ファミリーディナートピック。
(毎週金曜日の夜は、家族で知恵やバリューについての話をしています。我が家は今のところ特定の宗教に属すということはないのですが、宗教的テキストからも大いに学ぶことがあると思っています。)
私はユダヤの哲学思想行事をよく取りあげるのだけれど、それはやはり資料の蓄積の多さ、そしてそれらの資料へ誰もがアクセスできるシステムが整っているためというのが大きい。「聖書」の一つの文句についても、行事の一つ一つの手順行為についても、何千年にも渡る議論解釈説明の経過が記録されている。そして現在も、世界各地で祝われる行事などによって、一つ一つの行為がそれらの象徴的な意味と共に次世代へと伝えられている。
相次ぐ迫害の中でディアスポラ(離散)を経、こういったシステムが整えられていったのだけれど、土地に根付いた「思い」は口承で伝えられ、それでも世代を経、世界中から入り混ざる価値観に揉まれ、徐々に消えていくこともある(本当は感覚を澄ませばそこにあり続けているものなのかもしれないけれど)、対して、書かれたものは次世代へと伝えられやすい(「書かれること」でそぎ落とされる部分もあり、だからこそ多方面からの議論意見などがあると、より情報のコアに近づける。)
今、友人達と立ち上げようとしている活動、子育て・パートナー・家族などについての知恵を書き記していきたいという思いの背景には、そんな理由もあります。
愛の表し方について:
(WERE YOU EVER HUGGED? Between a Word, a Kiss, a Gaze, and an Embrace: The Kabbalistic Perspective on the Sukkah By Rabbi Y.Y. Jacobsonより)
この時期、ユダヤ・コミュニティーでは、軒先に小さな小屋が建つ。四方を板で囲み、草木を乗せ屋根とし、その中で過ごすときを持つ。アラスカはもうかなり寒いのだけれど、気候の許す地域ではその中で寝泊りもする。「スコット」と呼ばれる行事。(以前少しまとめたもの「星空の下に立つ小屋」)
「スコット」で用いられる小屋「スッカ」。スッカを作るための最低限の決まりとして、三つの壁というのがある。二つの壁は人が立って歩けるほどの幅と高さ、もう一つはより低く細くてもいい。この「三つの壁」は、肩から指先までを表している。肩から肘、肘から手首がより大きな二つの壁を、手首から指先が三つ目の小さな壁を指しているとされる。
「スッカ」で壁に囲まれ過ごすこと、それは、「神」の腕に抱かれることの象徴だとされる。
ユダヤ神秘主義カバラによると、「愛の表し方」には四つのレベルがあるという。
1. 言葉 愛してる、こんなにも大好きといった言葉
2. キス 唇の温もり
3. 目を見つめる 目は言葉を超え語る。言葉もキスも必要なく、目を見つめるだけ。
4. 抱擁 身体を包み込む
1から3は、相手の「顔」に向けての働きかけ。その人であるということを最も示すもの「顔」に向けて。それは、その人の達成したこと、いかに成長してきたか、精一杯の頑張りや努力、物事にどれほど一生懸命に取り組んできたかへの働きかけでもあるとされる。
4は、顔は関係なく背中に向かう働きかけ。身体全部を包み込む。その人が何を成し遂げようが成し遂げなかろうが、どんなに頑張ってこようがこなかろうが、そのまま全てを包み込む。
愛には二種類あるとされる。条件付有償の愛と無条件無償の愛。
そして1から3は条件付の愛を、4は無条件の愛を表していると。
これをユダヤの一年の行事のサイクルが象徴しているとも。「パスオーバー」が神からの言葉を、「Shavuot」がキスを、新年の「裁きの時」は神からの凝視を。そして「スコット」は、抱擁を。スッカに過ごし、無条件に抱かれるとき。
「神は左手で押しやり導き、右手で抱く」(トラより)、他のホリデイが左手を表すのならば、「スコット」は右手を表している。
あるラビが刑務所を訪ね、囚人の一人一人をハグしてまわったときの話。屈強な囚人を抱き、立ち去る、すると、ラビより一回りも二回りも大きいその囚人が、太い声で「ラビ!」と叫ぶ。何が起こるかと一瞬周りが凍りつき見守る。その男の目の前に戻るラビ。
「もう一度ハグしてくれませんか?」、ハグ、「もう一度!」、ハグ。「もう一度・・・。私は今まで誰にもハグされたことがないんです。」
子供たちが最も欲するもの、ハグ。「顔」に向かって語り続け、キスし、見つめ続け、それでも、ただ温もりで包み込む、そんな時を持っていきたい。
昨夜は夫もおらず、友人家族とファミリーディナー:
少し着飾りキャンドルに灯をともす。手を繋ぎ、祈り、感謝の言葉を言い合い。
この日は長男長女スペイン語クラスに長女友人誕生会にと出たり入ったり、そこで簡単タコ・ライス。
タコスに使う材料をご飯に乗せたもの。
お腹膨れたら、風船膨らまし。
飛び跳ねる!
(毎週金曜日の夜は、家族で知恵やバリューについての話をしています。我が家は今のところ特定の宗教に属すということはないのですが、宗教的テキストからも大いに学ぶことがあると思っています。)
私はユダヤの哲学思想行事をよく取りあげるのだけれど、それはやはり資料の蓄積の多さ、そしてそれらの資料へ誰もがアクセスできるシステムが整っているためというのが大きい。「聖書」の一つの文句についても、行事の一つ一つの手順行為についても、何千年にも渡る議論解釈説明の経過が記録されている。そして現在も、世界各地で祝われる行事などによって、一つ一つの行為がそれらの象徴的な意味と共に次世代へと伝えられている。
相次ぐ迫害の中でディアスポラ(離散)を経、こういったシステムが整えられていったのだけれど、土地に根付いた「思い」は口承で伝えられ、それでも世代を経、世界中から入り混ざる価値観に揉まれ、徐々に消えていくこともある(本当は感覚を澄ませばそこにあり続けているものなのかもしれないけれど)、対して、書かれたものは次世代へと伝えられやすい(「書かれること」でそぎ落とされる部分もあり、だからこそ多方面からの議論意見などがあると、より情報のコアに近づける。)
今、友人達と立ち上げようとしている活動、子育て・パートナー・家族などについての知恵を書き記していきたいという思いの背景には、そんな理由もあります。
愛の表し方について:
(WERE YOU EVER HUGGED? Between a Word, a Kiss, a Gaze, and an Embrace: The Kabbalistic Perspective on the Sukkah By Rabbi Y.Y. Jacobsonより)
この時期、ユダヤ・コミュニティーでは、軒先に小さな小屋が建つ。四方を板で囲み、草木を乗せ屋根とし、その中で過ごすときを持つ。アラスカはもうかなり寒いのだけれど、気候の許す地域ではその中で寝泊りもする。「スコット」と呼ばれる行事。(以前少しまとめたもの「星空の下に立つ小屋」)
「スコット」で用いられる小屋「スッカ」。スッカを作るための最低限の決まりとして、三つの壁というのがある。二つの壁は人が立って歩けるほどの幅と高さ、もう一つはより低く細くてもいい。この「三つの壁」は、肩から指先までを表している。肩から肘、肘から手首がより大きな二つの壁を、手首から指先が三つ目の小さな壁を指しているとされる。
「スッカ」で壁に囲まれ過ごすこと、それは、「神」の腕に抱かれることの象徴だとされる。
ユダヤ神秘主義カバラによると、「愛の表し方」には四つのレベルがあるという。
1. 言葉 愛してる、こんなにも大好きといった言葉
2. キス 唇の温もり
3. 目を見つめる 目は言葉を超え語る。言葉もキスも必要なく、目を見つめるだけ。
4. 抱擁 身体を包み込む
1から3は、相手の「顔」に向けての働きかけ。その人であるということを最も示すもの「顔」に向けて。それは、その人の達成したこと、いかに成長してきたか、精一杯の頑張りや努力、物事にどれほど一生懸命に取り組んできたかへの働きかけでもあるとされる。
4は、顔は関係なく背中に向かう働きかけ。身体全部を包み込む。その人が何を成し遂げようが成し遂げなかろうが、どんなに頑張ってこようがこなかろうが、そのまま全てを包み込む。
愛には二種類あるとされる。条件付有償の愛と無条件無償の愛。
そして1から3は条件付の愛を、4は無条件の愛を表していると。
これをユダヤの一年の行事のサイクルが象徴しているとも。「パスオーバー」が神からの言葉を、「Shavuot」がキスを、新年の「裁きの時」は神からの凝視を。そして「スコット」は、抱擁を。スッカに過ごし、無条件に抱かれるとき。
「神は左手で押しやり導き、右手で抱く」(トラより)、他のホリデイが左手を表すのならば、「スコット」は右手を表している。
あるラビが刑務所を訪ね、囚人の一人一人をハグしてまわったときの話。屈強な囚人を抱き、立ち去る、すると、ラビより一回りも二回りも大きいその囚人が、太い声で「ラビ!」と叫ぶ。何が起こるかと一瞬周りが凍りつき見守る。その男の目の前に戻るラビ。
「もう一度ハグしてくれませんか?」、ハグ、「もう一度!」、ハグ。「もう一度・・・。私は今まで誰にもハグされたことがないんです。」
子供たちが最も欲するもの、ハグ。「顔」に向かって語り続け、キスし、見つめ続け、それでも、ただ温もりで包み込む、そんな時を持っていきたい。
昨夜は夫もおらず、友人家族とファミリーディナー:
少し着飾りキャンドルに灯をともす。手を繋ぎ、祈り、感謝の言葉を言い合い。
この日は長男長女スペイン語クラスに長女友人誕生会にと出たり入ったり、そこで簡単タコ・ライス。
タコスに使う材料をご飯に乗せたもの。
お腹膨れたら、風船膨らまし。
飛び跳ねる!
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