機械翻訳2

興味のある科学/医学ニュースを適当に翻訳していきます。

2014年8月20日

2014-08-24 22:13:32 | 

科学者は、ボブ・マーリーを殺したまれな皮膚癌について、より多くを学ぶ
Scientists learn more about rare skin cancer that killed Bob Marley



末端黒色腫(acral melanoma)は音楽家ボブ・マーリーの死を引き起こした珍しいタイプの皮膚癌である。

マンチェスター大学Cancer Research UKの研究者は、末端黒色腫が遺伝子的に見て他のタイプの皮膚癌とは異なることを発見した。

他の一般的な黒色腫とは異なり、それは太陽の紫外線(UV)が原因ではない。



研究チームは末端黒色腫を有する5例の患者の腫瘍の配列を決定して、他の3例の患者のデータと組み合わせた。

次に彼らは、これらの8つの腫瘍で見られる遺伝子の誤りのパターンを一般的なタイプの皮膚癌と比較した。

その結果、末端黒色腫で見られるDNA損傷のタイプは他の皮膚癌と非常に異なることを明らかにした。

例えば、末端黒色腫ではDNAが断絶して他の箇所と再び結合した跡がかなり多く見られた。これは通常の皮膚癌で見られるDNAの変化が小さいのとは対照的である。

学術誌参照:
1.全ゲノム塩基配列決定ならびに比較分析によって明らかにされる、末端黒色腫の突然変異の負荷量。

色素細胞及び黒色腫研究(2014);

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/08/140820123209.htm

<コメント>
末端黒色腫という皮膚癌の遺伝子変異は他の皮膚癌とは異なるという記事です。

少し前にも、DNAの遺伝子がまとめて変異を起こすカティージスについての記事がありました。

http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/2557d6b78c3d3f44d0182feeb688dfd9

>DNAの突然変異は、ゲノムの全体を通じてランダムに生じる珍しいイベントであると考えられてきた。

>しかしアイオワ大学のアンナMalkova准教授は『切断により誘発される複製(break-induced replication; BIR)』というDNA修復経路が突然変異のクラスター化を促進する可能性があると言う。

2014年8月20日

2014-08-24 11:51:49 | 

なぜ高齢者は睡眠に問題が起きやすいか
Why elderly are prone to sleep problems



人は年をとるにつれて、眠りにつくことと眠っている状態を保つことがしばしば難しくなり、朝は目がさめるのが早過ぎる傾向がある。

これはアルツハイマー病の人では特に顕著であり、夜間の混乱と徘徊の原因となる。

今回のベスイスラエル・ディーコネスメディカルセンター(BIDMC)とトロント大学/サニーブルック健康科学センターによる研究は、睡眠が年と共に断片的になりやすい理由を説明するのを助ける。

「70代の人は1晩につき平均して、20代よりもおよそ1時間睡眠が少ない」、BIDMCのクリフォードB. Saper医学博士は説明する。

「不眠と睡眠の分断化は、多くの健康問題、認知機能不全、血圧の増加と血管疾患、そして2型糖尿病を発症する傾向などと関連している。

人々が年をとるにつれて一部の抑制性ニューロンを喪失していくことが、これらさまざまな疾患の一因となっているようだ。」



1996年、Saperの研究室は腹外側視索前野(ventrolateral preoptic nucleus)がラットにおける「睡眠スイッチ」として機能することを初めて発見した。

これは抑制ニューロンの重要な細胞グループであり、脳の覚醒系(arousal systems)をオフにすることで動物は眠ることができるようになる。

「動物実験では、これらのニューロンの減少は著しい不眠症を生じることを示した。動物の睡眠は正常の約50パーセントだけであり、残りの睡眠は断片的で、阻害される」、



類似した位置にあるヒトの脳の細胞グループ(中間核; intermediate nucleus)は、ラットにおける腹外側視索前野と同様に抑制神経伝達物質のガラニンを持つ。

著者は、もし中間核がヒトの睡眠にとっても重要であり、動物の腹外側視索前野とホモログなら、それはヒトの睡眠と覚醒の循環(sleep-wake cycles)を同じように調節するかもしれないと仮定した。



この仮説をテストするため、研究者はRush Memory and Aging Projectのデータを分析した。

このプロジェクトは1997年から始まった地域に密着した老化と痴呆の研究であり、研究に参加した約1000人の健康な65歳が死ぬまでを追跡したものである。死後、彼らの頭脳は研究のために供与された。

「2005年以降、Memory and Aging Projectの被検者のほとんどは、挙動記録装置の(actigraphic)記録を2年毎に受けていた。

彼らは7~10日間、小型腕時計タイプの装置を利き手でない方の腕(non-dominant arm)につけていた」、トロント大学のアンドリューS. P.リム博士は説明する。

防水の挙動記録装置は一日24時間着用され、それにより大小あらゆる運動を15秒間隔でモニターする。

「我々の以前の研究は、これらの挙動記録装置の記録が睡眠の量と質の優れた基準であることを明らかにした」、リムは付け加える。



著者は45人の研究被検者(死亡年齢中央値、89.2)の脳を調べた。そして、神経伝達物質ガラニンで脳を染色することにより腹外側視索前野ニューロンを特定した。

次に彼らは、45人が死ぬ前の年の挙動記録装置の「静止・活動状態(rest-activity behavior)」を、剖検の腹外側視索前野ニューロンの残りの数と相関させた。



「アルツハイマー病ではない老人では、腹外側視索前野ニューロンの数は睡眠の分断化の量と逆相関していた」、Saperは言う。

「ニューロンが少ないほど、睡眠はより断片的になった。」



腹外側視索前野ニューロンが最も多い(6,000以上)被検者は、総「静止」時間の50パーセント以上を睡眠に使った。

(ここでいう「睡眠」は、長い間「動いていない」時間のこと。the prolonged periods of non-movement, extended periods of rest)

一方、腹外側視索前野ニューロンが最も少ない(3,000未満)被検者は、総「静止」時間の40パーセント未満しか睡眠に使わなかった。

アルツハイマー病患者では、ほとんどの睡眠障害は失われた腹外側視索前野ニューロンの数と関連するようだった。

学術誌参照:
1.アルツハイマー病またはそうではない老人において、睡眠は、腹外側視索前野/中間核のニューロンの数と関連する。

Brain、2014年8月;

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/08/140820091052.htm

<コメント>
老化やアルツハイマー病の睡眠障害は、視床下部の腹外側視索前野(hypothalamic ventrolateral preoptic nucleus; VLPO)に存在するガラニン作動性(galaninergic)の抑制性ニューロンの数と関連するという記事です。

眠りが浅くなったからといってアルツハイマーの徴候とは限りませんが、神経の発生と喪失のバランスが崩れているというサインにはなりそうです。