機械翻訳2

興味のある科学/医学ニュースを適当に翻訳していきます。

2014年8月21日

2014-08-27 18:01:46 | 

まれな腎臓癌の配列決定は、テロメラーゼに関わる独特の変化を明らかにする
Sequence of rare kidney cancer reveals unique alterations involving telomerase



ベイラー医科大学を中心とした国際的な共同研究は、珍しい腎臓癌の遺伝子の変化についての手掛かりを明らかにした。

国立衛生研究所の癌ゲノムアトラス主導のプロジェクトは色素嫌性腎細胞癌(chromophobe renal cell carcinoma; ChRCC)の配列決定を完了し、その結果をCancer Cell誌で発表した。

「癌ゲノムアトラスは連邦によって資金助成された国家的な努力であり、癌の多くのタイプの配列をすでに完成させた(例えば卵巣癌、乳癌、肺癌)。現在、このプロジェクトはよりまれなタイプの癌を配列決定するために枝分かれしている」、チャド・クレイトン博士は言う。



色素嫌性腎細胞癌はまれなタイプの腎臓癌で、米国では毎年約2,000人が新しく診断される。悪性度は低く、大多数の患者は疾患を生き残る。

「腎臓腫瘍の病理が色素嫌性だと大部分の患者は安心するが、我々はみな色素嫌性腎臓癌が転移して死亡した患者を看護してきた」、ノースカロライナ大学チャペルヒル校ラインバーガー総合癌センターの准教授、Kimryn Rathmell博士は言う。

「今回の報告はこれらの患者を看護する医師にとって信じられないほどエキサイティングである。我々のすべての治療計画は、より一般的な腎臓癌タイプの生物学に基づいていたからである。」



研究チームはベイラーのヒトゲノムシーケンシングセンターで66の腫瘍サンプルを配列決定した。

これらのサンプル上で他のタイプのデータも集められ、遺伝子発現とエピジェネティックなデータを含む塩基配列決定データに統合された。

塩基配列決定した既知の遺伝子に加えて、ミトコンドリアと全ゲノムのDNAも配列決定された。

その結果、サンプルの大多数(86パーセント)は染色体の1つのコピーまたは多くのコピーを失っていた(染色体1、2、6、10、13、17)。

また、染色体3、5、8、9、11、18、21の喪失は頻度が高い(12~58パーセント)として注目された。

科学者は変更されたか失われた遺伝子を探索したが、かなり大きな頻度で確認されたのは2つの遺伝子(TP53とPTEN)であった。



彼らが最も驚いた重要な発見は、チームが「余分な分析」をしたあとだったとクレイトンは言う。

「我々は詳しくエクソームを見る代わりに、全ゲノムを分析した。これは通常はこのようなゲノム研究では実行されない」、クレイトンは言う。

エクソームは全ゲノムのたった1パーセントで、他の99パーセントは研究でしばしば無視される。

「遺伝子ではない部分を観察すると、ずっと多くのことが進行している」、クレイトンは言う。

「例えば、ゲノムの遺伝子を調節する特質は変更されている可能性がある。」



全ゲノムの分析から、研究チームはかなりの量の構造的再編成(ブレイクポイント; 区切り、中断点、ゲノムが連続していない状態)がTERTという遺伝子のプロモーター領域に関与することに気が付いた。TERTはテロメラーゼ複合体の最も重要なユニットをコードする。

テロメラーゼは細胞の『時計』を示す。

「このことは細胞分裂において決定的な役割を果たす。実際、多くの癌細胞でテロメラーゼのレベルは高い。どんなに分裂しても『時』は決して尽きず、細胞は決して死ななくなる。」

影響を受けたのは実際の遺伝子ではなくプロモーター領域であった。

「この異常は遺伝子の中ではないので、全エクソーム分析で拾われない。」

また、今回の研究はミトコンドリアDNA変化の役割と、癌開始に関与する原因となる細胞の役割についての興味深い質問も生じた。



「我々は、他のタイプの癌の調節性領域も調査する必要がある。」

癌ゲノムアトラスのあらゆるプロジェクトからのデータは、研究に世界中の科学者に利用できる。

「この努力は、我々がどのようにして癌を全体として調査するかという大きなインパクトを示している」、クレイトンは言う。

学術誌参照:
1.色素嫌性腎細胞癌の体細胞ゲノム・ランドスケープ。

Cancer Cell、2014;

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/08/140821124829.htm

<コメント>
癌の全ゲノム、エピジェネティック、ミトコンドリアなど、すべてのデータを統合した研究についての記事です。

色素嫌性腎細胞癌(ChRCC)は、腎明細胞癌(ccRCC)と比較しても、ミトコンドリアDNAを含めたあらゆる性質が全く異なっているようです。



2014年8月21日

2014-08-27 11:54:23 | 

自閉症の小児は、脳に余分なシナプスを持つ
Children with autism have extra synapses in brain



コロンビア大学メディカル・センター(CUMC)の研究によれば、自閉症の小児および青年は脳のニューロンを接続するシナプスが過剰であり、この過剰は発達期の正常な脳「刈り込み」プロセスが減速することによる。

幼少期の正常な脳発達では、爆発的なシナプス形成が特に皮質の自閉行動に関係する領域で生じる。刈り込み(pruning)は、青年期後半までにこれらの皮質シナプスのおよそ半分を排除する。



シナプスは自閉症と関連する多くの遺伝子によって影響を及ぼされることが知られている。研究者の何人かは自閉症患者のシナプスが普通より多いかもしれないと仮定した。

この仮説をテストするため、CUMCのGuomei Tang博士は他の原因により死亡した自閉症小児の頭脳を調べた。

Tang博士は脳の一部の皮質ニューロンから分岐するスパイン(spine)の数を計数することによってシナプス密度を測定した(各スパインはシナプスを経て別のニューロンと連結する)。

その結果、小児期の後期までにコントロール群のスパイン密度はおよそ半分低下していたが、自閉症患者の頭脳では16パーセントしか低下していなかった。



刈り込み障害を引き起こした原因の手掛かりも患者の頭脳で発見された。自閉小児の脳細胞は古いかまたは損害を受けた部品で占められており、「オートファジー」という分解経路が非常に低下していた。

研究者は自閉症のマウス・モデルを使用して刈り込み障害の原因を追求し、mTORと呼ばれるタンパク質にたどり着いた。

mTORが過剰に活性化すると、脳は自己貪食(self-eating)する能力の多くを失った。

この能力がないと、マウスの脳は十分に刈り込まれず、シナプスが過剰になった。

学術誌参照:
1.mTOR依存的なマクロオートファジーの減少は、自閉様シナプス刈り込み障害を引き起こす。

Neuron、2014;

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/08/140821124730.htm


<コメント>
mTORC1はオートファジーを阻害しますが、今回はそれがシナプス刈り込みを障害して自閉症につながるという記事です。

TSC2変異(mTORC1活性化)がてんかんや自閉症を伴う疾患を引き起こすことは以前から知られています

mTORC1の活性化はアミノ酸に依存的なので、タンパク質が過剰な食生活も自閉症増加の一因になっているのでしょう。


2014年8月20日

2014-08-27 09:40:56 | 代謝

膵臓の驚くべき再生ポテンシャル
Astonishing regeneration potential of the pancreas



思春期までの膵臓は、以前仮定されたよりも順応性があり、自然治癒の大きなポテンシャルを持つ。

これは国立研究プログラム「幹細胞と再生医療」(NRP 63)を通して資金助成されたマウスの研究によって達する結論である。



1型糖尿病は膵臓のベータ細胞の減少によって引き起こされる。ベータ細胞は再生しないので、科学者はこれらの細胞の減少が不可逆的であると伝統的に仮定してきた。

4年前、ジュネーブ大学のペドロウ・エレーラ(Pedro Herrera)の研究チームはこの仮定に初めて疑いを投げかけた。

遺伝子を修正した糖尿病マウスのアルファ細胞が、少数ながらベータ細胞に変化したことを証明したからである。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20364121



今回、エレーラの研究チームは、思春期前のマウスの膵臓がインスリン産生ベータ細胞の減少を補うことができることを発見した。

「これはこれまで不明なメカニズムによって達成される」、エレーラは言う。

実験の過程でソマトスタチンを生じるデルタ細胞は前駆体様の細胞状態に先祖返り(reversion)した。それらは増殖して、後期にはベータ細胞とデルタ細胞の集団を再形成した。

前回の実験でわずかなアルファ細胞集団が変換したのとは対照的に、今回のデルタ細胞の運命変化を含む新しいメカニズムは、ベータ細胞の減少の相殺と糖尿病を回復するためのより効率的な方法である。

しかし、アルファ細胞の変換は年老いたマウスでもベータ細胞へと再プログラムすることはできたが、デルタ細胞からベータ細胞への再プログラム能力は限定的で、思春期を過ぎて延長はしない。



エレーラたちはマウスで膵臓細胞の融通性(versatility)を調査したが、ヒトの糖尿病患者でのいくつかの観察はヒトの膵臓も転換(transformation)できることを示唆する。

学術誌参照:
1.膵臓δ-細胞の年齢依存的なインスリン産生細胞への変換による糖尿病回復。

Nature、2014;

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/08/140820164406.htm

<コメント>
若い時に限って、デルタ細胞はベータ細胞に変換することができるようだという記事です。

少し前にも、1型糖尿病ではアルファ細胞からベータ細胞とデルタ細胞への分化転換(transdifferentiation)が起きているという記事がありました。

http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/82f7c3a7cfab9d357ba28ebd02a421bb

>研究チームは1型糖尿病患者の膵臓組織を調べて、セルレインによってマウスで誘導されるのと同じプロセスが、患者の膵臓でも生じたという強力な証拠を発見した。

>アルファ細胞がベータ細胞に変わるプロセスには、年齢の限界があるようにも見えなかった。それは老人でも若い人でも生じていて、中には何十年も1型糖尿病だった人もいた。


腸の細胞様の組織のFoxO1を阻害するだけでベータ細胞に変化させることができるという記事もありました。

http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/4f765cb78fcd84adbb054dab554d05a8

>AcciliとポストドクターのリョウタロウBouchiは、ヒトの多能性幹細胞を使ってヒトの腸組織モデルを作製した。

>次に彼らは遺伝子工学により腸細胞の中であらゆる機能的FOXO1を不活性化した。

>7日後、細胞のいくつかはインスリンを放出し始めた。そして同時に重要なのは、それがブドウ糖にだけ反応したということである。


今回もFoxO1関連です。






2014年8月21日

2014-08-27 08:26:32 | 医学

スイスへの『自殺観光旅行』、4年で2倍に
'Suicide tourism' to Switzerland has doubled within four years



自分自身の生命を奪うためにスイスへ行く『自殺観光客』の数は、4年間で2倍になったことを研究は報告する。

2008~2012年の間に合わせて31の国からの入所者がスイスでの死亡を助けられた。

ドイツ(268)と英国(126)国民が3分の2を占め、トップ10の他の国はフランス(66)、イタリア(44)、米国(21)、オーストリア(14)、カナダ(12)、スペインとイスラエル(8)である。

大半を占めるドイツと英国民は神経障害にかかっていて、例えば麻痺、運動ニューロン疾患、パーキンソン病、多発性硬化症が症例のほぼ半分を占めた。

スイス人ではない611人が2008~2012年に死亡を助けられ、その内4人を除く全てがディグニタスへ行った。

記事供給源:
上記の記事は、BMJ-ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルにより提供される材料に基づく。

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/08/140821090647.htm

<コメント>
スイスへの『自殺観光』についての記事です。

細かい内容は記事を直接ご覧になってください。