靴下にはそっとオレンジを忍ばせて

南米出身の夫とアラスカで二男三女を育てる日々、書き留めておきたいこと。

身体で示す、穏やかな声で

2012-03-21 00:40:37 | 子育てノート
長男長女がAさん宅でのウォルドルフ・プレスクールに通っていた頃、傍で掃除や皿洗いをしながらたくさんのことを学んだ。その中の一つに「身体で示す」というのがある。

例えば、落ち葉かきでフェンスをドンドンと叩き始めた子のそばでAさんはもう一つの落ち葉かきを手に取り、ゆっくりと葉をかき始める。「こうやって使うものなのよ」と静かな声で言いながら。

「どんどん叩かない!」と離れたところから声をかけるのでなく、隣で落ち葉かきを手に取り実際にかく。そして「~ない」でなく「~するのよ」と肯定文。ウォルドルフでは8歳くらいまで「言葉だけ」でない「身体を使ったインストラクション」が必要だとする(“You Are Your Chid’s First Teacher: What Parents Can Do With and For Their Children From Birth To Age Six” by Rahima Baldwin Dancy)。

子どもは真似をして学ぶ。

「掃除しなさい!」と離れたところからでなく、実際に一緒に玩具を拾いながら「掃除の時間ね」と声をかけ、「このお人形もう眠そうねベッドで寝かせてあげようか」「車はガレージに帰る時間だね、アクセル踏み込んで出発!」などと遊び感覚を取り入れながら。

「投げない!」でなく「大事大事」となでながらそっとしまう、「手で食べない!」でなく隣で「スプーンで食べるのよ」ともぐもぐ。実際に身体で示していくことで確かにスムーズに進むと感じている。「8歳くらいまで」と改めて読むとちょっとびっくりしたのだけれど、確かにそれくらいゆったりの方がいいのかもしれい。

上の子達に言葉で指図する場合も、遠くから大声で「あれするなこれするな!」と言っていても埒があかないことが多い。傍に行き手を取り肩を触るなりして目を見て穏やかに一言「こうして」と伝えると、すっと聞いたりする。

忙しくなってくると、「~しない!」と大声の言葉だけが空間を飛び交う、となりがちなのだけれど、そんなときこそ身体を動かし静かな声をかけた方がスムーズにいったりする。

あの陽だまりのプレスクールを懐かしく思い出しつつ。心に留めていきたいこと。


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4 コメント

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Unknown (旅人パンダ)
2012-03-21 04:55:07
日記を拝見し同感しました!
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Unknown (mirumiru)
2012-03-22 10:17:22
マチカさんの日記を読み、「ああ、こういうことにもっと早く気づいていれば、私の育児もっと楽しかっただろう」「次の子はもっと上手くつきあっていけるわ!」と感じます。
今までの自身を振り返りこれからの子供たちとの時間、ストレス溜めることをあまりせずに過せていけそうです。
こちらこそいつもありがとうございます。感謝です。
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旅人パンダさんへ、コメントありがとうございます! (マチカ)
2012-03-24 00:20:12
同感されましたか!私自身も心に留め子ども達に接していきます。ありがとうございます。
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mirumiruさんへ、コメントありがとうございます! (マチカ)
2012-03-24 00:32:23
私自身書きながら、ああそうだったと思い出し整理する機会になってます。どれほど目から鱗が落ちるような気持ちで接した情報でも、日常の生活の中でついつい忘れてしまったりすることもあり。こうして書き記すことで、またmirumiruさんとこうして言葉を交じあわせることで、より心に刻まれていきます。

この「身体で示すこと」、本当にそうだなあと感じています。よりスムーズに生活が進みます。本当ですね、「次の子」ほど知識も体験も増え、うまくいくかもしれないと思えますね。

私もこれから思春期の子育て、新たな体験に突入です。今を大切に一歩一歩進みつつ、失敗もうまくいったことも書きとめ整理し次へ生かしていきたいです。

感謝を込めて。
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