雑文の旅

猫爺の長編小説、短編小説、掌編小説、随筆、日記の投稿用ブログ

万葉集に興味を持ったりして…

2012-03-22 | 日記
 万葉の時代といえば、平和でほんわかとした良き時代のイメージがあったのだが、実際はそんなことは無い。 勢力争い、陰謀、妬み、果は戦争も勃発し、戦乱の時代と言っても、決して誤りではないように思える。 万葉集に登場する二人の姉弟、父を天武天皇に、母を大田皇女に持つ長子の「大津皇子」と、二つ違いの姉、大来皇女の哀しい歌が人気の上位にある。

 父天武天皇の崩御後、母大田皇女はすでに死んでおり、もう一人の天武天皇の妻である鵜野讃良皇女の謀略で大津皇子は謀反の疑いをかけられ処刑される。 大津皇子は処刑の直前に、姉に逢うために伊勢に赴く。その弟を大和に見送った姉の歌の中から三首

  わが背子を大和に遣るとさ夜深けて 暁露にわが立ち濡れし
  二人行けど行き過ぎ難き秋山を いかにか君が独り越ゆらむ

 弟が処刑された後に詠んだ歌で、二上山は弟が埋葬された山

  うつそみ(現世)の人なる我や明日よりは 二上山を弟と我が見む

 弟のことを背子と言ったり、君と言ったり、弟(いろせ)と言ったりしている。 なぜばらばら?
 

 大津皇子の歌一首

  ももづたふ磐余の池に鳴く鴨を 今日のみ見てや雲隠りなむ

 「ももづたふ」は枕詞。 「磐余(いわれ)」は地名。 「雲隠りなむ」は「死んでいくのだ」


 多分、後世の誰かが創作したものだろうが…。

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