機械翻訳2

興味のある科学/医学ニュースを適当に翻訳していきます。

2014年8月12日

2014-08-15 12:18:15 | 

脳の血液供給を乗っ取る:
腫瘍治療を助ける発見




ミシガン大学とアリゾナ州大学の研究によれば、神経膠腫(glioma)という脳の悪性腫瘍は、血管周辺の空間で独占的に成長する。

腫瘍細胞が分裂するにつれて、彼らは自分自身への血管の支流を生み出す代わりに、すぐ間近にいる正常な細胞へと向かって押し寄せ、血管と血管の間の空間を充填し続ける。

この継続的な「自己血管による成長」は、腫瘍進行の最初から最終ステージまで検出された。

昨年の2件の臨床的な試験では、治療の一部として抗・血管新生薬を服用していた神経膠芽腫(glioblastoma)の患者は寿命の延長を示さず、中には薬を飲まなかった患者よりも多くの副作用に苦しむ者もいた。



ペドロウ・ローウェンスタイン医学博士は言う。

「脳と中枢神経系に元々存在する血管の密度は非常に高く、腫瘍細胞は元からある血管に沿って成長し、最終的には分裂して空間を埋め尽くす。ここでは2つの血管の間の距離は非常に小さい。」

「この血管に沿った、そして血管の間の空間への反復的な成長は、腫瘍がバルーンのようには成長しないことを意味する。そのような腫瘍は拡大する内部への新しい血管の発達を必要とする。」

「しかし、神経膠腫はむしろ局所的な小さい腫瘤として蓄積し、やがて大きな腫瘍へと合体する。」



すべての腫瘍増殖の血管形成論は、1立方ミリメートル以上の腫瘍は生存するために自分自身の血管を引き寄せる必要があると提唱する。

この理論は血管が存在しない組織を研究している中で現れた。

しかし、脳ではすでにかなりの密度の血管が脳内に存在する。

そして、どんな2つの血管の間でも、間を満たすのに十分な腫瘍細胞の数はほんのわずかである。



研究者はさらに、腫瘍が血管壁の細胞をバラバラに分散させることを知った。それは液体が漏れるのを許し、この「漏れやすさ」はしばしば脳腫瘍と関連する浮腫または液体ベースの腫脹へと結びつく。

その予想通り、研究チームは抗血管形成薬ベバシズマブが小血管の壁を安定させ、浮腫を低下させることを示した。

これは、再発性の神経膠芽腫の薬を使用する患者の経験を反映する。彼らは認知症状の低下を経験し、そして液体の貯留が減少するにつれて生活の質は上昇する。



しかしあいにくなことに(almost perversely)、腫瘍を止めるための薬は、予想に反して腫瘍の成長をより容易にするかもしれない。

新しく発表された研究において、薬で処置された脳腫瘍のマウスは、薬を投与されなかった脳腫瘍のマウスと同時に死亡した。

研究者は、薬が漏れやすい血管壁を修復して強化することによって、腫瘍細胞が「自己血管」新生プロセスの継続を容易にしていると示唆する。

抗・血管形成薬が与えられると「道」にあいた深い穴は修復され、腫瘍細胞は成長するための「滑らかな道」を得る。

それは、脳の中心にある溝さえも横断する「ハイウェイ」を腫瘍に与えてしまうかもしれない、とローウェンスタインの研究パートナー、マリア・カストロ博士は言う。

学術誌参照:
1.神経膠腫形成のメカニズム:
血管周囲での反復的な神経膠腫の成長と浸潤は、腫瘍の進行、VEGFとは独立した血管新生、そして抗血管新生治療に対する抵抗性につながる。

Neoplasia、2014;

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/08/140812121638.htm


<コメント>
脳や中枢神経系には元々血管が非常に多いためにVEGF阻害剤のような抗血管新生薬は効果が薄く、それどころか逆効果になるかもしれないという記事です。

下の顕微鏡画像は血管に沿って成長する腫瘍(緑)です。





2014年8月11日

2014-08-15 01:57:29 | 免疫

『ワーム・ピル』は、自己免疫疾患症状を緩和する可能性がある



モナッシュ大学の研究者は、寄生虫のワームから、人体の免疫応答を抑制するペプチドを特定することに成功した。

モナッシュ研究所のレイ・ノートン教授は、世界中の専門家はまだ完全に自己免疫疾患の原因を理解していないと言う。

「自己免疫疾患は80以上存在し、軽度のものから場合によっては生命をおびやかすものまで重症度は幅広い。主に一つの組織か器官にのみ影響する疾患もあれば、肉体の多くの部分に影響を及ぼすものもある」、彼は言った。

「多くの人々は、自己免疫疾患の増加と西洋社会の清潔の重視の間につながりがあると信じている。なぜなら、昔の世代が対処しなければならなかった幅広い範囲の感染に免疫システムがさらされなくなったためである。」

「ワームの感染が先進国では事実上聞かれないので、これには若干の真実がある可能性はある。それでも、自己免疫疾患の発生率は以前よりも高い。そして、発展途上国では正反対である」、ノートン教授は言った。



最近の新しい研究では、自己免疫疾患を寛解させるために、寄生性のワームを故意に感染させるという選択肢が提供される。

ワームは自分自身の生存を確実にするために、宿主の免疫システムに対する鎮静効果を持つと考えられている。


今回、研究チームはワームを使わず、ワームが作り出す免疫調節成分を捜索した。

彼らは寄生虫のイヌ鉤虫(Ancylostoma caninium)の腹側分泌腺(anterior secretory glands)からcDNAライブラリーを作成し、カリウムチャネル(Kv1.3)を阻害して免疫システムを低下させるAcK1というペプチドを特定した。

AcK1はShKというイソギンチャク(sea anemone)からのペプチドに密接に似ていた。

ShKは自己免疫疾患を抑制することが示され、現在、多発性硬化症の治療の臨床試験中である。

学術誌参照:
1.寄生性のワーム由来のKv1.3チャネルをブロックする免疫調節性ペプチド:
自己免疫疾患に対する意味。

FASEB、2014;

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/08/140811125126.htm

<コメント>
寄生虫由来の電位依存性カリウムチャネルKv1.3を阻害するペプチドは、エフェクターメモリーT細胞を抑制することにより自己免疫疾患に効果があるという記事です(記憶T細胞にはエフェクターメモリーTとセントラルメモリーTの2種類がある)。

記事は寄生虫とイソギンチャクのペプチドについてですが、他にもサソリやヘビに由来するKv1.3阻害剤が多数存在するとのことです。