機械翻訳2

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2014年8月22日

2014-08-28 23:18:23 | 

選択的な癌治療のための新しい酵素標的
New enzyme targets for selective cancer therapies



アルバータ大学のクリストファー・カイロ教授と研究チームは、ノイラミニダーゼという酵素の阻害剤を初めて合成した。

インフルエンザ・ウイルスも感染プロセスの一部として同じメカニズムの酵素を使用するが、ヒトの細胞は多くの生物学的プロセスで自らのノイラミニダーゼ酵素を使用する。

ノイラミニダーゼは脳癌の一種であるグリア芽細胞腫(glioblastoma)で過剰に発現することがイタリアのミラノ大学の研究チームによって示されていた。

彼らはカイロの酵素阻害剤をテストし、グリア芽細胞腫の癌幹細胞が正常な細胞に変化したことを発見した。

今回の化合物は薬として使うことはできないが、その主な理由は血液脳関門を突破するように設計されていなかったためであるとカイロは説明する。

ミラノ大学の研究チームは非常に高い濃度で化合物を使う必要があったと彼は付け加えた。



癌細胞で見られる『炭水化物』は、正常な細胞のそれとは非常に異なることを科学者は何十年も知っていた。

例えば、多くの癌は『シアル酸』のような特定の残基の量が異なるか、あるいは同じ残基でも異なる配置になっている。

ノイラミニダーゼ/シアリダーゼ(neuraminidase/sialidase)は、そのシアル酸(sialic acid; ノイラミン酸の誘導体)を遊離させるエキソ型α-グリコシダーゼである。

ウイルスのノイラミニダーゼ酵素に関する研究は多かったが、カイロの研究チームはヒトの酵素の阻害剤を発見した。

「ヒトの細胞でのチャレンジは、4つの異なるアイソエンザイムがあるということである。我々が癌に関与する1つを目標としたくても、間違ったものにヒットすると有害な副作用が起きる可能性がある」、カイロは言った。



アルバータ大学研究チームは、患者から分離される癌細胞のノイラミニダーゼ・アイソエンザイムの役割を研究していたミラノ大学の同僚に連絡を取り、そのアイソエンザイムに特異的な阻害剤をテストするように持ちかけ、今回の発表に至った。

彼らはすでに化合物を改善することを目指して研究中であり、彼らが作り出したインヴィトロ・アッセイのパネルを使って新規または既存の阻害剤をテストしている。

学術誌参照:
1.シアリダーゼNEU4は、グリア芽細胞腫の幹細胞の生存に関与する。

Cell Death and Disease、2014;

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/08/140822132932.htm

<コメント>
多形性グリア芽細胞腫(glioblastoma multiforme)から分離された癌幹細胞(glioblastoma stem cell)にシアリダーゼ4阻害剤を投与すると、NANOG、OCT-4、SOX-2、CD133等の幹細胞様の発現が抑制され、ガングリオシド(シアル酸を含むスフィンゴ糖脂質)であるGD3の合成が減少して生存が低下したという記事です。

この癌幹細胞ではシアリダーゼ4(NEU4)が過剰に発現してGSK-3βを阻害し、SHH/Wnt経路を活性化して幹細胞様の表現型を促進しています。