靴下にはそっとオレンジを忍ばせて

南米出身の夫とアラスカで二男三女を育てる日々、書き留めておきたいこと。

算数の伸び方&過程にフォーカスという学び

2013-08-25 07:38:09 | 子育てノート
中学に入ったばかりの長女、「数学を飛び級させます」と、昨日の夕方先生からメールをもらいました。昨日のテストの結果と、五年六年の全国そして州のテスト、六年生の成績を考慮してとのこと。

長女は算数が得意の方ではなく、計算も遅く、他の子たちがぱっぱと20問解き終えるところ、10問解き終えたところで疲れておしまいといった様子だったのですが、高学年くらいから算数を面白いと思い始めたようで、ディストリクトの主催する算数競技会に選んでいただいたりすることもありました。そしてあんなに遅かった計算などもいつの間にかそこそこ速くなり。

夏休みも少しずつ予習を続け(といって一日平均四十五分程土日休みと、日本の受験生などに比べると「勉強した」ということにも入らないかもしれませんが)、一昨日夜はテスト前夜だからと9時過ぎまで夏の間学んだことをおさらいし。

先生からの知らせ、とても嬉しかったようです。夏の間二回程見てもらった長男の同級生数学得意女の子にも電話し。6年生の時にも一度受けた飛び級試験不合格を経、念願の合格です。

数学に取り組む様子を上の三人見てきているのですが、長男は昔から計算も速く低学年から飛び級し、それでもミスが多く成績もそこそこ、それが中学になってミスが減ってきたためか(身体の発達に関係あるように感じてます)競技会に出るなど伸びてきている。次女も計算が速く低学年から飛び級、それでも長男とはタイプが違うようで「考える」というよりパターンを覚えるのに長けているというか。どうしてそうなるか考えるよう促すようにしてます。

算数、学年が下になるほど、計算が速くできるかどうかで、算数ができるできないが決まっているように感じています。それでも計算だけができている場合は、高学年で壁にぶちあたる(私自身がそう。低学年から公文で鍛えられ計算「だけ」速かった)。

上三人は、どんどん産まれる下の子の世話で(笑)、結局は勉強面まで手が回らずほったらかしになってしまっていたのですが、小さな頃に長女の計算を早くなるようとことん訓練していたらどうなっていたかな、そう思うことがあります。

三人を見ていると、その子自身の伸び方があるんだなと感慨深いです。

周りを見ていると、もちろん、これができればこれができないということでもなく、全体的にバランスよくできている子達も多くいるわけですが。

また数学もこれから複雑になっていき、まだまだ始まったばかり、今はまだ途中経過とも言えるでしょう。


今六歳三女を見ていると、またこれがもたもたと計算していて。日中もほとんどふわふわと空想の世界に旅立っていて、ピンポイント的なことをさっさと器用にできない。同時に、ピンポイントできるよう訓練することが、彼女の世界を狭めてしまうように見えないでもなく。算数でも、文章題やコンセプト的なこと論理クイズなどは好きなようですが。

今はまだ五感を使った「体験」を中心に、机上のパターン認識的なことは長々とやり続けず、毎日少しだけ集中してさっと終わる、それがいいのかなと。こういった頭の使い方もあるよといった、普段あまり使わない部分をストレッチするくらいの感覚で。

その子の成長に邪魔にならないようなサポートの仕方、そういったことを考える日々です。



長女算数飛び級不合格体験に学んだこと、そしてその学びは今も続く:

長女が六年生の時のこと、算数の飛び級テストに向け、二ヶ月ほど勉強を続けていました。子供達の通うプログラムでは、半数以上の生徒が算数を飛び級しています。長女も六年生になり算数が面白くなってきた様子で、頑張ってみようかなと挑戦したのです。 

毎晩宿題を済ませると算数の勉強に取り掛かり、傍から見ていてもよく頑張っているなと感じていました。毎日こつこつと続け、二ヶ月ほどの間に、六年生一年間で習う範囲をカバーしました。それでも結局二日がかりで受けたテストでしたが、合格点には足りませんでした。算数の基礎的な概念をざっと学んだものの、まだまだひねった問題に応用する力はついていなかったようです。

手ごたえを感じていただけに、悔しさもひとしおの長女です。本当に残念そうな長女を見ながら、こういった結果になるのなら初めから挑戦しない方がよかったかな、これで算数が嫌いになってしまったらどうしよう、そう心配する気持ちもありました。それでもとにかく「結果を成長の過程として捉え、過程を重視する」態度を心がけました。

 「残念だったね。でもね、これだけ頑張ったあなたのこと本当にすごいと思う。あんなにこつこつと毎晩続けられるなんて、そうそうできるものじゃないわ。いますぐどうこうといった目先の結果はね、それほど大切じゃないのよ。あれだけ頑張ったことは絶対にこれからの力になっているから。まだまだこれから、こつこつと歩き続けていこうね」

 そう言葉をかけ続けることで、長女も元気を取り戻し、算数は今でも大好きな科目の一つです。そして六年生の一年間の予習を済ましてしまったため、授業も簡単に感じ、よりひねった難しい問題への挑戦も楽しめるようになりました。また学年の終わり時期には、クラスのトップの子が選ばれる年に一度の算数競技会にも参加することができ、算数をますます面白いと感じているようです。

「Life goes on(人生は続く)なんだね」

 飛び級不合格の結果を手にしてしばらくしてから、そう笑顔を見せた長女が、一回り大きく見えたのを覚えています。

「結果」を手にした子供達は、もうそれで全てが決まってしまうような錯覚を持ってしまうことがあります。もう自分はだめなのだと、自分には能力がないのだと、諦め頑張ることを止めてしまいます。たかだか十歳やそこらで手にした結果が、その後の取り組みに対する態度を決めてしまっては、これほどもったいないことはありません。今手にしている結果も、過程の一つの表れなのだと励ましていきたいです。目先の結果より、歩き続けることの大切さと喜びを、伝え続けていきたいです。

 子供は常にたくさんの「結果」を手にします。テスト、成績、偏差値、スポーツの試合、競技会、結果を前に共に喜び祝い、共に残念に思いつつ、それでも一貫して過程を重視することです。九十点が合格点として、八十九点を取ってきたとしても、あまり努力していたように見えないならば、九十に足りない八十九ですが、一生懸命努力していたようならば、百点の価値のある八十九点です。

 いい結果を手にすることもあれば、残念な結果を手にすることもあります。また年を重ねれば重ねるほど、数字で表された分かり易い結果をすぐに手にすることばかりでもありません。時には表にはすぐに現れない結果に向けて、こつこつと何年も何十年も歩き続けていく必要もあるものです。

 ですから合格や優勝やテストなどの目先の結果に振り回され、上へ下へとジェットコースターに乗っているかのように動き続けるのでなく、結果がすぐには見えないからとやる気を損なうのでもなく、長い目で見て課題に取り組む意欲・やる気を育てることに力を注いでいきたいです。

 まずは過程の努力や態度に価値を置き、それらにフォーカスし続けること。そうして過程の取り組みに喜びを見出す姿勢が培われるのならば、結果に囚われことなく自らのペースでこつこつと歩き続けていくことができます。そんな歩みの継続こそが、たとえ遅い歩みに見えたとしても、いつか遠くに辿りつくことを可能にする、そう感じています。


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2 コメント

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Unknown (旅人パンダ)
2013-08-30 23:43:51
飛び級制度はいいですよね!

パンダは諦めずにやりつづけることが最後に結果として出てくることをわかっているので今も邁進中です(笑)
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旅人パンダさんへ、コメントありがとうございます! (マチカ)
2013-09-01 22:52:35
本当ですね、もっとチャレンジがしたいという願いが叶えられる制度と言うのはいいですね。

素晴らしいマインドセットですね!パンダさんの頑張りに励まされつつ、私も邁進していきたいです。

ありがとうございます。今週も良い日々とお過ごしください!
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