靴下にはそっとオレンジを忍ばせて

南米出身の夫とアラスカで二男三女を育てる日々、書き留めておきたいこと。

鯨肉

2010-06-26 23:57:09 | 
アメリカ合衆国最北端の市バローに5日間の出張に行っていた夫が帰ってきた。ちょうど鯨漁を終えた後の市をあげての盛大な鯨祭をしていたらしく、鯨肉をもらってきた。



国際捕鯨委員会が「原住民生存捕鯨」と定めるバローの捕鯨。捕鯨は現地のイヌピアックの人々にとって、食料調達のためだけでなく誇りやアイデンティティをかけた重要な生業。

1825年にこの地を「発見」した探険家を資金面で支えたイギリス人政治家ジョン・バローに由来する市の名前。イヌピアック語では「ユトクィアグヴィック(Utqiagvik)」、「ふくろう狩りの地」という意味。5月から8月までは白夜、逆に11月中頃から1月中頃までは日が昇らない。夏の今でさえ曇りには氷点下になることもある。そんな地に1500年も前から知恵と工夫をもって暮らしてきた人々がいるということに改めて驚く。

久しぶりに食べた鯨肉は、陸の獣肉と海の魚肉の混ざったような味がした。


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11 コメント

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Unknown (りん)
2010-06-27 01:13:19
あ、あ、あ、あ、あ、まだある?味見がしたいっ!←なりふり構わず(笑)
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Unknown (親分)
2010-06-27 01:20:18
鯨祭・・・本当にうらやましい!死ぬ前に一度は参加してみたいものだ、とずっと思っているのです、バローの鯨祭。

鯨肉は美味しいですよね。マクタックは酢漬けになったのしか食べたことがありませんが、これも美味しかったです。

バローのイヌピアック語が「ふくろう狩りの地」という意味だったとは知りませんでした。ちなみに私のイヌピアック語の先生が私にくれたエスキモーネームが Uvluayauraq なんだけど(ちなみに暁、という意味です。そのままだ!)、Uから始まる単語が本当に多い!面白いですね。
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Unknown (OYABAKA)
2010-06-27 03:27:11
バローの捕鯨については、以前記事を見た事があります。確かリーダー(特別な名前があるのでしょうが、なんていうか知りません)の人が、海に落ちたほかの人を助けて自分が命を失った。。。というものだったと記憶しています。
命がけの漁に共に出かけ、そこで団結力だけではなく、勇気、人への気遣い、そして彼らの間に長い間伝えられて来た伝統を、身を以て学んでいくのでしょうね。

鯨肉は、ずっと前に給食で食べた覚えがあります(そう、私はマチカさんよりずっと古い人間だからね)。
肉嫌いの私でしたが、鯨肉は好きでした。
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Unknown (りん)
2010-06-28 08:00:30
ありがとう~~~。お金で買えないものの価値って計り知れないです。
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Unknown (テッサー)
2010-06-28 10:05:47
日本では、調査捕鯨船がオーストラリアの抗議団体に襲われてニュースになってたけど、こういうのは襲われないんだ~。
日本の文化は尊重されないのかなあ。
といっても問題複雑そうで、私には理解できてないけど。
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りんさんへ。コメントありがとうございます!  (マチカ)
2010-06-28 23:12:19
喜んでいただいてよかった。脂身多かったね。ネイティブの人たち脂身好んで食べるからね。ホントお金で買えないものですね。
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親分さんへ。コメントありがとうございます! (マチカ)
2010-06-28 23:30:25
親分さん死ぬまでに一度は鯨祭りみてみたいのね。私も映像でしか見たことないのだけれど、間近でみるのと全然違うよね、きっと。鯨祭り恒例のブランケット・トス(アザラシの皮などをつなぎ合わせて何人かが端をもち、トランポリンのように皮の上で跳ねるもの)は博物館などでデモンストレーションをみたくらい。鯨祭りの高揚のなかで行われているもの、私もみてみたいわ。

マクタック、酢漬け食べたんだね。今回現地には甘いものがあったそうです。夫はあれが一番美味しくて一気になくなったと言ってましたよ。

「暁」という意味のイヌピアック語の名前があるのね。私も村に滞在していたときにもらったユピック語の名前が2つあります。縁があると思われる先祖の名前からとったそうです。その彼女達が私の中にもいる、というようにとらえていたようです。仕草が似ていたとか、現れたタイミングとか。

本当だね、uから始まる単語多いね。発音難しいわ。親分さん、イヌピアック語の勉強もしていたんだね!
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OYABAKAさんへ。コメントありがとうございます! (マチカ)
2010-06-29 00:47:11
本当ですね、伝統的な生業を通してさまざまなこと学んでいける仕組みになっているのでしょうね。生き残っていくために必要な物理的なこと、心理的なこと。そのバローのニュースは聞いたことなかったのですが、捕鯨を通して脈々と伝えられる英雄伝説伝承が数多くあるのでしょうね。

「ずっと古い」は、いい過ぎですが、鯨肉、給食に出た覚えがないです。私の記憶力に問題があるということはかなり考えられます。(笑)OYABAKAさん肉嫌いでも鯨肉は好きだったんですね。今回食べた鯨肉は、魚の味海の味がする獣肉臭くはない肉、という味でした。今でもいるか肉を鯨肉として給食に出している地方があるとは聞いたことあります。白い脂身を家で小さなころ酢味噌につけて食べたことあるのは覚えてますよ。おばけ、とよんでました。おばけ自体に味はなく口ざわりと酢味噌のコンビネーションが好きでした。
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テッサーさんへ。コメントありがとうございます! (マチカ)
2010-06-29 01:12:08
私も捕鯨問題は複雑で何かをいえるわけではないのですが。日本は「原住民生存捕鯨」のカテゴリーから外れているそうです。捕鯨反対国は「原住民生存捕鯨」は推進。日本は「原住民生存捕鯨」が認められ、日本の捕鯨が認められないのはおかしいと言っている。絶滅寸前とされる種類の鯨が「原住民生存捕鯨」では認められ、絶滅の心配のない種類の日本の捕鯨は非難されているとも。

確かに鯨に心理的物理的に依存する度合いはバローをみていると日本よりは大きいと思うのだけれど、昔からとっていて絶滅の恐れがない鯨なら日本だってとっていいじゃないか、と単純に思いますね。絶滅するかしないかもちゃんとしたデータがあるのか怪しいとも聞いたことありますが。本当のところはどうなんでしょうね。頭がいいから殺しちゃだめ、という論は、個人的には解せません。

他の命をいただかずにして、生きるということはなりたたない。種の絶滅、生態系にむちゃくちゃな影響、とならない程度に食べていけたらいいのだけどね。今の社会の仕組みをみるとこれがそう簡単ではないのだろうね。

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鯨肉 (ヨーキ)
2010-06-30 05:56:56
「おばけ」というのは鯨の白い脂身のようにヌルヌルしているのではなく、何処かのスキン当たりの白くてシコシコさっぱりして味が無いけど食感が良く、甘みのある酢味噌で食べると凄く美味しくて、広島の貴女の祖母が夕食などにつくってくれていました。
家族みんな好きだったから、お母さんが料理してくれて子供の頃食べたことがあったのだと思うよ。
そのころは鯨捕鯨船の活躍は禁止されていなかったからね。牛肉は高価で、鯨の肉は安くて美味しいご馳走でした。
「おばけ」ではなくて『おばいけ』です。
2世~3世と移りゆくと呼び名も変化してしまうもの
かもネ!!
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