ねこらい堂  「おやじマニアの日常」

NEKOのブログです。最近は更新が滞りがちですが気長にお付き合いくださいませ

おやぢ、リブートへの道 その6「ああ!当選発表の日」

2012-10-31 22:56:22 | 制作日記

冬コミが終わった後、後編の執筆を始めようとした。

 

その前に、作品のレビューをしておかねばならない。

これを怠ると進歩が止まる。

大事な行為だ。

 

・技術的な部分

-絵が下手、汚い

>下手なのは上手くないということで、これはある部分しょうがない。

ただ雑、汚いというのはいただけない。これは工夫で回避できるからだ。

製作日程の問題もある。雑な仕上げが目に付く。

もう少し、日程に余裕が必要だ。

 

-デジコミの技術が稚拙

ComicStudioをまだ使いこなしていないのと、デジコミをまだ

手抜きのツールとしてしか使えていないので

全体的に画面が寒い。

もうすこし、使いこなさなければいけない。

 

・二次創作としての側面

-お話、設定がしっくり行っていない

この頃はまだ、TV版の公式シナリオを見ることができなかったので

ストーリーは俺妄想的な要素が強かった。

あとノリと勢いで、細かな設定を結構弄ったりした。

勢いで舞い上がっている時は快感なのだが

熱情が覚めると独り善がりの部分が気になる。

 

などなど

落ち着いてみるといろいろと

あげつらいたくなってくる。

 

これらを踏まえて、多少軌道修正をしつつも

「新約バルディオス」路線で後編の執筆を開始した。

まだお正月気分の抜けない頃であった。


おやぢ、リブートへの道 その5「冬コミにぶつかれ!」

2012-10-29 23:54:21 | 制作日記

2007年9月、

一念発起、ペンを再び握り

「バルディオス」未放映話のマンガ化を決心。

どうせ描くなら冬コミ合わせ。

 

2007年の夏コミは情熱がないのを

見透かされたのか、落選。

捲土重来を期して、冬のコミケットを申し込む。

そして執筆開始。

 

執筆期間は実質3ヶ月しかない。

総ページ数は約50ページ。

今思えば、夏から冬のこの期間にこれだけのページ数は

いまだに描けない。

復帰一作目でいきなり個人レコードを作ってしまった感がある。

とにかく毎日毎日描きまくった。

使い始めのComicStudioも、慣れないながらもフル稼働した。

当然ながら睡眠時間は激減した。

当時の日記を読見返すと、トイレの個室で爆睡したとか

当時の修羅場の様子が思い出される。

本当に、知恵や技術の以前に情熱だけで

突っ走った感が強い。

 

その甲斐もあって、ねこらい堂版「バルディオス」一作目は

無事完成した。

冬コミにも無事当選し、コミケットで頒布することもできた。

めでたしめでたし、かと思えた。


「戦都の陰陽師」武内涼著

2012-10-28 22:39:08 | 日々雑感

表紙の絵が気に入ったので買った。

カバーだけ取って置いてあとは処分するかと

思ったが勿体無いので取り合えず読んでみたら意外な拾い物だった。

 

美少女の陰陽師が、都に出現した強力な妖怪を倒すべく

七人の忍者の護衛のもと、出雲の山中に隠された破邪の剣を

取りに向かうが・・・・、というありきたりな同人誌並みのストーリー。

 

ペラペラで内容のないラノベかと思いきや、

忍者が登場し、妖魅に誑かされた毛利、尼子の敵忍者軍団の真っ只中

いかに包囲網を突破するか、という段になって

途端に描写が生き生きとしてくる。

 

忍者対忍者の知力、体力、忍術を尽くした忍者大戦の様相を呈するのだ。

作者はおそらく大の忍者好きであり、

美少女の陰陽師というのは釣り餌で、

本当は忍者大戦を書きたかったのでは、と勘ぐりたくなる。

それくらい忍者対忍者の描写は生き生きとしており

七人の忍者のキャラも立っている。

この頃になると主役の安部晴明の子孫・土御門光子wも単なる足手まといキャラに見えてくる。

忍者や忍術の描写も、考証や取材を十分に行ったと思われる

重厚なもので

「ドカーンときて、ガキーンときて、バーンとなった」みたいな

ことは全くない。

まるでハードボイルドで乾いた描写の「カムイ外伝」や「サスケ」を読んでいるようだ。

 

忍者の描写も、白土三平風の昔ながらのイメージをふまえつつ

行動、思考様式に今風の新しさもあり

中々に引き込まれる。

 

まあ21世紀も十年を過ぎた今日、まさか痛快無比な忍者小説を読めとは

思っていなかったのでそれがお手柄の第一。

重厚な描写、綺羅星のような登場人物の豊富さで

全4巻位かかりそうな克明な場面設定と登場人物の描写が

意外と発展せずあっさりと処理されていったり、あれ何のために出て来たの?

という腰砕け的な部分もままあり、

全体的な構成にやや難があるのが課題。

だが、忍者描写の面白さだけでも十部に読む価値ありと思う。

 

追伸

意外と売れたのか、同じ陰陽師が主役の続編が出た(る?)ようだ。

忍者はまた出るのかな?


おやぢ、リブートへの道 その4「デジタルコミックの対決」

2012-10-15 23:15:46 | 制作日記

さて、まず始めたのが落書きの数々。

当時の日記には、試行錯誤状態の落書絵がいくつかUPされている。

それからネーム切り。

その間にデジコミをマスターしてしまおう、という

虫のいい作戦。

 

前回、安いタブレットを買って失敗したので

今回は上位機種のIntuosを買う。

また使えなかったら、と

一瞬心配が頭をよぎるが、ダメだったら長編執筆も無理!

背水の陣でのぞむ。

 

うーむ、難しい・・・。

線を一本引くにしても、ペンのたわみ、先の割れ方、紙の引っかかり、

描線のインクの表面張力の総合で線を引くアナログと、

ペンタブに押し付ける力の加減だけで線を引くのでは、まずもって

感覚がまったくちがう。

なんちゅーか、遊びがないというか、味気ないというか

あとはペンタブとデジタルペンで全て操作するというのにも

中々慣れない。

ついついマウスを使ってしまう。

こんな時、どうしたらいいか・・・。

 

「空手バカ一代」の主人公、飛鳥は

山篭りの修行でどうしても里心がついてしまうので

片方の眉毛を剃り落とした。

 

「それだ!」

 

眉毛ではなく、マウスを引っこ抜いて

片付けてしまった。

その甲斐もあって

その後もComicStudioを悪戦苦闘しつつも

なんとか使いこなしていく。

やはり習うより慣れろだ。

今になってみると、ペンタブのほうがマウスなんかより

ずっと使い勝手がいい。

古いタイプの人間なんで

「紙と墨汁以外でマンガなんか描けるか!」という

先入観もあったが、

「いい年コイた年寄りでも、デジコミできるよ!

 オラより若い皆さんなら絶対できる!」

という心境です。

 

ComicStudioが何となく使えるようになったころ

ネームも完成した。

煩悩と熱情のおもむくままに出来たのが

新約バルディオス「アフロディアに花束を」前編。

2007年9月のことであった。


おやぢ、リブートへの道 その3「涙のマンガ復帰」

2012-10-13 23:09:23 | 制作日記

2000年代前半から中盤は、マカロニウェスタン一色だった。

ファンの集まりにはしょっちゅう出かけ

かっての俳優さんへのインタビューを敢行したり

商業で出たDVDのライナーノートのお手伝いをしたりと

濃密な日々を過ごした。

仲間も増えた。

CD、DVD、書籍といったグッズも漁り回った。

コレクションも増えた。

夢中になって5年以上を過ごした。

いまだにその熱は冷めてはいないが、

ある日ふと思い出した。

「ComicSudioって買ったな。

 そういえば、最近ぜんぜん漫画を描いていない。

 もう描けないかもな。」

 

そんなこんなを考えながら、オークションサイトで

マカロニの出物を探していたら

ついつい目に入った物があった。

 

「宇宙戦士バルディオス」DVDボックス。

 

「あー、バルディオスか。

 昔、嵌ったなぁ。

 映画追っかけて、最後は上尾の鄙びた映画館まで

 行ったなー。

 DVDになったんだー!」

と、ついつい懐かしくなって

ポチッとしてしまったのが運のつき。

 

昔、一旦集めて全部処分した豪華本やら、ロマンアルバムやら

小説版やらOUTの特集号やらを、ネットオークションで漁りまわることに。

 

そして、

「バルディオスって、途中で打ち切りになって

 クライマックスの『アフロディアに花束を』って

 製作されなかったんだよなぁ・・・。

 やっぱ、今見ても切ないし、空しいなぁ・・・・。」

「誰か、漫画作品化しないんだろうか・・・・。

 誰もやらないのなら、それこそ・・・・」

そして再び、振り出しに戻ったのである。

何年ぶりかに、ペンを握ったのである。

そして、戦術も立てた。

 

「『アフロディアに花束を』をまともに漫画作品化したら

 確実に100ページは超える。

 100ページ超を全部アナログの手作業でやったら

 いつぞやのように、またブッ倒れる。

 今度は若くないんで、本当に命にかかわるかもしれない。

 よし!デジタル・コミックも並行してマスターする!」

 

ン十歳の手習いである。

情熱とは恐ろしいものであり、

燎原の火のように燃え上がった「萌え心」に押されて

漫画執筆とデジコミの勉強を開始したのが、忘れもしない2007年の夏。

おやぢマンガ道のはじまりである。


【映画夜話】インディ・ジョーンズの遠祖?「虐殺砦の群盗」

2012-10-08 23:40:19 | 映画

今日は映画のお話。

取り上げまするは、日本で百人くらい(多い?)しか知らない

マイナー作品「虐殺砦の群盗」について。

 

何とも正体不明な邦題だが、日本では

マカロニウェスタン文脈で公開された一作。

原題は「Pecos cleans up(ペコスが悪いヤツらを一掃する)」。

実はメキシコ人ガンマン・ペコスを主人公にした「My Name Is Pecos」

(日本公開題名「復讐の用心棒」)という作品のれっきとした続編。

 

好事家かマカロニ・マニアくらいしか覚えていないであろう

マイナーな作品であるが、一部ファンの間では

かの「インディ・ジョーンズ」の原型的作品ではないかと囁かれている。

 

この作品、面白いことに、東和(東宝系の配給会社)が買い付けた前作「復讐の用心棒」は

暫くおクラ入りとなっていたのに、続編の本作品の方

ハリウッドメジャーの20世紀FOXの配給網に乗って

とっとと先に日本公開されていたという珍しい経緯の作品。

 

なぜ、こんなことになったのか?

 

「復讐の用心棒」と「虐殺砦の群盗」二部作の主人公ペコスを演ずるのは、

アメリカ人俳優でイタリアに出稼ぎに来ていたロバート・ウッズ。

ジュリアーノ・ジェンマを少し下品にしたようなイケメン俳優だが、

彼がメキシコ訛りバリバリのインディオ・ガンマンを演じたので

南米やアフリカといった非白人国で、第一作「復讐の用心棒」は大ヒット。

 ヒットの噂を聞きつけて東和が早速買い付けたものの

お話は相も変わらずの陰惨な復讐物。

 

当時マカロニブームが下火になっていたのも手伝って、主役が地味で

かつ食傷気味の復讐譚「復讐の用心棒」は暫くおクラ入りに。

 で、続編として製作された「虐殺砦の群盗」は、お話が前作とがらりと変わって

異郷冒険モノに変身。

アズテックの神殿に財宝が隠されており、ペコス一党が

苦難の末に手に入るという、典型的なトレジャー・ハンター物のプロット。

 

舞台が完全にメキシコで、財宝が隠されたアズテックの神殿には

メキシコ征服をもくろむ悪党共も居座っていて、

更には市長の娘が誘拐されて監禁されている、というオマケも。

 

ペコスは財宝探しと、娘の救出を請け負う。

復讐ネタが一切ないので、お話がカラっと明るいのがまずこの作品の取柄。

 

ペコスや悪党の手下はガンマンの格好をしているが、全般的なプロットとお話の雰囲気は

完全に「インディ・ジョーンズ」。

 

まあシナリオに練りこみが足りず、演出も凡庸で画面も安っぽく、

所謂プログラムピクチャーの域を出ていないが

もっとシナリオを練りこんで、いい演出をすれば

「インディ・ジョーンズ最後の聖戦」みたいになったかも・・・・

という惜しい作品。

前作には見向きもしなかった20世紀FOXが、この「虐殺砦の群盗」を

世界配給に乗せたのも頷ける。

 

敵の首領が鞭使いで、ペコスと拳銃対鞭で戦うというのも

インディ・ジョーンズの原型を見る思いである。

 

スピルバーグ少年が子供の頃、アメリカでも配給されたこの作品を見て

「インディ・ジョーンズ」の着想を得た・・・・なんて話も

荒唐無稽な与太話ではないかもしれない。

 

 


おやぢ、リブートへの道 その2「描き手はおまえだ!」

2012-10-06 23:11:03 | 制作日記

前回は、とあるきっかけで古い某ロボットアニメに

再度嵌るまでを書きましたが、そこに至るまでの道筋をもう少し。

 

2000年前後。

かっての仲間がどんどん同人活動やらオタ趣味を卒業していった。

その頃の自分のメンタリティもそうだった。

「漫画描きなんてもう卒業、子供っぽくて!」

そんな風に考えはじめていた。

いや、そうでなくとも

墨とケント紙での執筆に限界を感じていた。

 

正業を持っているので

とにかく時間が取れない。

下書き、ペン入れだけならまだしも、

ベタ、トーン張りなんかをやり出したら圧倒的に時間が足りない。

仕事を持ちながら、趣味の同人でマンガを描く。

こういう方々の悩みは唯一「時間がない」ことではないでしょうか。

自分もオールアナログでやってるころは、1年一作がいいとこだった。

 

創作系だったし、お話を作るだけでも一苦労だった。

一時セラムンに熱病の如く嵌ったとき、夏あわせで100頁の

オマージュ作品を描いたことがある。

仕事が死ぬほど忙しい時期で、午前様で帰宅して

朝まで原稿描いてそのまま会社へ行くという生活を

約2ヶ月続けたらまじにぶっ倒れた。

救急病院に直行だった。

 

「仕事しながらのマンガ描きは無理!

 少なくとも、ベタ、トーンまできっちり入れて

 長編描くなんざ、とても時間と体力が許さない」

と悟った次第。

 

なもんでそれから暫くの間は

ペンを置いた。

ある日、敬愛する某マンガ家先生のコメントで

Comic Studioで作業効率が大幅UPしたとの記事を読んだのが

方向転換のきっかけ。

Comic Studio、コミケなんかで時折チラシが紹介配られていたので

名前は知っていました。

 

「Comic Studio?しゃらくせえ!そんなんでマンガ書けるか!!」

 

オラと同年代の同人屋はもう少ないンですが、

いらしたとしても筋金入りのアナログ派、「ペンと墨汁」派なのではと推測する

次第。

とは言いながらそこは大人。

ちょっと興味を引かれたので買ってみた。

EXグレードと、入門用のタブレットBAMBOO。

ちょっと安っぽいタブレットが全くダメだった。

拒否反応。

とてもペンと紙の代用にならないという印象だった。

「だめだこりゃ!」

なもんで、ペン入れ済の原稿をスキャンして

そこから作業してみることとした。

安直に300dpi、2値化でComic Studioに直接読み込んでみた。

 

もう、読み込み品質の汚いこと汚いこと。

下手なコピーの方がまだましな感じ。

こりゃ使えん!

封印!!ということでしばらくComic Studioはお蔵入りに。

デジコミ化の試みの失敗とともに、漫画執筆熱はどんどん下火になっていく。

 

その頃、新たに情熱を燃やせる分野が目の前に現れた。

古い映画のファン活動。

古い映画とは漠然とした言い方だが、

詳しく言うと「マカロニ・ウェスタン」。

1960年代後半から70年代前半にかけてブームになった

イタリア製西部劇のことである。

所謂ゲテモノジャンルだが、これがまた面白いことこの上ないなのだ。

 

漫画・アニメ並み、またはそれ以上に濃いオタク仲間が居ることに気がつき

夢中になった。

それこそ、マカロニウェスタン熱が再燃している頃は

漫画、アニメ、ひいてはコミケットなどもどうでもよくなった。

漫画は全く描かなくなった。

2000年代前半のことであった。


謎の旨いオランダメニュー"Babi Pangan"

2012-10-03 23:58:14 | 日々雑感

オランダで旨い物は?

と問われれば、迷わず"Babi Pangan"と答えます。

「バーピ・パンガン」と発音します。

オランダと北部ベルギーの中華料理屋だけで味わえる

裏メニューみたいなもんです。

自分がオランダ滞在中に、現地の人と一緒に中華料理屋で

食事した際に食して、病み付きになったものです。

 

「これは何という名前の料理だ?」と聞くと

「"Babi Pangan"だ」

「英語では何と言うのだ?」

「英語の名前はないと思う」

「ではオランダ語では?」

「オランダでも"Babi Pangan"と呼んでいる。インドネシア語だと思う」

 

謎である。

中華料理屋でインドネシア語の料理名とはこれいかに?

 

実際の料理は、ポークをカリカリに揚げたものに

トマトベースの甘酸っぱいソースをかけた物で

フツーに旨い!ていうか、凄く旨い!

馴染みがあるようであり、かつ新鮮な味。

 

広東風料理にインドネシア料理が混ざった感じだ。

酢豚っぽくもあり、油淋鶏っぽくもあり、

サテ(インドネシア風焼鳥)っぽくもある。

オランダでは、中華料理としてフツーに食されるという。

他の中華料理屋でも、試しに「バーピ・パンガンを」と

オーダーしても普通に出てくる。

だが、メニューを見ても漢字での料理名は不明である。

裏メニューなのか?

 

オランダはかってインドネシアの宗主国であった関係で

インドネシアからの移民が多い。

インドネシア系中国人の人が中華料理屋を開き

インドネシア料理っぽい広東料理を出したのが

由来ではないかと睨んでいる。

 

確かにオランダの中華料理屋では

チャーハンはナシゴレンと呼んでおり

焼きそばはバミと呼んでいる。

バミは中華風のカリカリ揚げ麺ではなく

キシメン風の柔らかい麺で、スパイシーなインドネシア風。

オランダまたは北ベルギーのフラマン語(オランダ語の方言)圏に行かれて、

中華料理屋に入られることがあれば是非お試しあれ。