さんぽみちプロジェクト

さんぽみちプロジェクトの記録。
和歌山新報で日曜日一面に連載中の「WAKAYAMA NEWS HARBOR」と連携。

地産地消で農家を応援 暖冬と雹の影響受ける「青梅」

2024-06-02 16:41:56 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号まで、規格外のいちごを使った、家庭で楽しめる数々のお菓子を取り上げた。6月に入り、いちごの姿を見る機会は少なくなり、今は青梅が最盛期を迎えている。
今年は暖冬の影響で着花が悪く不作であるうえに、3月の雹(ひょう)害により、大きな痛手を受けている。

店頭で青梅を見ると価格は例年より2割から3割高い。果実に傷やへこみがあるものは、そうでないものより安価で販売されているが、消費者の目は厳しいようだ。
今週は「雹(ひょう)」が発生する気象と青梅への影響について紹介したい。


【写真】傷やへこみが目立つ県産の「青梅」

梅の産地である県中部・南部で雹が降ったのは3月20日。午前10時頃から夕方にかけて断続的に降り、大きいものでは1センチ程度あったという。

雹の元になる氷の粒は、地表付近の水蒸気が上昇気流で上空に運ばれ、冷やされることにより発生する。積乱雲の内部で水蒸気が氷になり、上昇気流により雲の中で大きくなったものが溶けずに地表に落下。直径が5mm以上の氷を雹、直径5mm未満の氷を「霰(あられ)」と呼ぶ。主に春や秋に発生する。

果実に傷はあるが、加工品への影響はどうか。梅干しは傷口が硬い浸け上がりになる可能性はあるが、味には大きな問題はなく、梅酒やジュース、ジャムについては問題がないという。
店頭ではその旨が記載されたリーフレットが配布されるなど、理解を求めている。

遠方への出荷やスーパーなどでの販売が難しいものが、地元の産直市場等で多数販売されている。地産地消だからこそできる梅農家の応援。県民が協力してこの苦難を乗り越えたい。

加工品の作り方については、2023年7月9日付、16日付、30日付の本コーナーで紹介。本紙ウェブサイトからも閲覧できる。

(次田尚弘/和歌山市)


2023年7月 うめぼし関連へのリンク https://blog.goo.ne.jp/nextwill/m/202307
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二層のいちごで美味しさ堪能 すぐに作れる「ムースケーキ」

2024-05-26 13:30:40 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、規格外のいちごを使った、家庭で楽しめる「いちごアイス」を取り上げた。
今週は、冷凍保存のいちごを活用した「いちごムースケーキ」の作り方を紹介したい。


【写真】冷凍いちごを使った「ムースケーキ」

直径15㎝程度のケーキを作るために必要ないちごは300g。グラニュー糖40g、生クリーム200g、ゼラチン15g、レモン汁大さじ1杯、土台部分となるビスケット約100gと、無塩バター30gを用意する。

まず、冷凍保存したいちごを2~3時間かけ自然解凍させる。解凍と同時に多少の水分が出るが問題はない。半解凍の状態ではミキサーで上手く攪拌できないので、完全に解凍させるのをおすすめしたい。

次に土台部分はビスケットの生地をフードプロセッサーか、麺棒で叩き、粉砕する。粉砕したビスケットに溶かした無塩バターを絡ませ、ケーキの型の底に敷き詰め、冷蔵庫で冷やす。

続いて、自然解凍させたいちごと、グラニュー糖、レモン汁をミキサーに入れ攪拌。ピューレ状になれば、ケーキの上部に流すジュレを作るため約100gを取り分けておく。残りに生クリームを入れ、再度攪拌する。そこに、溶かしたゼラチン10gを入れ、よく混ぜ、型に流し込み、冷蔵庫で1~2時間冷やし固めるとムースが完成。この際、飾り用にいちごを半分にスライスし、型の円周部分に貼り付けておくと、完成時の見栄えが良い。

更に、取り分けておいたピューレに、溶かしたゼラチン5gをよく混ぜ、ムースの上に流し込む。しっかりと冷やし固まれば、蒸しタオルで型の周囲を温め、型から抜き取れば完成。

食してみると、イチゴの甘さと生クリームがマッチし濃厚な味わい。暑くなってきたこの時期に、最適のお菓子である。

規格外のいちごを活用した、産地ならではの楽しみ方。ぜひ、実践してみてほしい。

(次田尚弘/和歌山市)
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冷凍保存で味わい堪能 家庭で楽しむ「いちごアイス」

2024-05-19 17:30:50 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、シーズンの終わりを迎え、産直市場などで購入できる規格外のいちごを使った、
スムージーの作り方を取り上げた。
今週は、冷凍保存することで1ヶ月程度の期間、楽しむことができる「いちごアイス」の作り方を紹介したい。


【写真】容易に作ることができる「いちごアイス」

まずは、いちごの下処理から。ヘタが付いたままのいちごをよく洗い、水気をしっかりと拭き取る。傷んでいるものがあれば取り除く。

ヘタを取り、冷凍保存が可能な袋に、砂糖と一緒に入れ、いちご全体にまぶす。この時、ヘタを取るだけでなく、できればヘタの付け根の固い部分を包丁などで取り除いておくと、後々、舌触りを損ねることがないため、可能であれば合わせて処理しておくのがおすすめ。

続いて、袋の中の空気を抜きながら袋の口をしっかり閉めて冷凍庫に入れる。急速冷凍の機能があれば、いちごの細胞を壊すことを防ぐことができる。無ければ、金属製のトレーなどに乗せることで代用が可能。

いざ、いちごアイスの調理。冷凍いちご50gにつき、グラニュー糖15g、生クリーム70㎖を用意する。冷凍庫から取り出し、常温で10分程度おき、半解凍の状態になったいちごを、保存袋のうえから麺棒などで叩き、細かく砕く。

次に、グラニュー糖と生クリームを加え、袋を閉じて全体が混ざるまで揉む。続いて、平らにした保存袋を冷凍庫で1時間冷やす。一度、冷凍庫から取り出して全体をよく揉んだあと、更に2時間冷凍庫で固める。取り出して、なめらかな状態になるまで調整しながら揉み、盛り付ければ完成。

いちごの風味が広がり、生クリームとの相性も抜群で、まるでお店で食べるような食感と味わい。汗ばむ季節、いちごのラストシーズンを、アイスで堪能してほしい。

(次田尚弘/和歌山市)
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規格外のまりひめを活用 産地ならではの「いちごスムージー」

2024-05-12 13:34:35 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
大型連休が終わり、気温が暖かくなってきたこの時期。和歌山県が誇るオリジナルいちごである「まりひめ」は、旬の終わりを迎えている。
この時期に産直市場などで見られるのが、箱売りされる「ジャム用いちご。不揃いで規格外として仕訳けられる小さなものや変形したものばかりであるが、1kgあたり1000円程度と非常にリーズナブルな価格設定。産地だからこそ手に入るジャム用イチゴを使い、スムージーを作ってみた。


【写真】「いちごスムージー」が出来るまで

作り方は至ってシンプル。1人あたり、いちご100g(へたをとって水洗いしておく)、無糖のヨーグルト100g、蜂蜜15g、氷3個をミキサーに入れ、攪拌するだけ。ヨーグルトの代わりに牛乳を使うこともできるが、酸味や濃厚なミルク感を味わいたい方にはヨーグルトがおすすめ。蜂蜜を多めに入れることで豊潤な味わいが引き立つ。好みでミントを浮かべると、さらに香りがよくなる。

飲んでみると、まりひめ特有の甘さが口いっぱいに広がる。まりひめは酸味が控えめで糖度が高い特徴があるため、酸っぱさよりも甘さが先行する。酸っぱさを求める方はヨーグルトの量で調整するのがよい。

いちごには抗酸化作用のあるビタミンCが豊富に含まれ、みかんの約2倍ともいわれる。
いちご100gで成人が1日に必要とするビタミンCを摂取できるとされる。他にも、むくみや高血圧の予防効果があるカリウムや、貧血や疲労に関係する鉄分も含まれることから、美容と健康にも最適。

気温の変動が大きいこの季節。産地ならではの楽しみ方で、いちごの魅力を感じてほしい。

(次田尚弘/和歌山市)
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レモンの常識を覆す 食べられる「スイートレモネード」

2024-04-28 14:00:00 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、甘味と酸味のバランスが絶妙で、赤い果肉が特徴の「スタールビー」を取り上げた。希少な存在である国産のグレープフルーツ。今週は県内で栽培されている国産レモンの一種「スイートレモネード」を紹介したい。


【写真】食べるレモン「スイートレモネード」

スイートレモネードは「食べるレモン」と呼ばれる品種。果重は100g程度。糖度は高いもので10度に達し、酸度は一般的なレモン(25度程度)よりも極めて低い5度程度。

食してみると、甘味と酸味のバランスに優れ、レモン特有の風味もあり、その名のとおり「レモネード」の味わい。レモネードはレモンに蜂蜜などを入れて作るのが一般的だが、スイートレモネードは果汁と共に果肉も楽しめる果実となっている。果皮は容易に手で剥くことができ、みかんのようにそのまま食べられる。

ワックスや防腐剤が添加されていないため、皮ごと薄くスライスし食べ物に添えることや、ジャムやマーマレードに加工することも可能。

原産はニュージーランド。自然に落ちた種が成長し、種子親を超える特性をもつものに成長し、偶然発見された「偶発実生(ぐうはつみしょう)」。日本で栽培が始まった時期は定かではないが、静岡県を中心に栽培。以前、筆者が居住していた沼津市では「沼津ブランド」に認定され、搾った果汁を瓶詰めにした飲料として販売。地域の新しい産業としての期待も大きい。

5月から6月頃に開花し、収穫期は翌年の1月から5月頃まで。収穫できる期間が長いことから、店頭に並ぶ期間も比較的長い。筆者は紀の川市で栽培されたものを産直市場で購入した。

食べるレモンという、常識を覆すような新しい柑橘。店頭で見ることがあれば、試しに食べてみてほしい。

(次田尚弘/和歌山市)
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