Coconut oil can control overgrowth of a fungal pathogen in GI tract, study in mice suggests
November 18, 2015
http://www.sciencedaily.com/releases/2015/11/151118125325.htm
タフツ大学/Tufts Universityの研究者を中心とした学際的な研究により、ココナッツオイルは真菌病原体のカンジダ・アルビカンス/Candida albicans (C. albicans) の過剰な増殖を効果的にコントロールすることがマウスの実験で明らかになった
ヒトの胃腸でカンジダ菌が過剰に増殖すると血流による感染につながり、侵襲性カンジダ症invasive candidiasisなどを引き起こす
mSphere誌で発表された今回の研究は、カンジダ菌による感染リスクを低下させるために抗真菌剤の代わりとして使える食品によるアプローチを示唆する
カンジダ菌は一般的な真菌病原体であり、胃腸の正常な微生物叢floraの一部である
普段は免疫系によって抑えられているが、免疫系が弱まると胃腸管を越えて広まり疾患を引き起こす日和見病原体である
カンジダ菌による全身感染は侵襲性カンジダ症を引き起こし、カンジダ感染は未熟児や高齢の患者など免疫の弱い患者で最も多い
CDCによるとこの感染はアメリカの入院患者で4番目に多い血液感染症である
抗真菌剤は腸管のカンジダ菌を抑えるために使われる
この薬剤はカンジダ菌が血流に拡散するのを阻止するが、繰り返し使うことで薬剤抵抗性の真菌病原体株が出現する
しかしカンジダ菌による感染を防ぐためには、胃腸管のカンジダ菌の量を減らす必要がある
微生物学者のCarol Kumamoto、栄養科学者のAlice H. Lichtensteinを中心とする研究チームは、油脂がカンジダ菌の量に与える影響をマウスの腸で調査した
研究に使われた油はココナッツオイル、牛脂、大豆油の三種類で、対照群のマウスには通常の食餌が与えられた
ココナッツオイルが選ばれた理由は、研究室の実験で真菌を抑える性質があったという以前の研究に基いている
実験の結果、ココナッツオイルが豊富なエサは牛脂や大豆油のそれと比較して腸のカンジダ菌を減少させた
ココナッツオイル単独、またはココナッツオイルと牛脂の組み合わせは、牛脂が豊富なエサと比較して腸のカンジダ菌を90%以上も減少させた
「ココナッツオイルは、牛脂からココナッツオイルへ切り替えたり、牛脂とココナッツオイルを同時に摂取させた時でさえ、
カンジダ菌のコロニー化を抑制した
この発見は既存の患者の食事へのココナッツオイルの添加がカンジダ菌の腸での増殖をコントロールする可能性を示唆し、
おそらくカンジダ菌による真菌感染リスクも低下させるだろう」
タフツ大学医学部の分子生物学と微生物学の教授であるKumamoto, Ph.D.は言う
http://dx.doi.org/10.1128/mSphere.00020-15
Manipulation of Host Diet To Reduce Gastrointestinal Colonization by the Opportunistic Pathogen Candida albicans.
<コメント>
mSphereという雑誌は初めて知りましたが、アメリカ微生物学会の新しいオープンアクセス・ジャーナルのようです
上の記事はタフツ大学のプレスリリースからですが、アメリカ微生物学会によるプレスリリースも別にありました
実験の内容が少し詳しく書かれています
http://www.asm.org/index.php/journal-press-releases/93865-coconut-oil-shows-promise-in-the-prevention-of-deadly-bloodstream-infection
こちらでKumamoto博士が言っているように、どのようなメカニズムなのかは気になるところです
>“There are two directions that we would like to take with this research now,” said Dr. Kumamoto.
>“One of them is finding out the mechanism of how this works. That is a big question we would like to answer.
> The second question is whether this can have any impact on humans.”
November 18, 2015
http://www.sciencedaily.com/releases/2015/11/151118125325.htm
タフツ大学/Tufts Universityの研究者を中心とした学際的な研究により、ココナッツオイルは真菌病原体のカンジダ・アルビカンス/Candida albicans (C. albicans) の過剰な増殖を効果的にコントロールすることがマウスの実験で明らかになった
ヒトの胃腸でカンジダ菌が過剰に増殖すると血流による感染につながり、侵襲性カンジダ症invasive candidiasisなどを引き起こす
mSphere誌で発表された今回の研究は、カンジダ菌による感染リスクを低下させるために抗真菌剤の代わりとして使える食品によるアプローチを示唆する
カンジダ菌は一般的な真菌病原体であり、胃腸の正常な微生物叢floraの一部である
普段は免疫系によって抑えられているが、免疫系が弱まると胃腸管を越えて広まり疾患を引き起こす日和見病原体である
カンジダ菌による全身感染は侵襲性カンジダ症を引き起こし、カンジダ感染は未熟児や高齢の患者など免疫の弱い患者で最も多い
CDCによるとこの感染はアメリカの入院患者で4番目に多い血液感染症である
抗真菌剤は腸管のカンジダ菌を抑えるために使われる
この薬剤はカンジダ菌が血流に拡散するのを阻止するが、繰り返し使うことで薬剤抵抗性の真菌病原体株が出現する
しかしカンジダ菌による感染を防ぐためには、胃腸管のカンジダ菌の量を減らす必要がある
微生物学者のCarol Kumamoto、栄養科学者のAlice H. Lichtensteinを中心とする研究チームは、油脂がカンジダ菌の量に与える影響をマウスの腸で調査した
研究に使われた油はココナッツオイル、牛脂、大豆油の三種類で、対照群のマウスには通常の食餌が与えられた
ココナッツオイルが選ばれた理由は、研究室の実験で真菌を抑える性質があったという以前の研究に基いている
実験の結果、ココナッツオイルが豊富なエサは牛脂や大豆油のそれと比較して腸のカンジダ菌を減少させた
ココナッツオイル単独、またはココナッツオイルと牛脂の組み合わせは、牛脂が豊富なエサと比較して腸のカンジダ菌を90%以上も減少させた
「ココナッツオイルは、牛脂からココナッツオイルへ切り替えたり、牛脂とココナッツオイルを同時に摂取させた時でさえ、
カンジダ菌のコロニー化を抑制した
この発見は既存の患者の食事へのココナッツオイルの添加がカンジダ菌の腸での増殖をコントロールする可能性を示唆し、
おそらくカンジダ菌による真菌感染リスクも低下させるだろう」
タフツ大学医学部の分子生物学と微生物学の教授であるKumamoto, Ph.D.は言う
http://dx.doi.org/10.1128/mSphere.00020-15
Manipulation of Host Diet To Reduce Gastrointestinal Colonization by the Opportunistic Pathogen Candida albicans.
<コメント>
mSphereという雑誌は初めて知りましたが、アメリカ微生物学会の新しいオープンアクセス・ジャーナルのようです
上の記事はタフツ大学のプレスリリースからですが、アメリカ微生物学会によるプレスリリースも別にありました
実験の内容が少し詳しく書かれています
http://www.asm.org/index.php/journal-press-releases/93865-coconut-oil-shows-promise-in-the-prevention-of-deadly-bloodstream-infection
こちらでKumamoto博士が言っているように、どのようなメカニズムなのかは気になるところです
>“There are two directions that we would like to take with this research now,” said Dr. Kumamoto.
>“One of them is finding out the mechanism of how this works. That is a big question we would like to answer.
> The second question is whether this can have any impact on humans.”