パンデミックと日本共産党の真価

2021年08月05日 22時53分18秒 | 日記

党創立99周年 志位委員長が記念講演

3氏ビデオメッセージ新都議19人が勢ぞろい

 日本共産党は4日、党創立99周年記念講演会をオンラインで開きました。志位和夫委員長が「パンデミックと日本共産党の真価」と題して講演。99年の歴史、確かな綱領、草の根の組織に支えられた日本共産党ならではの真価を五つの角度(別項)から語りました。落語家の立川談四楼さん、上智大学教授の三浦まりさん、ライターの小川たまかさんからのビデオメッセージが紹介され、7月4日の東京都議選で当選した19人の新都議が勢ぞろいし、代表して福手ゆう子、白石たみお・両都議があいさつしました。記念講演は各地の視聴会場や個人宅、スマートフォンなどで視聴され、ユーチューブでの同時視聴は1万1332カ所に達しました。(3氏のビデオメッセージ)(都議あいさつ)


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(写真)党創立99周年記念講演会=4日、党本部

 1年半におよぶパンデミックは、日本社会が抱える矛盾を根本から明るみに出すとともに、それぞれの政党の危機に対する基本姿勢、対応能力を問うものとなりました。

〈科学的姿勢に立ち、国民の苦難軽減のために献身する党〉

 パンデミックのもと、浮き彫りになっている日本共産党の真価―。志位氏が語った第一の角度は、科学的姿勢に立ち、国民の苦難軽減のために献身する党の姿です。

 志位氏は、安倍・菅政権のコロナ対応には、(1)科学無視(2)説明責任を果たさない(3)「自己責任」論の持ち込み―という三つの致命的欠陥があると強調。その最悪の表れが東京五輪の強行だと批判しました。その上で、「国民の命と暮らしにかかわる大問題への対応をとっても、菅政権に国政を担う資格がないことは、すでに明らかです」と力を込めました。

 こうした政権の姿勢に対し、日本共産党の奮闘ぶりは際立ちます。

 志位氏は、「戦後最悪のパンデミックに際し、日本共産党は、科学的姿勢に立ち、国民の苦難を軽減し、命と安全を守るという立党の精神を貫き対応してきました」と強調。情勢の節々で積極的提言を行ってきたと報告しました。そのうえで、「感染爆発と医療崩壊の危機のもと、いよいよもって五輪をやっている場合ではありません」と強調、「『五輪・パラリンピックをやめて命を守れ』の一点で、思想・信条の違いを超え、力を合わせることを、心から呼びかけます」と表明しました。

 志位氏は、暮らしと権利、ジェンダー平等、少人数学級、学生支援など、日本共産党がこの1年半に国民の運動と結び、他の野党とも協力して、さまざまな分野で前向きの希望ある変化をつくりだしてきたことを紹介しました。

 「多くの人々が、パンデミックの体験を通じて、これまで『遠くにある』と思っていた政治が、命と暮らしにとって『身近』なものだと感じ、声をあげ立ち上がり、さまざまな分野で前向きの変化のうねりが起こっています」と語った志位氏。「『声をあげれば政治は変わる』。この確信が一人ひとりの体験を通じて広がりつつあります。これは日本社会にとっての大きな希望です」と力を込めました。

 続けて志位氏は、草の根で、国民の「SOS」に耳を傾け、苦難に心を寄せ、ともに解決する全国の日本共産党の取り組みを紹介。「このたたかいは、かつての侵略戦争に対して、どんな困難があっても命がけで反対を貫いた先輩たちの不屈のたたかいを、現代に引き継ぎ、生かしたものです」と強調しました。

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(写真)記念講演をする志位和夫委員長=4日、党本部

〈日本の政治のゆがみの根本にメスを入れる変革の党〉

 第二の角度は、「財界中心」と「米国いいなり」という日本の政治の二つのゆがみの根本にメスを入れる変革の党という姿です。パンデミックのもと、ゆがみの根本をただす改革がいよいよ切実に求められるなか、その真価が鮮明になっています。

 志位氏は、「ルールなき資本主義」といわれる財界中心の政治のゆがみを極限までひどくしたのがこの40年来の新自由主義=規制緩和万能、弱肉強食、自己責任押し付けの政治だったと強調。その破たんを、(1)現実のものになった医療崩壊(2)非正規労働者、女性と若者に深刻な犠牲を押し付けている雇用破壊(3)税金の不公正のはなはだしい拡大―の三つの角度から告発しました。

 財界中心の政治が深刻な行き詰まりに陥っているにもかかわらず、菅政権はこの道を暴走し続けています。志位氏は、「総選挙で、血も涙もない医療破壊法を強行した自民・公明・維新に厳しい審判を下し、その実施を止めよう」と呼びかけました。

 「ルールある経済社会」の実現と、そのための大企業に対する民主的規制。志位氏は「これが破たんした新自由主義に対する日本共産党の抜本的対策です」と力を込めました。新自由主義の破たんを直視し、転換を図ろうとする世界の流れを示し、「日本共産党がめざす経済の民主的改革の方向にこそ未来があります」と語りました。

 志位氏は、「異常な米国いいなり」という政治のゆがみを、(1)全国各地での米軍機の低空飛行訓練などに示される在日米軍の異常な横暴(2)沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設の強行―から告発。「『異常な米国いいなり』をただすために、日本共産党はつぎの『二重のとりくみ』に力をつくします」と表明しました。

 「二重のとりくみ」について、(1)日米安保条約に対する賛成、反対の違いを超えて、緊急の課題で広く協力すること(2)日米安保条約を廃棄し、日米友好条約を結ぶという綱領の日本改革の根本目標が国民多数の合意となるよう党独自の努力を尽くすこと―と説明。「これにとりくめる政党は日本共産党しかありません。戦後一貫して『異常な米国いいなり』の政治と正面からたたかってきた日本共産党を伸ばすことにこそ、日本の平和の最大の保障となります」と強調しました。

〈世界の本流に働きかけ、逆流とたたかう党〉

 第三の角度は、日本共産党が世界の本流に働きかけ、逆流とたたかう党であるという真価です。

 志位氏は、パンデミックのもとでも起こっている世界史の本流の力強い前進の流れとして、(1)核兵器を違法とする核兵器禁止条約の発効(2)植民地主義の過去を問う世界的な流れの発展―の二つの出来事をあげました。

 昨年改定された日本共産党綱領が、国際政治の「主役交代」を核兵器禁止条約の歴史的意義としてとらえていることをあげ、これと同じ見方が条約推進の中心を担った当事者からも語られていることを「たいへんうれしく、心強い」と語った志位氏。同条約に背を向ける日本政府を批判し、「政権交代が必要です。核兵器禁止条約に署名・批准する新しい政権をみんなの手でつくろう」と訴えました。

 志位氏は、世界各地で、過去の植民地主義、奴隷制度に対する歴史的な不正義をただす流れが広がっていることを紹介。「歴史的な不正義と向き合い、それを認めてこそ、未来に向かって本当の信頼と友好がつくれます。日本共産党は戦前・戦後の99年、命がけで侵略戦争と植民地支配に反対を貫いた党として、そのために力をつくします」と表明しました。

 米中の覇権争いへの国際社会の対応について、日本共産党の「北東アジア平和協力構想」を紹介しながら、「どんな国であれ覇権主義は許さないという立場に立ち、平和的手段に問題解決を図ること」「国連憲章と国際法という共通のルールにもとづいて、平和的に共存していくこと」の重要性を強調しました。

〈選挙で示された国民多数の意思に基づき、国民共同の力で社会変革を進める党〉

 第四の角度は、日本共産党が社会発展のどんな段階でも、選挙で示された国民多数の意思に基づき、国民共同の力で社会変革を進める党だという真価です。

 志位氏は、日本共産党の社会変革を進める基本姿勢として、(1)社会の段階的発展(2)多数者革命(3)統一戦線―の三つの立場を強調。「この三つは一体のものであり、社会発展のあらゆる段階でのわが党の一貫した立場です」と語りました。

 この6年間の市民と野党の共闘の画期的意義について、(1)2016年、17年、19年の3回の国政選挙での成果の積み重ね(2)野党が共同して新しい政権をつくることが現実に追求すべき課題となっている(3)広大な保守の人々と日本共産党を含む共闘として発展している―の三つの角度から強調。「どんな困難があっても、それを乗り越えて、市民と野党の共闘を成功させるために、知恵と力を尽くす決意です」と表明しました。

 志位氏は、「市民と野党の共闘の発展のためには、共闘に分断を持ち込み、破壊しようとする逆流を許さないことが不可欠」と指摘。共闘を分断・破壊するために支配勢力が主な手段とする日本共産党攻撃について、詳細に解明し、反論。「どんな場合でも平和的・合法的に社会変革を進める日本共産党の確固とした立場」を明らかにしました。

〈資本主義をのりこえる未来社会をめざす党〉

 パンデミックのもとで、資本主義というシステムを続けていいのかという問いが人類に突きつけられています。志位氏は、第五の角度として、日本共産党が、資本主義をのりこえる未来社会―社会主義・共産主義社会をめざす党だという点を強調しました。

 米国の高校生から寄せられた社会主義と日本共産党に対する共感のメールを紹介。新版『資本論』全12冊が完結したことを報告し、「21世紀に、マルクスの理論的探究の歴史と到達点を踏まえ、その主著『資本論』の新しい翻訳・編集を成し遂げた政党は、世界にもほかに例がない」と、その意義を語りました。

 志位氏は、「資本主義社会を、より高度な社会に交代する必然性を持った社会であることを明らかにしたことこそ『資本論』の根本的立場があり、その革命的真髄があります」と強調。社会変革は自然には起こらないとするマルクスの究明にふれ、「そうした社会変革を進める主体的条件を発展させることにこそ、日本共産党の歴史的役割があります」と強調しました。

 志位氏は最後に聴衆にこう呼びかけました。

 「日本共産党ならではの真価を広く語り、目前の総選挙で勝利を勝ち取るために力をつくそうではありませんか。日本共産党の躍進、市民と野党の共闘の勝利で、政権交代を実現し、新しい政権―野党連合政権をつくろうではありませんか。新しい政治変革のうねりの中で、党創立100周年を迎えようではありませんか」

日本共産党の真価 五つの角度

 日本共産党の志位和夫委員長が4日の党創立99周年記念講演会で語ったパンデミックのもとで浮き彫りになっている日本共産党の真価・五つの角度は次の通りです。

●…科学的姿勢に立ち、国民の苦難軽減に献身する党

●…日本の政治のゆがみの根本にメスを入れる変革の党

●…世界の本流に働きかけ、逆流とたたかう党

●…選挙で示された国民多数の意思に基づき、国民共同の力で社会変革を進める党

●…資本主義をのりこえる未来社会をめざす党