幻獣坐
2011-08-31 | 書評
三雲岳斗の作品を取り上げるのは、かなりの久しぶりです。以前には海底密室、旧宮殿にて、アースリバース、聖遺の天使、ワイヤレスハートチャイルドを取り上げたことがありますが、それ以来の紹介です。実に5年ぶりの三雲岳斗作品の紹介ということになります。
幻獣坐、三雲岳斗の作品の中では、レベリオンと同系統に有る作品です。つまり特別な能力のある人間が出てきて、それが幻獣坐というわけです。
この物語の世界観は近未来の日本で経済破綻の末、ある一つの企業グループに経済的に支配され、その影響が政治などにも及んでいる状態です。
そのため、その弊害があちこちに出ていて、そういった状況に立ち向かうのがこの小説のストーリーです。
主人公の少年は、ヒロインに利害だけで当初は近づきますが、その後の心境の変化が一つのこの作品の見所ではないかと思います。
アクションもある小説ですが、メインは頭脳戦というところで、三雲岳斗らしい作品に仕上がっていると思います。出来ればこの世界観の続編を読みたいところです。
http://www.bookclub.kodansha.co.jp/kodansha-novels/1003/special/
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