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ねこらい堂  「おやじマニアの日常」

NEKOのブログです。最近は更新が滞りがちですが気長にお付き合いくださいませ

マカロニ・ウェスタンの原作

2010-08-01 14:06:48 | マカロニ
久しぶりにマカロニ・ウェスタンのネタです。

先日、出版記念パーティに紛れ込ませていただいた
蔵臼金助先生の新刊「マカロニ・ウエスタン銃器「熱中」講座」。

http://www.amazon.co.jp/%E3%83%9E%E3%82%AB%E3%83%AD%E3%83%8B%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A8%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E9%8A%83%E5%99%A8%E3%80%8C%E7%86%B1%E4%B8%AD%E3%80%8D%E8%AC%9B%E5%BA%A7-%E3%82%AA%E3%83%95%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-%E8%94%B5%E8%87%BC-%E9%87%91%E5%8A%A9/dp/477911070X/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1280639495&sr=8-1

この本の表紙は、「ガン・クレイジー」のイケメン、トーマス・ミリアン。

この作品「ガン・クレイジー」は小品ですが、
けっこうきっちりとした脚本構成の作品でした。

主演は、ハリウッドから流れて来たリチャード・ワイラーでしたが
メキシコ山賊役の敵役を演じたトーマス・ミリアンが
迫真の演技と甘いマスクも相まって、完璧に主役を食ってしまいました。


ちょっと気になってスタッフリストを調べていると、
原作は、マーヴィン・H・アルバートの小説から、とあります。

マーヴィン・H・アルバートとは、不覚にして
知らない名前だったので調べてみると
「ピンクの豹」の原作者として知られる、
結構有名なサスペンス小説家。

その彼が1950年代に書いた西部劇小説の一つが
「The Bounty Killer」 (1958)だそうだ。

ちなみに、同時期に執筆した「Renegade Gun」も映画化されて
クラウス・キンスキー主演の
"Prega il morto e ammazza il vivo"になったらしいです。


マカロニの原作・脚本という分野も、まだまだ研究の余地が
ありそうです。

地獄の一匹狼

2008-07-09 01:04:36 | マカロニ
V-MAX発動したくせに、今日は映画音楽の話題です。
(現実逃避ともいう)

ここ、最近マカロニ・サントラCDの発売ラッシュで
嬉しい悲鳴です。

新譜が出ると買う、というパブロフの犬状態が
ここ数年続いていますが、大概がイタリア盤の
輸入版のせいか、異常に単価が高い。

1枚4000円くらいするのが、ザラにある。
一挙3枚同時発売、なんてなると
嬉しい悲鳴と金欠の悲鳴とで、脳ミソが溶けそうになります。

長らく、いろんな作品を聞いていると
何だかよく分からなくなってくることがありますが、
やはり、マカロニ・ウェスタンの音楽の魅力は、
「シンプルなカッコよさ」に尽きるなあ、と再認識!

最近出た「地獄の一匹狼」(原題"Viva per la tua morte"「お前が死んで奴が生
き残る」すごい原題!)のサントラ盤がすこぶるいい!
主題曲がアップテンポでカッコイイ!。メロディラインがシンプルで
かつ、演奏や歌に迫力がある。

繰り返し聞いていると、アドレナリンが出まくって、
夜中でも近所中を大声出して駆け出したくなる。
(近所迷惑な奴だ・・・というかそれ以前に
 危ない奴ですよね)

映画の製作が1968年ですので、なんと40年前!
そんな太古の作品の音源が発掘され、レストアされCD化されてお手軽に聞けるの
ですから
こんな嬉しいことはない!

そんな風に、本邦の古い未発表アニメ・サントラ音源も
どんどんCD化してほしいものです。
未CD化の「バルディオス」、一部マスターが行方不明という「ダイモス」
マスターが完全に行方不明の旧「ルパン」、
フィルムバージョンでは主題歌のアレンジが違う「コブラ」・・・。

あと、アニメではありませんが
名曲揃いなのに、どういう事情か一回もサントラ・アルバムが
発売されたことがない「夜明けの刑事」・・・等々。

まだまだ、お楽しみはこれからです。

マカロニ千一夜 4「ハリウッド出稼ぎスター列伝」

2007-11-05 00:03:54 | マカロニ
「荒野の用心棒」の世界的大ヒットで、マーケットでのイタリア製西部劇の需要

どっと増えました。
もともと、柳の下に10匹くらいドジョウを探すというイタリア映画界の体質
のこと、結局合計で500本を越えるイタリア製西部劇が作られることとなります。

そうなると、クリント・イーストウッドだけで対応できないのは火を見るより明
らかです。ということで、大量のハリウッド出稼ぎスターがイタリアにやって来
ました。

これら出稼ぎスターは、次の4種類に分類されます。
1.ハリウッドで鳴かず飛ばずの俳優が、イタリアで新規一転組
 このパターンの俳優は結構多いです。
 クリント・イーストウッドは、今でこそ大御所ですが、
 当時人気TV番組「ローハイド」が終わって
 これといった仕事がなく、ブラブラしていたとのこと。
 その他人気TV番組「サンセット大通り」のあと仕事がなくなったエド・バーン
ズ。
 「探偵物語」の後、大した仕事がなかったクレイグ・ヒル。
 全般的に仕事がなかった、ハント・パワーズ、モンゴメリー・フォード、トニ
ー・アンソニー
 「真昼の決闘」や「金星人地球を征服」等で渋い悪役を細々とこなしていたが

 いよいよお呼びがかからなくなって失業寸前だったリー・ヴァン・クリーフ。
 もっぱらスタントマンで食っていたケン・クラークなどが上げられます。

2.過去の栄光よもう一度組
 昔は人気だったけど年を食ってトウが立ったためめ、
 ハリウッドからお呼びがかからなくなり
 過去の栄光よもう一度とイタリアに渡った組。
 このパターンの俳優はそれほど多くありませんが、過去それなりの経歴を
 残しているため、結構痛々しい部分があったりとか、
 その後もあまり幸せな人生を歩んでいない人が多いのが特徴。
 かってヘンリー・フォンダ二世と呼ばれた、ジェフリー・ハンター
 なぜかメキシコ山賊役がハマるフランク・ウォルフ。
 この二人はいずれも、アル中死、自殺という悲しい最後をとげています。
 B級西部劇の雄、オーディー・マーフィー、ガイ・マディソン
 ガイ・マディソンはそのうちイタリアですらお呼びが掛からなくなり、
 最後にはフィリピン映画にまで、その老いた姿をさらしていたという
 悲惨な末路となります。

3.若手の登竜門組
 マカロニ・ウェスタンもポピュラーになってきて
 「マカロニに出ると箔がつく」というような雰囲気が出来てきた頃
 ポッと出の若手俳優が、武者修行的にイタリアに送り込まれたケースがありま
す。
 その代表格が、「さすらいのガンマン」に出たバート・レイノルズ。
 彼はその後着実にステップ・アップしていきますが、逆に潰れてしまったのが
 「帰って来たガンマン」などに出た、トーマス・ハンター。

そういえば、オムニバス・ホラー映画の傑作・「世にも怪奇な物語」のエピソー
ド3「悪魔の首飾り」でも
テレンス・スタンプ演じる落ち目のハリウッドスターは、
マカロニ・ウェスタンに出演するためにローマに来たという設定になっておりま
したね。

マカロニ千一夜 3「見てくれはアメリカ製」

2007-11-04 07:02:06 | マカロニ
1960年前半のイタリア娯楽映画界の特徴ですが、
ハリウッドでブームであった古代歴史スペクタクル物、
海賊物などの亜流作品が大量生産されておりました。
いわゆる「剣とサンダル物」と呼ばれる作品群で、
「ヘラクレス」「マチステ」「ゴライアス」などという
筋肉隆々・怪力自慢の正義漢が大活躍する単純明快な作品です。

これらの作品群は、国際マーケットを意識し、
主人公の「ヘラクレス」や「ユリシーズ」は、必ず青い目、
ブロンドのアメリカ人俳優を使い、
あたかもハリウッド製のような創りにしていました。

ヒロインや脇役はもっぱら地元イタリアの大部屋俳優を使っていましたが
無名なのを逆手に取って、アメリカ人風の芸名をつけ、
果ては監督・脚本のスタッフまでがアメリカ人風の名前でクレジットされており

見た目では全くアメリカ映画と区別がつかなくなっておりました。

筋肉派だがハリウッドではピークを過ぎていたミッキー・ハギティ、鳴かず飛ば
ずだったリチャード・ハリソン、ボディビルダー上がりでスカウトされたスティ
ーブ・リーブス、ゴードン・ミッチェルといったところが、これらの作品に出演
していました。

60年代中ばになると、「剣とサンダル物」が飽きられてきて
次にブームとなったのが西部劇です。
本場ハリウッドでは、1960年代を境にして西部劇映画作品の質が低下してき
ます。
50年代は、ジョン・ウェインらを中心とした痛快西部劇が多数製作されました
が、
60年代に入るとネタ切れになり、やたら深刻な作品や、痛快さに欠ける作品が
増え
ハリウッド製西部劇の商品力が落ちてきたのです。

そこに目をつけたのが、機を見るのに敏感なイタリア映画界。
ハリウッド製西部劇から、「開拓者精神」という西部劇の魂を取り払ってしまい

その代わりに「痛快ガン・アクション」 + 「流血残酷趣味」をまぶして完成
させたのが、イタリア製西部劇「マカロニ・ウェスタン」でした。

「剣とサンダル物」の伝統に則り、
主人公は落ち目のハリウッド俳優、キャストからスタッフまで全部アメリカ人変
名を付けアメリカ製に見せかけて国際マーケットに売る。

こうして誕生したのが、マカロニ出世作「荒野の用心棒」でした。
主役の「名無し」を演ずるのは、TVドラマ「ローハイド」が終わった後、ろく
な仕事がなくブラブラしていたクリント・イーストウッド。
敵役は新進気鋭の若手俳優ジャン・マリア・ボロンテが、ジョー・ウェルズ名義
で出演。監督のセルジオ・レオーネがボブ・ロバートソン、音楽のエンニオ・モ
リコーネがダン・サヴィオと名乗って、堂々のハリウッド製もどきで国際マーケ
ットに殴りこみをかけたのでした。

ボクがマカロニに嵌まった理由 第一回 姿なき簒奪者

2007-09-10 23:31:28 | マカロニ
ここんところマンガの事を中心に書いているが、
マカロニ・ウェスタンも三度のメシより好きだ。

海外でマカロニのサントラCDが発売されれば先を争って買い
マカロニっぽい映画が公開されると、初日に飛んでいく。

今度三池崇監督の「スキヤキ・ウェスタン ジャンゴ」が公開されるが
今から楽しみだ。
三池監督作なので、ラストがハチャメチャにならないかがちょっち不安ですが。

あと、某国営放送局のニュースでは、
「源氏と平家の子孫が戦う、コミカルなタッチの作品」
と紹介されていて、いやーな感じがしましたけど。

さて、小生がマカロニ・ウェスタンに嵌まった理由、
それは、小学生時代に遡ります。

TVで放映されたマカロニ・ウェスタンの古典「荒野の用心棒」を観て
その面白さにノックアウト。
エンニオ・モリコーネの作による主題曲「さすらいの口笛」のカッコ良さにも
シビれて、アナログレコードを買い漁る始末。

ただ、小学生の限られたお小遣いの額と、
純真に、「売っているレコードは全部、本物(サントラ)!」
と信じきって、何回もオリジナルとは似つかないカバー演奏版を
つかまされたりとかで、だんだんと息が消沈。

そうこうしている内に、あのブルース・リーの
「燃えよドラゴン」が上陸。
アチョーという怪鳥音と、後に続く香港カラテ映画ブームの嵐に飲まれ
第一次マカロニ・マイブームは去ってしまったのでした。

マカロニ千一夜 2「その音楽の素晴らしきこと」

2007-08-01 00:02:47 | マカロニ
マカロニ・ウェスタンとはイタリア製西部劇であることをお話しました。
イタリア製なので、スタッフは当然ながらイタリア勢が占めております。
濃い話になりますと、スペインでのロケーション撮影の場合は、
現場スペインの撮影クルーを雇っていたという事実もあるのですが、
それはさて置いて・・・。

イタリアの音楽と言えば思い出すのは、カンツォーネ、オペラ。
映画音楽家もその流れを汲んで、メロディアスかつ情感たっぷりの作風の
人が多いのです。ニーノ・ロータがその代表格。

マカロニ・ウェスタンもその恩恵を受け、音楽面では本場ハリウッド西部劇を
上回る充実したスコアが提供されました。

ハリウッド西部劇では、どうしてもカントリー音楽やマーチ風という呪縛から
逃れられませんでしたが、その縛りがないイタリア製西部劇では、自由な楽風が
発明されました。

哀愁の口笛、パワフルでかつ動物の鳴き声のような奇妙なコーラス、
高圧的に鳴り響くトランペット、血沸き肉踊るハイテンポなリズム等々。

これらは、マカロニウェスタンで発明され、世界中に輸出されました。
日本でも、幼心に「ああ、これは格好のいい曲だ!」と感動した曲には、
後になって大なり小なりマカロニウェスタンのスコアの影響を受けているのを
知り、驚くことがあります。

トランペットが高らかに鳴り響く「必殺シリーズ」の殺しのテーマ曲は、「5匹の用心棒」のスコアとそっくりですし、幼心に胸躍らせた「海のトリトン」のテーマ曲のリズムリズムセクションは、マカロニウェスタンで追跡のシーンのスコアでよく使われる曲と同じです。

マカロニウェスタンのスコアと言えば、今や大家となったエンニオ・モリコーネが有名です。彼のマカロニ作品はどれも外れがありませんが、出世作の「荒野の用心棒」、油が乗り切った「続・夕陽のガンマン」、リリカル路線にややシフトした「夕陽のギャングたち」がお勧めです。
これらの作品が気に入られたら、他のマカロニ作曲家たちのスコアにも手を広げられることをお勧めします。
今度日本でリメイクされるルイス・エンリケス・バカロフの「続・荒野の用心棒」、さわやかさではマカロニ随一のフランチェスコ・デ・マージの「南から来た用心棒」、男臭さムンムンの曲調が泣かせるノラ・オルランディ(美形の女流作曲家!)の「皆殺し無頼」等々。

もし、これらも気に入られて「もっと教えろ!」と思われた方、
あなたも立派なマカロニ者の一員です。

早速メールください!

マカロニ千一夜 1「荒野の用心棒」

2007-07-21 21:33:01 | マカロニ
マカロニ・ウェスタンが好きです。
子供の頃好きだったのですが、つい数年前に再度嵌り
今は、自分でいうのは何ですがずいぶん濃ゆくなってしまいました。

ここでは初心に戻って、マカロニ・ウェスタンの魅力を
基本のキから、じっくりとお話させてください。

マカロニ・ウェスタンはイタリア製の西部劇です。
(この定義も濃くなると色々と論争がありますが、それはまた・・・。)
これって、日本の時代劇をタイかベトナムで撮るという感じで
はっきりいってキワ物の映画です。

そもそもイタリア映画界はパチモノ作りの名人でして
「ジョーズ」が当たれば蛸の「テンタクルズ」
「エクソシスト」が当たれば「デアボリカ」といった風に
柳の下に5匹くらいドジョウを探すお国柄です。

マカロニ・ウェスタンが世に出たのはセルジオ・レオーネという名監督が撮った
「荒野の用心棒」。
氏素性はパチ物かもしれませんが、この作品は、兎に角面白いです。
黒澤明の「用心棒」と見比べると、そのソックリぶりには驚かれるでしょう。

でもクライマックスの、最後の決闘は「荒野の用心棒」の方がひと工夫を加えておりますので、クライマックスの面白さはこちらの方に軍配があがります。

NEKOも最初に「荒野の用心棒」をテレビで観て、マカロニに嵌りました。
カメラ、脚本、キャスト、音楽のいずれをとっても一級品です。

騙されたと思って、まずこの作品を観てみましょう。
その面白さには驚かれることと思います。

マカロニが来た!

2007-07-12 01:00:57 | マカロニ
ここ最近、マカロニCDの発売ラッシュである。(輸入物だけど)

ジャンニ・フェリオが2枚
「死に場所を探すジョー」
「さすらいのデスぺラード」
あと、ノラ・オルランディの「オーウェルロックの血戦」
フランコ・ミカリッツィの「サクラメントにあったら死を唱えろ」

マカロニ者の間では「オーウェルロック・・・」が一つの事件になっている。
某大物マカロニ者が、昔から

「オーウェルロック」にはカットされた主題歌がある!

と言われてきたのが、見事に実証された。
おまけにボーカルは「南から来た用心棒」のラオールだった。

マカロニ生誕45年目。
とんでもないことになってきた。