さんぽみちプロジェクト

さんぽみちプロジェクトの記録。
和歌山新報で日曜日一面に連載中の「WAKAYAMA NEWS HARBOR」と連携。

赤と白のコントラストが美しい 僅かに和歌山でも栽培「かぐや」

2022-10-16 17:12:55 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、大玉でありながら緻密な肉質が特徴の「嶺鳳」を取り上げた。
今週は、嶺鳳と同じく「あかつき」から作られた「かぐや」を紹介したい。


写真】赤白でジューシーな果肉が特徴の「かぐや」

かぐやは福島県福島市で生まれた極晩生種とされ2013年に品種登録。正式な品種名は「かんのT7号」という。
果実は楕円形で、重さは350g程度とあかつきよりもやや大きい。果皮は無袋で育成されるため、全体的に濃い紅色に着色する。

果肉はやや硬めで繊維質が少ない。あかつきと同様に白肉でありながら、中心部分の周囲に鮮やかな赤の着色があり、赤と白の美しいコントラストが特徴。糖度は13度を超えるほど。

食してみると甘味が強いわりに酸味は少なく果汁は多め。あかつきよりも溶質でジューシーな食べ応え。
収穫時期は8月下旬から9月中旬と桃のシーズンの終盤にかけて。この時期の桃はジューシーさに欠ける品種が多いが、かぐやの場合はシーズンの盛りに収穫される桃と変わらないほど。日持ちに優れることから贈答品としての需要がある。

農水省統計によると、生産地の第1位は福島県(4ha)、第2位は山形県(1.7ha)となっており、第3位以降の記載は無い。
嶺鳳における全国の栽培面積は89.4ha(全国で13位)であるので、それと比べれば極めて希少な品種であるといえる。
筆者は和歌山県内の産直市場で購入。僅かながら和歌山県でも栽培されているようだ。

東北地方を中心に栽培される品種でありながら、遠く離れた和歌山の地に取り入れ、栽培がはじめられている品種。
見つけるのは難しいかもしれないが、来シーズンに是非ご賞味いただきたい。

(次田尚弘/和歌山市)
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