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ガンジス・河の流れ

インド・ネパール。心の旅・追想

ミャンマー入国

2022-06-02 | 心の旅・追想
チェンマイから約10日間、ケシ畑を求めて北西部を旅し12月30日チェンライに着いた。すぐTGオフィス(タイ航空)へ行き1月1日をビザぎりぎり15日のフライトに変更する。楽しくなりそうな予感あり。
チェンライで荷台を改造した三菱、トヨタ等のネームが入った小型トラックをチャーターし、朝LSDを飲んでミャンマー国境の町メーサイへ向かう。荷台に座って道路を見ているとLのせいか猛烈なスピードを感じる。
小川が国境線でその橋を渡ればミャンマーだ。チケット売り場で5バーツ払うと紙切れを渡され、それを持って入国した。


土産物売り場をひやかしながら回っていると ギィョ~ォ~とし足をとめた。壁には大きな一枚皮の虎がおるではないか、しげ々と見入っていると店番をしている痩せこけたおやじが こりゃ商売になると思ったのか、こっちやこいと手招きをする、台には数本の虎の牙らしきものが並べてある。こりゃなんだと聞くと、おやじは左右の手に一本づつそれを掴み口の両端に立てると ガァォ~~と叫びやがった。おやじの顔の方がよっぽど怖かった。なんぼやと聞くと彫った牙は300、牙だけだと200バーツだと言う。二本300バーツで買ってしまった。

バザールで飯を食べて、さて帰ろうかと橋に差し掛かるところで問題が起きた。
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白骨街道

2022-05-06 | 心の旅・追想

ミヤンマー国境に近い村に立ち寄った。タイ人達の会話は普通であったがケシ畑の話をすると村人の顔から愛想笑いが消えた。ケシ畑は知っているが保証は出来ないと言う、シンジケートが警戒しているのだろう、危険だ、メーホンソンへ引返すことにした。



ホテルの裏山を30分程登ると山寺がありメーホンソンの町が一望できる
小さな町だ、道は山並みを越えた向こう、ミャンマーへ続いているのだろう。
この道は白骨街道と言われているのを寺で聞いた。
インパール作戦は1944年3月開始された。太平洋南方戦線ではアメリカの強力な軍事力によって主力艦隊は撃沈された。前線基地へ民間の徴用船により食料、軍事物資の輸送を行うが爆撃と魚雷で狙い撃ちされ前線基地は孤立してしまう。既に日本軍は制空、制海権を失っていた、それはビルマでも同じような戦況であった。英印軍、アメリカの支援を受けた中国軍の攻撃が始まった。食料、軍備の補給がない日本軍に撤収命令がだされた。インパール作戦で戦死した兵は16万人と言われている。部隊の集結地はラングーン、他の部隊が撤退し集結するのはチェンマイだという。ビルマの山岳を超えて尚チェンマイへの遠い敗退の道のりが残されていた。食料、医薬品もない、飢餓とマラリア等の病に多くの兵が倒れた、その道に1万8千の兵の屍があった。(wikipedia 帰国された方の文章を参考にした) 
 
お寺に供養の寄進をするとタイ人のお坊さんはとても長いお経をあげてくれた。
記帳があり開くと多くの日本名の記入がある、遺族の方だろうか、どのような思いでこの寺をお参りされたのだろうか・・・ぼくに分からない。

ぼくはチェンマイへ戻りチェンライからミヤンマーとの国境、北東部の町メーサイへ行く予定だが・・・

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ミャンマー国境へ

2022-04-04 | 心の旅・追想


バンコクで知り合ったタイ人のA君からチェンマイとチェンライで安全に粉を入手できる場所を聞いた。そこへ彼の友人チャイニーズ系のB君が来てタイ北西部の話になる、これは面白くなりそうだ。彼はミャンマー国境付近の村でブルーサファイアの大きい原石を探すつもりらしい、ぼくの頭の中に旅のイメージができた。
チェンマイからメーホンソンへ移動する。目的はミャンマー国境で自生している咲いたケシの妖花とケシ坊主の写真を撮る。
メーホンソンで会う約束をして20日夜行列車でバンコクを出発した。
チェンマイに2泊し翌朝メーホンソンへ向かう
タイ北西部のメーホンソンは静かな町だ。チェンマイからバスだ、一部未舗装の悪路があり結構きつい移動となった。
旅先での約束は当てにはできない、それはお互い理解していることだ。
夕方、ドアをノックする音、A君とB君だ、ちょうど飯の時間、3人で食堂へ行く。ビールを飲んでいるとC君と合流した。国境まで土地勘のある彼を必要としたのだろうA君が呼んでいたのだ。モトクロス用バイクで行くと言う、それ程の悪路なのだろうか?
想像以上の悪路だった





途中 首長族の村に立ち寄った ブルーサファイアの原石があるという 真剣に原石の鑑定をするB君、納得したのか値段の交渉に入る 話はまと待ったようだ、お互い機嫌が良い 
次の目的地へ出発する

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リシケシのババ

2022-03-07 | 心の旅・追想




スリランカ、南インドを各一ヵ月、旅をして雨季のリシケシへ戻ってきた
残りのビザはインド二ヶ月、ネパール一ヵ月、十二月にはバンコクへ飛ぶ
年が明ければカトマンズに入国しビソバーサ・キャンパス(外国語学校)
へ入学することにした。一年間のマルチビザは有り難い、のんびりしたい
ビザに追われての旅だった。

毎日 チラムを吸ったババ
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遠い道  マリーとの別れ

2022-02-01 | 心の旅・追想
「レートは幾らだ」
「38ルピーだ。これ以上は下がらない」 
信用できるレートを出してきた。ぼくは刑務官に連行されてコンノートンの東京銀行に行った以外、1年以上、銀行で両替をした事がない、がたぶん銀行両替のドル持込みで35ルピー、逆両替だと36~37ルピーが相場だろう。ブラック・マーケットで1ルピーしか乗せていない。話しがあまり美味すぎる、偽札を掴まないよう用心することだ。
「紙幣の額面は?」
「1~100ドルどれでも欲しい紙幣を出す。1万㌦でも両替するぞ」
嫌味な野郎だ。どこにそんな大金がある、あるわけがないだろう。1万㌦とはったりを噛まされてぼくはちょっと小さくなり
「カリュキュレーターを貸してくれ」
ぼくは細々と計算をした。2000㌦だと残りのルピーが少な過ぎる。1900㌦だと72000ルピーでちょうど良さそうだ、それで話はついた。お互いにお金を交換しチェックする。ぼくは19枚の100㌦紙幣を手に入れた。偽札の見分け方は知っている、ぼくが入念に調べていると
「偽札は混ざってない。シーク教徒は信用で商売をしている」
「分かっているが一応、調べさせてくれ」
取引きは終った。ドルが欲しかったらいつでもきてくれ、と言うサダジと握手をしてぼく達は店を出た。マリーにはぼくのお礼の気持ちとして少しお金を渡した。言葉のお礼なんて何の役にも立たない。この取引きは本当に助かった。英和中辞典くらいの大きさと重さがたった19枚の紙幣に変った。それだけではない、最悪の場合はこのお金だけでも帰国する事ができる確実な保障をぼくは手に入れた。
「これでお別れね、トミー。気をつけて行くのよ」
「ありがとう、マリー」
別れ際、彼女はメモをぼくに渡した。
「日本に帰ったら、手紙をちょうだい」
「あぁ、そうする」
さようなら、マリー

二日後の夜、ニューデリー駅 印ネ国境の町スノウリ方面の列車バイシャーリEXPが発車した。これは旅ではない、逃亡の始まりである。
 

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遠い道  ブラック・マーケット

2022-01-08 | 心の旅・追想
「トミー、インド・ルピーを幾ら持っているの? ドルと両替した方が良いわよ」
と彼女は変な事を言い出した。ブラック・マーケットでドルをルピーに両替するのは可能だが、その逆もあるのだろうか。その件についてマリーは何か情報を持っている。突然の思いつきではなさそうだ。それは良い考えでぼくも思いつかなかった。確かにそれが出来ればぼくは助かる、たぶん七~八万ルピーは持っているはずだ。このルピーでは飛行機のチケットは買えないし何に使うのか方法のないお金だった。カトマンズに約二十万円の現金がある。スンダルが保管しているはずだ、がぼくが逮捕され刑務所に入った新聞記事を奴が読んでいればそのお金はどうなっているか分からない。ぼくがカトマンズに戻ってくる可能性がない、と奴が判断すればその二十万円はないかもしれない。マリーが言うようにルピーをドルに両替することが可能なら少しレートが高くてもそうしたい。
「マリー、本当にそんな事ができるのか?」彼女はフィリップスと相談している。サダジの店はどう、サダジなら大丈夫だろう、そんな2人の会話が聞えてくる。
「心当たりがあるわ、行ってみる?」
「当然行くよ。ちょっと下で待ってくれ」
そう言って2人に部屋の外へ出てもらった。
お金を勘定しているところを見られたくない。数えてみると約八万ルピー弱ある、それを袋に入れて2人が待っている廊下に出た。目的の場所は近そうだ、バザールへ向かって商店を10軒も歩いただろうか、フィリップスは店を探し始めた。ここだ、と彼が指差した店はシーク教徒のサリー等を売る生地屋だった。サダジの所在を確かめると2階だと言う、皆で階段を上がっていった。2階の床には赤い絨毯が全面に敷かれている。ぼくは入口で待っているとその間にフィリップスが中へ入ってサダジという男と話をしている。直ぐにOKだ、入って来いとぼくに合図をしながら彼が近づいてきた。
「信用できるのか?」「心配するな、俺が保障する」
小声で彼と打ち合わせをして、ぼくはサダジの前に座った。
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或る正月    デリー

2022-01-01 | 心の旅・追想
 今、十二時になった。ハッピーニューイヤーだ。本当に此処で新年を迎えてしまった。外では花火が盛大に打ち上げられている。Cバラック内ではアフリカンのミサが始まった。浮かれたお調子者が眠っている奴を次々と叩き起こしハッピーニューイヤーと声をかけた。眠りを破られた奴は機嫌が悪い。
「ハッピーニューイヤー?馬鹿野郎」
と怒鳴って又眠ってしまった。紅白歌合戦も日本料理、お酒もないそれでもやはり新年だ。朝、起きたらいつもと変わらない収監者の退屈な一日が始まるのだろう。一日は一日として刑期の日数に加算される一日となる。まだ多くの収監者が起きていた。何も起こらない、何もない。アフリカンのミサの祈りだけがまだ続いていた。
   一九九五年一月一日
   新年、元旦。
 明けましておめでとうございます。
誰に言うでもなく日本語で言いそして書いた。日本を出て何回目の正月だろう、楽しい思い出を残した正月はあっただろうか。九一年はカトマンズだったと思う、九二年、タイランドのチェンライ、九三年は聖地リシケシ、九四年はデリー、九五年もデリーだけど刑務所とはまた変った場所だ。

おいちゃん あけましておめでとうございます
おぅ おぅ おめでとう
えぇ~天気やねぇ 
おぅそうやぁなぁ ほれぇお年玉やぁ(しょうがなかぁ~)
おいちゃん ありがとう そいやけおいちゃん好きなんやぁ(しょうがなかぁ~)
遊びにいってこい とガキを外へ出し ちび々と呑むおいちゃん 正月の酒はうまかぁ
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タコとおいちゃん

2021-12-26 | 心の旅・追想

えらいこっちゃ 吞んべぇおやじにとっ捕まってしもた 茹タコにして焼酎のつまみにされるでぇ
わての好きなエビもどきで騙しやがって お~ぃ こ~ら~ぁ おやじ~ぃ
しぇからしかぁ~ガタガタ言うんじゃねぇ おめぇなんか釣る気はなかったんや
イカが釣れんからおめえを釣っただけや 文句を言うならイカに言え イカにぃ~

一人でぶつぶつしゃべっとる タコがどうとかイカに文句言えとか おいちゃん気は確かかぁ
お前はタコの回し者か お~~こらぁ
こりゃもう収拾がつかんでぇ おいらぁしらねぇ~ 
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ジャンキーのクリスマス

2021-12-20 | 心の旅・追想


 デリー中央精神病院  1995年

 夕方、シスターが笑顔でぼくの病室に入ってきた。何かあったのか、いつもとちよっと違う雰囲気が彼女の周りに漂っている。彼女はぼくの目を見ていたが悪戯っ子が我慢できないといった感じで
「ハッピー、パッピークリスマス」
と楽しそうに弾んだ声で笑った。
「パッピークリスマス」
彼女につられてぼくもつい、そう言ってしまった。ぼくはあまりハッピーな状態ではないが、彼女のからっとした明るさがそう言わせた。彼女はクリスマスの飾り付けをぼくに見せたかったのだろう、どうしても見に来てくれと言ってぼくの傍を離れない。インドはヒンズー教の国だからクリスマスに関心を示さない、この病院で誘えるのはぼくしかいない。
外には点滅する照明で飾られたクリスマス・ツリーがあった。シスター達がそれを囲んで楽しそうだ
「綺麗でしょう」
「うん、とても綺麗だ」
東京で見た飾りとはあまりにも細やかな灯りであるが、ぼくには彼女達の清らかな心の灯火のように見えた。事務室には手作りの色紙で飾らていた。1995年のクリスマス・イブは、彼女達の思い出に大切に記憶されていくのだろう、ハッピー・クリスマス。

ジャンキー達へ ハッピー・クリスマス

おいちゃんこの文章ねぇ以前 掲示したとやなかねぇ・・・
う う う・・・・・え~え・・・??? どないしたとねぇ おいちゃ~ん 
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マドライ・ミナークシ寺院・3

2021-11-14 | 心の旅・追想




ヒンズー教の神々
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