ねこらい堂  「おやじマニアの日常」

NEKOのブログです。最近は更新が滞りがちですが気長にお付き合いくださいませ

こみ☆すた日記その3 違和感克服には

2010-10-13 02:30:47 | デジコミ
唐突に再開のデジコミシリーズ。
前回のお話を思い出して読んでネ!



気合満点で、ComicStudio3 EX(最上級版)、Wacom Favo(ペンタブ)を
購入したものの、違和感ありすぎですぐ断念。

「これは使えん!」

まあ、断念の原因はいくつかありますが
ペンタブの感度ですかね。

断言します。

「ペンと墨汁とケント紙」に長く馴染んだ方は
最低「Intuos」並みの感度のペンタブにしてください。



紙とペンタブの書き味の違いを説明しましょう。
(注意:感じ方は、あくまでも個人の感想です。)

紙は、紙の引っ掛かり、または紙にペンで軽く溝を引いて
その上に墨が置かれて線が引けます。

線の太さや抜きは、ペン先の割れ目の弾力によってコントロールします。

更に言うと、紙の上に置かれた墨の表面張力で
ペンタッチが変わって来ます。


紙の微妙な凹みとペン先の弾力、つまり指先のバネの制御で線が引けるのが
「ペンと墨汁とケント紙」なんです。

ところがペンタブと入力ペンは、「沈まない」のですね。
ペンタブはカチカチですし、ペンはペンの形をした入力装置なので
弾力がありません。

線の太さや、抜きのコントロールは
押し付ける「圧力」だけで行います。

ここが大きな違和感の第一歩です。

こみ☆すた日記その2 弘法は筆を選ぶ

2010-09-04 18:05:47 | デジコミ
学生の頃からン十年。

小生は

「漫画はペンと墨汁とケント紙で描くべき!」

と、ずっと頑なに思っていました

まあ、デジコミへの親和性、という観点では
かなり悪いタイプですな・・・。

でもでも、
仕事持ちながら漫画描いている同人屋の
共通の悩み

「漫画を描く時間がない!」

これが、本当に切実でして。


で、とある尊敬する作家様が
ComicStudioで画期的に制作時間を短縮できた
と書かれていたわけですね。

「じゃあ、騙されたと思ってやってみるか・・・。」

これがとっかかりです。
2006年頃でしたか。

こみ☆すた日記1

2010-09-01 00:01:02 | デジコミ
さてさて、このブログも長くなってきて
さすがに執筆日記だけだと食傷気味ですんで
新たなテーマを模索してみました。

うーん、でも発信できるコンテンツって
あまりないなぁ・・・。

つらつら考えてみると、

まあ、自慢といえば
ComicStudio(デジコミでの漫画書きツール)に
急速に馴染んだことかなぁ・・・・。

いい年のオヤヂで
シロウトで
二年間で急速に立ち上げた(200頁くらい描きましたか・・・)

っていう例は、そうそういらっしゃらないかも
しれません。


てな訳で、読者の間口を
より狭くするかもしれませんが

「本気でマスターしたい人のためのコミスタ講座」

やってみることとします。

勇気を出して はじめてのデジコミ 最終回「お楽しみは、これからだ!」

2009-04-19 16:16:20 | デジコミ
デジコミシリーズの最終回です。

ComicStudioでのデジコミの書き方について、
小生が強烈な食わず嫌いをしながら、なんとか辿り着いた
境地について、まあこんな事例もあるよ、ということで
ご紹介します。

事例は、現在製作中の「永遠への旅立ち」からの
実際のワークスです。

まず、ブラシを鉛筆モードにします。
ラフな線でもいいように、太めの芯を選択します。
用紙の縮尺を小さめ(ズームアウト)にして、全体のバランスを意識して
書きます。





ComicStudioの弱点として、全体のバランス感に欠けるという部分が
ありますので、全体のあたりを取るときは
極力ズームアウトにして書くようにしています。

線が何本になってもいいので、どんどん書きます。
シャッシャッっという、鉛筆の音が聞こえるような感じで。
(実際は聞こえませんが)


だいたい形が取れたら、用紙の縮尺を大きめ(ズームイン)にして
ぺン入れをします。
あとで消せるので、気にせずどんどんいれます。






下書きの線がいっぱいあって、どうにもペン入れが出来ないときは
一旦下書き線を、思い切りよく消して
少し細めの芯の鉛筆に変えて、少し丁寧目に下書きをします。





ここは、ラフにペン入れできない難しい部分なので
納得いくまで下書きをします。

下書きができたら、全体のペン入れが終わるまでペン入れです。





ペン入れが一通り終わったら、下書き線を非表示にして
ペンだけの線を見て見ます。
自分の場合、大概ひょろひょろとした、情けのない線になってますので
ペンの線を仕上げをします。






仕上げのコツは、アナログの時と同じです。
ここは、非常に細かい個別のテクになりますので省略しますね。
もし興味のある方は別途個別にどうぞ。

なんとなく出来上がりましたね。
あとはベタを置いて、効果線入れて、トーンを貼って
出来上がりです。

どうでしょうか?
少しでもお役に立てましたでしょうか?

まったくデジコミアレルギーだった、おやじマニアが
まあ、ここまで来ましたということで
ご参考にしてみてください。

勇気を出して はじめてのデジコミ 第七章「そして、今」

2009-04-18 12:07:42 | デジコミ
恐ろしいことです。
大学の漫研でペンを握って以来ン十年、
「マンガはペンと墨汁とケント紙で描くべし!」
と頑なに思っていたオヤジが、宗旨替えです。

デジコミは使える!

ComicStudio Exのバージョン4.1以降になって
実用に耐える、というか
「慣れれば」イイ道具じゃん!と再認識。

デジコミで仕上げるのなら、
手描き、スキャニング、補正と3ステップを踏むより
直接書き込んでしまった方がいいのが道理。

最後の難関、入力装置の「ペンタブ」も
要は「慣れること」
に尽きますね。

最初はとっつき難く、「なんだ!こんなもの!!」と
思っていましたが、
慣れるとこんなに使いやすいものはない!

慣れてしまうと、マウスよりずっと使いやすい。
絵描きじゃないときも、ペンタブで操作しています。

現在執筆中の「永遠への旅立ち」は、
最初は紙と墨汁でスキャニング、という段取りでしたが
絵が気に入らない場合のリテイクは、デジタル・オンリーでやっています。

現時点でのComicStudioでの描き方はこんな感じです。
まあ、ご参考に。

ざっと、下書きをします。
太めの鉛筆ブラシで、拡大率を小さくして描きます。
デジコミは、細かな処理は得意ですが
大まかなバランスが取りづらい感じがしますんで。

荒い下書きで、とりあえす描ける線を
置いていきます。
ペン・ブラシは、小生はほとんど補正をかけません。
ComicStudioでは、ペンの線も消せるので、どんどん置きます。

複雑な部分は、荒い下書きだとつらいので
一回下書きを消して、鉛筆ブラシをシャーペンモードにして
細かく書き込みます。

どんどん消して、どんどん描くのはアナログの時と同じです。

難しいところを、ペン書きします。
ペンが一通り入り終わったら、下書きを非表示モードにして
仕上げます。


絵的な話しですが、ComicStudioでは何故か
うっかりしてると、松本零士先生風のタッチになる。

これは面白い現象です。

真似して描いたことは、畏れ多すぎて
ほとんどないのに
どういうことなんでしょうかね?

ComicStudioではきっちりとした線が描けます。
太さが一定して、キレはシャープですが
メリハリを利かせるのが、以外と難しい。

そこらへんが影響しているのかもしれません。


兎に角、インクの線が「消せる」というのと
スキャニング、濃度補正の手間を省ける、というのが最大の利点。

逆に欠点は、全体感を見る、とか
紙になったときの感じを見る、
というのができないことでしょうか?

あと、引っくり返して見る、
ことが簡単にはできないのも辛いですね(笑)

勇気を出して はじめてのデジコミ 第六章「ハーフデジタル作戦」

2009-04-05 23:36:41 | デジコミ
普通、小生は投稿サイズ(27X18センチ)の
市販の漫画原稿用紙を使っております。
そこにガシガシと鉛筆で下書きをします。

鉛筆の下書きの上に、ペン入れです。
インクは、学生の頃からずっと墨の華を愛用してます。
製図用インキや証券用インキも使いましたが、何かインクの乗りが
格段にいいので好きなのです。

さて、「アフロディアに花束を・前編」の執筆です。

目標は、兎に角何でもいいから「デジコミ」を使うこと!

ここで普段と手順を変えたのが、枠線と吹き出しです。
これらは下書きだけで、ペン入れをしませんでした。

あと悩んだのが、ベタと仕上げ。
ペンで主線を引いた後、細かくベタを置いたり細かい線を引いたりして
全体の絵の調子を見ながら、画像を整えていくという作業があるのですが
これもアナログ作業でやることにしました。

やはり、全体の調子を見ながら、というのはアナログかなぁと思った次第です。

ホワイトでの修正も悩みました。
デジタル側での作業の方が楽そうなんだけど、細かな部分は消し忘れが怖い・・
・。

結局、見てあきらかに修正と分かる大はみだし箇所はそのままに、
細かくてPC上ではなかなか判別できそうにない箇所には、
アナログで白ペンキを塗っていきました。

ということで、枠線・吹き出し・トーン・効果線無し、一部ホワイト未修正、
一部背景なし、消しゴムかけ済という、中途半端な
ペン入れ原稿が出来上がりました。

枠線や吹き出しがなく、一部真っ白なコマがあるペン入れ原稿というものは
なんとも心もとない感じで、おいおい大丈夫かよ!
と思わず突っ込みたくなるシロモノでした。

勇気を出して はじめてのデジコミ 第四章「解説書を買ってみました。」

2009-03-12 23:04:57 | デジコミ
このシリーズ、間が開き過ぎで前のお話を忘れてしまう!

1月23日の日記が前回です。


INTUOSまで買ったのだから、本格的にやろう!ということで
さっそくComicStudioのシステムを起動してみる。
ただ新規用紙データを作成したところで、体が動かない。

PhotoShopは、古いバージョンだが
今そいつをなんとか自己流で使っている。
というか、自己流で何とか動くのがPhotoShopのいいところ
なんでしょうね。

ところがComicStudioは、自己流や直感ではどうにも
使いこなせない・・・。
白い用紙データの前で固まってしまった。
「直感とイマジネーションだよ!」という日本沈没の田所博士に
怒られそうである。

しょうがないんで、解説書を買う。
リファレンスマニュアルは当然ソフトに付いているのだが
例によってブ厚いので読む気がしない。

その点解説書はいい。
要点がコンパクトにまとまっている。
あと、写真もいっぱい入っているので分かりやすい。

「やったぜ!これで、ComicStudio、とったも同然!」

思い込みというものは、いつも恐ろしい!!

勇気を出して はじめてのデジコミ 第三章「INTUOSを使ってみました」

2009-01-23 23:29:23 | デジコミ
FAVOは、言うなれば
窓ガラス越しにマンガを描いている感じ、
(ちなみにジャンボーグ9は、でかいロボットに搭乗して
 自動車のステアリングとアクセルペダルで操縦するっていう
 大味な操縦システム)

INTUOSは薄皮1枚越しにマンガを描いている感じ、
(ちなみにEvaことエヴァンゲリヲンは、
 搭乗するパイロットと神経接続して操縦するっていう
 ソフィスティケートされた操縦システム)  
という具合ですか(これは、あくまでもNEKOの主観です)。

小生が常に感じていたのは、
デジコミは、ロボットに乗ってマンガを描いているような感じ
という違和感です。

直接自分の手で線を引くのではなく、
自分の手の線を引くと言う動作が
タブレット上で検知され、PC上で処理され
画面上に描線が出る、という距離感がそれです。

デジコミでは、紙の柔らかさ、紙の表面のひっかかり感、
ペン先のたわみ感、手元からダイレクトに線を引ける感じ、
これらが、すべてなくなってしまいます。

結局タブレットに何を使おうが、これは変わらないようです。
この違和感の克服がデジコミ習得の
第一歩かなあ、ということを悟った次第ですね。

勇気を出して はじめてのデジコミ 第二章「INTUOSを買ってみました」

2009-01-13 23:24:13 | デジコミ
さてさて、いろいろごたごたしてたので
中途で放擲してあったシリーズを復活です。

前回はいつやったっけ?と調べてみたら・・・
去年の9月7日・・・(爆)

さてさて、気を取り直しての第二章のはじまり~!!



「ComicStudioなんか買ってしもて、
 無駄な散財した~!
 やっぱ漫画描きは、アナログやで!」

とうそぶくこと3年間。

偉そうなことを言っていながら、
実際は1枚も原稿を描いていない・・・。

「ふっ、仕事が忙しいから
しょうがないのさ!」

と、自分で自分をごまかして、
日々を送っていた。

とある日、目に留まったのは
某漫画専門誌のデジコミの記事。

「紙とペンの感触に慣れた熟練者は、
 タブレットのペンタッチに戸惑う人が多い。
 はっきり言って、FAVOでは役不足のケースがある」

へ?ひょっとして、FAVOに馴染めなかったのは、
あたしって熟練者だったからだったりして(バカ!)

「そんな方には、同じWACOMのタブレット上位機種
 INTUOSがお勧め!」

そうか、勧められたら受け入れねば。
という寛容な心(馬鹿)で
上位機種のタブレットINTUOSを購入したのが一昨年の春。

早速使ってみたところ、
確かに感度はFAVOよりずっとよさそうだ。
例えて言うならば、
「FAVOはジャンボーグ9を操縦してマンガを描いている感じ、
 INTUOSはEVAを操縦してマンガを描いている感じ。」
とでもいうのだろうか。
オタっぽい例えで、全然分からない?

はいはい、すみませんねえ。

まだまだ続きます。

勇気を出してはじめてのデジコミ または勇気を出してはじめての巨大ロボット

2008-12-09 23:32:05 | デジコミ
デジコミというものに、どうも馴染めませんでした。

大学生の時にはじめてつけペンと墨汁で漫画を描いて以来
ずっと紙と墨汁で漫画を描いてきましたもので。

ペンと紙と墨の感じにすっかり慣れ親しんでしまって、
ペンタブで描いて、画面に線が出る、というデジコミというやつに
どうも馴染みませんでした。

年食うと頑固になってくるって、本当だなぁ。

小生も昔ながらの方式に拘るオジンになっちまったのかなぁ。

閑話休題。
メカ描きというものが苦手でした。
メカは概して、直線と曲線で構成されていて、
フリーハンドと定規の絶妙な組み合わせが必要で
面倒くさがりの小生はこれがまた苦手。

今世間を騒がせている賊と同じ読みをする、すごく上手い同人作家さんと
古くから友達でして、兎に角、彼の描くメカは上手い。

「ああ、これは才能というものだ。
 これには対抗できない。どうしようもないな!」

と、あっさり観念して以来メカはずっとNEKO、いや猫跨ぎを
してきました。
決め付けが早すぎたのかもしれませんね。



先日、新刊も落ちたことだし、のんびりとデジコミの練習をしてみたのです。
道具は以前購入したINTUOS3のタブレットとComicSTudio4.0。

普段の執筆には、デジコミはもっぱらトーン貼りと仕上げ用として使っていて
主線描き(輪郭のペン入れですね)としては使ったことがありません。

ということで、その日は主線描きの練習です。

テーマは、苦手なメカ。
モチーフは巨大ロボット、我らがバルディオスです。
バルディオスを鉛筆で下書きして、スキャンで取り込み。



それをベースに、ペンタブでペン入れです。
幸いなことに、ComicSTudioではヨレた描線でも
強引に美しい線に矯正してくれる「補正」という機能があります。

人物を描く時にこれを使うと、非常に味気ない、
血の通わない絵になる感じがして、どうも気乗りがしなかった
一因でもあったのですが・・・。

果たして、バルディオスを恐る恐るペンタブ(補正機能付)
で描いてみると・・・・。

「こいつは、いい!」

ヨレヨレ線でも綺麗に正しく補正してくれるので、
メカの描写には、非常に具合がいい!

ちなみにベクターモードで描くと一本一本線を消せるので、
何回も線を失敗する小生にはぴったり!

あと感じたのは、トーン貼りと仕上げ工程だけとはいえ
「アフロディア・・・」の原稿と150頁近く、ペンタブとデジコミで
格闘したせいか、デジコミの「感触」がなんとなく手ににじんでいる。

あと、絵を描く上でいちばん大事なこと・・・。
「描いていて、楽しい!」

あまりにも楽しいんで、苦手なメカなのに、
気が付けば午前3時過ぎまで嬉々としてペンタブを握って
いた次第。



学んだこと。

・デジコミは紙と墨の代替物ではなく、全く別物の道具。
 紙と墨のタッチとは別物のsomethingであると知ることが、デジコミ習得への第一歩。
・新しいことを始めるのに「遅すぎる」ことはない。習うより慣れろ!
・巨大ロボットは、骨格と筋肉の構造は人間と同じ(ある意味あたりまえの話)。
 ロボット描きは人物描きの延長。違うのは、パーツの面取りとパースの使い方!

どうしよう・・・。
巨大ロボット描きの愉しさにも、目覚めてしまった・・・。

ちなみに・・・。
バルディオスを骨格と関節で、厳密に解釈すると
アクションポーズが取れないのですね。
特に肩と腰部分が、非常に可動範囲が狭いことを初めて知った次第。
よって、その部分はだまし絵になってます

そのため、たとえば正座をするバルディオス、
または吊り革につかまっているバルディオス、
こいつは難しいと思います!

昔のアニメーターさんは偉い!
この関節の動かないロボットを
よく動かしたものです。