靴下にはそっとオレンジを忍ばせて

南米出身の夫とアラスカで二男三女を育てる日々、書き留めておきたいこと。

「できない」理由には様々ある

2014-01-26 11:23:09 | 子育てノート
バルミツバ会場にて。長男一年長女一年次女を過去二年間担任して下さり、今も次女の算数を受け持ってくださるL先生が、儀礼が終わり、バッフェの前の列に並んでいると「あら!は~い」と近寄ってハグして下さる。ちょうどメールを送ろうかと思っていたのよと。

学年初めの「次女の学習の穴」についての話し合いで、気になる面を様々具体的に出してくださったL先生。

「最近の○○(次女)を見るたび、あの時話した言葉を全部訂正したくなるのよ。読解力も、算数の力も、最近の○○の伸びはすごいわ。それをね、メールであなたとハズバンドに伝えたかったの」

 その二日前、学校の廊下でプログラムのコーディネーターに止められ、同じようなことを言われたと夫が言っていたのを思い出す。

 感謝の言葉を伝え、実は私達も少し驚いていて、と正直に話す。話合いの場で、家でサポートしますとは言ったものの、それが何らかの結果に結びつくという確信などなく。もし穴が大きくなるようだったら、ホームスクールとまで考えていましたから。

引き続き夫と共に様子を見守っていきますねと伝え、L先生と別れ。



 一連の出来事を振り返り、今私自身が感じるのは、次女にとって「メンタル面」のサポートが大きかった、ということです。

・「分からないこと」に対する姿勢の練習
 「分からない」ということに極端に反応し、少しでも納得できないと、もう全て分からない! と投げ出してしまうところのある次女。深呼吸して、落ち着いて、「分からないこと」「うまくできないこと」に向き合う姿勢を、繰り返し練習。一気に分からなくても、少しずつ分かろうと、様々工夫しつつ(読解では、図に描いてみる、キーワードーにしるしをつけてみるなど)、忍耐強く向き合い続けるよう励まして。

・私自身の対応を変える
 私自身、次女の感情の起伏に引きずられ取り乱すことなく、落ち着いて忍耐強く向き合うよう心がけ。「何でこんなの分かんないの?もっと頭使って考えてみなさい」と突き放すのではなく(時間に追われているとついそんな対応になってしまっていたことも)、次女自身が、どんな問題でも、サポートしてもらえると感じられる対応を心がける。

もう一つは、私の説明に日本語を混ぜず、英語に絞ったこと。これは上二人には問題なかったのですが、日本語の蓄積が難しい我が家という環境の中、少し不器用なところのある次女には、混乱の原因の一つだったように感じています。


今回たまたまこうしてうまくいったともいえますが、子供が「できない」理由には様々あるということを、しみじみ思います。単に能力的なこと以外に、その子の行き先を遮ってしまう因がある。そして、何十人を一緒くたにはかるテストなど、次から次へと手にする「できない」という評価を前に、自分も周りもそのまま「できない」と思い込んでしまう。そうして「できない」ままになってしまっている子が、世の中には山のようにいるのではないか、そんなように感じています。

結果はその子をできる・できないとジャッジするためではなく、どうしたらより良くできるかという過程の糧として用いる、そう自身に声をかけ続けていきたいです。

子供達のマインドセットを変えることで子供は伸びるといった研究をされている心理学者Dweck博士の言葉にも、こんなものがあります。

「もし学校が、興味があろうとなかろうとテストをし、あなたが賢いか賢くないかを審判する場と捉えられているのなら、誰も行きたいなんて思わないでしょう。もし学校が、難しいことをすることでより脳を鍛え、脳を成長させる場だと捉えられるのなら、皆こぞって行きたがりますよ」

 確かに一人一人それぞれの「できる範囲」というのはあり、十メートルがやっとの子に百メートル走れとはいきませんが、その子なりの最大限の力を発揮できるところまでもっていけたら、そう思っています。

 まだまだこれから勉強も難しくなり、嵐のような日々も続きます。これからもこつこつと、できる限りを!


最新の画像もっと見る

コメントを投稿