スウェーデン音楽留学サバイバル日記 ~ニッケルハルパ(nyckelharpa)を学ぶ

スウェーデンの民族楽器ニッケルハルパを学ぶため留学。日々の生活を様々な視点からレポートします。

ショティシュ・バトル。なんちゃって。

2006-12-12 23:54:35 | 授業 その他
今日は音楽理論の授業以外は全てリハーサル。
ちなみに、こちらはニクラスの実践的なアレンジ・クラスと違って、卓上のお勉強と譜面を使ったアンサンブル(演奏)。
KMH(王立音楽院とでも訳すのかな。スウェーデン最高峰の音大)の模擬試験も希望者は受けたられたり、授業内容はそういった固いもの。

そして、一つ私の参加しないダンスのリハを見て感心。おもしろかった。
部屋は中央を囲んで4つに分けているので、正面と客席3面となっている。
通路もドアも4つ。
短調で暗いTraraのメロディにあわせ(歌詞はなく♪Trara・・・と3人が歌う)その4つのドアと通路を使い
-一人で入ってきてゆっくり歩き、そのまま反対側のドアから出て行く
-数人並んで入ってきてアップテンポで歩き、そのまま反対のドアから出て行く
-違うテンポの歩きで二人入ってきて…以下、同様。
入ってくるタイミングも人数も、使うドアもあっちからこっちからと、ランダム。
-たまに中央で交差した二人がポルスカターンをし、そのまま分かれ各々反対側のドアから出て行く
-一人で入ってきた長い布をまとった男性が中央で一人でターンをし、再び歩きだしドアから出て行く
複雑に計算されたこの動き。静かに歩く姿は単に歩くのではない。地に根をおろしたような、美しく踊るようなステップで歩き(軽やかモデルウォークと違う)、目は一点を見つめターンは一種のトランス状態のよう。
見ている人にはすごく原始的、太古の儀式の一部を垣間見たかのような印象を与える。
昨日も書いたけどやっぱり不思議。何がベースになってこういうのが思いつくんでしょ。

さてさて、私の出番
今日はショティシュ・ワールドチャンピョンの初台本読み合わせ。
これについては以前も触れたけど、コンサートで、ショティシュというスウェーデンのフォークダンスをワールドチャンピョン決勝戦に見立てて2カップルが踊るのだ。コメンテーターは、国際試合ということでスウェーデン語、英語(米国人)、日本語(私)。なぜかお互いがお互いの母国語で会話しあうというなんとも不思議な設定。

私には「スウェーデンのスシ(寿司)はまずい」とか「ウィリアム・シェイクスピア」、「エンヤは最低」(本心じゃないです)など、カタカナをやたら言わせる台本。「日本語は分からないけど、何について言っているかたまに分かる」という風にしたいらしい。
でも、実はこれ。英語圏の国じゃ無理。例えば、アメリカ人に「マクドナルド」とカタカナ読みで言うと通じないけど、スウェーデン人には普通に通じる。これまた言語的共通点。

読み合わせの後は、ダンサーを交え実際の部屋へ移動。

いつもskype電話で使用しているマイク付ヘッドセットを装着してコメンテーターらしくスタンバイ。そしてダンサーを見てびっくり!ものすごい格好をしていた。
ダンサーの中にはダンスコース以外にも演奏コースからもいて、そのクラスメートの後ろ姿、本人のOKが出たので写真掲載。なんとTシャツとスパッツの上から競泳水着!
対戦側も負けてません。赤のテカテカ光るホットパンツの下に黒タイツ、白のランニングシャツに頭には7色ヘアーバンドとこれまた凝ったダサダサ・ルックで笑える!

一組はノルウェイ代表、一組はカナダ代表という設定で、ちゃーんとコーチもついています。もちろん審判も。伴奏はフルート一本。

テレビCM中(という設定)のウォーミング・アップから。コーチが「違う。この動きはこうだろ」などとダンサーと最終確認。私たちコメンテーターはその間、髪を整えたり携帯電話したり。
そして審判の入場を合図にキューサインが入り「ショティシュ・ワールドチャンピョンシップ2006にようこそ!」。
審判がコインを投げ、先行(先攻?)チームを決定。
踊りは完全な創作。ショティシュの典型的な構成は「前半は前進、後半はターン」この「前進」部分で、白鳥ジャンプ、ディスコ、雪かき、スピードスケート、ゴラムの真似など実にクリエイティブな動きを見せてくれる。
そこに私たちの「この動きは2004年パリ大会でも見せた余裕のジャンプですねー」などそれらしいコメントが入る。
そしてその後、ハプニングが起き…。さて優勝は果たしてどっち!?
(ネタばらしはこの辺で。リクエストあればコンサート終了後に結末に触れることに)
最後に「来年のシンガポール大会でお会いしましょう!」で締めくくり。

やってみた感想は…、台本の読み合わせの時と違い、ダンスのスピードと変化に合わせて私たちのセリフを載せていくので、タイミングがえらく難しい。書いてあることの半分しか言えないくらいの速度で進行する。通しで4、5回やってなんとかつかんだけど、台本が大幅変更の予定。

で、寮に戻ってくるとルッセカッテル(サフラン入りパン)を作っていた!
その話はまた明日。
今日はこの辺でおやすみなさい。
コメント
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