雑文の旅

猫爺の長編小説、短編小説、掌編小説、随筆、日記の投稿用ブログ

老体に鞭打って

2012-02-23 | 日記
 少し暖かくなって来たので、途絶えていた妻の遺品整理を再開した。 未完成のかぎ針編みが傷ましく、つい目頭を押さえてしまった。 退院の日に、迎えを待ちきれずに妻自身が荷造りをした日用品が、次の入院を考えて解かずに置いてあったのも悲しい。 老いた妻を亡くしてさえも、こんなに愛おしく思うのに、震災で我が子を亡くした人々の悲しさ、悔しさは如何なるものだろう。 日が経つとともに、立ち直ることが出来ても、亡き我が子を思う親の悲しみは募るばかりだろうと思う。

 何故だろう。 その罪のない我が幼子を「邪魔になった」と殺す親がいるのだ。 どんな事情があろうとも、たとえ児童養護施設に委ねようとも、殺すのだけは留まって貰いたい。 子供は親の私有物ではなく、生きる権利をもった人間なのだ。 

 ちょっと脱線したが、私にとって役に立たないものでも、妻が残したものは捨て難い。 妻の生きた証しなのだから。 ただ、私が買い与えたものは捨てよう。 ついでに、娘たちが必要としない私の物も、ぼちぼち始末しておこう。 

 気持ちだけは張り詰めているのだが、思うように体が動いてくれない。 今、重いものを持ち上げていたかと思うと、すぐ横になって休憩をしている有様。 老体は鞭打っても老体なのだ。  

  

 

 

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