ねこらい堂  「おやじマニアの日常」

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マカロニ千一夜 4「ハリウッド出稼ぎスター列伝」

2007-11-05 00:03:54 | マカロニ
「荒野の用心棒」の世界的大ヒットで、マーケットでのイタリア製西部劇の需要

どっと増えました。
もともと、柳の下に10匹くらいドジョウを探すというイタリア映画界の体質
のこと、結局合計で500本を越えるイタリア製西部劇が作られることとなります。

そうなると、クリント・イーストウッドだけで対応できないのは火を見るより明
らかです。ということで、大量のハリウッド出稼ぎスターがイタリアにやって来
ました。

これら出稼ぎスターは、次の4種類に分類されます。
1.ハリウッドで鳴かず飛ばずの俳優が、イタリアで新規一転組
 このパターンの俳優は結構多いです。
 クリント・イーストウッドは、今でこそ大御所ですが、
 当時人気TV番組「ローハイド」が終わって
 これといった仕事がなく、ブラブラしていたとのこと。
 その他人気TV番組「サンセット大通り」のあと仕事がなくなったエド・バーン
ズ。
 「探偵物語」の後、大した仕事がなかったクレイグ・ヒル。
 全般的に仕事がなかった、ハント・パワーズ、モンゴメリー・フォード、トニ
ー・アンソニー
 「真昼の決闘」や「金星人地球を征服」等で渋い悪役を細々とこなしていたが

 いよいよお呼びがかからなくなって失業寸前だったリー・ヴァン・クリーフ。
 もっぱらスタントマンで食っていたケン・クラークなどが上げられます。

2.過去の栄光よもう一度組
 昔は人気だったけど年を食ってトウが立ったためめ、
 ハリウッドからお呼びがかからなくなり
 過去の栄光よもう一度とイタリアに渡った組。
 このパターンの俳優はそれほど多くありませんが、過去それなりの経歴を
 残しているため、結構痛々しい部分があったりとか、
 その後もあまり幸せな人生を歩んでいない人が多いのが特徴。
 かってヘンリー・フォンダ二世と呼ばれた、ジェフリー・ハンター
 なぜかメキシコ山賊役がハマるフランク・ウォルフ。
 この二人はいずれも、アル中死、自殺という悲しい最後をとげています。
 B級西部劇の雄、オーディー・マーフィー、ガイ・マディソン
 ガイ・マディソンはそのうちイタリアですらお呼びが掛からなくなり、
 最後にはフィリピン映画にまで、その老いた姿をさらしていたという
 悲惨な末路となります。

3.若手の登竜門組
 マカロニ・ウェスタンもポピュラーになってきて
 「マカロニに出ると箔がつく」というような雰囲気が出来てきた頃
 ポッと出の若手俳優が、武者修行的にイタリアに送り込まれたケースがありま
す。
 その代表格が、「さすらいのガンマン」に出たバート・レイノルズ。
 彼はその後着実にステップ・アップしていきますが、逆に潰れてしまったのが
 「帰って来たガンマン」などに出た、トーマス・ハンター。

そういえば、オムニバス・ホラー映画の傑作・「世にも怪奇な物語」のエピソー
ド3「悪魔の首飾り」でも
テレンス・スタンプ演じる落ち目のハリウッドスターは、
マカロニ・ウェスタンに出演するためにローマに来たという設定になっておりま
したね。


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