スウェーデン音楽留学サバイバル日記 ~ニッケルハルパ(nyckelharpa)を学ぶ

スウェーデンの民族楽器ニッケルハルパを学ぶため留学。日々の生活を様々な視点からレポートします。

スウェーデン民族音楽の特徴

2006-09-28 23:53:15 | 授業 楽器
今日はディッテの授業。(ディッテは瑞・英のバイリンガルクラスをしてくれるので助かる)

今日は細かいことではあるけれどとても興味深い話が二つあった。

(演奏をしない人には超マニアックな話。)

一つはショティシュ(schottis)のリズムについて。
ディッテの授業ではいつも、ソロで弾く練習ということで毎回二人、弾かないといけない。今日はそのうちの一人がアメリカ人のクラスメートの番。タイトルは知らないけれどと断ってショティシュを弾いた。すると、ディッテが、「そのリズムだと、ショティシュじゃないと思う。それか誰かが作った曲では?」とのこと。そのショティシュは確かにショティシュっぽいけど、付点があって跳ねるリズム。
これはガンマルダンス(gammel dans)という、スウェーデンのフォークミュージック(民族音楽)ともフォークダンスとも別の流れを組むものなんだって。てっきりガンマルダンスはフォークの一つかと思ってた。そして、ずっと昔、”はねすぎないでね”というアドバイスを、習い始めの頃聞いたことをふと思い出した。なるほどねー。このショティシュっぽいタイプの曲は”schottis i turer”というそう。
(ショティシュの場合、譜面どおり全くはねずに弾くという意味ではありません。その辺は耳で覚えないといけない微妙なニュアンス)
そして、ノルウェイ版ショティシュ(正確に言えばショティシュではないけど)のリズムも習う。同じ2拍子でもこんなに印象が違うんだねぇ。

もう一つは、音符が前の小節にずれ込むこと。スウェーデン語でföruttangningと言うそう。
直訳すると、"before out taking"だけれど、英語でなんと表現するのか分からないとのこと。前にずれ込んだ音を引っぱったまま1拍目に強いアクセントを置くから、シンコペーションとは呼びたくないとか。
この奏法はもともと使っていたけど、説明としてちゃんと聞いたのは初めて。
へーって感じ。(ディッテはスウェーデンフォーク独特の奏法と言っていたけど、そうなのかな?他の音楽でも使ってそうな気はするけど。)
由来は、一言でいえば、スウェーデンの民族音楽が古くはソロの音楽だったので単調にならないよう工夫していたかららしい。古い歌ではその傾向は顕著で、楽器で同じ曲を演奏するよりももっと音符をつかっているそう。

今日は、ナポレオンの戦争と関係のあるマーチも習い、歴史がよく分からないので授業の後ディッテに、もう少し詳しく教えてもらった。スウェーデンの王様とフランスの話。聞きたいというレアな人がいれば、また次回にでも。

ともかく、感心しっぱなしの一日でした。
コメント (2)
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