さんぽみちプロジェクト

さんぽみちプロジェクトの記録。
和歌山新報で日曜日一面に連載中の「WAKAYAMA NEWS HARBOR」と連携。

木成り栽培で際立つ甘さ 高糖度の高級柑橘「南津海」

2022-06-19 16:31:26 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、柚子の変異種でさっぱりとした味わいが特徴の「小夏オレンジ」を取り上げた。
今週は、小夏オレンジと同時期に出回る高級柑橘「南津海(なつみ)」を紹介したい。


【写真】見た目は温州みかんに似ている「南津海」

南津海は、1978年に山口県で「カラマンダリン」と「吉浦ポンカン」を交配して作られた品種。
見た目は温州みかんに似ており、大きさは温州みかんより一回りほど大きいサイズ。
外皮がややデコボコしており手で容易に剥くことができる。じょうのう膜は少し厚めだが、そのまま食べることもできる。
食してみると果汁が多く、甘さが際立つ。木成り栽培により酸味が抜け、甘さが増す、高糖度みかんとされる。

南津海が色づくのは温州みかんと同じ冬の時期。この時期に南津海を食すと酸味が強く、食すのには適さないものと判断された。
しかし、実をつけたまま春を迎えたところ、カラスが南津海を食べるようになった。それを見て実際に食してみると、酸味が抜け甘さが際立つ品種であることがわかり、本格的に栽培が始まったという。

2018年の統計値によると、主な生産地は愛媛県(700t)、和歌山県(357t)、佐賀県(148t)、愛知県(111t)、広島県(96t)と、和歌山県は全国2位の生産量。
筆者は有田川町で栽培されたものを購入した。

南津海の名前の由来は、初夏の時期に食べられる柑橘という意味であるという。
食べ頃は4月から5月にかけて。今年の旬は過ぎてしまったが、来年の初夏の時期には、ぜひ試しに食してみてほしい高級柑橘である。

(次田尚弘/和歌山市)
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