スウェーデン音楽留学サバイバル日記 ~ニッケルハルパ(nyckelharpa)を学ぶ

スウェーデンの民族楽器ニッケルハルパを学ぶため留学。日々の生活を様々な視点からレポートします。

アッレ・メレル・バンド

2008-06-30 23:15:27 | 2008年夏
今日から寝袋持参でダーラナ地方。
気持ちはウキウキ、でも外はバケツをひっくり返したような雨。一瞬タクシーに乗ろうか迷いながら歩きはじめた。
早速、後悔。全身、楽器も荷物もびしょぬれ。

まずはウプサラから1時間半のボーレンゲ(Borlänge ダーラナ地方の街だけど、伝統よりも工業都市の色合いが濃い)へ行き、
早速友人Eさんちにお邪魔した。
相変わらずきれいなおうちと、素晴しい庭からの眺めだ。
着くと早速、お茶とお手製チーズケーキをだしてくれた。
まだ雨でぬれた服も荷物もかわかない。

早速ランチにパスタをごちそうになった。
ボロネーゼ・ミートソースにバジルと刻んだ野菜がたっぷり。
それとサラダ。オリーブオイル、塩、りんご酢で味をととのえる。
スウェーデンでは、こういうシンプルで素材の味がいきる味付けが多くとっても大好きです。

「これからあんまり食べられなくなるからしっかり食べて」と友人。
そんなこと言われたらテント初の私はびびるじゃない!?どんな生活になるんでしょう。

そして話題は今日行くSvabenのイベントの話題に。
アッレ・メレル・バンド(Ale Möller Band)のコンサートがあるのだ。
私は実は結構、えり好みするというか、スカンジナビア(スウェーデンかノルウェイ)の曲しか興味がない。
自分が習ったり演奏したりする場合に限っての話。
もちろんそれ以外がキライということではなく、ただ、フィンランドはじめその他のワールドミュージックは私にとって、
ジャズやポップスと同じで全てが「その他」という位置付けだ。
だからアッレ・メレル・バンドが色んなワールドミュージックが混ざっているため、実はそんなに楽しみ!ではなかった。
でも友人にぜひ観ることを勧められた。
「スウェーデンの曲とそれ以外の曲をアレンジして組み合わせている。そのアレンジや見せ方がすごく面白いから一度聞く価値がある」と。
そう言われたらきかなきゃね。楽しみになってきた。

さて、その前に先にビングシューへテント設営へ。
グランのうっそうと茂る森をぬけて向います。
ちなみに景色で一つ気付くことがある。
ウップランド地方は平らで地平線のかなたに森が一直線にみえる。
ダーラナ地方はなだらかな丘陵地で、うねった森が視界いっぱいにひろがる。
イギリスだと、もこもことして木が少ない丘陵地帯を良くみるけど、それとはちがって大きなうねりだ。

到着するとテント設営にとりかかった。
面白いのは毎年テントをはる場所が決まっているらしい。
隣近所に誰が来るかも大体毎年同じなんだって。

テントって普通は小部屋になってるの?
色々なタイプがあるんでしょうけど、初めて見たので感心!
真ん中に家で言うリビングのようなスペースがあり、左右に一つずつチャックの扉付の部屋。(写真左下)
チャックも2層になっていて、一つ開けるとネットになっていて風が入り虫を防ぐ作り。
お隣のテントは3部屋もある。

さて先ほどからビングシュー、ビングシューと言っているが、7月2日にビングシューステンマ(Bingsjöstämman ステンマと呼ばれる伝統音楽を弾く集まりの中で
これが最大と言われている)があるのだ。
すごい人がテントをはるので場所がなくなる二日前からテントを設営しに来たという訳なのだ。

無事テント設営完了すると、お茶をしてから早速Svabenへ向かった。
ぐるっと様子をみてまわるとアッレ・メレル・バンドがリハ中だった。
すごいかっこいい。Oreという村のポルスカをアレンジした曲の演奏中だった。
コンサートが楽しみ

友人が色んな人を次々紹介してくれる中、Adrianという人を紹介された。
すると向こうから「会ったことない?」と聞いてくる。
さて、誰だろう「ないと思うけど・・・」
すると友人が「ヤァラルホン(Gjallarhorn)で日本いったからその時会ったかも?と言う。
「あ、レッスン受けた!」というと「そうでしょう!見覚えがあるもん!」って。おぼえてくれててうれしい。
彼の弾き方はすごくかっこよく好きだ。でも前の坊主でスマートな印象と違っていたので誰だか分からなかった。ごめんね!

あちこちで演奏やダンスがある中、先にご飯を食べることにした。
ミートボールとサラダ、クネッケブルード、サラダ、コーヒーで75KR。

友人は時計を見ると、演奏に行かないとと先に席をたった。
ゆっくり一人で食後のコーヒーを飲んでいると突然ウッレ(Olle Plahn ニッケルハルパ職人)がやってきた。
「あ!また会ったね!Hej(こんにちは)」
用事があるようでちょっと話をしてすぐに席をたった。
すると先ほどから斜め向かいに座っているおじちゃんがちらちらとこちらを見ている。
こんなフォークの集まりでアジア人だから目立つのかな。
すると突然話しかけられた。メキシコ出身でパーカッションやるんだって。
ふーんって世間話をしていると「今日ちょっと演奏する」という。
「メキシコ」「演奏」というと・・・さすがの私もピンときた。
アッレ・メレル・バンド?」「そうそう。ソレ。」
チケット買ったよ!」「どーぞ!いらっしゃい!」いよいよ楽しみです。

演奏をしに先に行った友人を追いかける途中、ESIで一緒だったEにばったり会った!一年ぶりだ。
私がアッレ・メレル・バンド観るよ、というとEも「じゃあ私も観ようかな」ということになり、積もる話をしながらコンサートを待った。
最前列の客席にはエリカ・フリーセル(Ellika Frisell)の姿が見える。
演奏は・・・すごく良かった。(写真右上)
パワフル。エネルギッシュ。これぞまさにエンターテーメントだ。
息もぴったりあっている。
そして一人、激しいベース(コントラバス)にきづいた。
めちゃくちゃかっこいい。上品とか、かっこいいジャズ・ベーシストは聞いたことあるけど、
この人のベースは激しさと荒々しさがあり、迫力がすごい。
後で聞いたらセバスチャン・ドゥベだったらしい。そうか、納得。
トルビョンとのデュオのCDで猛々しいパワフルな演奏をきいてすごく気に入っていたのだ。見た目も熊みたいでカッコイイ。
こんな所で生で聞けるとは、感動。

終わった後は、余韻も残るなかアル・スペル(All Spel 皆で弾く。曲はイベント前に決めて告知している)が始まった(写真左上)。

さて、友人が知人を紹介してくれ、さらに私は先週のエケビホルム・コースで知り合った人にもばったり会い、
早速、皆でセッション。ダーラナ地方の曲ばかりだけど(つまりバイオリン用の曲)意外にニッケルハルパでも弾ける。
(ただし、ビングシューだけは弾きにくい。)
久しぶりのダーラナの曲だ。

ダンスの伴奏がある人が途中でていき、3人になった。
周りがうるさいと、3人でステージ奥の小部屋にこもってずっとセッション。
しばらくして外に出てコーヒーブレイク。
また「弾こうか」の声が出て、トイレ前でセッション・スタート。
気付いたら1時半。
「明日から大変だし、そろそろテントに行こうか」

ハイ、賛成。
でも不思議と疲れてません。

今日は一日雨が降ったりやんだりのせいか、夜は霧が出ていて幻想的。
写真右下は、帰り道。
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iittalaのマリボール

2008-06-27 23:28:06 | 2008年夏
明日から寝袋持参でダーラナです。携帯も途中で電池がきれるでしょう。
次回は日曜に帰ってくるのでそれかの更新になります

昨日は23時過ぎに帰ってきて、
ここはどこ?エケビホルム?トボ?ウプサラ!?
と今朝目が覚めると随分ぼけていた。

さてさて、ゆっくりしていられないのです。
先週行った語学学校、また次回も行かせてもらうことにしたので、欠席している間のレッスンで
何をやったか聞きにいかないといけない。10:30のFikaの時間をねらっていきます。
元クラスメートのAくん発見。ノートをカメラでパシャパシャ撮影させてもらった。
それから事務所をのぞいてレナートからしばしレッスン内容の説明を受けた。
「過去形と助動詞と複数形やったから自分で、このページとここ、やってみて!」
ひえー!大変です!
でもレナートはとてもとても親切。複数形のルールなどを分かりやすく説明してくれた。
(欠席中の授業料はもちろん払っていません)

その後はお金をおろしに(三井住友銀行の国際キャッシュカード使用で国内口座から直接引き落とし。
カードは申し込みから1週間で出来る)。
Gamla TorgetにあるSwedbankのATMで最高1回で5000krおろしたことがある。
限度額は知らないけど、アーランダ空港のATMは一度の限度額が2000krだったのでマシかも。

そして、前から気になっていたSt pers(って名前だっけ?)のショッピングモール内のChagallというカフェでランチを食べた。
メインが選べて(ラザニアにした)サラダと飲み物、コーヒー、クネッケブロードがついて77kr。
明るいサンルーフからの光りがもれ、オープンエアでカジュアルな雰囲気が前から気になっていたのだ。
ごちそーさま!

さて、翌日、土曜日はストックホルムへ。
スウェーデン語の勉強をする暇がないので電車で問題集をときます。ふー。

行きがけはUpptågetとpendeltågをのりついで。去年は車内で乗り継ぎ切符が購入できたのに、もう出来なくなっていた。
帰りは乗換えると疲れるだろうと、朝、SJ(国鉄)の40分で着く電車チケットをネットで購入。(片道65kr)

なかなか買い物する時間がないから、今日は迷う暇はない!
日本で引越したばかりなので自分の家用に少々と、あと人にあげる分もかわなくっちゃ。

いつもなら優柔不断の私も今回のような暇のないプランだとあきらめもつく!
まずは音楽博物館へ。本4冊とCD2枚(CDはマリア・イアン・ミカエルのトリオなど)。
あらら、もっと本を買いたいのに既に重いんですけど。
「あのぉ・・・送るサービスってしてます?」と聞いてみたけどダメだった。
こんな最初から重かったら、次が買えない!

早速、オーレンスの地下の郵便窓口に持っていき箱も窓口で買って日本へ送った。
ハイ!スッキリ!
でも、すっきりしないのは送料。本4冊で330krでした。それって本数冊分の値段・・・。(箱は27kr)

それからSergers Torg(ってとこだっけ?足で覚えているので場所名はあやしい)の地下にあるショッピング街で
CDショップをのぞく。・・・ウプサラと同じでここもか。フォークのCDは売れたっきり入荷している気配がない。
それとも最近誰かが買い集めてる?
一つ有名なフォークCDショップがあっていきたかったのに場所を調べてくるのを忘れた。残念!

ハイ、次!そばの靴屋さんへ。私は足がデカイので日本では、変な靴か、高い靴しか買えない。デザイン選択肢がいつも少ない。
なので250kr前後でカジュアルな靴が選び放題のスウェーデンは嬉しい。
去年はケチって買わなかったので今回こそ。ハイ、これとそれ!お買い上げ!

次はこれまたオーソドックスですが、Hemtex(スウェーデン中にあるホームインテリアショップ)で、色々とお買い上げ。

またオーレンスに戻るとぱーっと下見し、食器やコースターなどポイポイっとかごへ。
あ、カイサが持ってたいちごのヘタ取り器もある。カゴへぽいっと入れます。

あー、疲れた。そして重い!免税処理してもらうから郵便窓口には持っていけないし。
(ストックホルムのオーレンスなら1階インフォメーションで)
本当は自分用にiittalaが買いたかったのに・・・。
お目当てのマリボール(写真)を手にとり、うっとり。
もはや買って帰る余力は残っていません。
また今度ね!とお別れをし、疲れ果ててカフェへ。

すると「ボンジュール!笑顔がすてきだね」とフランス人。
は?私は物欲が満たされて一人でニタついていたのだろうか!?
アブナイ人みたいじゃない。

次の機会にはセーデルマルムをまわりたいと思います。
(個人店、古着、カフェなどお洒落なエリア)

Sweet iittalaというステキなブログを見つけました。
早くほしー!
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エケビホルム最終日

2008-06-26 23:22:54 | 2008年夏
あっという間に日々すぎて、とうとう最終日。

朝、ヘンリクのレッスンをうけ、またエスビョンのところへ行った。
今日は前のレッスンの人など数人残っていて、そのままみんなでやろうということになった。
エスビョンが一人ずつ弾かせる。
そして、「あえて批判しよう。どこが悪いかを皆で言ってみよう」と。
自分にも人にも批判的に聞いてみて皆で話してみる、このプロセスはとても面白かった。

午後はペーデル・シェルマンのグループレッスン。
ペーデルは、ヨハン・ヘディンのテノールハルパを作った職人でもあり、私は楽器職人だと思っていた。
でもバイオリン、ニッケルハルパ、どちらも器用に弾きこなすマルチな人だったみたい。
ダーラナ在住なのでダーラナの曲を教えるか?と思いきや、セーデルマンランド地方のきれいなハンブシュカを習った。
ハンブシュカはポルスカでもハンボでもない。南の一部にしかないので、私は初めて習う。
それとビス・カレのワルツも習った。

今夜は、車で5分ほど行ったところにあるRimboの教会で皆で弾いて解散となる。

最後の日はみんな正装って決まっているんだって。(もちろん持っている人だけ)
民族衣装があちら、こちら。
フィンランドの子はマリメッコのブルーのワンピースでステキ。
ドイツ人のTはスーツだ。「ドイツの正装はスーツだからね」とウインク。
そして「それにしても、君、カジュアルだね。教会行くよね?」
ええ。行きますとも。ジーンズとパーカーですけど。それが、何か!
このTはとても面白い。前、日本に4年勤務したことがあるらしい。
ちなみにこのT、ESIの卒業生でもある。
マグヌス、エリック、ダニエル、ダービッドなどと同期だったんだって。
挙げた4人は若手指導者&プレーヤーとして活躍する実力者排出最多の回期で、伝説になっている。
毎晩、毎晩、1年間、朝までセッションしていたとか・・・。
↑と、Tに聞くと「そうだよ。ものすごくうるさかったんだから!」って。伝説は真実だったらしい。

写真1・2・3:教会と衣装の様子。帽子がそれぞれでカワイイ。

教会では、奨学生による演奏、先生達による演奏などなど、1曲ずつ何かを披露します。皆で演奏や歌も。
ここで、Nがピアノを弾いた。めちゃめちゃウマイ!前から知っている人だったけどこんな風にピアノを弾くとは知らなかった。
フォークでピアノで、こんなに表情豊か且つまた聞きたいと思うほどの腕前は初めてきいた。
あまりの上手さに唯一アンコールの拍手がわいた。
日本にも良く来るみたいだし、今度コンサートしてね!

写真5:ヘンリクとペーデルのデュオ
写真6:エリックとトルビョン

約1時間のコンサートはあっという間に終わり、隣の建物でFikaとなった。
教会では、ESI時代の同期Sにばったりあって、びっくり!
今はウメオのフォークミュージックフェスティバル関係の仕事でベステルボッテンに住んでるんだって。
その他、北の出身だった他の同期生の近況など積もる話をした。

最後はエスビョンに送ってもらうつもりだったので、私は皆が帰ってしまう頃まで残っていた。
ここでアメリカ人Pと、先ほどのドイツ人Tと楽しくおしゃべりした。
スウェーデン人といるとスウェーデン語はなかなかついていけないし、英語で割って入って雰囲気こわさないか?と遠慮したりするけど、
この二人とは存分に気遣いなく話せます。
このPさん、ものすごいポジティブ思考!エスビョンからいつも噂は聞いていた。
誰もが知ってる大企業にコンサルタントをしていて、一財産築き若いのに既に退職。
あの企業のマーネジメントに口出して成功するくらいだ。
これくらいのポジティブさを持ってることに納得。
さて、先ほどからこの二人、ずっと私のことをからかってくる。
「前スウェーデンに住んでたから、ちょっと詳しいんだ。スウェーデンではね、レストランでお金払わなくていいんだよ。
ホントだって。今度ためしてごらん。
でもね、スウェーデン文化には一つルールがあって、レストランを全速力で走って出ないといけないんだよ。ね!T!そうだろ。」
するとT、「そうそう。ノルウェーも一緒だよ。
唯一、違うのは、ノルウェーは、その後、誰かが君の後を走るってくることかな。今度、試してごらんよ。」
二人してずっとこんな調子だ。
じゃあ、今度一緒にご飯にいこうね!
二人して「Oh! No, no, no. 一人で行かなきゃ。」

そして「あーこの数日楽しかった。本当に終わってほしくない。」と、初めてしんみり言うP。
「そう。それにまた来れるかなんて分からないし」と私。
するとP、「Never say that.(それは禁句だよ)絶対にまた来れるさ!Oh, yes!」

ハイ!また来たいです!
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エリック・サルストレムのビデオ

2008-06-25 23:21:06 | 2008年夏
昨日は3時過ぎに寝たので、またダルイダルイ体を引きずって8:45からのヘンリクの個人レッスンに向かった。

「昨日のByss-Calleの2曲、練習した?」とヘンリク。
「えーっと・・・」言葉につまる私。

ヘンリクは「一体ここに何しにきたの!?」と冗談まじりにいう。
Ekebyholmに参加する人のほとんどが毎日アレやらコレやらで、練習なんてできないものなのだ。
ヘンリクはそれを知っててからかってくる。

「じゃあ、今日は君にぴったりの曲をやろう!Polska mot trötthet!」
疲れた時にその疲れに逆らって弾くって曲なんだって。
故ヴィクスタ・ラッセが、疲れた時にこの曲を弾いて「よっしゃ!」みたい感じになってたんだって。
まさにぴったりです。

ちょっと頭も回ってきてその後は、再びエスビョンのところへ。
昨夜「早く弾きすぎる!」って注意されてた子も、私が予約しているレッスンなのに部屋に入ってきた。
ま、いっけど。
そして一緒にエリック・サルストレムのビデオを見た。
とぉっても不思議な感じ。CDなど録音には演奏だけでなく声も入っているから話す感じは知っている。
写真も若い頃から晩年まで沢山みたから知っている顔だ。
動画を見ると、知っている人のような、でも初めてみるような・・・不思議。
80何年かの撮影と言っていたから、亡くなる数年前のはずだ。
Visarkivetの収録でエスビョンが撮影したんだって。
リストをみせてもらうと膨大な曲数弾いているようだ。全曲収録のいきおいで撮ったのだろう。
テレビを指差し「撮っていい?」と聞くと「どーぞ!」というのでデジカメの動画で数曲撮影させてもらった。
他にも、古い古い白黒画像の昔のフィドラーたちの映像も見せてくれた。

不思議体験に一度頭がさえたんだけど、やっぱり午後は厳しかった。
今日の午後は、Sigurdのレッスン。
イェストリクランドの曲などを教えてくれた。教え方も演奏もすごっくウマイ!
なのに・・・あろうことか人生初、演奏のレッスン中に寝てしまったのだ。
それも右手の弓はきーこきーこ動かしたまま。
寝てても動くんだ。我ながら少々驚きをかくせない。
いや、それにしてもめちゃ失礼なことしてしまった。寝てるの気付いてなかったらいいんだけど。

今日のコンサートはちょっと趣向が違う。
まず、明日は教会でイベントやって終わるので、皆でそのリハ。
講師やコース参加者の中から、コーディネーターのBarbroから依頼をされた人が1曲ずつ披露する。
日本からきたKさんに白羽の矢があたる。
「ソーラン節歌うの」とKさん。
ステージでも腹からしっかりとした声で、全身で踊り、とっても楽しそうに歌ってくれました。

それからfikaをはさんでサロンに戻ると、Edward主導でみんなでセッションをしていた。
一人二人踊っている人がいる。
Edwardは、踊りに合わせろ、踊っている人をちゃんとみろ、リーダーを見て、とレッスンでもないのに皆に指導をしていた。
皆で弾くときは、リーダー役(初めと終わり、テンポ、ダイナミクスなどを決める)がいて、そのリーダーについていかないといけない。
その練習をEdwardが皆にさせてるというわけ。

私は今日は弾くより踊りたい気分。
でも、こういう時はシャイなジャパニーズになってしまって、自分から踊ろうよって人に誘えない。
そして現地人もアジア人の私が踊れるかどうかが分からないため、普通はなかなか声をかけてもらえない。
どうしよっかなぁと椅子に座って様子を伺っていると
「Vill du dansa?」踊りたい?っておじちゃんが誘ってくれた。
「Ja!」踊りたい!
ダンスレッスンで一緒だった人だ。だから気軽に声をかけてくれたみたい。
レッスン行っといてよかった!
何人かと、ポルスカ、ハンボ、ポルケット、ワルツと踊る。
(ちなみに、こういう所では、普通、2回ずつやる。
ポルスカを一度弾くと次もポルスカ。ワルツを弾けば、次ももう一回ワルツ。
そしてルールなのかは知らないけど、2回踊ると、軽く会釈をして違う相手と踊る場合が多い)

今日は昨日と違って、みんなガンガン弾くモード。
2階の階段踊り場で双子とIが弾いていたので早速楽器をもって飛び込みます。
コースのコーディネーターのラーシュや同期のL、日本びいきのLSや、フィンランドの子など一人また一人と増えてきて
踊り場は満員状態。
すると3階で恒例の歌が始まったらしく、注意されてしまった。
楽器の音に声がかきけされて歌えないって。
なのでラーシュの部屋へみんなで移動。
本格的にセッション開始!
向かいの部屋からはマグヌスたちの熱いセッションが聞こえてくる。
いえいえ、こっちだって負けてられません!とばかりに盛り上る。
音につられて、楽器を持たずに聞きにだけ来る人もちらほら。
エドヴァルドも部屋に入ってきて、一人でスレングポルスカを踊り始めた。

3時をまわって窓の外はもう明るい。
そうなのです。
北欧の夏は、日が沈むの遅いということばかり言われ、夜明けについては忘れられがちだけど夜明けだって早いのです。

ああ、朝一のレッスン行けるかな・・・ヘンリク、ごめんね。

写真左:Ekebyholmslott 
写真右:羊を発見!羊は一斉に私に気付きその1秒後、みーんな猛ダッシュでドドドっとすごい音をたてて逃げていった。
あっぱれ、集団行動!
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ポルスカがポルスカでなくなる

2008-06-24 23:34:36 | 2008年夏
今日もだるい体を引きずってヘンリクのところへ。
昨日ならった曲は結局一度も練習する機会がなかった。
LSと一緒に校舎(2分ほど離れた学校を借りてレッスンがある)へ行きながら録音を聞いた。

そして部屋についてヘンリクが「じゃあ、昨日の曲覚えてる?」というので
「えーと・・・。さっきまでは覚えてたんだけど・・・」(ホントにさっきなんですけど)
早速弾いてくれて思い出した!
ヘンリクは柔らかくソフトに話す。演奏も柔らかい。
こんな頭がくらくらする日にはとくにありがたい。
トルビョンならジョークをとばっしぱなしでエネルギッシュだから朝一レッスンには向いてない。

そして今日もレイフの部屋に行った。
もう1曲、伴奏が難しい曲があるのだ。これはダーラナはレトビックの有名な曲。
Polska efter Börjes Olleだ。
ステンマ(ハーモニーの伴奏)をつけるのが難しく、コードを考えるとイマイチ曲がぱっとしないのだ。
でも、この曲でぱーっと華やかにメロディが際立つ伴奏を聴いたことがある。
何かテクニックがあるに違いない。
するとレイフは、昨日と同様即興ですばらしく美しい伴奏をつけるではないですか!
「この曲はすごく変わってる曲だから。コードが目まぐるしく変わるでしょ、こことここ。」
ふむふむ。
「まずはコードを追いながら、そしてメロディを聞いてメロディと一緒に少し動く。それだけでいいだんよ。
色んなことをやりたいかもしれないけど、フォークの曲は一つずつが個性的すぎるから。色んなことはしなくていいんだ」
私にはもっと経験が必要みたい。
そして今日は欲張って、さらにヘルシングランド地方の曲もならった。

午後からはエスビョンのところへ行った。予約をしていったのだけど別の作業中だった。
おじいちゃんが孫にプレゼントしたという手作りハルパを持ってる子がいて、素人ならではの問題がいっぱいあるからと
エスビョンは鍵盤を分解して日本製のこぎりで切っている最中だった。
しばし作業をみていると、「何か弾いてごらん。作業してるけど聞いてるから」という。
早速、弾いた。他の先生達はなかなか注意というのをしてくれないが、エスビョンは優しく問題を指摘してくれる。
弾き終わると、手を休めてうなずく、エスビョン。
「良かったよ。でも一つアドバイスするとしたら重すぎる。もっと軽やかに弾いたほうがいい。
エリック・サルストレムのスタイルはいつもエレガントだった」と。
確かに、全身力が抜けてなかったみたいで弾き終わると左手がだるい。
「リズムが大事なんだ。重く弾いても軽く弾いてもリズムがそこに感じられればいい。でも、君のボーイングは少し重いと思う」
頭を一回きりかえないとダメだ、ダメだ。
前も言われたのに、日本にいる間にすっかりそんなアドバイス忘れてた。
日本では一人きりで練習するから、どうしても色んなことが抜けていく。

今日も息をつく間もなく、15時のグループレッスンだ。
今日はカイサ。グループの数も先生の数も多いので、全講師にあたるとは限らない。
でもカイサのレッスンは受けたかったので良かった!
カイサは選曲に難航した。「この曲知ってる?」というと必ず誰かが知っているのだ。
結局ウップランドの曲をあきらめ、ヘルシングランドの有名フィドラーが作曲したmidsommardrömというとっても美しい曲を教えてくれた。

さて!次は夕食後、再び私はダンス・レッスンに参加。
ダンスの伴奏は毎回講師がしてくれる。今日はカイサとエドヴァルドだ。
習ったダンスはダーラナ地方のMalungのポルスカ。
跳ねるようにターンをする。どこかで踊った。ESI?日本のSvepan?
跳ねるよにターンを数小節して、Bakmes(反対周り)ターンをする。
そして、それと比較するように昨日の滑らかに踊るBingsjöをもう一度踊った。
その時、ESIダンスコースと演奏コースと2年いったIが私の相手をしてくれた(ペアで踊る)。
Iと踊るのは初めてだ。踊ると・・・何?コレ?初めてのことにびっくりした!
ポルスカのターンは、ウマイ人と踊ると回っている感じが全くしない。
まるで歩いて前に進んでいるような感覚になるのだ。
そして脳ミソはターンの遠心力でほどよくトランス状態になれ、とっても気持ち良い。
これは、たま~に、すごくウマイ人とペアになると感じる。
ところが、Iとは全然違った。
「歩くよう」ではない。「水面にたっていると、すーと滑って移動している」感じという表現がぴったりくる。
足を動かしている感覚すら突然消えてしまったのだ!
な、なんで?私、足あったっけ?あるよね?とつい思ってしまいました。
今も書きながらあの感覚を思い出して、意味もなく頭をぶんぶん振ってしまいます。

そんな不思議体験の後、19時よりコンサートです。
毎回、誰のコンサートかは秘密だ。コーディネーターのラーシュが、誰だろう?と思っていると
「では始めます!どうぞ!」とドアを開けると・・・ちびっ子が登場した。
ジョークだったみたい。お辞儀をしてでていった。
で、誰?講師たちは皆リラックスしたようすで客席にいるし・・・
と、引っ張ったところで「エリック・リドヴァルとサンドラです!」
すると、エリックとサンドラが楽器を取りに猛ダッシュで部屋を飛び出していった。
客席からは「そうなんだ!だまされたよ!」と演出に大喜び。
さて、気を取り直し楽器を手に戻ってきた二人。ウマイです。鳥肌もの。
エリックは今日始めてエスビョンの楽器を手にした(もちろん購入)。
1年前に聞いた演奏も十分上手かったのに、まだ上があったのかというくらい格段上がっていた。
緻密さ、正確さに加え、速度とキレもパワーアップ(ニクラスと良い勝負)、表現の豊かさ、どれをとっても油が乗り切っている。
途中、みんながハッと息を呑むテクニックを披露する。
一緒に弾くバイオリンのサンドラもかなりウマイ。ダーラナ地方の曲が専門のようだ。
ダーラナの甘い、そしてさわやかな曲を二人で奏でる。
みんな、うっとりと二人に聞きほれアッと言う間にコンサートが終了した。
そこにいた誰もが「これからエリック(リドヴァル)の時代だ!」と思ったに違いない。
コンサート後、客席はかなり興奮状態だった。
終了後fikaしている時に、Nは「次回Ekebyholmのコースとったら絶対エリックを個人レッスンで選ぶ!あの二人CD出せばいいのに!」
私も同感!ブラボー!

そんな興奮さめやらぬ今夜もあつくセッションがヒートアップ!?かと思いきや、なぜか誰も弾かない。
ぶらぶらしているうちに人まで減ってきた。
Lを捕まえて「みんなどこにいったの?弾かないの?」というと、
「ほんとね。誰かの部屋で弾いてるのかもよ。見にいこうよ!」
と一部屋ずつ忍び足でドアにちかづき、耳をあてては「いないね」と小声でささやく。
するとMが私たちをみつけ、一緒にドアに耳をあててモノマネをはじめた。
するとラーシュが突然部屋から出てきてびっくり!
ちょうどいいと「皆いないし誰も弾いてないし、どうなってんの?」と聞いた。
すると「他の人は知らないけど、エスビョンとエリックなら、森に走りいくの見たよ」とスウェーデン語がよく分からない私に
走るジェスチャーを大げさにしてみせる。
ええ?!なんでまた一体20時もすぎて森に二人で走りにいく訳?意味ワカラン。

ちぇっ、誰も弾かないなんてツマンナイ。
サロンをのぞくとうちのグループの中でも特に若い子(19歳とか)だけが弾いていた。
でも、若い子の特徴で、めっちゃくちゃ早く弾きたがる。
あのコンサートの後では、一緒に弾く気にはなれない。
ポルスカにはポルスカのテンポ(速さ)というものがある
アレンジなどしてちょっと早いのも、ちょっとスローもOK。でも、すっごく早いと曲そのものが台無しになるのだ。
超高速テンポのワルツの演奏なんて普通はしないように、ポルスカにだってポルスカと呼べなくなるテンポがあるのだ。
「伝統にしたがう」という意味ではない。メロディがポルスカでなくなるのだ。
特にヴェーセンのようなノリノリのバンドが人気があるせいか、アイリッシュから来た人にも多いのだけど、
ノリノリ度合いにさらに拍車がかかっていく人が増えた気もする。

曲の美しさやポルスカにかかる遠心力(リズムやうねり)の奥深さを理解するには、ちょっと若いのかな?
技術はすごくあるからもったいない。
随分バカにしたような言い方かもしれないけど、以前の私も早すぎると注意を受けたことがあって分かるのだ。
その時、Björn Ståbiなど有名プレーヤーも若い頃は早く弾いていた、という話も聞いた。

そういえば全然授業の録音を聞いてなかったと思いしばし録音を聞くことにした。
するとカイサが私をみつけ「何で一人で居るの?」と心配されてしまった。
だって、部屋に戻って聞こうにも、部屋の前では例の歌をやってるし・・・。
ふーん、どこにいても居心地わるいなぁとサロンをまたのぞくと、エスビョンがさっきの若い子に指導していた。

それなら話は別だ。私も楽器を持って中へ入った。
スウェーデン語で話していたけど多分、私が感じたことと同じようなことを言ってるみたい。
そしてエスビョンが私の手をとってBondpolskaを踊った。
そして「No, no!まだ演奏が早すぎる!それじゃ踊れない!」
そうそう、ビシバシ言ってあげてね。
「踊るから。それにあわせて弾いてみて」とエスビョン。
無伴奏で踊る私たちをじっとJが見てから、弾き始めた。
「そうそう。その調子」
うん、確かに良い感じになってる。コツをつかむのもさすがに早い!

それからはずっと一緒に話しながら弾いた。
いつもエスビョンはエリック・サルストレムと弾いた曲を弾くけど、今夜は、故セイロン・ヴァリンの曲をずっと弾いてくれた。
かわいらしい曲が多い。
するとレイフがやってきてずっと伴奏をつけてくれる。
セイロンはなかなか一緒に弾くのが難しい人だったんだって。ステンマで弾いているところに他の人が入ってくると
演奏するのを辞めるんだって。今から家にいっていい?と言われても断るタイプの人だったらしい。
エスビョンの兄弟がたまたますぐ側に住んでいて弾く機会があったんだって。

エスビョンと話したり弾いたりするといつも何とも言えない不思議な気持ちになる。
多分、大学で教えていることも関係するのかな。堅苦しいという意味ではない。
エスビョンは問いかけが多いのだ。
「これを聞いてどう思う?」「この音から何を感じ取れる?」「改善するには何が必要だと思う?」
決して答えは要求しない。問いかけの後、しばし考える時間をくれる。
ただそれだけのことなんだけど、本当に答えるには意味が深いことばかりなので、いつも不思議な余韻が残るのだ。
2時もまわると「一緒に弾けて楽しかった。そろそろ寝るから」と解散した。

不思議な余韻で部屋にもどるとKさんがまだ起きていた。
ずっと時間も合わず、グループも違ってゆっくり話す暇がなかったのだけど、やっとゆっくりお話ができた。
「いつも、またこの景色、この眺めを見れるのは最後かもしれない、と思いながらきてる。毎回、毎回がとても大事なんだ」って。
「あー、3時すぎちゃったわねー」とKさん。
余韻の残るあとに、とても良い会話ができました。

日々、就寝時間の記録更新中。
おやすみ!

写真は作業中のエスビョンと、夜のコンサートの二人。
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Trosaはセーデルマンランドです!

2008-06-23 23:36:46 | 2008年夏
個人レッスンは事前にメールがきて、先生の希望を二人書く。

私は今まで習ったことのないエドヴァルドとヘンリクを書いていた。
(講師紹介については昨日のものを参照)
前夜の張り紙をみると私はヘンリクだ。

昨夜エスビョンにそう言うと「それは良かった!」って。
もし今回の講師の中で誰を私に薦めるか聞かれたら、マチガイなくヘンリクだ、とエスビョン。
正確さ、緻密さで群を抜いていてパーフェクトな演奏なんだって。
FatangのCDは持っているけどミキシングのせいで、実際どんな演奏なのか、そのCDじゃよく分からなかった。
シャイだという噂もKさんから聞いたので、ちょっとドキドキ・ちょっと楽しみにヘンリクの部屋をたずねた。
(講師の部屋が決まっていて、グループ・個人レッスンでその先生の部屋に行くというやり方)
ちょっとはにかんだ笑顔がシャイのような感じもするけど、話してみると結構話す。
「何が学びたい?」とヘンリク。
「技術面もだけど、曲の収集も日本じゃ難しいから色んな曲が知りたい」と言うと
ふむふむとちょっと考えるヘンリク。
Bondpolskaを一つ習った。エスビョンの言うとおりむちゃくちゃウマイ。
ため息ものの繊細かつ完璧な演奏。
30分という感覚になれていなくて、色々話をしてしまったのですぐ時間になってしまった。
効率よく進めるプランニングが必要だ。

ここEkebyholmではシャワーが実は共有。鍵もかからないドア一つ。
やっぱりちょっと恥かしいので、皆がシャワーを使いそうにない時間帯に浴びようと思うと今がベストだ。
朝一8:45のレッスンの後、次のグループレッスンは15時だけど、結構あっという間だ。
シャワーの後、音や写真のデータ整理をし、ドアの外で何人か弾いているのが聞こえるとすぐに楽器を持って部屋を飛び出す。
そうこうするうちにランチになる。ランチは皆で話しながら(←スウェーデン語だからついていってないけどね)ゆっくり食べ、
その後はコーヒーでたっぷり90分は使う。一人でも食べ遅れている人がいると必ず待ってくれる。
時がゆっくりと流れるスウェーデンにいると、日本で20分でランチを食べていたのが信じられなく思える。
午後も練習やセッションであっという間だ。

15時にはエドヴァルドのレッスン。
彼ははアメリカにコンサートで行ったりしていて、YouTubeなんかでもよく動画がアップされているので
日本でも実は有名かもしれない。
エドヴァルドは、曲を探すのが上手い。古い本から探しだした曲を弾き、そしてその曲がすぐに流行る。
たとえば「1814」もそうだしスモーランドのポルスカも、ヘルフォスネシュのポルスカもそう。
今回も古い本からみつけたというちょっと変わった曲をならった。

その後はレイフとの個人レッスン。
レイフとエスビョンは、張り出した紙に自由に名前を書くて予約するというオープンスタイルの講師。
空いていれば何度でも名前をかける。
主にレイフは曲のアレンジなど。
エスビョンは主にエリックサルストレムの伝統や楽器についての相談。
エスビョンは今日はすでに予約がいっぱいだったので、まずレイフの部屋をたずねた。

ノルウェイのポルカで、イマイチぱっとしない伴奏しかつけれなかった曲があったのでそれをレイフならどうする?
と聞きにいったのだ。
するとレイフはその曲に、即興でとても素敵な伴奏をつけた。
私のを弾いてみろというので弾いてみた。イケテないから相談しにきたので、私の伴奏は本当にイケテない。
するとレイフがアドバイスをくれた。
「もっと曲を聞かないと。この曲はメロディアスな曲というより、Komp(コード)とリズムだけでできたような曲だ。
だから自由にKompをつけようにも難しいし、リズムセクションに徹するしかないと思うよ。君のKomp(伴奏)にはメロディが持つリズムが入ってない。もっとよく聞いて」
なるほど。
「それにノルウェーの曲は、スウェーデンのトラッドとは随分違う特徴だから」と。
なるほどねー。確かにこの特徴はスウェーデン・フォークの典型ではない。あるならノルウェイよりの西側かな。
そして私はちゃんと曲を聞いてなかったのだ。
なんだか目が覚める思い。
雑談をしながらレイフは部屋にあったピアノでジャズを弾き始めた。
しばし聞きほれ、夕食の時間になったので一緒に移動しながら雑談をした。

「最近、ハーディンフェーレ(ノルウェイの伝統楽器)とあわせる機会があって、伴奏がむずかしっくて」というと
「だって、もともとソロの楽器でソロ用の曲ばかりだからね」とレイフ。
そうは言っても、そこをなんとかしたい。
そしてレイフは実は去年、エスビョンの家で会ったことがある。
私がそういうと「そうだっけ?僕は全然記憶にないけど」って。
昨日のトルビョンに引き続きレイフまで・・・。
私はどうやら印象がとっても薄いようです。


17時の夕食後、18時からはダンスのレッスン(自由参加)がある。
昨日は話しているうちに終わってしまったので今日こそと思っていたのだ。
今日は、ビングシューのポルスカとハンボ。
ビングシューのポルスカは、女性は2拍目で足を出す初心者向けのポルスカだ。でも踊ったことがなければ1拍目で動きたくなるので、初級といっても本当の初心者だと難しい。

そして今日も19時からコンサート。知らない二人が出てきてシルベルバスハルパの演奏をした。
ところが・・・二人には申し訳ない。失礼なことに居眠りしてしまった。
昨日の1:30就寝で寝不足のところに半年ぶりくらいに踊って体も丁度よくダルくなっていたのだ。
ごめんなさい!

20時のfikaの後は気をとりなおしてガンガン弾きます!目もぱっちり覚めたし!
先週6/15にステンマで会った、日本びいき一家の娘さんのLSも実は来ていて同じグループ。
そのLSに一緒に弾こうよと言われ早速二人で弾きはじめた。
すると他のESIグループの子や、日本人と結婚していて数年前も会ったことがあるNなどもやってきて一緒に弾いた。
なかなか盛り上ります!
あっという間に0時をまわった。腕もだるいし、他は誰か弾いてるかな?と楽器を置いてぷらっとみに行くと、
「あ、ソニア!」
ソニア(ESIの先生)一家が来てる。私と同期生のLも一緒に弾いている。
これは一緒に弾かないとだめでしょ。走って楽器をとりに戻ると早速「Hej!(こんちわ!)」と飛び込んだ。
ソニアも「Hej på dig!」と返し楽器をもったままギュッとされた。
ソニア一家はいつも変な場所(通路とか廊下とか)を陣取って演奏する。
この日は階段の踊り場だ。なんでいつもこんなヘンテコな場所を好むの?
人が階段を行き来するのでそのたびに弾きながらよけるのが大変。

上は上で、またエバが歌をやっているようだ。
しばらくして歌が終わったようで、同じグループにいる双子がバイオリン持ってやってきた。
この双子、バイオリンもニッケルハルパもめちゃくちゃ上手い。その辺のプロよりはるかに上手い。二人ともものすごくダイナミックに弾く。

私がある時「スウェーデンのどこからきたの?」と聞くと面白いことを教えてくれた。

「Trosaから来たの。でもTrosaってスウェーデン語で女性用パンティーと同じ単語なの。だからいつも人に言うときに
Jag kom från Trosa(トロサから来ました)って言うと「は?」って顔されるから」

「"i Sördermanland"(セーデルマンランド地方のね)って続けて言わないといけないの」ともう一人の双子が続けた。
そして双子は目を合わせてにっこり。
演奏も会話もぴったり息のあった二人だ。
私も思わずにっこり。

ソニア達は1:30amには「そろそろ」と帰った。
Lはもっと前に疲れてしまい楽器をおいてでも部屋には戻りたくないようで楽しそう
に聞いている。
私と双子とフィンランドから奨学生できた子の4人でしばしそのまま階段踊り場で弾いた。何時まで弾いていたんでしょ。
2時半くらいまわっていたのかな。部屋に戻ると、Kさんを起こさないようにそうっと身支度。
歯磨きしていると階下からまだ誰か弾いている音が聞こえる。
歯を磨きながら音のする部屋までのぞきにいくと、マグヌス達だ。
コースに奨学生で来たちびっ子たちもいる。
翌朝聞いたら、ちびっ子達は朝まで全く寝てないそうです。
それは・・・さすがにマネできない。
今日も倒れるように寝ました。

写真はランチとエドヴァルド。
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エケビホルム城でのサマーコース初日

2008-06-22 23:29:30 | 2008年夏
今日からEkebyholmでニッケルハルパのコースに行ってきます!

Rimbo北部のEkebyholmに1600年代に建てられたお城(Ekebyholmslott:写真左上)があり、
そこで故Eric Sahlstromが始めた20年以上続く伝統ともいえるニッケルハルパコースが開催される。
(Rimboはウプサラの南東へ車で1時間弱いったところ)

バスで行くつもりにしていたら、エスビョンから電話が前日かかってきて送ってくれることになった。
カイサからも「ディッテ(ESI留学時の先生)に頼んで車にのせてくれるってよ」と電話がきた。みんな、ありがとう!
日本から来たというだけで、とても親切される。ありがたい。

10時すぎにエスビョンがベンツでむかえにきてくれた。
ベンツといっても、かなり乗りまわした感じで高級車の雰囲気は全くない。

さて、いつもながらスウェーデンの田舎のスバラシイ景色をみながら、色々と積もる話や、
Ekebyholmコースの概要を教えてくれたりしながら行った。
なぜかカーナビにEkebyholmslottがなく、結局私が地図をみながら隣で「そこで77号線!そこ、そこ!」と
あやしいナビ役をつとめ、11時に滑り込みセーフで到着。

さて、このEkebyholmコースについてちょっとだけ説明を。

毎年、夏至祭明けの日曜から5日間開催される。
参加者はニッケルハルパがメインで、バイオリンもOK。

費用:2008年は4150クローネ(宿泊、3食とfikaも3回込み)。部屋は誰かとシェアする。
※fikaは、コーヒーブレイクとも訳される。スウェーデンでは学校・職場など問わず午前・午後、夜にfikaがある。

定員:ベッド数の上限のため70~80人。3月頃に申し込みがスタートし、スタートと同時に1~2日で定員オーバーになる。
私は数年前にも参加しようとして、メールが届いた3日後に返信したので、「残念でした。もう一杯です」
と言われた涙をのんだことがある。

レッスン:毎日個人レッスン30分とグループレッスン1時間または2時間。
(暇かと心配してたけど、それ以外にもプログラムが盛りだくさんで決して暇にはならない)
レベルによって初心者~慣れた人まで約15グループに分けられる。

必須:シーツ・布団・枕カバー 持参が必須です!

言葉:コーディネートしてくれるLarsは英語語が分からないので、メールのやりとりはスウェーデン語になる。
レッスンもスウェーデン語。
私の場合、メールはなんとか読めて、返信は英語、でもその返信はスウェーデン語で来る、という感じでした。
1.スウェーデン語が話せる 2.フォークのコースに参加慣れしている
どちらかがないと、厳しいという印象を持ちました。

さて!概要はそんなところで、先生たちを紹介します!
今年の講師も超デラックス!
Cajsa Ekstav Vendel出身で有名な故Viksta Lasseの親戚でもあります。めちゃウマ。エリカ&セシリアのエリカの先生でもありました。
Ditte Andersson ESIの常勤講師。王立音楽院でも時折指導しています。演奏も指導もかなりの実力派。
Edward Adersson エドヴァルドもウップランドを代表するプレーヤで、彼が古い本から見つけた曲はたちまし流行ります。
Erik Rydvall ESI卒業生で王立音楽院卒業。若手トップとして油ものりきってます。
Esbjörn Hogmark 楽器製作の第一人者。故エリックサルストレムの伝統を製作も演奏も受け継いでいます。
Henrik Eriksson ニッケルハルパオーケストラのメンバー。2004年にはチャンピョンにも。
Leif Ålund マルチにどんな楽器でも弾きこなす。本当はメインはピアノでジャズなのだそう。エヴァのバンドメンバーとして活躍。
Magnus Holström ESI卒業生でエリック同様、王立音楽院卒。ニッケルハルパで大学院まで進んだのは初。
Peder Källman ヨハン・ヘディンのテノールハルパを作っていて製作者としてもトップクラス。バイオリンとニッケルハルパのプレヤーでもあります。
Sigurd Sahlström この世界では神様のように言われるサルストレム・ファミリーです。
Sven-Olf Sundell ウップランドの顔。地元のスペルマンスラーグをまとめたり丁寧な指導など昔から活躍しています。
Torbjörn Näsbom 去年日本でニッケルハルパでバロック演奏をした。元はオーケストラのバイオリニストで実力派。
Eva Tjörnebo(歌)歌の演奏や指導の活動を何十年もやってきて、彼女もウップランドの顔のような存在。

さて11時に到着すると、早速サロンでコーディネーターのLarsとBarbroから概要説明。
早速、私はスウェーデン語が分からない人、オンリーワンのようで、なぜか私の紹介までされてしまった。
少しくらい分かるようになったもんね!

そして講師の紹介と講師全員によるウェルカム演奏、数曲(写真右上)。
ニッケルハルパオーケストラ(NHO)に匹敵する超豪華メンバーによる演奏。
もう言葉が出ません。すばらしすぎます。
コーディネーターのBarbroが講師達が演奏する輪の中に入って嬉しそうに座って聞いている。

実はこのコース、日本から来たKさんも参加。同じ部屋です♪
Kさんに会うのは3回目。いつもちょっとだけの立ち話程度くらいしかお話したこと
がなかったので今回はゆっくり語れそう。
写真左下:3階のRoom No7の部屋でした。エスビョンには「オー、かわいそうに」と言われ、その理由は後から知ることに。

ESI同期のLなどなど、何人か知っている人にも再会。
来ると知っていて久しぶりに再会した人もいれば、来ると知らずに数年ぶりにあって驚いた人とかもいた。

早速グループ分けが発表された。
見ると私はインターナショナルグループ(外国人ばかり)になっていた。
言葉の面などで気をつかってくれたのだろう。
でも、ESI卒業生は一つのグループになっている。
知らない外国人に混ざるより、知った顔も共通の知った曲もあるESIグループに入りたいと思って
変えてもらうことにした。
ディッテもやってきて私に「Tobo youngstersグループに変えてもらいなさいよ」と言ってくれた。
でも、私、そんなヤングじゃないんですけど。ま、いっか。
(ESIグループはハタチ前後が多い)

さて、この日は盛りだくさんで書ききれない!
ランチの後は15時より、早速レッスンスタート。
まずはマグヌスだ。16時にはトルビョン。

17時には夕食。日も沈まず明るい外でご飯!日差しとひんやりした空気が気持ちいい!
トルビョンが一緒のテーブルにいて、日本で会ったとはいえ友人という訳でもないから自分からはいわなかった。
かなりしばらくして「ひょっとして日本で会った?」
「うん」というと、「Oh」と言い、改めて挨拶された。
「ホテルまで行ってレッスン受けたよ」と私。
「うーん、どこのホテルだっけ。そんなことあったような・・・」
やっぱり、おぼえてないんだ!フン!

19時には、Evaとその仲間達による歌のコンサート。
Evaは、ものすごくエネルギッシュで、全身でそれはとっても楽しそうに歌う。
声がソフトなのでCDを聞いても雰囲気が伝わらないと思う。
スウェーデン版シャンソンとでもいう感じ!
20時すぎのfikaを終えたら、私たちの番です。
コンサートという意味ではなく、あちこちで自分の楽器をとりだし好きに弾きはじめる。
早速ESIメンバーを見つけて一緒に弾き始めた。

そして22:00~1:30まで、歌がはじまる。(写真右下
なんと私とKさんの部屋の目の前で。1:30までは寝れないってことです。
これはレッスンではなく、エバ主導で、皆でお話しながら歌う集い。
0時頃まで演奏して、部屋に戻ろうとするとものすごい集団がいて部屋のドアに近づけなかった。
これか!エスビョンが可哀想にと言っていたのは。
でも、なんだかいい雰囲気だったので私も空いた椅子に座った。
すると早速、カイサが私に気づき、日本の歌を歌えという。
歌詞しらないんだよねー。とTralaで「さくら」と「ふるさと」を歌った。
1:30まで続きました。
オヤスミ。
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夏至のイブの夜空

2008-06-21 23:10:38 | 2008年夏
日曜の朝から5日間、バスも通っていない田舎でニッケルハルパコースを取ります。更新は週末になります。

さて、話は昨日の続き。
夜、ウロフの家から戻ると、一旦家へ戻った。

夜は、カイサ、ディッテ、マグヌスのコンサートを見にエーレントゥナ教会(Ärentuna kyrka)へ行く。

コンサートは23時スタート。えらい遅い時間から!と思ったけど、これは夏至祭イブの夜だから。
夏至は、一番日が長いとされる日。そのイブの夜は明け方まで起きてるのだとか。
というとロマンチックに聞こえるかもしれないが、つまり朝まで酔っ払って騒ぐ、というだけのこと。
という訳で夜遅くからのイベントというのも、この日ならアリなのだ。

さてさて、教会のことは何も知らずにコンサートに来た。
ところが、ため息がでるほど美しい教会だ。
この教会を見るためにわざわざ来てもいいくらい。
典型的な中世(またはそれ以前?)の教会で神秘的な感じがする。
古い壁に描かれた神話の絵を見ていると、異空間。
どこか違う時代へタイムスリップしたような気がしてくる。

ウプサラの中心に有名で大きなゴシック建築の大聖堂がある。
それとは全く雰囲気が違う。その大聖堂の隣の中世の感じがする教会のほうが好きだという人は
このウップランドの古い教会はたまらなく好きだと思う。

写真1:到着した頃。22:30頃です。

写真2:コンサートの様子。キャンドルの中、音も自然にエコーがかかり、良い感じ。
でもコンサート自体は、厳かという雰囲気ではない。
コンサートを「旅行」というテーマにしたてあげた選曲やプログラムで楽しいものだった。
バイオリン、ニッケルハルパ、マンドーラ、歌による演奏。
こんな異空間で、良い音楽を聞けるって幸せだなぁ。
このまま時がとまればいいのに。
しばし、悩みなんかもどこかへ消えてしまいます。

写真3:教会内部の様子。

写真4:コンサートが終わった0時すぎの教会外の様子。
随分薄暗いけど、遠くの地平線は明るい。

コンサート後、ディッテと久々のご対面。
「やあ!久しぶり!」
立ったまま色んな話を一気にした。

帰りは、カイサが車で送ってくれるというので後片付けを待っていた。
すると雰囲気の良い、ゆっくりとしゃべる、白髪のおじいちゃんが話しかけてきた。
「スウェーデン語はワーカリマせぇ~んが、ニッケルハルパをマナビにすうぇーでん何度もキテマ~ス」と
私の怪しい、怪しいスウェーデン語で言った。
すると「Oh」と言い、色々と話しかけてくる。
いや、だから、スウェーデン後分かりませんって言ったでしょ。
気にもとめず、ぽかーんとした顔の私にずっと話しかけてくる。
どうやらこの教会のことを教えてくれているみたい。
時々、英語をまぜてくれる。

教会は1300年代。壁画は1400年代のものなのだそう。
「この壁画一体なに?スウェーデン独特なの?」と聞くと
「多分、そうかもしれない」

旧約聖書にでてくる話があちこちに書かれているのだそう。
大きな+(クロス・マーク)の絵を指差し「これは昔12あったんだ。」
途中で改造して窓を大きくしたりするうちに、一つ無くなり、また一つとなくなったんだそう。

興味深い話をもっと色々と聞きたかったけど、もう時間だ。
一緒に機材を車につんでウプサラに向かった。
それにしても、ね、ネムイ!
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夏至祭 - midsommar

2008-06-20 23:24:39 | 2008年夏
今日は夏至祭のイブ、midsommaraftonです。

夏至祭は、前日(イブ)にフェスティバルやパーティをする。
今までフェスティバルなどがある金曜日が当日なのだと思っていた。

夏至祭になると、都会はゴーストタウンのようにひっそりと静まりかえる。
というのも、お店は閉まるし、みんな田舎へピクニックをしに行くのだそう。
田舎に行くと、古くから続く伝統行事がみれる。
白樺の葉と花で飾ったメイポール(midsommarstång)をたて、ロングダンスを踊るのだ。
リングが二つあるこのメイポールは、fertility(繁栄、豊穣)を意味するのだそう。
このメイポールは高さがかなりあって、立ち上げるのに一苦労。
立ったときには拍手がおきる。

まず、ガムラウプサラ(Gamla Uppsla)のDisagårdenの夏至祭に、語学学校の皆と見に行った。
バスで10分ほどで到着。自転車でも行ける距離です。
写真1:ピクニック用品持参です。
写真2:メイポールの高さは6mくらい。

ガムラウプサラでは12時にフォークミュージック。12:30にポールをたてる、というプログラム。
その後はダンスなどあるのだけど、私はポールが立ったら皆とサヨナラしてウプサラ行きのバスに飛び乗った。
1週間だけの飛び入り語学研修だったので皆ともここでお別れだ。
(2週間後にまた語学学校に飛び入り聴講する予定)

2時頃、カイサが迎えに来てくれた。
メールで近々会おうという話はしていたものの、昨日のランチで偶然となりにいたことから、
夏至祭のイブはウロフ(Olov)の家に一緒に行こうと誘われたのだ。

ウロフの家はウプサラ郊外のかなり田舎にある。
果てしなく家も看板も何もない森と大草原が広がる田舎を車で20-30分とばすと着いた。

ESI(留学してたとこ)の校長ミッケ親子、ローゲル一家もきている。

スウェーデンでは典型的とうか田舎の家はこんな感じなんだけど、庭がとにかく広い。
子供達が10人くらい走り回って遠くで遊んでいるけど、奇声も叫び声も遠い。
日本だったら狭いから、この人数の子供が集まると相当うるさいと思う。

その庭の向こうは、人工物のなにもない大自然がひろがります。すばらしい眺め。

私は、久しぶりのウロフというより「先生のウロフ」のイメージが強くて実はしばし固くなっていた。
固くなっていた私は、カイサが手土産に持って来たスウェーデンいちご(ドイツやベルギー輸入が多いけど、これはスウェーデン産)を
ひたすらいちごのヘタ取り器をもって黙々と。

イチゴって日本語でなんていうの?と言われて「イチゴだけど?」と言うと、みんな大爆笑。
ノルウェー語で、「not good」という意味になるんだって。

みんなそろったところで、ウロフの家でも、小さなメイポールを作って立てた。
「白樺がなかったからライラックの葉にしたんだ」と器用に紐でくるくると葉を木に縛っていく。(写真3

さてさて、その後はゴージャスです!
ウロフのニッケルハルパ、ローゲルのバイオリン(←を弾くとは知らなかった)、校長ミッケのギターに、
カイサのバイオリンでロングダンスを皆で踊りました。(写真4
凄腕プレーヤーの演奏を伴奏に夏至祭ってちょっと贅沢だわ。
良い音楽を聞いて、わーっと踊ったら、変な緊張も解けてしまった。

雨が降ったかと思うと風が吹き始め、かと思うと穏やかな晴天にと目まぐるしく天気が変わる。
空を見上げKonstigt(変ねー)と言い、テラスでご飯の準備がはじまった。

夏至祭やクリスマスの料理は、伝統的なスモールゴースボード(Smörgåsbord)でビュッフェスタイル。
サラダ、色んな味の数種のsill(酢漬けの魚)、ヤンソンさんの誘惑(ポテトクリームグラタンのようなもの)、
ショットブッレ(肉団子)、湯でたポテト、クネッケブルード(乾パン)、パン、とたくさんの典型的な料理がキッチンのテーブルにセッティング。
私たちは食事を皿にとってテラスへ。

snapsというウォッカのようなお酒もそそがれ、Drycksångを歌う。(お酒を飲むときに歌う歌)

んー、gott, gott!(オイシー)

そうだ、あれを聞いておこうと、気になっていたことを聞いてみた。
先週のオステルビブルックのステンマ(演奏のお祭り)の規模小さかったこと、
日本でニッケルハルパの人気にかげりがあるかも?と一部ささやかれていることをどう思うか聞いてみたのだ。

すると、やはり人気は衰えるどころか若い世代でさらに人気がでているのだという。
ただ時代は変わるもの。
オステルビブルックで30年近くステンマを毎年開催した人達は老いてしまった。
若い人は弾きに来るだけで、主催の交代などこの間、新しい人は全く関与していないらしい。

そしてマグヌスやエリック、ダニエルなど、ヴェステルボッテン出身のプレーヤーが増えたように、
ますますニッケルハルパ=ウップランドという図式が消えつつあるのだと。
若い世代の中で、オステルビブルックやウップランドがニッケルハルパのメッカだと重要視する人が少なくなってきている、と。

悲しい気もするし、フォークは活きているから時代が変わっていくことは自然にも思える、複雑な感じだ。
特に70年代、エリック・サルストレムと共に立ち上がった人々、その当時若きウロフやカイサたちの世代が
一番複雑な心境かもしれない。

さて、食事が一通り落ち着くと曲をいくつか弾きはじめた。
私がケースから楽器を取り出すと、「Esbjornの楽器だ」「弓はジャン・クロードだ」。
さすが、皆さん、チラっと見ただけでわかるなんて、この世界のリーダーだものね。
ビスカレの曲など、ウップランド・チューンを数曲弾いて、すっごく気持ちいい!
校長ミッケのギターがまたウマイ!
コードをつけるのが上手いからさらに盛り上ってくる。

さてさて、帰る直前に私が新しく買ったポータブル録音機器をみせた。
OlympusのLS10。カイサとローゲルは「こんなのあるの?欲しい!
ウロフは「雑誌で読んでこれ知っているよ」さすが。
PCMとmp3とWMA形式で録音でき、内臓2Gメモリと、さらに私はSDHC 8Gを装備。
私は実はあまり詳しくないのだけど、ローゲルは24bit録音できるところに感心していた。
ポータブルは、高音質でないもの、内臓メモリしかないものが多く、これはかなり使い勝手の良いデラックス版だ。

今夜カイサは、マグヌスとディッテとコンサートをするので、カイサの車できた私は早々に一緒に帰った。

未定・未公開かどうかが分からないので詳細は書きませんが、ヴェーセン来日についての話もちらっとだけ聞きました。
早く決まるといいね!
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北欧の雑貨

2008-06-19 23:39:32 | 2008年夏
今日は先週末Toboで知り合った日本人と夕方17時からお茶する予定。
そして今日、バッタリ、カイサにあったのでFikaしない?ときくと、
「fikaってことは14:30?」と聞かれた。
そう、ついfikaって英語や日本後にはない単語なので「お茶する」って訳してしまいがちだけど、
スウェーデンのFikaは習慣だったり、法律で午前・午後と決められていたりするので、ちょっと感覚が違う。
夕方だと、fikaと言われてピンとこないみたい。

さて、そんな話はおいといて、待ち合わせまで、ぷらぷらとお店をのぞいて・・・時間つぶしのつもりが
早速買ってしまった。Design Togretにて。
写真左は、鍋敷きにはならないけど、熱いものをのせるプレート。
それと計量カップ。
スウェーデンで料理の本を何冊か買ったけど、意外にテーブルスプーン何杯という表記が多い。
慣れてない私には、コーヒースプーンくらいのサイズか、カレースプーンくらいのさいずが見当つかない。
でもこの計量カップには、そのテーブルスプーンの目盛りもついているのだ。

さて、その後はYさんの素敵なおうちへ。天井も高く、壁紙もかわいかった。
そしてお手製デザートをいただきました。
ごちそうさまです!
夕方のお茶のはずが、話していたら結局23時過ぎてしまいました。
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Villa romana

2008-06-17 23:35:11 | 2008年夏
語学学校、二日目です。

今日は、数字、天気、疑問文の作り方。
午後は発音のレッスンもあります。
スウェーデン語の発音って、歌うようなリズムと抑揚があって、話していてとても楽しい。

さて、楽しみはもう一つ。
もちろん、ランチ!
今までスウェーデンに来ても、外食をする機会がほとんどなかった。
(お店もない田舎で開催されるコースがほとんど)
高くつくけど、みんなでランチでレストランめぐりができるのが実は一番うれしい。

さて今日は、Gamla Torgetにあるレストラン。
villa romana
とても雰囲気がよくて、夜はとっても高い。お昼も高めだけどまだ手がでる。(89kr)

よく、スウェーデン人男性はシャイでなかなか打ち解けないという。
音楽を通して人と知り合うことが多い私は実際のところはよく分からない。
でも、うちのクラスのスウェーデン語を学びにきた男性陣はシャイな人が多い。
こうやって、一緒にランチをするうちに徐々に一人、また一人と打ち解けていく感じ。

写真左:ランチ。ポテトとサーモン。これにサラダもついてます。

写真中央:昨日、あまりに寒かったのでパーカーとブランケットを買った。
ついでにのぞいたCD屋さんで早速買ってしまった。Magnus HoströmのCD。

写真右:朝ごはんの買出しも。これこれ!このPrästというチーズ。お気に入りです。
留学中のコックだったスティーナに、これウマイ!なんていうの?と聞いたらPrästだと教えてくれたのです。
スティーナによると、私の好みの濃いチーズはStark(strong)というチーズらしく、このstarkチーズといえばPrästなのだそう。
ブロックのような塊でも売っているし、写真のようなスライスでも売っています。

そしてもちろんお気に入りのライ麦パンを買って、バターにチーズをのせると・・・ん~おいしい!
日本にももって帰ったこのパン。日本ではそんなにおいしくなかった。
多分、決定的な違いはバターだ。
こっちのバターは塩分、香り、まろやか度合い、絶妙なハーモニーでめちゃウマなのです。
このチーズとバター、だれか日本に輸入して!
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語学学校初日

2008-06-16 23:09:18 | 2008年夏
今日は語学学校の初日です。
金曜は祝日なので実際は木曜までという私にとっては激短コース。
しっかり学ばねば!

さて、学校に歩いていく途中、ふと見上げると、やかん!?
いや、街灯でした。(写真
デザイン王国スウェーデンというけど、こればっかりはよく理解できないランプだ。
さて、写真右は私の部屋です。
今回、vandrarhem(ユースホステルのこと)の長期滞在者用アパートに泊まっている。(リンク先HPの英語表示させたEXTENDED STAYというページ参照)
部屋にキッチンやシャワーもついてます。
語学学校に行くことを早く決めていれば、もっと安いアパートを紹介してもらえるけど今回はぎりぎりで決めたので仕方ない。

語学学校って大学の時、マルタにいって以来。なんだかウキウキする!
クラスメートは、フランス、香港、台湾、ルーマニア、ベルギー、アメリカ、ドイツといろんな国の人がいます。
日本人も一人いて、お母さんがアメリカ人だそうで日本語より先に英語を覚えたんだって。
私がいるのは初級クラスで、年齢層は13歳~30半ばまでいる。
中級クラスは、中年以降の人もみかけた。

初級の初日はもちろん自己紹介の仕方から。
出身や年齢、名前など。スウェーデン語っておもしろい!
今まで、たれ流し状態で、わーっと浴びていたスウェーデン語シャワー。
おかげでスウェーデン語の単語がまざった英語を、スウェーデン語訛りで話すようになってしまった。
それに、今まで誰も意味なんて説明してくれなかったのに、一つずつ丁寧に説明してくれる!(当然だけど)
ああ、やっと存分に聞ける!

時々先生はスウェーデン語でわーっとまくしたてるので、他の生徒は頭が痛い!って顔になる。
13歳のW君は「Oh, no」とつぶやいて顔が青ざめる。
なんてったて、私の「Oh, no」は100回くらい経験済み。
このスウェーデン語シャワー攻撃にはすっかり免疫ができてるから肝っ玉据わっってるのだ。
何でもっと早く勉強しなかったんでしょ。
聞いたことがあった、あんな言葉もこんな言葉も「あぁ、そういうことだったのね!」と毎分、新鮮な感動。

自己紹介で、何ヶ国語話せるかという質問がでて、やはり数ヶ国語をあやつる人が大多数。すごいなー。
でもそんな皆も、ここは初級クラス。
スウェーデン語は全く初めてらしく、スウェーデン語が結構耳に残っている私はちょっぴり優越感。
ふふ~ん。

お昼は、クラス全員、仲良くそろってランチへGo。
さわやか、かつユーモアあり、皆を上手にまとめるベルギー出身のBがお昼の定食を出すお店につれてってくれた。
このBって、まるで映画にでもでてきそうな印象の人(主役でね)。
こんなバランス感覚のある人は日本でも外国でもそんな頻繁にはお目にかかれない。
さて、メニューはパスタやサンドイッチ等どれも65krでドリンク付。
ボリュームはすごいです。
円にすると1300円ほどで高いけど、スウェーデンではランチでこの値段はごく普通。
欧米で集団行動って普通?
イギリスやマルタの語学学校では皆バラバラだったから、この連帯感が不思議。

さてさて、今日は雷もなる大雨!傘もなくずぶぬれになってしまった。
ほんとに夏?というくらい寒い。
すぐ雨に変わったけど、一瞬、雹が降った。

明日は防寒具の買出しにいかないと風邪をひきそうだ。
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ニッケルハルパ・ステンマ

2008-06-15 23:19:26 | 2008年夏
今日は昨日に引き続きステンマの二日目。
会場はかわりオステルビブルック(Vallonbrukで、古い製鉄のエリアの一つ)で開催される。

といっても実は私は行かないつもりでいた。
今日は借りているアパートにチェックインと、月曜から行く語学学校のチェックインとがあり、
オステルビブルックはToboの近くとはいえ田舎だから移動手段がなく時間の合間をぬって行くとなると大変なのだ。

と、あきらめていたところ、昨日からToboに滞在中のIさんが車で連れて行ってくれた。
ウプサラのチェックインも連れていってくれたので大荷物だった私は感謝感激。ありがとうございました!

着くとさっそく教会でコンサートだと言うので中に入った。
入口で聖書らしき本を渡された。(後で賛美歌の本と判明)
え?日曜のミサ?
それなら話が違う。信者でない私は中に入ったって仕方ないと思い牧師さんに本を返して外にでた。
出たところで、昨日知り合った北出身の職人とノルウェー人にばったり。
「入らないの?」と聞くので「入ったら聖書みたいな本を渡されたから出てきたところ。
だって説教がはじまったらスウェーデン語分からないし寝ちゃうでしょ」と私が言うと
「違うよ、教会の催しとコンサートが混ざってるんだよ。入ろうよ。説教が始まったらそこはぐっと我慢さ!」とガッツポーズ。

ふん、そう言うなら入ろうかな。
中に入ると・・・ごめんなさい。寝てしまいました。
Horgalåtenの演奏やダンスがあったのはおぼえている。
教会でって今は普通だけど、ほんの数十年前までは教会の中でフォークは禁止されていたというから今はかなりオープンになった。

その後のイベントは・・・やっぱり盛り上がりにかけた。
人もそれほど多くない。久しぶりの人に再会するかと思いきや、期待していた人はいなかった。
元クラスメートも数人メールで聞いたら行かないと言っていたし、話に聞いていた過去のものと雰囲気が違う。
主催者グループの意向で今年は規模を縮小した、と言う話は聞いていた。
それで有名人コンサートを省いたようだ。すると若い人はもちろんこなくなる。
なんだか悪循環だ。

そんな中、突然、日本語で私の名前を呼ばれた。振り向くとスウェーデン人女性。
誰?と思うっていると、流暢な日本語で話しかけてきた。
何でも外務省関係の仕事をしていて、日本が大好きで度々きていて、娘さんがニッケルハルパを勉強中なのだそう。
んー、そういえば、そういう子が来日する噂を昔、聞いたことがある。
そしてその女性が「Lちゃん、ちょっとこっち来て」と金髪のかわいらしい女の子を呼んだ。
かわいらしいのだけど、青と黄色が交互の歯の矯正器具をついつい目がいく。
「Jaha!スウェーデンカラーね!」と言いたいのをぐっとこらえて
見えてないフリをした。(だって、年頃の女の子って繊細かもしれないし)

その後は、ステンマの盛り上りもイマイチだったこともあり、楽器も弾かずその夫婦と長いこと話をしていた。
以前、Esbjörnの家に日本の有名なミュージシャンが来たと聞いたことがあったけど、この夫婦と話をして誰のことか判明した。
東儀だったらしい。この旦那さんがその取材に関わっていたそう。
いやー、世界は狭い。

それにしても、なんか弾く気がしないなぁ。
今日も、昨日Toboで知り合ったHさんやEさんが来ている。
ぱーっと盛り上ったステンマじゃないから、私が呼んだのではないのになんだか申し訳なくなってしまう。

どこかに一緒に弾けそうな人ないかなぁとふらふらしていると、Olovから習った人だけが知っている特別な曲が聞こえてきた。
近づくと、あ!ESI(トボの学校)の卒業生!
やっと同志のような人達をみつけて、弾く気がわいてきた。
その後は、サルストレム一家のSigurdを交えセッション。

でも今日はゆっくりできないのです。
まだ、語学学校に支払い等をしにオフィスに行ってないから早く戻らないと。
さっそく近くのバス停から、ウプサラへ。
(ÖsterbybrukからSkytorptまでバス行って、そこから電車にのるのが最短。約40分)

この語学学校(Glossa)、実は出発の10日ほど前に突然申し込んだ。
いつまでも「スウェーデン語ワーカリマセぇーン」
なんて言ってられないと最近思っていた。
本当は6週間のコースで締め切りもすぎていたのだけど、ニッケルハルパのコースやイベントの合間に1週間あり、
無駄にしないためにも聴講したいと申し出たのだ。
すると「どうぞ。いらっしゃい」とあっさり迎えてくれたのだ。
日本ではありえない柔軟性!?
日本なら例外を認めると後がややこしくなるからという理由で断る場合が多いんじゃないかな。

あ!駅について、ふと思い出した。
地図も連絡先も部屋に置いてきた荷物の中だ。つまり今日泊まる場所すら分からない。
うーん、困ったなぁ。
一生懸命思い出して、語学学校のオフィスがCarolina libraryの近くということだけは思い出した。

無事にたどりつくと、メールで2,3日前までやりとりしていたLennartと初対面。
とっても親切な人だった。
「地図を置いてきてどうやって帰ったらいいか分からないの」
というアホな私に地図をくれて印をつけてくれた。

明日から気合いれて頑張ります!
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楽器の審査結果

2008-06-14 23:26:46 | 2008年夏
目が覚めると、ここはどこ?あれ?スウェーデン?Tobo??
と、朝からかなりボケていた。
昨日も書いたけど、やっぱり行く前の多忙でバタバタとやってきたせいか、到着以来すごく変な感じがしている。

今日はせっかくイベントの日なのに一日中雨がふったりやんだり。
イベントとは、ステンマのこと。このすぐ近く、オステルビブルック(Österbybruk)のHerrgårdenで
毎年ニッケルハルパのステンマ(stämma)が開催される。

ステンマは、fiddler’s gatheringと英訳されるのをよくみる。演奏する人が集まって弾くお祭りのようなもの。

オステルビブルックは小さな村だけど、数百年前からつい最近まで鉄の採掘と製鉄で有名だった。
鉄にはどの地でされたかシンボルが入るが、オステルビブルックの「O」の上の「・・」にちなんで
○が二つ並んで刻印される。
Esbjörnが作るニッケルハルパにも、これからとって○が二つ掘ってある。
(私の楽器は特別に桜が二つ)
Esbjörnの楽器を使っているラーナリムのNiklasが6月来日コンサートするので間近で見る機会があれば探してみてください。
といってもデザインは時々変えているのでひょっとしたら無いかも。

話を戻して、このステンマ、今年は1日目がこのToboの学校。二日目がオステルビブルックで開催される。
プログラムでは一応10時スタートだったので、とりあえず何があるのだろうと学校の中へ。

まずは入口で校長のミッケに再会!やあ!やあ!
そして奥のサロンへ行くと・・・
???
日本人らしきグループ。
一人、Iさんはメールをもらっていたので(楽器購入とサマーコースを計画中でスウェーデン出張中に立ち寄るとのこと)
すぐにぴんときた。
まだよく回らない頭で話を聞いていると、Iさんがニッケルハルパをきっかけに知り合った友人・知人とのこと。

いやー!驚いた。こんなスウェーデンの片田舎に日本人が数人いるなんて!
ニッケルハルパが人を惹きつけ、人を結ぶ、って感じでしょうか。日本でも徐々に浸透していっているということね。すばらしい。
さらに話を聞いていると、なんとこのブログを読んでいて知っているとのこと。
そ、それは…うれしい反面、恥かしーではないですか!
なにせ、読みましたと目の前で言われたのは初めてのこと。あんなことや、こんなことも書いたのに。

すると突然誰かに肩をつかまれた。Esbjörnだ!
全然変わってない!
挨拶でぎゅっと抱きしめる、アレ。私はとってもジャパニーズなので本当は好きじゃない。
でもお別れや、こうして再会すると、自然に体が動く。やっぱりこれが一番気持ちが伝わるのだ。
大事な人に再会したという熱いものがこみ上げてきた。
私にとって、もう一人のお父さんかのような存在だ。
濃いToboの1年間がフラッシュバックしてよみがえってくる。
でも積もる話もそこそこ、Esbjörnは開催中のセミナーやこのイベントなど主催をしていて忙しいので、また後でと言ってその場を去った。

コーヒーを片手に日本の方たちとお話していると・・・、めちゃめちゃ上手い音色が聞こえてきた。
あ、Danielだ。Danielはこのブログにも何度か登場した非常に上手い若手のプレーヤだ。
緻密というくらい繊細、かつ正確に弾くので、Esbjörnのお気に入りプレーヤでもある。やあ、やあ!久しぶり。

昼すぎには楽器を持った人が少しずつやってきた。
ソニアにも再会!
今日はご飯とグッズのセール係で来たのだそう。
ご飯は、レンズ豆と野菜のスープ。スティーナ(今日はいなかったけど)が作ったんだって。やっぱりウマイ。
トマトスープに見えるけど、何かもっと複雑な味がする。
グッズは、エリック・サルストレムの作曲した有名なワルツの譜面が印刷している布バッグ。日本で持ってたらマニアっぽいかな。

さて、職人みんなが今日はEsbjörnたちが出す結果を待っている。
写真は、出展された楽器が並べている様子。

審査に結構時間をかけているが結果は夕方頃に出た。
3つのカテゴリーで5点満点で採点がされる。
優勝とでもいうのか、ベストとされたものは3つあった。
見ると・・・昨日のHasseだ!コンパクトボディーと音色がやはり決めてだったのかな。
Zetterbergは一家で実は出展していた。みんな優秀点をもらっていた。きっと器用な血筋なのでしょう。

さてIさん、この出展中の楽器からHasseの楽器に目をつけたようです。
購入が決まれば、日本にあの音色がやってくるってことです!聞きたい!

夜になって片づけ中のEsbjörnが私の楽器を持って来いという。
持ってくると、Hasseの楽器と私の楽器の弾き比べをDanielにさせた。
Danielの演奏にうっとり・・・じゃなくて、いやいや、しっかり音を聴くと、ふむふむ、違いを感じる。
スウィートだと思ったHasseの楽器は聞き比べると、Esbjörnの楽器(私の楽器)のほうが表面ではなく音色の奥の芯に温かみを感じる。
Danielが弾くからかな。私が弾いてもこんな音したっけ??
Esbjörnはうなずきながら「I am very satisfied with my work」(自分の作った作品に満足している)。
そんな楽器を持つことができて光栄です!

実は、このとき私はEsbjörnの楽器を一つ、理解していなかったことが分かったのだ。
私に弾いてみろと言うので弾いてみると、弾く場所が違うと言うのだ。
ブリッジとキーボックスの中間を弾くように学校では習ったけど?というと「ノー!違う!」って。
Esbjörnの楽器はキーボックス側で弾くんだって。
作った本人がそこで弾くというのだから、この楽器はそこで弾かないと本当の音色がでない。
なんで言われるまで気づかなかったんだろ?そう習ったからって、弾くうちにベストポジションを無意識に探りあてるものだろうに。
良い楽器を最大限に活かしていなかった自分にちょっと腹がたつ。

そして私の楽器の問題を一つどうしたらいいか聞いてみた。ニッケルハルパは共鳴する楽器だけど、
共鳴しすぎると弦や鍵盤の振動から雑音がでるのだ。
私の場合は鍵盤がガタガタと小刻みに音をたてる。

すると早速Danielが、「鉛を鍵盤に貼るといいよ」と見せてくれた。
雑音は、高音部の軽い鍵盤から出る、よく起きる問題らしい。そこでDanielは高音の鍵盤の裏側に鉛を張ったのだって。

そうこうするうちにEsbjörnがもう帰らないとと言う。
あ、そう。じゃあ私はもうちょっと弾こうかな?と階下へおりると…あれれ?電気が消えてる!人がいない!
なんとあっけなく23時頃にはお開きになっていたのだ。
うーん、確かに実は今日のイベントちょっと盛り上がりにかけていた。
明日はどうなんだろう?ちょっぴり不安です。
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再びスウェーデン。夏。夏!?

2008-06-13 23:33:22 | 2008年夏
再びスウェーデンです。今回は夏の約1ヶ月間滞在予定。

KLMでアーランダ空港についたのが20時頃。
荷物を受け取ったら、1時間に一本のUpptåget(ウップランド地方のローカル電車)に乗り遅れないように猛ダッシュ。

意外なことに、1年ぶりだとか、なつかしいとか、しみじみした感慨がない。
出発前の数週間は結構殺人的な忙しさだった。そのせいか、準備中から行くぞー!っていう感じもなかった。

とりあえず、20:57発の電車にのりこむ。(空港~Tobo 150kr)
あー、やっぱり変な感じ。見慣れた電車の内装をみると、
「以前」乗っていたっていう感じがなく、前からずーっと今もスウェーデンにいてこの電車を利用しているような、変な感じ。

さてさて、変だ、変だと頭をブンブンふりながらToboについた。
駅についたのは22時頃。この時間でこの明るさです。
写真は、Toboの駅とUpptågetの赤い電車。そして学校への道の途中の見慣れた風景。

今日と明日の二日間だけ学校に泊めてもらうことにしたのだ。
夜到着なのにどうやって鍵をもらおう(学校に駐在スタッフはいない)・・・と思ったら、ちょうど去年の帰国の頃、
職人向けセミナーがあったように、今回もちょうどそのセミナーの最中で人がたくさん泊まっているとのこと。
「ドアをドンドンって叩いたらいいよ。誰か気づくでしょ」と先生ソニア。
日本から来たKさんも今日はここに泊まっている。
前回会ったのもスウェーデンだったから1年半ぶりくらいなので楽しみ。

スウェーデンはもうすぐ夏至祭というくらいだから夏だろう!と思って薄着で着たらかなり寒い。
この寒さでドアを叩いて誰も気づかなかったら結構ヤバイ!
早速、学校につくなり、ガラスのドアの向こうに楽器を持った人達が見えた。
よかったー!これですぐ中に入れる!と思ったら大間違い。
開けて~!と「ドン、ドン」って何回叩いても楽器を弾いて気づいてくれない!
ええ!?しまった。職人セミナーに参加する人ってご年配の方が多いんでした。
耳が遠いかも!?
キッチン側にもガラスのドアがあったことを思い出して早速移動。
今度は老眼でも、ど近眼でも私が見えるだろう、と思った私が大間違い。
やっぱり何回叩いても気づいてくれない。そしたら、あらら、鍵がかかってなくて押したら開いた。
すると、目の前にOlle Plan。
「何やってんの、早く入って。弾こうよ」って。
やっぱりここでも「感動の再会」がない!ずっとここに居る人みたいじゃない!?と思いつつ、
「弾くのはいいけど私の部屋はどこ?誰か知らない?」という声はおっちゃん達の中でかきけされてしまった。
ま、いっか。ここは流れに身をまかせよう。

さすがは職人の集まり。取り出した私の新しいニッケルハルパに視線集中。
ぱっと見てEsbjornの作品と分かるのにデザインがちょっと違うから余計に目をひく。

すると、近くに住んでいる学校スタッフのアンナがやってきた!
Hej Anna!と私が駆け寄ると、突然「キャー!!!」と泥棒にでも遭遇したかのような大声で叫んで、ギュッとされた。
そうよ、これ、これ!
やっと久しぶりって感覚がしてきた。

その後は・・・、つもる話なんてしません。
一緒に弾けば、久々の再会でも簡単。
という訳で、アンナも楽器持参で私達に参加。

演奏合戦も落ち着いた頃、Hasse Zetterbergという初めて知り合った職人さんと、Pumaの楽器を作っていたことで有名なSören Åhkerが
どっちの楽器がいいかと熱く議論を始めた。
そして私に試奏して感想を言ってくれ、と言うのだ。
今日のセミナーで楽器を採点が行われたらしく、明日が結果発表。
「俺のが一番だ!」「いーや俺のだ!」って盛り上っているみたい。
まずはSörenの新作から。
LimaのLångdansを弾いてみた。これは高音がきれいに響くときれいな曲。
響かない楽器だと何を弾いてるの?ってくらいの感じがする曲。

「ふんふん♪相変わらずきれいに響く楽器ねー」と私。
するとHasseに「はい、じゃあこっち」と渡された。
「ふんふん♪あら!めっちゃ、きれーい!」と私。
するとSörenが「NO!はい、もう一回こっち」と渡され、それからさらに数回。
Sörenの新作はきれいで繊細な音だった。
Hasseの楽器もよく響く楽器だけど今まで聞いたことがない音色だ。スウィートっていう表現がぴったりくる。甘い音色。
このLåndansに限っていえばHasseのほうがピッタリくる気がする。
明日の結果が楽しみ。

・・・というか、私、さっき日本から着いたとこなんですけど・・・。
「まあまあ、ワインでも飲んで」とOlleにワインをつがれた。
(紙パックに蛇口?がついたやつ。これが意外にまろやかでおいしい)
ま、いっか。初日だし!
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