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ストレスホルモンは乳癌の治療を弱める

2015-11-08 06:34:32 | 癌の治療法
Stress hormones could undermine breast cancer therapy

June 22, 2015

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/06/150622071853.htm

ERα(エストロゲン受容体α)陽性の乳癌は、ERα陰性でCK5陽性の少数の細胞集団の存在が特徴である
CK5+細胞は治療への抵抗性を持ち、癌を開始する能力を増大させる/癌幹細胞である

CK5+がプロゲスチン/progestinにより誘導されるという報告はあるが、
3-ケトステロイド/3-ketosteroidsもその能力を持つかは不明である

我々は今回、糖質コルチコイド/glucocorticoidsと鉱質コルチコイド/mineralocorticoidsが効果的にCK5+集団を増加させることを報告する

3-ketosteroidsにより誘導されるCK5+は、ERαとプロゲステロン受容体を欠き、幹細胞マーカーであるCD44を発現する/CK5+ER-PR-CD44+
この細胞はsoft agarにおいてクローン形成能clonogenicityが増大し、広く薬剤抵抗性を示す

この3-ketosteroidsによるCK5+細胞のupregulationには転写抑制因子BCL6の誘導が必要だが、
逆にプロラクチンは3-ketosteroidによるCK5+細胞の誘導を抑制した

 プロラクチン─┤3-ketosteroids─(BCL6)→CK5+

※プロラクチン: 乳汁の産生と分泌を促進するホルモン。ドーパミンにより分泌が抑制され、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)などにより促進される


これらの観察はCK5とBCL6の発現が診断ツールとして使えることを示唆し、
ERα+乳癌のサブ集団に対するBCL6と3-ketosteroid receptorsの阻害剤を正当化する/支持する


http://dx.doi.org/10.1038/onc.2015.193
Steroid induction of therapy-resistant cytokeratin-5-positive cells in estrogen receptor-positive breast cancer through a BCL6-dependent mechanism.

糖質コルチコイド
デキサメタゾンdexamethasone
鉱質コルチコイド
アルドステロンaldosterone

 ストレス→糖質コルチコイド/鉱質コルチコイド↑→ER-CK5+CD44+↑→治療抵抗性↑



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CK5 marks cisplatin-resistant ovarian cancer
CK5/サイトケラチン5は、シスプラチン抵抗性の卵巣癌のマーカー

CK5は構造タンパク質で、上皮細胞の細胞骨格の形成に関与する
CK5を高レベルに含む細胞骨格の細胞は「幹細胞様」細胞である可能性が高く、様々な種類の成熟組織細胞を作ることができる

コロラド大学がんセンターのCarol A. Sartoriusのラボの以前の研究で、CK5はER+乳癌の予後の悪さを示すマーカーであることが明らかになっている
今回の研究はこの発見を卵巣癌に広げるものである

http://dx.doi.org/10.1097/IGC.0000000000000553
Cytokeratin 5–Positive Cells Represent a Therapy Resistant subpopulation in Epithelial Ovarian Cancer.



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