雑文の旅

猫爺の長編小説、短編小説、掌編小説、随筆、日記の投稿用ブログ

丑三つ日記5・鎌鼬

2012-02-06 | 日記
 某お笑い芸人が占い師に見てもらったら、「あなたの前世は、かまいたちだった」と言われたらしい。 かまいたちとは、架空動物の妖怪である。 一説によれば、つむじ風であり、高速で回転する竜巻の小さいものだそうである。 その回転の中心が真空になる事が有り、それが人間の柔らかい皮膚に触れると、丁度小さな鎌で切られたようにパックリと小さな傷口が出来ることから「前足の爪が鎌のようなイタチ」を先人が連想したらしい。 

 この占い師の考えは、仏教思想の「転生・輪廻」から来ているのだと思うが、その思想を漫画的にデフォルメしたようである。 考えてみれば、後世に「千の風」になる人もいるのだから、前世がつむじ風の人が居ても良い訳で、間違った占いをしたのではないだろう。 

 「お前は何になりたいか」と、後世の広報担当からアンケートが来たら、第一志望「飼い猫」三度三度餌を貰って、あとは飼い主にニャーンと甘えて寝ていればいいのだから。 第二志望は「かまどうま」コオロギやキリギリスのように鳴く必要も無いし、群がってじっとしていればいい。 「かまどうま」は毒も無いし、噛みつきもしない。 ただ容貌がキモいというだけで人間に忌み嫌われるが、決して害虫ではない。 

 年寄り的発想のアンケート回答ではある。