち着いている。
今はどんどん弾き込んで、雰囲気をつかんでいきながら細かいアレンジを修正していっている。

私が参加していない個別グループのものは今日のリハではじめてみた。
全体の印象としては、前回よりオリジナリティが濃い。
純粋なジャズ・ナンバー等もある。
前回もかなりなオリジナルだったけど、コンセプトがクリスマスだったので
もっと伝統的な雰囲気が強かった。
ちなみに今回のコンセプトは「夏」。

私が参加しないものの一つ、フラメンコ・クルニング(クルニングについてはこちら)。
これってどういうもの?と前から興味しんしんだった。
どうやらこれはメドレーの一部だったみたい。

まず私達ニッケルハルパコース全員で、楽器をつかって音をだす。
鍵盤部分をカチカチ叩いたり、楽器をゆさゆさ振って音を出したり。
徐々にリズム出してきたところで一人ソロでハリング(ハリングについてはこちら)を演奏しはじめ、
そのタイミングで私達は退場。

入れ替わりにダンサーが一人入り、ベリーダンスとミックスしたハリングを踊る。

そのダンサーが退場後、次はソロで弾いていた人が楽器を置くと伴奏なしで踊り始める。
これがフラメンコ。
その動きの合間、合間でクルニングを披露する。
何と表現したらいいのか...絵画でいうと抽象画のような...モダンで斬新。
いつも一緒に授業を受けている彼女の、全身で表現する真剣な姿も新鮮。

ちなみにコンサートではダンサーも演奏するし、私達(演奏側)もダンスをする。
特に彼女は演奏だけでなくダンスもちゃんとやっている人なので、フラメンコも素人っぽい動きではない。

クルニングを聞いたことがある人なら、フラメンコのポーズを決めてクルニングを発すると意外に合うのが想像できるかも。

その後、クルニングに合わせてヤギ、羊、牛の泣きマネをしながら数名登場し、ちょっと笑いをとる。
(クルニングは元は牛を呼んだりする時のものなので)
その数名でリズムを使ったラップのような言葉遊びが続く。

最後は、再びクルニングでお客さんをまるで牛かのようにfika(ティーブレイク)の部屋に誘出だし
前半の部が終了という予定。

私の関わるリハで一つ問題が。
ダーラナ地方のビングシュー(Bingsjö)、ウッシャ(Orsa)、ボーダ(Boda)の3つの村の曲のメドレー
頭文字をとって「B.O.B.」と名づけたダンスの伴奏。

ボーダの曲("Vill int' du...?")の1と2小節目が踊りにくいとダンサーが言うのだ。
「もっとこのフレーズ、こう弾いてくれない?」と。
調子にのったのか?別のダンサーも
「あと、こことここに装飾音が入ると拍が取り難いんだけど」って。
すると一緒に演奏していた一人がむっとした様子。
「ボーダの曲に合わせて踊りたいの?
それも自分達のダンスに合わせて曲を捻じ曲げたいの!?」と。
そう、これは時々問題になる。
伝統のままと思って弾くと踊りにくいといわれることがあるのだ。

ソニアに習った曲なのでもう一度確認したけど、やはり、この曲はこういうものらしい。
たとえ正確に譜面どおり弾いてもその箇所だけは踊りにくい。
その場合、伝統曲を曲げるのか、それともダンサーに妥協を求めるのか。

私の推測
この曲はタイトルからして元々、歌じゃないかと思う。
その箇所は言葉(歌詞)に合わせたリズムで、ダンスから生まれたリズムではなかったのでは??
ポルスカはダンス曲だけど、歌が先なら100%ダンスのための曲とは限らないんじゃ??
だとすると「歌詞にあわせて」以外にも、「歌やメロディとしての装飾音でそうなった」とも考えられる。

ともかく、この「B.O.B.」の結論からいうと両者歩み寄りで決着がついた。
(つまり、ダンサーに妥協してもらいつつ、私達もより正確に弾く)
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なんていう食べ物?

2007-05-14 23:20:11 | スウェーデンご飯
今20:30pm。まだ外は日本の16時くらいの明るさで青空が広がる。
外にでると鳥のさえずりも聞こえてくる。
スウェーデンで一番、日が長いのは6月1日だそう。これからの天気の変化が楽しみ。
鳥といえば、動物つながりで思い出した。
学校の裏にigelkottがいるよ!と皆が言う。絵を書いてもらうとハリネズミ?
普段かわいいのに警戒すると針のような毛を逆立てると言っていた。
これはぜひ見てみないと!

さて、昨日の話。
エスビョン宅で出てきた夕ご飯の中に不思議な物体。
学校の食事でもたまに出てくるけど、色が違ったので余計に目立つ。

「これ何?」と昨日たずねたときは「ビーンズ(豆)のような、シード(種)のような...」と
いう曖昧な返事。
意味わかんなぁーいという顔をすると1箱くれた。やった!

スウェーデン語ではlinser
写真のように赤みのあるものはröda linser
ちなみにこのwebページのものと同じ商品。

なんだろ、これ?英語では?日本語では?全く分からない。
日本で買えるのかも不明。ネットにいれても日本語のページは見つからなかった。

その時教えてくれた話では「典型的な学生の食べ物。10分ゆでるだけと、調理が簡単な上に
高たんぱく質で繊維も豊富で健康的。ベジタリアンの人も肉の代わりに食べるよ」って。

その日のレシピは、ソーセージ、パプリカ、ブロッコリー、豆(絹さや?)とこのゆでたlinserを
塩コショウ系の調味料で。
スープやサラダでもよく見る。

ちなみにこの写真よぉーく見ると箱の左上部にkravマークがついてるの分かりますか?
一言でいうと基準を満たしたオーガニック食品についているマーク。
環境、従業者の安全、加工過程と満たす基準は多岐に渡るらしい。
どんなスーパーでも、いろんな商品(ビスケットなどなど)でこのkravマークの商品が買える。
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ゴールド・ブラウンの秘密

2007-05-13 23:02:16 | 楽器製作
昨日の同窓会は朝の4時過ぎまで続いていたらしい。
休暇中なら無茶したかもしれないけど、今日もエスビョン宅へ行きたかったので私は昨夜は2時で帰った。
さて、という訳で今日も自転車にまたがった。
3回目の塗装の後、紙やすりなどで表面を整えたら再び塗装します。

今日は、もう一台作製中の楽器の塗装もやっていたので、再び一から見れて面白かった。

写真右
は塗装前のもの。
がこれから2度目を控えているもの。
中央は私の。均一な表面でなく縦の木目が部分的に鮮やかに浮き上がっているのがわかるでしょうか。
ちなみにサイドと底板は赤みのある濃いゴールド・ブラウン。

サイドや底板、表板も含めて色はいい具合に均一でない。
この色のバラつきで濃く見える所は、塗装前は逆に木の白い箇所だったそう。
塗装が薄いところは、塗装前は濃い目の色だったそう。
白っぽい部分は夏の間に成長し柔らかい(塗装を吸収する)。
濃い部分は、逆で固くあまり塗装を吸わない。
生きた木目が、本当に色鮮やかに浮き上がっている。

最初に塗った塗料の染み具合で、木目がどう浮き上がってくるかが異なる。
この2度目の塗装をするまで、どんな木目模様になるのか全く分からないのだと言っていた。
シェラックもいろんな色があるけど、単に色の違いだけではなく質まで違ってくるらしい。
なので、黄色のシェラックはエスビョンの経験のたどり着いたベストだという訳。

写真右の、塗装を控えている楽器をオーダーした人は、赤茶ではなく茶色を希望していたため、
私のより赤の配合が若干少ない。
それでも一度目の塗装は、薄い赤系の色に見える。
これに黄色のシェラックを塗ると、赤みが消えパァッと華やいだゴールド・ブラウンになった。
ちなみにこのお客さん、鍵盤部分はウロフのように黒にしてくれと言っていたらしい。
(エスビョンがウロフの楽器を作ったので)
でも、エスビョンが電話して話したのだそう。
黒はオイル・ペインティングみたいなもので塗料自体も安上がりな上に木目が見えなくなる、
もし木らしい木目をみたいなら...、と。
もちろんお客さんを説得してまで色の変更はしないけど、その人は「じゃあ、黒に近いダーク・ブラウンに」と
気をかえたらしい。

ところで写真左は、行きがけに撮った一面たんぽぽの草原。

主に塗装作業が続いたので、今日は色々な話をした。
エスビョンは、機械と人とが関わる「効率」「心理学」「品質」「マネージメント」と多岐に渡って大学で教えてきた。
今日はそのマネージングに関わる部分について。
研究職として企業で働いていたこともあるエスビョンは、ディレクターとしての立場という
自分の経験にも基づいた理論を持っている。

組織全体をよくするにはマネージャーはどうあるべきか。

とてもいい話。
熱く語ってくれる。
でも、私がマネージャー的立場で組織を動かす日はやってくるのだろうか。
疑問に思ったので「自分の家族をどう動かすかって置き換えられるよね!」
となんとも小さい話に置き換えた。

そういえば、エスビョンの作った教科書にはなぜか「マツシタ・コウノスケ」のセリフが沢山、引用してあった。

そしてFIKA(ティータイム)の話から、日本の残業天国(いや地獄か)の話になった。
スウェーデンでは法律で決められたfika休憩が午前と午後にそれぞれ15分程度ある。
「これは仕事の能率を上げるために必須の休息で、社内の交流を活発にするためのものでもある。
それに大抵、良いアイデアはリラックスしている時間に生まれるからね
とエスビョン。

日本の会社でfikaなんてない。
残業ザンマイだからそんな暇あったら早く仕事進めたいという人が多いだろう。
残業代が全額支払われないのも珍しくない。
私がそう言うと、そんなことで会社や経済が健全にまわるのが信じられないといった様子。
そのうち、ゆがみやひずみが出るのでは?と。
そうかもね。
皆とは言わないけど、少なくとも私の周りでは(日本)、家族で夜ご飯を食べられる時間に帰宅できる人はいない。
こんな環境の働き方、個人の権利を尊重する欧米ならはっきりと労働者がノーと言うでしょう。
この環境を受け入れる国民性もあるから日本では続いているのだろうけど...。
これが普通となって何十年と続いておかしな社会になっていくのかな??

色々と話ながら今日もごちそうになり、帰る前に再び塗装後の楽器を見てうっとりとため息をついた。
するとエスビョン「ちょっと待って。日が落ちかけた明かりの元で見ると赤がくっきりとでるよ。」
ぶら下がっていた楽器をつかんでフックからはずすと、大きな窓の側に行った。
赤とゴールドが絶妙に混ざり合って外からの光に輝きをいっそう増している。
「いい具合に焼けた熱々のトーストにバターをたっぷり塗ったパン」
なぜかそんな連想をしてしまった。
再び、ため息。
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塗装再び

2007-05-12 23:56:49 | 楽器製作
朝起きると、昨日の卓球の疲れか体がだるい。
でも、そんなこと言ってられないのだ!
今日も自転車をチャリチャリと、エスビョンの家まで行って来た。

写真は塗装、3回目です。
具体的に言うと、先週の塗装が一回(その一回は2度塗だったけど)。
そしてシェラックを二回ぬって、計3回目。
こうして出来た塗装の厚みの上からヤスリをかけ表面を平らにした後、もう一塗りするらしい。
今日は3回目の塗装をしたらしばし乾燥させるので、お昼をごちそうになり、
先週切った丸木の処置をした。(乾燥してヒビにならないよう接着剤を塗る)

それから、なぜかエスビョンちの庭の草むしり
「庭の手入れをいつかしないと」と言うので、これだけお世話になってるしと思い
「いつでも言って!手伝うから!」といった。
もちろん本気で。
でもまさか今やるとは思わなかった。
1時間ほど必死でむしったらコーヒーをご馳走になり、本日は終了。

今日、早めに帰ったのは、実はこの学校の同窓会の日なのだ。
同窓会といっても、みんなでご飯食べて朝まで弾く会。
私達、現役生も参加できる。

考えてみれば、私は小・中・高・大を通して同窓会に出たことない(仲良しの集まりは例外)から
スウェーデンが同窓会デビュー!?

なぜ出たことがないかって、中・高は、たまにしているらしい。
中学は卒業して近隣の町に引っ越したので一度も声がかかったことがない。
高校は第一回目を欠席して以来、二度と声がかからない。
第一、高校時代は人見知りが激しかったので友人は少なく、呼ばれたところで
仲の良かった人が行かない限り今さら顔も出しづらい。
大学は、みんなバラバラに散ったのでクラスやゼミ単位の集まりは無理だろう。

写真右は、ご飯の準備中の片隅で引き続けるセッションの様子。

同窓会だけあってみんなめちゃめちゃ上手い。
フォーク(民族音楽)を専門に勉強しただけあって、という意味で。

上手く弾くだけなら、よくいる。
でも、みんなリズムやコードや弓使いでノリをだすのが上手いのだ。
どんどん盛り上げていく!
引き続けるとアドリブ合戦に突入していきます。

延々と弾いてもう左指がぼろぼろで動かないので、一休みしてこれを書いているところ。
まだまだ踊って弾いているのが聞こえてくる。
(現在00:55AM。投稿時間は修正したものです)

もらったスケジュールでは深夜のバーベキューまで予定されている...。
初めての同窓会は、途中でギブアップかも。
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卓球

2007-05-11 23:07:46 | 授業 その他
一日リハが続きます。
今日は新たに、みんなでエンゲルスカ(2拍子のダンス曲)を歌いながら踊るというリハ。
前回に引き続き今回のコンサートも、ほとんどのダンスは自分達で振り付けた創作ものがほとんど。

昨日、ちらりと紹介したリンネ生誕300周年。
ちなみにスウェーデン人に「リンネ」と言うと通じません。
「リンネって布のこと?」と返されます。
「リネア」(アははっきりしないア)と聞こえます。

この関連イベントでヴェーセンと、この学校のダンス・コースの先生アンドレアス、
それからポルスカの歴史で授業に来てくれたマグヌス・グスタフソン(実はミュージシャンでもある)、
それにこの学校の卒業生(ダンス・コース)でショーをやるらしい(5/25)。
写真はそのビラ。
(なぜ「ショー」と呼ぶかというと単にダンス付のコンサートだから)

リンネと何の関連が?と思ったけど、聞いたところによると
リンネはポルスカ・ダンスの愛好家だったそうで、それにちなんで...。
とうか無理やりくっつけた感もある。

この学校がからんでいることもあり、職員、生徒、みんな無料!
やった!
以前、ストックホルムのヴェーセンの予約不可のコンサートに言って当然のごとくソールド・アウトと
門前払いをくって撤収したことがある。今回は入れると分かって一安心。

夜、数人でお茶を片手におしゃべりしていた。
お酒の話になり、私が持っているニッケルハルパの木箱ケースがお酒とつまみを置くテーブル代わりに
丁度いいという話をしていた。
もちろん床に座らないといけない高さだけど。
いいねー、今度みんなでパーティしないとね、と盛り上る。

するとうち、二人はお酒が弱くてグラス2杯くらいでクラクラするそう。
それで私も「そうそう、私も弱くって。顔が真っ赤になってさ」と言うと、
一瞬、静まりかえり一斉に
ヴァ?(Vad? なに?)」って私を見つめる。
へぇぇぇー!
顔が赤くなるって聞いたことすらないらしい。
お酒が弱いのに顔色変わらない人って、私にとっては「Vad?」って感じだけど。
私は自慢じゃないけど、鼻の頭と口のまわりを残して顔中真っ赤になるので、パンダのなりそこないみたいになる。

その後はみんなで卓球をしようということになった。
ルールは一切なし。壁も窓もなんでも当たってボールが跳ねる、跳ねる…。
うち一人が突然「日本人って確か卓球うまかったよね」と。
ええ?!そうだっけ?聞いたことないけど。イメージでは中国人とか上手そう。
その子は「スウェーデン人も卓球うまいよね」と続ける。
ええ!?そうなの?
なんだか分からないけど、その後は打っては走る打っては走ると、打ちながらテーブルを走って周りはじめ…
さらに騒ぎを聞きつけて二人合流し6人で走りまわった。

さらにルールはめちゃくちゃになり、左手でかえす、両手でラケットを持つなど…
最後は、誰かが「熱い!」と開けた窓めざしてみんな打ちはじめた。
ついに友人Kのスマッシュでボールが窓の外へ!

やったー!とみんなで肩を組んで「よく、やった!」と褒め称えあい、意味不明な集団だ。
テーブルを片付けた後は、みんなで「よし、ボール探し、名づけてボール・ハンティングに行こう!」と外へ。

ハンティングどころか。
ちょうど窓の真下に、ぽてっと落ちてました。
あっさり撤収。
おやすみなさい。
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たんぽぽ

2007-05-10 23:55:07 | 授業 その他
一面、白い花に覆われていると思ったら、次は気がついたらたんぽぽ。
写真の通り。いつの間に咲いたのやら。

さて、今日は午後からコンサートの準備の進み具合をディッテに見てもらった。
「午後から」というのも、大半の人が午前中の授業を休んで「植樹祭」のイベントにいってしまったから。
子供達100人がマグノリア(木?花?)を植えて一緒に踊るらしい。

学者リンネの生誕300周年の数あるイベントのうちの一つ。
(ちなみに、このリンネ関係の行事で日本から両陛下がいらっしゃる)

でも学校とは何の関係もないイベントなので集団ボイコットにでもあたるんじゃ?
もちろん、先生達も話を聞いてムッとしていたらしい。
私は、このイベントにも授業を休むことにも全く共感をおぼえず、いい子ぶった訳ではないけど行かなかった。

さて、そんな中はじまったリハ・チェック。
前回のコンサートのリハでトリオで弾いた時はウロフに「全然スウィング感がでてないよ」と言われて、グッサリと傷ついた。
今日のリハでも、結構なダメだしをもらった。
ビス・カレ(Byss-Calle 昔の有名なニッケルハルパ・プレーヤー)の曲をメドレーで弾きたいと私の提案で集まった5人。
弾いてみると、
「どうしてこの曲をメドレーにしたいのか分からない。なんで選んだの?」とディッテ。
つまり、何を表現しようとして選んだのか目的が分からないというだ。
アレンジは皆で考えたけど、曲を選んだのは私だからそう言われると凹む。凹む。
早い曲をあえてスローテンポにしたのも「早く弾けないから遅い」のか「ゆっくりなアレンジ」なのか
伝わってこないという。
イケテないのは気づいていたけど。練習すれば超えられるものだと思っていた。

私がイメージを伝えると、ディッテがアレンジとテンポに関して意見してくれた。
まぁ、ディッテの言葉を借りて言うと「ニクラスによるアレンジ病」とでもいうのか。
凝ったアレンジを習って色々とやりたくなるものの、伝統的なスタイルはもっとシンプルだという訳。
大幅、改造です。でも、結局いい感じになりそうで一安心。

夜は、vävamenuetteと名づけたナンバーのリハをダンサー達とした。
vävaは英語ではweaveという意味で「織る」とか「編む」という意味。
menuetteと呼ぶのは、使う曲が有名なクラシックのメヌエットに似ているから。
この曲、同じメロディでボンド・ポルスカ16分音符のポルスカと二通りの弾き方をして、織り交ぜる。
ダンスも創作ライン・ダンスで織り交ぜたような複雑な動きをする。
ダンサーが客席に向かって列になって終わるので、この曲がエンディングを飾る予定。

今日はじめてダンサーと合同で練習をしてみたけど、とってもいい感じ。
ボンド・ポルスカには「ィヤッホゥー!イェーイ!」という強いノリがある。
このノリがいい感じで出せていて、リハでもかなりみんなテンションが上がった。
どうやら私達、ボンド・ポルスカが上手いらしい。
プーマが特別講師で来ていたときも、学校のオフィスでそう話していたそう。
演奏が上手いという意味ではく「皆が同じイメージを共有して一体となっている」ということだろうと思う。
皆で弾いていると本当にそんな感じがするのだ。

今日も一日、疲れた!
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ウロフの新作CD

2007-05-09 23:14:10 | おススメCD~Swedish folk
今朝はディッテの演奏の授業。
午後からはウロフも合流し、ディッテと二人で音楽業界についてのレクチャー。

まずはSTIMというスウェーデンの著作権取扱い団体の説明から。
作曲、アレンジ、作詞など、分単位で支払われるらしい。
支払うのは、イベント・アレンジした人。ミュージシャンではない。
でも、ラジオの教育チャンネルP4は例外。ここで放送されても支払われない。
ちなみに、たとえ収益のあるコンサートを開催しても私達のような学生も特例で支払わずに弾ける。
アメリカとの著作権の扱いで大きな違いは、権利を会社でも人でも譲渡(売買)することができないらしい。
ポール・マッカートニーがマイケル・ジャクソンに売った曲の話を例に挙げていた。
日本の場合は知らないけど、レコード会社のものになるのかな??
そして、死後70年、この権利は守られます。だから1800年代の作曲なら問題なし(もちろんスウェーデンの話)

そしてディッテの説明に、ウロフが海外ツアーやCDリリースの経験を踏まえて、
agent業(マネージャーとでも言うのか)や、レコード会社、CDリリースにかかる費用、税金(ミュージシャンは払わなくていよい)、
PRの重要性や方法、職業としてのミュージシャンの面白さ、などなど多岐に渡ってお話がつづいた。

私は今日は胃の調子が悪く、吐き気と寒気でたまったもんじゃなかった。
でも授業中、上の空の私の目の前につまれたCDの山が気になってしかたない。
授業が終わるとさっそく「これ、売る用?」とウロフに聞いた。
「そうそう。昨日、リリースした僕の新作CD。特別価格で売るよ!」と言う。
そりゃ、買わないとね!
お金を渡すと、ウロフ、商店街のおじちゃんみたいな
「アリガトーゴザイマシター!」って。
「イラッシャイマセー!」も上手い。
あの一本調子の、音程の独特な商売人っぽい言い方そのまま。

I lust och glöd

トラッド度合 ★★★
アレンジ度合 ★☆☆

ウロフ(Olov Johansson)は、日本ではヴェーセン(Väsen)というバンドで何度も来日(今年の秋も)ライブをしていて、
アメリカを筆頭に世界的人気。
ヴェーセンはオリジナル曲中心。エッジの効いたリズムにかっこいいアレンジ。
でも、このウロフのソロCDは、オリジナル曲が含まれるもののトラッド路線まっしぐら。
メインはウップランド地方を扱っている。
なのでヴェーセンのイメージで聞くと、違いにびっくりする人がいるかも。

聞いてみてびっくりした。
正直言って、ウロフ参加のCDの中で一番いい!
トラッド路線だとか、オリジナル曲だとか、そんなことは関係ない。
シンプルなアレンジに、美しいメロディがひきたち、ゲストも含め楽器の音色の美しさが際立っている。
ヴェーセンで同じみ、刻むリズムでぐいぐい引っ張る様子は、ウロフのソロの演奏の中にもしっかりと活きている。
学校にも何度か連れてきたクルクル赤毛の末っ子のために作ったワルツも収録されていた。

楽器は
ハッセ・イッレ(このブログにも登場した)作のコントラバス・ハルパ
エスビョン・ホグマーク作(私が今、一緒に製作中の人)のニッケルハルパ
ウッレ・プラン作(私の現在の楽器の製作者)のオクターブハルパ(ブログでは通称ホルゲルとして何度も登場)
それと、バイオリンも数曲弾いている。

ゲストとして
ヴェーセンのミカエル・マリーン、ダーラナ地方はマールンの凄腕フィドラーのカッレ・アルムロフ、ニッケルハルパ・オーケストラで
おなじみ(特別授業で来た)マルクス・スヴェンソンなどだ。
カッレとの組み合わせは意外だと思ったけど、この学校で以前一緒にコンサートしたのがきっかけだったみたい。

マルクスは、後から知ったのだけどフォークミュージックのジャンルでスウェーデン初の修士号取得ミュージシャンらしい。
ラーナリムのニクラスもそうだけど、このマルクスも、元はウロフの生徒だったそう。
(え?私もある意味、ウロフの生徒じゃないかって?
いやいや。ありえないから安心してください。
え?誰も何も聞いてないって?あそりゃ、シツレイシマシター!)

************************
★の意味

独断と偏見でどちらの色が濃いか、★を使って3段階表示しました。

トラッド度合
素晴らしいテクニックや、マニアックな曲など、伝統的な特徴を聞きたい人などにはたまらないですが、
トラッド色が濃くなると興味のない人には退屈かもしれません。

アレンジ度合
アーティストとしてアレンジもカッコよく、独自の作品を作り上げています。
本来のトラッドの姿からは結果、遠くなります。
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ヨーロッパで共通のメロディ

2007-05-08 23:57:08 | 授業 その他
そういえば、こないだスウェーデンの掛け算のことで驚いた。
日本では九九算と呼ぶ。つまり「×9」までしか覚えない。
スウェーデンでは「×12」まで覚えるのだ。
当然ながら「12×1, 2, 3,…」もある。
一体、ど、どうやって?!と尋ねると「今日は3の掛け算」というように
音読するだけだという。
語呂がどうなのか知らないけど、普通に日本の九九算の教え方と同じだ。
苦労なく子供の頃に仕込まれていたら、暗算のとき便利だろうな。

さて、今日はスモーランドのarkivetから特別講師を迎えて授業。
以前「ポルスカの歴史」の授業をしてくれたマグヌス・グスタフソンが再びやってきたのだ。
なんと朝の飛行機がとれなかったという信じられない都合により昼からのレクチャー。

午前は急遽コンサートのリハをすることになった。
20分きざみの細かいスケジュールに沿って練習。
一曲、友人のアレンジした曲で弾きにくい箇所があったので、ごまかしていいか?とアレンジした本人に聞くとOKがでた。
なので同じパートを弾く別の友人に教えてあげた。
すると、怒鳴られた。
び、びっくり!
落ち着いた雰囲気の彼女はいつも私を助けてくれて優しい。
ところが「自分だけ違う弾き方して、私に教えもせず、どういうつもり!?」と。
「いや、だから今、話してるでしょ。第一、今、提案したとこなんだけど」と言っても
顔中、真っ赤にして「私の何が悪いのか言ってごらんなさいよ!」
と、さらに激怒し意味不明。
私も内心腹が立ったけど、とりあえず「ごめん」と言った。
でも、口と気持ちは正反対なので、とっても怒った「ごめん」になった。
ともかく、黙ってくれたので「ここをこう弾いたら簡単になるけど?」と提案。
練習が始まると、隣で鼻をすする音がやまない。
みんなのぴりぴり度、相当、来てるみたい。

次の次の週末にはコンサートがスタート。
トボ、翌日ストックホルム、週末明けにウプサラ、それから最後に再びトボ、という予定。
フラメンコ・クルニングやタンゴ・ポルスカなど、今回も伝統をベースに創作、オリジナル色の強いショーをやる。

さて、そんな中、午後からマグヌスがやってきた。
今日は「vocal music」つまり歌について。

インドヨーロッパ・メロディと呼ばれる、世界中の広範囲で見られる共通のメロディを聞いた。
インド・ヨーロッパ諸国を初め、アジアではモンゴルでも見つかっているそう。
どこかの中心から各地に広まったのか。興味深い。

他にもフェロー諸島に伝わる歌(島で隔離された状況のため、北欧の伝統的な歌の特徴がはっきりしと
伝統として残っているらしい。

それから中世バラード(Ballad)についてなど。
今日は、お昼から来たせいかものすごいスピードで飛ばした授業だった。
マグヌスは資料として自分で編集したCDを4枚も持ってきていたのに、1枚分しか使わなかった。
資料もコピーする暇なく終わったので、帰ってからメールで送ると言って去っていった。
なんともあわただしい。

そうだ、もう一つ、面白い話を聞いた。
dryckvisor、ドリンキング・ソング、つまりお酒を飲むときの歌。
これはノルウェイやデンマークにもなく、スウェーデンにしかないらしい!
ビール・ソングやワイン・ソングが、ごくまれに他のヨーロッパ諸国でもあるけど、
すごく短いらしい。
スウェーデンのドリンキング・ソングは曲としての長さがあり、また外国から来たメロディではなく
スウェーデンで発生し、スウェーデンで発達した独自の歌なのだと言っていた。
そんな酒飲みな国じゃないのにね。
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鉄道の切符

2007-05-07 23:41:54 | スウェーデンのこと...
今日は授業の後、移民局に行ってきた。
(5月4日にe-mailで許可がおりたため)
スウェーデン全土の取り扱いオフィスから選んでどれでも行っていいみたい。
なので、ウプサラのオフィスへ。駅から徒歩15~20分。
新しいステッカーをもらって完了!

さて、話は変わってSJと呼ばれる鉄道。(名前の似たSLは別の交通機関なので注意)
日本のJRのようなものだ。
私は普段はローカル電車を乗り継ぐばかりで、遠出のときしかSJは利用しないけど、
旅行予定の方への参考情報として。
(SJ以外の交通機関も含めた時刻表は以前も紹介したTAGPLUSで検索できる)

写真の機械はSJの駅にあり、窓口に並ばなくても切符が買える(カードで)。
言語は英語を選択できる。
ところで、この機械。シンプル&ミニマムないかにも北欧らしいデザインだなぁと見るたびに思う。

もっと便利なことは、SJのホームページ(英語)で、予約と支払い(カード)を済ませ、
当日この機械にネットで購入したときにもらう番号を入力すると、チケットが印刷され
簡単に受け取ることができる。

メリットは機械なので早く受け取れることと、事前購入のほうが当日買うより安いこと。
または条件(時間やクラス)を変え、複数の価格帯から選べる。
(学生料金、その他、区分による割引は検索前に選択すること!)
好みの車両(静か、とか)もゆっくり考えて選ぶことができる。
記憶が定かでないけど、例えば以前、ウプサラ-ボーレンゲ間を検索したとき(学生料金)、
時間とクラスによって確か99kr~350krの価格帯が出てきた。
そのときは、時間の悪い、セカンド・クラス、座席指定で99krを購入した。

さてこのSJ、乗ると時々戸惑うことがある。
自由席(open)で買った人は、空いた席にすわれる。
その座席を予約した人が後からやってくる場合もあり、その時は別の空席へ移動しないといけない。
逆に、座席指定したのに自分の席に自由席客が座っていることがある。
その時は、自分が予約した席だからどいてくれと言わないといけない。
ちょっとだけ面倒。
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楽器の色づけ

2007-05-06 23:32:34 | 楽器製作
今日は楽器本体に色をつけます。
スウェーデン語では"betsa"(動詞)と言うらしい。
ペイントやカラーリングとは違うらしく、水でといた色を木の表面に塗ることらしく、
英語で何と言うか分からないと言っていた。

実は、お昼に私達はミニコンサートをしたので夕方からエスビョン宅へ行った。
政府団体(akademiと言っていた)が、貸切バスでウップランド地方を観光していて、
その観光先の一つがこの学校だったのだ。
スウェーデン固有の伝統楽器、かつウップランド地方にしかない楽器(歴史的に)。
なので、観光の一つにこの学校と私達のパフォーマンスが含まれたようだ。
もちろん有料。金額は私達(学生)で決めた。

曲とアレンジを金曜にバタバタ決め、今朝リハーサルをして15時本番。
このほどよい緊張感と終わった後の開放感は毎回、楽しいしとても気持ちいい。
終わると、ここToboで唯一の売店(ガソリンスタンドに併設)にアイスクリームを買いに行こう!
みんな盛り上っていたのに残念。
今日は塗装する約束だったので楽しそうな皆を横目に自転車で飛び出した。

行くと、今日もお客さんが来ていた。
今日の人はノルウェイ在住スウェーデン人で車でノルウェイから来たそう。
これから数日間、私達の学校の部屋を借りて練習をするらしい。
この人はオーケストラ所属のプロのクラシック・バイオリニスト。
オーケストラのコンサートで2005年に、東京・新潟・大阪とまわったことがあるらしい。

今日はちょっとタイミングが悪いみたい。
ブログに書いてなくてもほぼ毎回いろんなお客さんが来る。
でも特に有名人だと、私は二の次でお客さんの接待(おもてなし?)中心になるのだ。
もちろん、そんなの当然だ。
でも今日は遅くから行き、何もしないまま夕食をごちそうになった。
ひょっとして今日の作業は無理かなぁと思っていたのだ。

その人は趣味でニッケルハルパも弾く(といってもリクスペルマン)。
エリック・サルストレム作の楽器を持ってきていた。
随分と古いので修理をして欲しいらしい。

でもその前にと、私の楽器の塗装をすることになった。よかった!

まずは、写真左
手前に写っているボトルはこげ茶。奥のmahoganyとラベルのあるボトルは赤茶。
この二つを試し塗りして色をみながらブレンド。
手前の皿は水がく薄め。薄い色は表板用。
奥は同じ色で濃い目。濃い色はサイド(横)と裏板。

そう、エスビョンの楽器は薄い色と濃い色の2色使いなのだ。
今は随分と赤茶色に見える。(写真に撮るとなぜか違う色に見える)
でも、この後、黄色のシェラックを塗る予定で、そうすると赤みは随分と消え
特に色の薄い表板がゴールド・ブラウンになるらしい。

この塗装、あっという間に終わったけど、非常に経験と勘がいる作業なのだと言っていた。
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楽器の装飾

2007-05-05 23:36:12 | 楽器製作
最近、23時頃暗くなって星が出ていても、北の低い空がぼんやりと明るい。
「向こうの街にサッカー場があっての明かりとか?」と聞いたけど、違うらしい。
これは太陽の光なんだって!
本当に遠くの街の光のように地平線のかなただけが明るいのだ。
とっても変な感じ。

さて、今日はエスビョンちに着くなり、車に乗り込んだ。

車の中では、私の初病院体験の話題になった(昨日の記事)。
「無事に済んでよかったね。そういえば昨日テレビを見ていたら、冬眠から目覚めたクマの特集してたよ。
冬の間、トイレしなかったクマは目覚めるとお腹を活発にするために10mはある木に登ってはおり、
登ってはおりしていて、いやぁ、面白い。そのテレビを見ていて、I was thinking of you(君のこと思い出したよ)」
いや、私は便秘のクマと違うから。

そうそう、ふと見ると車の後ろに何かついてる。(写真1)
これからオステルビブルックというすぐそばの村へ木を取りにいくのだ。
木は事前にエスビョンが選んだもの(帰りには生えていた切り株のある場所に連れて行ってくれた)。

木目は細かく詰って、真っ直ぐのものがいい。
行くと、丸太を輪切りにした状態で置いていた。朝も来て作業していたらしい。
写真2の左に写っている大きなマシーンで輪切りにする。
サイズを測り、105cmずつにさらにカット。この一塊で楽器一台分。
カットすると一つ70~80kgある木の塊をひょいっと持ち上げ次々荷台に積んでいく。
さすがにここは私じゃ何の手伝いもできない。(写真3)

こういう木の買い方は普通の職人さんはしない。
第一、大量の木をこれから十年も寝かせるスペース、誰もがあるとは限らない。
普通の職人さんは、エスビョンから買うか、材木会社から買って取り寄せる。
ニッケルハルパはウップランド地方の伝統なのでこのオステルビブルックの木を使うというこだわりがある。
エスビョンはヴェルムランド地方の木も買うが、それも自分で見に行って選んだものを持って帰るやり方。
丸木の状態からのプロセスを人に見せたのは初めてだ、とエスビョン。
それは光栄!

家へ戻り、軽くfika(ティーブレイク)をすると、さっそく楽器の作業に。
まず焼きゴテと呼ぶのか?飾りを表面につけていく。
8mmずつ全て図って印をつけてから慎重に。(写真3、4)

キーボックス(鍵盤部分)は、表板のカーブにあわせ高さや形を整えると、
同様に装飾やカットを入れていく。

それを横目に私は仕上げの紙やすり(220と280)をガシガシかける。
「紙やすりかけても傷がなかなか消えない」と私が言うと、エスビョンは手にとり
「これで十分。プラスチックじゃないんだからこの位が丁度いい」と。
ふうん、なるほど。

そして、全体に水を吸わせる。
これをやると細かな傷などが消えるのだ。
「少々の傷を消す必要があるとは思ってないけどね」と言いながら。

「バイオリンでもやる?」と尋ねた。
すると、バイオリンはシェラックに十分な水分と色を持たせていて、
色付けとこの水分の両方を兼ねるのだと教えてくれた。
「でも、バイオリンと同じプロセスをする必要はない。このやり方でバイオリンの塗装は表面が均一で
プラスチックみたいになって面白みがなくなる。
色は色として別に塗ると奥に染み込む箇所があったり均一な仕上がりにならず、
そうやって木目が生きるんだ」とエスビョン。
ニッケルハルパは、ウッド・クラフト(木工芸品)的な要素が良いのだと。

私の好みでいってもそうだ。
ピカピカのバイオリンよりはオールド・フィニッシュ(傷や塗装などわざと古く見せる)のほうが好きだし。
均一でないほうが木目は美しいと思う。
言ってみれば、エスビョン流のニッケルハルパの仕上げは、自然体のオールド・フィニッシュとでも呼べる。

明日は色を塗ります。
どんな色にするかちょっとだけ考えて(写真6)今日は終わり。
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滞在許可の延長手続き

2007-05-04 23:15:01 | スウェーデン生活
移民局からe-mailがきた。
1ヶ月ほど前、滞在許可(ビザ、またはResidence Permit)の延長手続きをしている話を書いた。
その返事が来たのだ。(延長は2週間だけ)
東京のスウェーデン大使館のサイトに、延長申請のみ移民局のHP上で行えるという説明あり。

まず必要書類を用意。
:理由(校長先生に手紙を書いてもらった)、:成績表(無かったので、学校終了時に発行する
という手紙を書いてもらった)、:経済状況(郵貯の英文預金証明書を日本より送ってもらった)、
:パスポート(郵送の場合はコピー)
(申請料金は基本的に有料だが、日本人は無料)

スウェーデン移民局のHPelectronic formsから延長の申し込み開始。
入力内容も書式も最初の申請時とほぼ変わりなし。
送信すると受付番号が表示される。
必要書類は、郵送(郵送先はどこを見ても書いてない!)か、スキャナーにとりこみネットで送ることができる。
ネットで送る場合はその場でも後ほどでもOK。メールの添付ファイルの要領に似ていた。

さて今朝。
子供達がたくさんやってきた。オルビヒュスの小学生達20人。
「スウェーデン語で話さないと、子供が怖がるかも」と友人E。
「私だって、スウェーデン語しか分からない子供、怖いんだけど」と、もちろん私。
米国人Jは元教師なので「べっつにー」という様子。
とりあえず遠巻きに様子を見ることにした。

まずはニッケルハルパ体験。積極的に触りたがる子、誘っても来ない子など様々。
その後は、ダンサー達を交え、ポルケットでロングダンスを踊った。
ロングダンスはもちろんロングダンスの曲で踊るものだけど、軽快な弾むポルケットでやるのも楽しい。

その後は分刻みでコンサートのリハ。
でも私は今日、薬局に行かないといけなかったのでリハを一つ欠席した。
「そんなこと認めない」という気迫で迫られたけど「コンサートより大事だし、
そう言うならコンサートでない」と言い返すと顔色を変えて立ち去った。
さらに怒らせたようだ。怒るようなことではないはずだ。
みんな時期的にぴりぴりしているのだ。

そうそう、なぜ薬局へ行ったかというと、一昨日、ニクラスの授業の後、病院へ行ったのだ。
実は、なんと生まれて初めて「痔」を経験。
病気じゃないんだから日本へ持ち越そう!と頑張ったけど、3ヶ月ほど痛みと出血が続き、
薬を2ヶ月塗り続けたら「病院」という2文字が脳裏を横切る。

ネットで検索すると「ひどいと肛門が脱落」というホラー映画のようなことが書いてある。
「そこから癌」みたいな説明も他のサイトにあり、点滴を打たれながら医者付きで日本に帰国する図が浮かんでは消える。
日本にいる友人知人に相談すると大体笑われるけど、笑ってる場合ではないのだ!
さらにHPでサーチすると「日本人の3人に1人が痔」。
さては笑ってるヤツラ、隠しているに違いない。
「痔の患者の13%は手術が必要」ともある。

仕方ない。エスビョン夫婦に話してみた。
すると身内に医者や薬剤師が何人もいてすぐに電話で聞いてくれたのだ。

電話を終えると「まずは医者に行け」と。
はぁー、やっぱり。海外で病院というだけでも勝手が分からなくて嫌なのに。
相手が日本人の医者でもためらうような箇所をスウェーデン人の医者に披露するなんて。
これは日本人として屈辱ではないか!
「その人、教会の洗礼式(先週土曜)に来てたから、その前に言ってくれたら診てもらえたのに」とエスビョン。
いや、教会で見せるものでは...。
エスビョンは「これで立派なスウェーデン人になれる」と肩をつかんで言う。
そんなもん、ならんでええわ!

痔になる心当りは、全くない。何の変化も前兆もなかった。
おそらく食事の変化(脂肪が多い)よりも、気候(激ドライ)ではないかと思う。
皮膚科に行くこともあるくらい敏感肌の私は、こっちにきてヒドイ状態。

「電話で水をたくさん飲めと言っていた」とエスビョン。
見るとその日は私だけやたらデカいグラスが置いてある。
飲むと「もっと飲め」と水を注がれ、お腹はちゃぷんちゃぷん。

さっそくエスビョンのホームドクターのいる病院へ予約の電話。
ここではエスビョンからアドバイスをもらっていた。
「痛くてつらい。今すぐなんとかしてくれ。救急窓口に行きたい」と大げさに訴えろ
というのだ。でないとスウェーデンでは予約だけで1週間かかるらしいのだ。
演技派でない私は、電話で症状を聞かれたので(これまた屈辱的だと思いながら)素直に説明。
たどたどしい英語で説明する外国人を不憫に思ったのかもしれない。
夜21時までやっている救急窓口に今日来ていいと言う。

さっそく留学保険(このサイトより三井住友に加入した)に電話をした。
事情でフリーダイヤルにかけられず、深夜の東京03に電話するしかなかった。
病院に行きたいと訴える私に保険会社の人は鬼気迫る緊張感を持って応対してくれた。
そして、おなじみのセリフ「で、どのような症状でしょうか!!
何度、口にしても屈辱的である。

病院へ着くとまずは受付へ。
エスビョンがくれたメールの通り、ドアの左のボタンを押した。
ブザーがなり中へ入ると、最初の手続きをする。
そしてスウェーデンの市民権がない人は1460krをここで払う
初診は診るだけだから料金が一律で前払いなのかな?

私の保険は急すぎてキャッシュレス対応が間に合わず、ひとまず自費で。
3時間も待ち22時になろうとした頃、やっと名前を呼ばれた。

そして広い部屋に通され看護士さんと症状を再び話した後、しばしお医者さんの登場を待つ。
やってきたお医者さんはいかつい顔をした人だった。
私に握手の手を差し伸べたときだけ不似合いな笑顔をニカっと見せてくれた。
でも、怖い顔がちょうどいい。
愛想のいい医者に痔なんて診てほしくない。
この一日、何度も何度も繰り返した症状を再び説明。(注:病院でのやりとりは全て英語)
すると何やら器具を山ほどのせたワゴンを押して看護師が入ってきた。
「じゃあ、脱いで」
カーテンも何もなくお医者さんと看護士さんの目の前で脱ぐというのは日本ではないだろう。
痛くないからね」そうお医者さんが言うと、看護士さんがさっとかけより私の両手を握った。
こ、これって痛いっていう意味じゃ?

ともかく、想像していた屈辱的な体勢もとることなく、
「Okay, あなたは痔です。」と改めて宣告を受けると
極めてスマートに診察は終わった。

終電は行ってしまったので、タクシーの番号を尋ねると手配までしてくれた。
提携しているようで料金も安く一定。
看護士さんが学校まで戻るタクシー料金を先に教えてくれた。

その夜、リハをドタキャンした私を心配そうに待っていた友人達には
アレルギーで薬をもらいに病院に行った
とまことしやかな話をした。実際アレルギー持ちだからリアルに言える。
この話を学校中の友人と分かち合いたいと思わないし。

とまぁ、タイトルと随分かけ離れた話になりましたが、スウェーデンに、冬、長期滞在する方、
お気をつけ下さいませ。
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サウンドテクニック

2007-05-03 23:55:19 | 授業 その他
今日はウロフによるPA(ljudteknik 音響技術?)についての授業。

まずは「音とは…」や「周波数」についてなどベーシックな説明から。(写真1)

そしてマイクの種類について。
それぞれの長所短所、向いている楽器などの説明。
学校にあるものと、ウロフ持参のマイクでかなりの種類だ。

レコーディングで使用するもの(Bandmikrofon)、近づけないと音が拾えないもの(Dynamisk mikrofon)、
楽器に接触するタイプ(Kontaktmikrofon)、ピンマイク(Myggor)、音を良くひろうコンデサーマイク
(Kondensatormikrofon)、前方中心の音をひろうタイプや全体を拾うタイプなどなど...。

その後はmixer(写真2)の使い方を一通り習い実践編

ニッケルハルパは一つずつ、響きすぎる音があるなど特徴がある。
まずは、この特徴をmixerを使って、均一な音に調整してみる。
そんなことができるとは。ど素人すぎて知らなかった。
今までマイクテストの時とか、なんとなく恥かしくて適当に弾いていただけなのに。
(そういえば、話は脱線。
私が何かのイベントで弾いたとき、音響チェックが入った。
私が弾き始めると同時にサウンド・エンジニアさんがびっくり。
ニッケルハルパは共鳴弦が12本もありエコーのような響きがある。
そんな楽器きいたこともなく、初め、機械が壊れたと思ったらしい...)

写真3と写真5は2種のピンマイク。
写真3「マイクありでもなしでも音が変わらない。音量の変化だけって感じ」と皆の感想。
写真5「実際の音よりきれいに聞こえる。長所を大きくしたみたい」と。ふむふむ。
これはマイクの種類というより、メーカーの差かも。

写真4は、2種のマイクで実験。コンデンサー・タイプのほうが音がきれい。
また、二つ同時に使用するともっといい感じになった。
けど、このスタンドマイクは演奏中あまり動きに自由がない。

写真6は、ブリッジの裏、本体にのせるタイプ。音はイマイチ。

最後は、ながーいコードのしまい方を習っておしまい。
半分にして半分にして…と簡単なことでも一度は聞いておかないと適当にやってしまう。

そういえば、BootのコンサートやFrifotのコンサートでも、自ら機材の後片付けをしていたなぁ。

自前の機材(マイクなど)を使う人もいれば、有名だと専属のサウンド・エンジニアがいたりする。
(そうでなければ音響会社に丸ごと依頼)

ということで今日の授業は、いつの日か自分でやることがあるかも?という時のための
基礎知識についてのお勉強でした。
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ニクラス、さようなら

2007-05-02 23:29:01 | 授業 その他
今日はニクラスによるアレンジ・レッスン最終日。
最後は自分でアレンジした曲(4編成)を発表。
以前から書いているように、この練習、精神的にしんどかった。

また最後とあってか、すごく長いアレンジをみんなは考えてたのだ。
ある人はA4で12枚。譜面台にならべられませーん!
まあ、これは多すぎるけど、A4で6枚とかも結構いた。

今回、友人Sがアレンジした曲はすごく難しい。
アレンジが、というより曲が。
この曲、別の友人Lが作曲した。
以前、ウロフの授業で「2拍子のショティシュを作る」という宿題が出た。
その時に、友人Lは一生懸命かんがえたのだ。とってもイケてるメロディを。
でも、宿題発表で弾いてみると「あらら、何拍子?」とウロフ。
本人「わかんない。」
で、ウロフが譜面にしてみると、7拍子と8拍子と5拍子と6拍子がめちゃめちゃに
混ざっている。
でも本人は「気に入ったメロディだからどこも変えたくない!」と言う。

なので、7拍子を必死に取って弾いていると、すぐ6拍子のワンフレーズ。
で、次は8拍子とめまぐるしくって、メロディ以外のパートを弾くと超難関曲!
カウントとれませーん。

話は戻して、発表後。
ニッケルハルパと他の楽器と組み合わせた場合のアレンジについて。
自分のCDを持参して、かけながら説明。(Ranarim1Ranarim2ウリカのCD)
「なんで自分のCDばっかり持ってきたかって、これなら、まさにここでこう弾くって
完璧に説明できるもんね」とニクラス。
CDかけながら自分のパートさらに生演奏してくれたので、分かりやすい。
ここはこういうのを強調したとか、曲の構成とかアレンジした本人から聞くと、
聞きなれたあの曲も違って聞こえる。

その後さらに、ニクラス作曲のHallingを使って全員ありったけの楽器を持ち寄りアレンジを一緒につめて終了。
今日はニクラスによるアレンジで一つずつ進めていった。
ニクラス流のスタンダードなやり方を実体験してオシマイ。

最後は私達から感謝のカードを渡した。
これには、ニクラスの授業中の数々の迷言?も書き記している。
本人のために言うと、迷言というよりもリアクションがオーバーで面白いのだ。

一つだけ紹介。
ニクラス:(弾いて見せながら)このコードは悪い例。このコードはもっと悪い例。そしてこれは...
友人K:一つだけ良い例を説明すれば十分じゃないの?
ニクラス(しばし固まった後、ため息)
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