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2014年8月13日

2014-08-17 21:59:25 | 医学

非常に重要な結核薬はどのように標的を攻撃するか
Clues uncovered about how most important tuberculosis drug attacks its target



ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生学部の研究者は、結核(tuberculosis; TB)にとって非常に重要な薬物が、どのように休止中のTB細菌を攻撃するかについての新しい手掛かりを発見した。

抗生物質のピラジナミド(Pyrazinamide; PZA)は1950年代からTBの治療に使われてきたが、そのメカニズムはあらゆるTB薬の中で最も理解されていない。

「PZAは我々が持つ抗生物質の中でおそらく最も独特だろう。PZAは活発に複製しているTBを捜し求めるだけではなく、代わりに休止中のTBを捜し出して破壊する。休止中のTBは他の抗生物質ではコントロールすることはできない。」

ブルームバーグ校の分子微生物学と免疫学部の教授で、研究リーダーのYingチャン医学博士は言う。

「それはまるで草刈りのようだ。現在のほとんどの薬はただ単に葉を切りはなすだけで根元は残る。PZAは、根元に手が届く。」



上海のFudan大学と連携して実行された新しい研究によれば、PZAはヒト型結核菌のエネルギー産生を切り離して細菌を殺すが、それはPanD(aspartate decarboxylase)を阻害することによる。PanDは特に補酵素A(CoA)の合成にとって重要である。

PanDがTB細胞で正しく作用していると、長い治療にもかかわらずTB細胞は生き残ることが可能になる。

唯一このプロセスを停止させるPZAの独特な能力だけが、潜伏中の細菌を消去することを可能にする。

近年、PZAの別の標的であるRpsA(ribosomal protein S1)を発見した研究者は、PanDの突然変異はPZAに抵抗性のTB細菌サブセットだけで見られると言う。



2012年、世界で約860万人がTBを発症し、130万人が死亡した。

新規に診断される率は低下する一方で、薬剤耐性の症例は増加している。

PZAはTBの治療の最前線である。PZAは薬に感受性がありかつ薬剤耐性のTBを有する患者に与えられる。そして開発中のあらゆる新薬がPZAと同時に使われる。

学術誌参照:
1.ヒト型結核菌のピラジナミドの新しい標的としてのアスパラギン酸脱炭酸酵素(Aspartate decarboxylase; PanD)。

新興微生物及び感染症(2014);

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/08/140813103938.htm



<コメント>
結核の短期多剤併用で使用されるピラジナミド(pyrazinamide)の標的として、PanDが新たに明らかになったという記事です。


2014年8月12日

2014-08-17 00:12:58 | 

エピジェネティクスの新しい分析で腫瘍の弱点を明らかにする
New analysis reveals tumor weaknesses in epigenetics



癌が遺伝的な突然変異によって引き起こされるが、最近エピジェネティックな変異も癌の一因となることができるということが発見された。

これらの変異を分析することは患者が持つ腫瘍のタイプならびに異なる薬にどのような反応を示すかについての重要な手掛かりを提供する。

例えば神経膠芽腫(glioblastoma)の患者の場合、DNA修復遺伝子のMGMT(O-6-Methylguanine-DNA Methyltransferase)がエピジェネティックな変異によってサイレンシングされていると、アルキル化薬(alkylating agent)という種類の薬に十分な反応を示す。



MITの化学エンジニアは、この種の変異、つまりメチル化(methylation)を検出するための速くて信頼性が高い方法を開発した。

「これらの変異を分析することは非常に難しい。我々はこの分析法を、より簡単で、より安価にしようとしている。それは特に患者サンプルにおいてである」、MIT化学工学(Chemical Engineering)の助教授、ハドリー・サイクスは言う。



いくつかの癌ではメチル基が特定のDNA塩基配列(グアニン塩基の隣にあるシトシン塩基; CpG)に結合して、MGMT遺伝子がオフにされる。

この時、メチル化された塩基にはタンパク質が結合し、RNAへの複製を妨害することによって遺伝子を効果的にサイレンシングする。



メチル化シトシンを検出する現行の手法は大規模な研究では十分に機能するが、患者サンプルに適応するのは難しいとサイクスは言う。

そのほとんどの技術はバイサルファイト変換(bisulfite conversion; 亜硫酸水素塩)という化学的ステップを必要とする。DNAサンプルはバイサルファイトにさらされ、メチル化されていないシトシンを異なる塩基(ウラシル)に変換する。メチル化されたシトシンはそのままである。

しかし、この方法は患者サンプルでは十分に機能しない。なぜなら、どれぐらいの時間バイサルファイトにさらすべきかについて算出するため、メチル化されたDNAがサンプル中にどれくらい存在するかを正確に知っている必要があるからである。

「あなたが限られた量のはっきりしないサンプルしか持っていないと、適切な時間だけ反応を走らせることはさらに難しくなる。メチル化されていないシトシン基の全てを変えたくても、あまり長く実行することはできない。DNAが分解してしまうからである」、彼女は言う。



サイクスの新しいアプローチは完全にバイサルファイト変換を回避し、その代わりにメチル基結合ドメイン(MBD)タンパク質を利用する。本来それは細胞のDNA転写を制御する機構の一部である。

このタンパク質はメチル化されたDNAを認識して結合する。そして、DNAを転写するべきであるかどうかを細胞が決定するのを助ける。



サイクスのシステムの他の重要な成分はバイオチップである。それは何百ものDNAプローブでコーティングされたガラス・スライドで、プローブは研究対象の遺伝子の配列と相補的である。

DNAサンプルがこのチップにさらされると、標的配列とマッチングするどんなDNA鎖でもバイオチップ上でトラップされる。



次にスライドをMBDタンパク質プローブで処理する。MBDプローブがトラップされたDNA分子に結合すれば、それは配列がメチル化されていることを意味する。

DNAとMBDタンパク質の結合の検出は、MBDタンパク質を蛍光色素に結合するか、光によりヒドロゲルを形成する感光性の分子を持たせること等による。



MITチームは現在、他の癌に関連する遺伝子メチル化を検出するため、バイオチップ・プローブのDNA塩基配列を変えて装置を改造している。

また、彼らはMBDタンパク質のさらに優れたバージョンを作成し、より少ないDNAで済む装置を設計しようと考えている。

現行バージョンでは十分な組織を得るために外科生検をする必要があるが、針生検で実行できるようになるように改良したいと望んでいる。

学術誌参照:
1.メチル基結合ドメイン・タンパク質を使用して、ハイブリダイゼーション・ベースのエピゲノムタイピングの感度を評価する。

The Analyst、2014;

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/08/140812163531.htm


※colorimetric: 比色定量の。基準色と比較して色の濃度を調べる

<コメント>
癌とエピジェネティクスについての記事です。

関連記事には、癌のマウスモデルとヒトの癌サンプルではエピジェネティックな面が異なるというものがあります。

http://www.sciencedaily.com/releases/2013/12/131205142220.htm

>DNA methylation, was found to be significantly different
> between mouse models of medulloblastoma and primary medulloblastoma human samples.