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にしみの鉄道情報局付属ブログ

限界ニュータウン荒廃する超郊外の分譲地

2023-01-18 | 書評

大阪の北摂の山間部には、その筋ではよく知られた最寄り駅からバスで一時間という大規模なニュータウンがありますが、千葉県北東部の成田市やその周辺の自治体には、それがまともに思えるニュータウンが多数あります。この本の筆者の吉川 祐介氏はブログYou Tubeで、千葉県のニュータウンについて、実際に在住して情報発信しています。ブログについては、個人的に少し前から注目していました。

1960年代70年代の国土開発期に多数造成された千葉県北東部のニュータウンは、その多くが開発許可がいらないごく小規模な分譲住宅地で、中小の開発業者によって造成されています。それらは、原野商法とはことなり、一応造成が行われ、住宅が建てられる所まで開発されましたが、購入者の多くは投資目的で、実際に住宅が建てられることはありませんでした。それらの一部は、1980年代末から90年代初頭のバブル期に実際に住宅が建てられましたが、半分以上が空き地という所がが多いと筆者は述べています。資産価値が低い所(筆者のYou Tubeチャンネルのタイトルは更に極端で、資産価値ZERO -限界ニュータウン探訪記-)が多いのですが、安価なため空き家の流動性は高いようです。

 

この本では、それらを限界ニュータウンと呼び、そのニュータウンの実態や、土地の取引状況、限界ニュータウンの社会問題について、空き家問題について述べています。また限界ニュータウンの有効活用の実態についても紹介しています。ただしこの本でも述べられていますが、限界ニュータウンといっても、山間部の限界集落のように、買い物などの生活困難地域ということではなく、限界ニュータウンの周辺は、都市近郊農業地帯なので、車で容易に移動できる圏内にコンビニやドラックストアー、スーパーマーケットなどもあり、生活困難区域ではありません。

 

地元も、名古屋の都心からこの限界ニュータウンよりも近い距離なのですが、平野部で丘陵地帯が無く、市街化調整区域が多いので、このような乱開発は行わていません。

 

この本、昨年9月に出版され、版を重ねて、自分が先日名古屋の書店で購入した本は3版で、アマゾンでもカテゴリーの中では売上上位になっています。

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