靴下にはそっとオレンジを忍ばせて

南米出身の夫とアラスカで二男三女を育てる日々、書き留めておきたいこと。

近況整理、まさかこうして同じ道を走ることになろうとは

2013-06-08 23:21:28 | 今週の整理
1.そろそろ冬支度?とついつい錯覚するような肌寒い天気がしばらく続いた後、ここ数日は再び太陽さんさんな日々。子供たちも裏庭のプール(直径一メートル半ほどの小さなもの。お湯入れて)やスプリンクラーで大はしゃぎ。

2.今年は冬日が例年より遅くまで続き、その後一気に芽吹き始めたため、白樺花粉症の症状が強く出ている人も多いと。家では長男の症状が一番強く(鼻水鼻づまり目のかゆみ)、次に私で(鼻ぐずぐず)、残りの家族はちょっと目がかゆかったりといった程度。長男シャワー朝晩、シーツも頻繁に洗うことで症状緩和。夫の家族に強いアレルギー体質の方が多く(といって夫には全くなしですが)、私自身子供時代から猫アレルギーがあるのですが(この花粉の季節は白樺と似たアレルゲンのバラ科果物もだめ)、長男が集中して受け継いだよう(といって白樺花粉、猫、バラ科の果物以外は平気ですが)。他の子達はけろり。

3.旅支度。といって日常をまわしていくだけでもいっぱいいっぱいなので、それ以上のことにはなかなか取り組むことができず。それでも少しずつ。鍵は子供たちと共に。買出し項目作成、いつ買い出しに出かけるかスケジュール組み、前回のキャンプに何が足りなかったか、予算はどれくらい必要か、宿の周りの環境、現地で訪ねたいところしたいこと、道中寄りたいところなど情報集め、長い間過ごす車中で何をするか(皆でできるゲームなど)、服や持ち物の吟味、それぞれ子供たちに担当させ、話し合い。子供達も旅をするんだ!と気分大盛り上がり。

4.食材の買出し、子供たちがあれ食べたいこれ食べたいと持ってくるのですが、なるべく自然に近いものをとパッケージを読み、これはやめておこう、こっちにしようと決めることも多く。子供達の中には、「ナチュラルなら買ってもらえる確率大」、そんな図式ができあがっているよう。先日、スーパーの玩具セクションにて三歳次男、「これなちゅらる?」とレゴ指差して・・・。

5.一日家にいる子供達、しかしよく食べます。昨日は朝フレンチトーストにしたら、卵大8個食パン15枚分ぺろり。おまけにすいか大一個も午前中で完食・・・。エンゲル係数、勢いよく上昇中!

6.書くこと、一旦書き終えたものの、あちらを直しこちらを直しと続け、気がついたら原稿用紙500枚ほどに。それでも納得する形になるにはもう少し時間がかかりそう。一週間ほど缶詰めになって原稿に向かい続けられたらなあと夢見ることもありますが、そんな勢いを目の前の一歩一歩に落として。こつこつと続けます。周り数人の方に少しずつ見てもらえるのがありがたいです。

7.ピアノも止められる日を夢見て、水泳も嫌々だった次女。長男はNPO救援団体にロボティックスに陸上や水泳や、長女はダンスに水泳にと生き生きと出かけるのですが、次女にも、何かこれ!というものが見つからないものか、そう思っていたところ、去年くらいから彼女が「したい!」と目を輝かせて言い出したのが、サッカー。夏休み中は週二回の朝晩の練習に、週二回の試合。もうそれはそれは嬉々として出かけます。子供たちが何かに喜んで取り組んでいる姿、こちらまで嬉しくなります。子供によって、本当にそれぞれ情熱を感じるものが違うのだなあと、しみじみ思う今日この頃です。

8.楽しみ始めたらどんどん伸びる、つくづく感じること。取り組む物事に、楽しみを見出せるよう導くことができたら。

9.学生時代、旅をよくしたものでしたが、それでもしっかり細密に計画して、という旅はほとんどしたことがなく。何日間の内にこことここには行くことにしよう、とぐらい決めておいて、ひとまず現地の空港に降り立ち、さて、こっちにいってみようかな~といった具合。といって今や子供五人となると、そうもいかず。旅の計画、新鮮でもあります。情報を集めつつ、直感も大切に

10.南東アラスカへの旅、15年前、夫と二人、博物館倉庫に保存されているユピックの仮面を求めて旅した道のりでもあります。今回はまだ乗るか未定ですが、当時はアンカレッジから16時間走った後、フェリーに乗って州都やいくつかの島々を訪ね。ロシア文化の影響を残す街並み。70年代のTOYOTA(五万円で購入!)、よく走ってくれました。当時、まさかこうして五人の子供達と同じ道を走ることになるとは露も思わず。ああ懐かしいなあという思いを胸に、それでは、南東アラスカへの旅に出かけてきます! 8日間! 旅の様子、報告します! 

皆様の夏の日々が素晴らしいものでありますように!

Have a wonderful week!


日常風景:

いい試合だったねえ~、と相手チームと言い合いながら。


次女サッカーな毎日!


ここ最近立て続けに(先週一度今週二度)長女が作っているのが(三女お手伝い)、


ブラウニー。

甘い!

朝寝起き顔で遊び続ける次女と三女。

本箱から中を全部取り出し、

居間に、


プレイルームに。


昨日は獣医へ。

後ろ足の間接を痛めて一ヶ月以上たつ飼い犬、まだまだ回復には時間がかかりそう。おやつ目当てで、階段の踊り場から数段飛ばしてジャンプしたのが原因という、何とも食いしん坊ビーグルらしい出来事でした。早く良くなってね、で、もう二度としないでね。

「障害」を越えて

2013-06-08 23:21:07 | 子育てノート
三ヶ月間の夏休み、こちらの学校は宿題が出ることもなく、そこで一人一人に合ったレベルの問題を揃えたカリキュラムを組み、午前中は、少しだけホームスクールのようなことをしています。といっても一時間もかからないですんでしまうような量、残りの時間は家事分担を除けば、ハイキングに、サイクリングにと外を飛び回り遊んでます。

こうして密に学習に向き合っていると、その子自身の学び方や速度というのがより分かるのですが、この子には「読字障害(ディスレクシア)」や「学習障害」の傾向があるんじゃないかなと、感じる子が中にいます。

なかなか頭に入らず、入ったと思っても忘れてしまい、また時間をかけて入れ、また忘れるということを何度も繰り返したり、どう考えても普通はしないでしょうというような読み違いをしたり、簡単な設問の意味が理解できなかったり、その度合いが、まあその内大きくなるにつれできるようになっていくわよねと構えていていいのかと、首を傾げたくなるほど。また他の子が本の虫であるのに対し、その子は本を読むのを極力避けたがります。文章を読むこと、しっかり理解することを、何かが妨げている、見ていてそんなように感じるのです。

二年間担任をしていただいた先生も、その傾向に気づかれていて、もし問題が大きくなるようなら何か手を考えましょうと話し合ったこともあるのですが、できることは目を見張るほどできてしまうこともあり、結局、「今年一年で一気に伸びたようですよ(アカデミックなgrowth spurtsと)」というコメントで学年を終えました。

といって、学習に取り組む様子を見ていると、やはりそんな傾向がちらほらと見られます。

こういったことは、ここから「障害」ここから「正常」とはっきりとした境界があるわけではなく、「スペクトラム」なのだとは思ってます。和紙などに絵の具をたらし、周縁になればなるほどぼやけた色になっていく、中心は確かに鮮やかな「青」だけれど、周りにいくほど青ともいえるようないえないような、といったように。

様々な「障害」といわれる症状を見てみると、私自身でも他の子達でも、ADHD,ADD,OCE,LDといった様々な「障害の要素」を持っているなあと感じます。それがより濃く出るのならば、「要素」ではなく「障害」とされる。気になるその子の場合は、「要素」というにはおさまりきらないけれど、「障害」とまではいかない、というところにいるのかもしれません。

一昔前は、「ちょっと、または、かなり変わった人」というくらいで、こういったカテゴリー分けを聞くこともなかったわけですが、こうして名前をつけ分類することに何か意味があるとするならば、それは、そういった傾向にある人が、より良くなっていくためのメソッドに接する機会が増えるということでしょう。

その傾向に合った改善の方法というのがやはりある。そして「中心の鮮やかな青」に用いられるメソッドが、周りのぼやけたところに位置する場合でも、役に立つということがある。こういうやり方だと頭に入りやすい、こういった訓練をするといい、こういったことはしない方がいい、といったように。そこで、少しずつメソッドをリサーチしてもいます。

またこういったものは遺伝する確率が大きいとも言われているのですが、夫は誰が見ても明らかに「中心の鮮やかな青」とされるほど重度のディスレクシアや学習障害があったという過去を持っていて。

(ディスレクシア:学習障害の一種で、知的能力及び一般的な理解能力などに特に異常がないにもかかわらず、文字の読み書き学習に著しい困難を抱える障害である。顕著な例では数字の「7」と「seven」を同一のものとして理解が出来なかったり、文字がひっくり返って記憶されたりして正確に覚えられない、など様々な例がある。アメリカでは2割近くの人々が何らかの形で読字障害に関わる症状を持つという調査結果もある[1]。最新の研究によって、ディスレクシアの人は脳での情報処理の仕方が一般の人と異なることが明らかになってきている。ウキペディアより)

昨夜夫と話していても、夫曰く、あの子の苦しい気持ちが自分には手に取るようによく分かると。夫は、12歳になるまで文章を読めず、まともに本を読んだのは高校生になってから(これを聞いたのは実は昨夜が初めて!)。何度も落第しそうになり、毎年父親が学校に出かけ頼み込んで進級。

6歳で母親がいなくなり、父親との極貧生活の中、加速的にひどくなっていったとも。一方、母親の新しい家庭に育った異父の弟が、成績優秀スポーツ万能、大学も首席で卒業し、ハーバードを蹴ってアイビーリーグの中のもう一つの大学の博士課程で学んでいる(ハーバードは全額免除だけだったけれど、その大学は全額免除プラス生活費込みだったため)というのも感慨深いです。

夫は、成人してからの独自の目のトレーニングなどで回復したようです。実親も含め、周りのほとんどが、「この子には無理」と諦める中、「目の前のことごとくできてない結果に関わらず、自分の可能性を信じてくれた人の存在が何よりも大きかった」と。それは目のトレーニングの重要性を理解してくれた目医者の友人であり(この目医者はその後、目のトレーニングセンターを作り学習障害の子のサポートをしている)、今まで歩いてきた中で出会った本当に少数の人々。

出会った当時は学生でホームレスのような生活をしていた夫、今では書類に囲まれ、ありがたいことに、全米でも40人ほどしかいないという責任のある職種についてます。それは「あなたには無理、あなたにできるはずがない」という周り大多数からの声との戦いの日々でもありました。学歴もなく(誰でも入れるコミュニティーカレッジ8年)、アクセントのある移民で(18で英語を一から学び始める)、今でもその戦いは続いているわけですが。


「目の前のできていない結果に留まることなく、その子の可能性を信じ続ける」

目の前のテストや成績や、学校という枠組みや、そういった目先のことに囚われず、もっと長い目でこの子に向き合っていこう、そう心の開けた夜でした。

まだまだこれから! スピリットを高く掲げて、周りの雑音に立ち止まることなく、可能性を信じて、歩き続けていこうね。

どうしたら言い争いを避けることができる?

2013-06-08 23:20:33 | ファミリーディナートピック
昨夜のファミリーディナートピック。
(毎週金曜日の夜は、家族で知恵やバリューについての話をしています。我が家は今のところ特定の宗教に属すということはないのですが、宗教的テキストからも大いに学ぶことがあると思っています。)

夏休み、一日中顔を突き合わせていると、喧嘩やいさかいもチョコチョコ起こるもの。どうしたら言い争いを避けることができるか、話し合い。これから8日間、楽しい旅にするためにも!(Korach 5773 by Kalman Packouz  aish.comを参考に。)

「ディスカッション」と「言い争い」は違うもの。ディスカッションは話し合うことで互いにより良い着地点を見出そうという試み、言い争いは自分が勝ちで相手が負けか、自分が負けで相手が勝ちかしかない。

どうしたら言い争いを避けることができるか?

1.言い争いは二人必要。もし言い返さないのならば、言い争いは成り立たない。「今それについてしゃべりたくないの」とソフトに繰り返す。It takes two to argue. If you don't answer back, there cannot be an argument. Just say, "I don't want to talk about it now" and just softly repeat that phrase.

2.声のボリュームが上がるにつれ言い争いも白熱するもの。「ソフトな答えは怒りを退ける」と聖書にあるように、相手がより力強く言い争うなら、より静かに返すようにする、すると相手のトーンも下がっていくことに気がつく。Arguments escalate with the volume of the arguers."A soft answer turns away wrath" (Proverbs 15:1). The more forceful the other person argues, the quieter your response becomes. You will see the other side tone down his/her voice in response.

3.同意するなら、言い争いは成り立たない。「それはいいポイントだね」「それについて考えたこともなかったよ」「あなたは確かに正しい」などなど。違うことよりも、同意できることにフォーカスする。You can't have an argument if you agree. "That's a good point." "I hadn't thought about that." "You are definitely right." Focus on where you can agree, not where you differ.

4.間違いを認める。全て正しいなんて人はいないもの。謝れること、責任をとれることを探してみる。相手も気分を持ち直し、相手自身の過ちを認め始めるかもしれない。Admit you were wrong. No one is ever totally right. Find something to apologize for, to take responsibility for. The other person will feel better and may even own up to some mistakes of his/her own.

5.非難したり攻撃したりしない。「こういったじゃない!」「こうしたじゃない!」といったステートメントでなく、質問する。攻撃するための刃のように切り立った気持ちででなく、誠実に質問する。Do not accuse or attack. Don't say, "You said this!" "You did that!" Ask questions, don't make statements. And ask questions with sincerity not as a cutting sword to make an attack.

6.ゴールを思い出すこと! こうして共にいるのは、調和と平安といい雰囲気と愛情を育むため。言い争いは、平安や心地よさでなく、ストレスや不安を産み出す。Remember your goal!  In the case of marriage, you want harmony, peace, a good atmosphere, love. Arguments breed stress and anxiety, not peace and pleasantness. Tell yourself: I love my spouse, I love my kids.

7.敬意を表す。相手を傷つけたり、相手にとって意地悪だったり、意味のないことを言わない。Don't show disrespect to another person by saying things that are damaging, mean or not worthwhile. This especially applies to one's spouse. Remember, you chose your spouse over every other person on this planet!

8.言い争いをディスカッションへと導く。自分の立場を守ろうとしない。はっきりさせたアイデアや問題を明確にする。オープンマインドで聞く。Turn the argument into a discussion. Don't defend a position; set forth an idea or problem to be clarified. People of good will who reason together can come to a common conclusion. Listen with an open mind. Be a judge, not a lawyer!

9.「この言い争いは本当に意味がある?」そう自身に問う。何について言い争っていようが、それは結局はささいなことかもしれない。Ask yourself, "Is this argument really worth it?" In the end, whatever you are arguing about may be ultimately trivial. Likely, there are other issues regarding communication, respect, responsibilities which create the angst and anger leading to arguments -- rather than discussions.