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靴下にはそっとオレンジを忍ばせて

南米出身の夫とアラスカで二男三女を育てる日々、書き留めておきたいこと。

陽光に再開

2010-09-01 23:00:18 | 詩・フィクション・ノンフィクション・俳句
開け放たれた扉には 午前4時頃結んだ毛糸


口からはみ出す陽光が

虹色の木目を照らし出し


息を吐き続けたカブトムシに

口唇部を気にするマメ科類


糸こんにゃくにざっと告げた展開は

蒸気にのって水平線へ


媒体の限界に 解体を再開


見渡す限りの喜劇を礼賛


ななかまどに一礼し さて一歩

流れの一つ

2010-08-27 00:02:24 | 詩・フィクション・ノンフィクション・俳句
眉間の錆をセロファンに包み  

脳の皺への焦点を手放す


脳天に降り注ぐ流れは 

呼吸を変え

血流の勢いにのり 

肘の辺りへも ふくらはぎへも

そして足裏から 地へと潜る


上と下とをつなぐ身体 

流れは滞ることがない


両腕からの振動は上昇を続け

口の端はかすかに上へ 目の輪郭は細長く


流れには始まりも終わりもなく


消える境界 

無限になる

目覚めの一例

2010-05-01 00:54:35 | 詩・フィクション・ノンフィクション・俳句
目覚めの一例

猛雪飲みの鯨へは 
さっき挨拶すませたところ

リリコイ色のベールをまとい
額を突き出し歩いてゆけば

眉毛をなぞる優しい風が
百会の行方を教えてくれる

降っては注ぐ光の波に
分母は踊り
分子は留まり

最新式で最古式とは
まさにこのことだったのか!

靴下にはそっとオレンジを忍ばせて

2010-04-20 05:46:09 | 詩・フィクション・ノンフィクション・俳句
靴下にはそっとオレンジを忍ばせて


水中眼鏡の似合う友と

朝から裸で踊ってみる


交戦間近の赤熊に

使い慣れた箸をわたし


靴下にはそっとオレンジを忍ばせて

陸続きの友には牛乳を飲ませながら


ついにクロッカスが絶叫

「せんだんしゅ~~~~~」


あがり一丁。線は結ばれた。