靴下にはそっとオレンジを忍ばせて

南米出身の夫とアラスカで二男三女を育てる日々、書き留めておきたいこと。

チック症について、その三

2013-04-14 05:10:26 | 子育てノート
 おかげさまで、先々週に比べ先週、先週に比べ今週と、症状の出る頻度、動作自体も随分とマイルド(ちょっとした癖かなと思えるほどに)になってきました。根本的な内面の強さ、内面を整えていくこと、そういったものを長い目で見てこつこつと養っていきたいです。

一時は、三歳にしてのその動作の大きさと複雑さ(いくつかの動作が混ざった「複雑チック」)から、脳の異常が大きいのかもしれないと、脳波をとるなど詳しく調べてみる必要があるかもと小児科医に言われ。また重度のチック症状を伴うトゥレット症候群(大人になってからも続き治療法なし)の可能性の説明も受け、動作の出る時、回数、などを詳しく記録するよう指導されていたのですが、明らかに緩みつつあることから、この調子なら、普通の一過性チックのように、いずれ消えていくでしょうと。

「何もできることはありません。普通どおりに生活してください」

 そう担当医に言われたのですが、チックに向き合いつつ、一番知りたかったのは、「こうしたらより良い」という知恵や方法でした。何かあるに違いないと、次男を観察し、情報を集め、試し。

我が家で試し、良いと感じる方法やヒントをまとめてみました。何か手がかりがないかと探していた家のような状況にある方にとって、症状が改善しつつある一つの参考例として、少しでも何かのヒントになればと願いつつ:


直接的な引き金となっているもので取り除けるものは取り除く(家の場合はプレスクールや習い事)。

・ゆったりと落ち着ける環境を整える。「ゆったり」といっても、だらだらと過ごすのとは違い、めりはりのある規則正しい生活リズムを。子供はゆったりとしたリズムを日々繰り返すことで落ち着く。

睡眠時間を十分とる。これは次男にとってかなり大きかったように感じています。上の子たちの生活ペースで動いていた次男、疲れていたんだなあとつくづく思います。昼過ぎまで思いっきり遊び活動し、眠くなる頃車に乗せて帰宅するなど工夫することで、今は一時間から二時間は毎日昼寝をしています。睡眠がチックを促すドーパミンを抑えるという説も。確かに疲れてくるとより出ます。

緊張や興奮をほぐすアクティビティーを。普段上の子たちに囲まれている次男の場合は、一人で遊んだり、同年代の子と遊んだり、ママとゆったり過ごしたり。

自信をつける。五人の末っ子の次男の場合、家の中では常に何もかも「一番できない」状態。三歳だから当たり前でしょうと傍目には思うのですが、本人的にはきつい面もあるよう。次男自身の「できた!」の体験を心がけることで随分変わってきたように思います。怖くて登れなかった遊具、ウォーターパークの水しぶきをあげる滑り台、一人でそり、今まではいずれ、と思っていたのですが、初めは少し手伝い徐々に離れ自分でできるようにと、一つ一つに少し多く時間をかけることで、「できた!」を増やしていく。何だか顔つきや家族でいるときの話し方なども違ってきました。

感情を出させる。次男は特に物事がより分かるようになって以来(二歳の終わり頃)、わがままをいったり駄々をこねたりということがあまりなく、その場のルールや今自分がすべきことというのを敏感に感じ取り動くようなところがあります。そこで、「何がしたい?」「どうしたい?」などと次男の意向に耳を傾けるなどしつつ、わがままを言ったり泣いたり赤ちゃんのように振舞うことも自然に出させるようにしていきました。私が忙しくしていると、以前なら黙って一人で遊び始めていたのですが、今では「それ止めて僕と遊んで!」などと言うようになってきました。今まで我慢してきたんだなあと感じてます。

・スキンシップをたくさん。親の温もりに包まれることで子供は随分緩みます。

・ユーモア。日常にユーモアを散りばめ、ケタケタクスクス本人も周りもリラックス

愛情をその子のニーズに合った行為で表す。「たくさん愛してあげてください」そんなアドバイスを聞くことがあるのですが、愛をどうやって表すかが重要なのだなというのが、今回実感として学んだことの一つです。
 五人の末っ子、私自身もうほとんど孫のような気持ちで目の中に入れてもいたくないほど「愛して」きたつもりです。溢れんばかりの愛情に「I love you」と抱きしめ、スキンシップもたくさんとり。それでも、その子が必要とするニーズを感じ取り環境を整え働きかけるといった「行為」をしてきたかというと、上の子達の同じくらいの年頃に比べ、次男に対しては全く欠けていた。上の子達は、その子達中心に生活が回ってましたから。五人の育児に家事にと余裕がなかったと言えばそうなのですが、できることから少しずつでも形にしていきたいです。サインを送ってくれてありがとう、そんな気持ちでいっぱいです。

その子の個性と向き合い良い面にフォーカス。周りが普通に通り過ぎてしまうことでも立ち止まってしまったり、「感受性が強い」と言われるその子自身の性質の良い面を伸ばしていこうとすること。向き合うことで、かなり独特な世界観を持っているんだなと気づいたりします。

栄養バランスのとれた食事。栄養が偏っていると疲れやすくもあり。ドーパミンを促すカフェインやチョコや、食品添加物(Yellow 5 Red 40など)が良くないという説も。

・かなり今の医学の本流から離れますが、脳のアレルギー症状という説も。その子にとってのアレルゲンを取り除くことで重度のチック(ADHDやADDなども)が治ったという例も。実はカビが少し気になっていたのですが、見える部分は除去し、カビの種類毒性度を知るためカビ研究所にサンプルを送り、寝る部屋を変えるなどしてみました。


こうして色々試すわけですが、眉間に皺をよせ深刻に取り組むのでなく、大らかに明るい雰囲気で心配を見せず。周りがリラックスして楽しい雰囲気でいることで本人も随分と緩んでいきます。

笑顔でゆったり、それでも着実に取り組んでいく。できる限りをしつつ、あとは委ねて。


我が家も、長い目でみて、こつこつと進み続けていきます。


次男の日常風景:

山の上で、


そり!


よいしょよいしょ。

Cちゃんと。


動物園へ。


あざらしを追いかけ。


歩いた歩いた。

S君、Lちゃん、Kちゃんと。

登れなかったこんな遊具も、


水しぶき上げる滑り台だって、


くぐれなかった水のカーテンも、


「できた!」

Cちゃんとウォーターパーク!


僕一緒に滑れるようになったの。




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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (旅人パンダ)
2013-04-15 23:05:26
学ぶところばかりです!
Unknown (ヨーキ)
2013-04-16 06:17:10
成長と共に良い方向へと変化し、それなりの自分らしさを発揮してくれるようになる事でしょう。寄り添いながら楽しみに希望を持つことかな?と思っています。
『人生』は愉しく~明るく~それしかないという気がしています。
旅人パンダさんへ、コメントありがとうございます! (マチカ)
2013-04-21 05:23:32
私も学ばされることばかりです!

遡って読んでいただき、たくさんのコメントをいただき本当にありがとうございました。どうぞ今週も良き日々をお過ごしください!日本の北国の春を想いつつ。

感謝を込めて。
ヨーキさんへ、コメントありがとうございます! (マチカ)
2013-04-21 23:45:49
そう願いつつ、日々私達なりにできる限りのことをしていきたいです。子供達の「自分らしさ」、大切にしつつ。大いに楽しみ、希望をもって、本当ですね。

「愉しく、明るく」、心の底からじわじわと溢れるような、そんなjoyを見出していきたいです。

見守ってくださり、ありがうございます!

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