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食事介入はトリプルネガティブ乳癌への標的治療を助ける

2015-07-27 17:24:20 | 癌の治療法
Dietary intervention primes triple-negative breast cancer for targeted therapy

July 14, 2015

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/07/150714150934.htm

研究の首席著者senior author、Vincent Crynsは言う
この研究は、メチオニンが少ない食事がトリプルネガティブ乳癌の結果の改善を助けるかどうかを見るための臨床試験を土台にしている
メチオニンは必須アミノ酸で、ビーガン食には少ない


科学者たちは長い間、メチオニンの欠乏が多くの種類の癌の増殖を阻害することを知っていたが、根底にあるメカニズムは不明だった

トリプルネガティブ乳癌細胞はメチオニンが欠乏すると(メチオニンは肉、魚、豆とナッツに多く、果物や野菜には少ない) 、
ストレスを受けた癌細胞は、細胞表面のTRAIL-R2という受容体の量を増やすことによりそれに応じる
その結果、乳癌細胞はTRAIL-R2に結合する抗体に対して脆弱になる

「予想しなかったことに、通常の細胞はメチオニン不足のストレス下でも受容体を上方調節しなかった」


実験では、トリプルネガティブ乳癌の腫瘍を移植したマウスにメチオニンの欠乏したエサを与え、TRAIL-R2受容体への抗体を投与した
マウスはヒトと同様にメチオニンを含まない食餌に短期間は耐えることができる
食餌と抗体の組み合わせは、それぞれ単体の時よりも乳癌腫瘍を効果的に縮小させ、肺への転移を予防した


これまで転移性充実性腫瘍の患者に対して抗TRAIL-R2抗体は単体では有効ではなかったが、今回の研究はメチオニン欠乏食とモノクローナル抗体lexatumumabを組み合わせた臨床試験への道を開くとウィスコンシン大学の研究者たちは考えている


http://dx.doi.org/10.1158/1078-0432.CCR-14-2792
Methionine Deprivation Induces a Targetable Vulnerability in Triple-Negative Breast Cancer Cells by Enhancing TRAIL Receptor-2 Expression.

 メチオニンストレス─┤MAGED2─┤TRAIL-R2



http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/e65705a1ccfe6b399f3302b25b0febed
>転移性トリプルネガティブ乳癌ではTDO2の発現が上方調節されていて、トリプトファン分解からのキヌレニン経路を加速してアノイキスを回避する
 

腫瘍のシグナル分子のスイッチを入れる栄養素

2015-07-27 11:37:51 | 
Nutrients turn on key tumor signaling molecule, fueling resistance to cancer therapy

July 13, 2015

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/07/150713161429.htm

腫瘍はグルコースを急速に使うなどの通常とは異なる代謝をすることが以前から知られていたが、科学者たちがこの代謝の変化をより具体的に明らかにしたflesh outのはごく最近のことである

Mischelたちはこの代謝の変化がmTORC2 (mTOR complex 2) の活性化によることを以前明らかにした
mTORC2は癌細胞の代謝を過剰に活性化した状態に切り替えることに関与する
それは例えば、グルコースと、そして酢酸acetateの取り込みを増やすことである
グルコースと酢酸は燃料と資材を供給し、それにより腫瘍は急速な増殖をずっと続けることができる


今回の研究で、Mischelと彼の同僚の増井憲太、そしてWeb Caveneeは、
グルコースと酢酸がmTORC2を調節し、腫瘍の増殖を促進して標的治療薬targeted drugをかわすfending offことを発見した

「これは二車線道路two way streetだ」

「mTORC2のようなシグナル分子は代謝を変化させ、その代謝産物がmTORC2を変化させる」


実験では膠芽腫細胞にグルコースか酢酸を加え、少なくともどちらか一つがmTORC2の活性化に必要であることを発見した

EGFRが変異してmTORC2が活性化した膠芽腫でも実験した結果、
グルコースと酢酸が存在しない状態ではEGFR阻害剤はmTORC2シグナルのスイッチを切ることができるが、
グルコースと酢酸を加えると阻害剤は働かず、mTORC2は活性化したままで腫瘍は生き残った


さらに調べると、グルコースと酢酸の代謝産物であるアセチルCoAがmTORC2の活性化に重要な要素であることがわかった

研究者は同様のメカニズムが膠芽腫患者から直接得られた細胞でも働いていることを確かめた


膠芽腫では脳腫脹brain swellingを抑えるためにステロイドの投与が必要だが、ステロイドは血糖レベルを上げることが知られている
今回の研究は、脳腫脹のために必要なステロイドが逆説的にmTORC2の活性化を通じて腫瘍を増殖させる影響があるかもしれないことを示唆する


研究者は、これらの代謝産物の産生を変化させるため、どのように食事を変えるかについて考え始めている
しかしMischelは、今回の研究が癌に対抗するためのどんな食事についても価値を示さないと強調する


広い観点から見て、Mischelは
どれだけの癌が環境のせいであり、どれぐらいがランダムかつ制御不能なのかについて興味がある

今回の研究は、癌に関与する遺伝子と環境との間には以前考えられていたよりも多くの相互作用が存在するかもしれないことを示唆する


http://dx.doi.org/10.1073/pnas.1511759112
Glucose-dependent acetylation of Rictor promotes targeted cancer therapy resistance.


グルコースまたは酢酸塩は脳の2大栄養源である
それらはmTORC2の中心的な要素であるRictorをアセチル化acetylationすることにより、
mTORC2の活性化を通じてEGFRvIII依存的なシグナルを促進する

この活性はアセチル-CoAレベルの上昇を通じて仲介される


今回の研究の驚くべき意味は、グルコースまたは酢酸は成長因子受容体シグナルカスケードの下流の要素を通じてシグナルを維持することにより分子標的治療への抵抗性の一因となりうることである


グルコースレベルが上昇していると、
上流の成長因子受容体シグナル伝達経路の要素がもはや活性化していなくてもRictorのアセチル化は維持され、
mTORC2の自己活性化ループautoactivation loopを形成する
ゆえに、膠芽腫をEGFR阻害剤、PI3K阻害剤、AKT阻害剤に抵抗できるようにする


http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/88c883306ba9a7b3c9ca52a523b074ca
>脳腫瘍は燃料として酢酸を燃焼できる
 

<コメント>
酢酸はアルコールを飲んだ時にも作られます。
ケトン体ができるときにも作られるようです。


http://hobab.fc2web.com/sub4-zesshoku.htm
>ケトン体の産生が増加しているような、脂肪酸のβ-酸化が亢進している際には、ミトコンドリア内の遊離CoAが欠乏し、アセチル-CoAが、加水分解され、遊離CoAと酢酸とに、分解されます。
>酢酸(短鎖脂肪酸)は、肝臓から血液中に放出され、他の組織で、ケトン体と同様に代謝燃料として利用されます。

>大量のケトン体が生成される際には、同時に、酢酸(短鎖脂肪酸)も生成されます。