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アルツハイマー病: APPとGABA

2015-11-25 06:06:32 | 
Alzheimer research: new findings

November 16, 2015

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/11/151116084858.htm

現在のアルツハイマー病に関する研究は、プラーク形成の原因となるアミロイド前駆体タンパク質/APPに焦点を当てている
ドイツ・ルール大学ボーフム/Bochumの研究者は、APPがプラークの形成に加え、もう一つ別のメカニズムによりアルツハイマー病の発症に影響する可能性を実証した


細胞膜のタンパク質
Protein in the cell membrane

ある状況下で、APPは細胞核内で核スフィア/nuclear sphereという『球状の構造』の形成を促進する
このスフィアはいくつかの遺伝子活性に影響し、神経伝達物質の活性が調整される可能性が生じる
神経伝達物質とは神経細胞から他の細胞へ興奮excitationを伝える生化学的な伝達物質である

APPそれ自体は細胞膜に固定されたタンパク質だが、他のタンパク質が結合できる複数の固定箇所を細胞質内に持ち、多くの様々なプロセスを引き起こす
そのようなタンパク質の一つがFE65というアダプタータンパク質であり、
特定の状況下でそれはAPPの助けを借りて細胞核の中へと移動して、核内で他のタンパク質と共に上記の『球状の構造』を形成する
それがどのようにして細胞に影響するのかはこれまで不明だった


様々な細胞培養間の比較
Comparison between different cell cultures

医療プロテオーム研究センター/Medizinisches Proteom-CenterのThorsten Müller博士は、スフィアが潜在的に脳に与える影響を理解するための研究について説明している
彼らはスイッチがオフの状態ではスフィア形成を示さない細胞と、スイッチがオンになった細胞とでその変化を比較した
「我々は特定のスフィア形成を促進する細胞培養モデルを確立し、スイッチの入った細胞がスフィアを形成するようにした
そのプロセスにおいて、スフィアを形成する細胞ではbestrophin 1という遺伝子が高い発現を示すことが明らかになった」


神経伝達物質とアルツハイマー病
Biochemical transmitters and Alzheimer's disease

bestrophin 1は最近、アルツハイマー病において神経伝達物質の活動が損なわれた状況において特徴が記述されているdescribed

「アルツハイマー病の脳脊髄液において、神経伝達物質のGABAのレベルが上昇することが既に報告されている
我々の研究は、神経伝達物質の調整がどのようにしてAPPと相関するのかについて明らかにする」

Thorsten Mülller博士は彼らの研究と医科学との関連についてそのように述べるelaborate


将来の治療への出発点
Starting point for future therapies

したがって、これまでの想定に反して、
APPは最初にプラーク形成の前駆体として関与するのではなく、
まず神経伝達物質の活動を阻害するゆえにinasmuch as、アルツハイマー病の発症に影響する

「この仮説はアルツハイマー病の治療の開発にとって興味深い出発点を提供する」
Thorsten Müllerはそう考えている


http://dx.doi.org/10.1016/j.cellsig.2015.10.019
Nuclear spheres modulate the expression of BEST1 and GADD45G.

Highlights
・FE65/TIP60を誘導できるinducible安定した細胞系統を確立した
・FE65/TIP60による核スフィアは、議論されている標的遺伝子を一貫して調節することはない
・FE65/TIP60による核スフィアはBEST1ならびにGADD45G遺伝子発現を調節する


Abstract
核スフィア/nuclear spheresは、FE65, TIP60, BLMと他のまだ未知のタンパク質から構成される
アミロイド前駆体タンパク質/APPは、これらの非常に毒性の強い蓄積物が細胞核内において形成される際に重要な役割を演じる
したがって、核スフィアはアルツハイマー病/ADに重要な役割を演じるかもしれない

しかしながら、スフィアについての研究は、スフィアが形成されると細胞死が増大するために妨害される
今回我々は、ドキシサイクリンDoxycycline刺激後のFE65とTIP60の誘導的な発現をベースとする安定した核スフィアモデルを初めて確立した

我々はこれまでhitherto異論の多かったcontroversially標的遺伝子を研究し、
それらが論争controversyされてきた理由について手がかりを与え、さらに、
新たにbestrophin 1ならびにGADD45G/growth arrest and DNA-damage-inducible protein gammaが非常に確かな標的遺伝子であることを報告する

さらに定量的PCR/qPCRの研究により
これら標的遺伝子の調節はFE65またはTIP60のみの誘導には依存せず、核スフィア生成に強く依存することが明らかになった

bestrophin 1イオンチャネルは最近GABAの異常なリリースに関与することが記述された
我々の研究は、アルツハイマー病と関連する神経伝達物質の変化とAPPとの間のミッシングリンクを明らかにする可能性がある



関連記事
http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/5d8b0a95df45851a5ab18f8741186fd3
アルツハイマー病モデルマウスの脳では反応性アストロサイトがプトレシンからモノアミンオキシダーゼBによってGABAを産生し、Bestrophin-1チャネルを通してGABAをリリースしてシナプス伝達の間の正常な情報の流れを抑制する



関連サイト@ルール大学ボーフム
http://www.ruhr-uni-bochum.de/mpc/functional_proteomics/morbus_alzheimer/projects/index.html.en
Figure 1
(E) Hypothetical model of the APP signal transduction relevant for this proposal.
今回の提案と関連するAPPシグナル誘導の仮説モデル


手短に言うと、APPは細胞質内ドメインのスレオニン668リン酸化の結果として核へシグナルを送りsubmit、
続いてsubsequently、APPとFE65の結合を減少させる

FE65は核内に移動してTIP60と相互作用し、それは核スフィアの生成として目に見えるようになるvisualized

BLMと推定上の未知のタンパク質もスフィアの要素である

FE65ノックダウンにより
核内タンパク質でありDNA修復にも関与するBLMタンパク質ならびにMCMファミリーは、著しく調節を外れたde-regulation

FE65ノックダウン細胞における増殖の減少ならびにDNA複製速度の低下に加えて、これらの発見は、
DNA修復におけるFE65ならびに核スフィアの関連性relevanceを指し示す


有糸分裂後post-mitoticのニューロンは典型的には最終分化して静止状態にあるが、
そのニューロンが細胞周期に再び入るre-entryすると細胞死を引き起こす可能性がある

我々が詳細な研究と実証を目指しているこの示唆される経路は、認知症における神経変性の一因であるかもしれない



http://jcs.biologists.org/content/126/11/2480
Figure. 7
神経変性におけるFE65の役割に関するメカニズム
Suggested mechanism for the role of FE65 in neurodegeneration.


FE65はDNA複製において重要な役割を演じ、アルツハイマー病においてニューロンが細胞周期に再び入る原因であると推定される

FE65はAPPと結合する重要なタンパク質である
FE65のPTB2ドメインはAPPのYENPTYモチーフと相互作用するが、
この相互作用はAPPのVTPEモチーフ内にあるスレオニン688/T668のリン酸化状態に依存する(もちろんAPP切断にも依存する)

結果としてFE65のAPPへの結合は弱まり、解放されたFE65は核内に移行して『Bloom症候群タンパク質/BLM』を安定化させる
この相互作用はDNA複製ならびに細胞増殖的変化と関連する

※BLM: Bloom症候群の原因とされるヘリカーゼ


関与すると推定されるタンパク質はTERF2であり、さらにMCMタンパク質ファミリーとも関与すると思われる

対照的に、FE65のノックダウンは、BLMならびにPRDX4を含めたERタンパク質の蓄積につながる

ニューロンにおいてDNA複製が再び開始される(ニューロンが細胞周期に再び入る)ことで結果としてアポトーシスすることが知られている

ゆえに、ニューロンにおける高レベルのFE65(アルツハイマー病の脳にも存在することが知られる)、または核内でのFE65の上昇は、結果として神経変性を生じる