ねこらい堂  「おやじマニアの日常」

NEKOのブログです。最近は更新が滞りがちですが気長にお付き合いくださいませ

三題話 ダンウィッチ・三沢・アルカディア

2009-09-05 23:36:45 | サントラ・コレクター
今日は、サントラにまつわる怪談噺をば(笑)!
長年サントラファンをやっていると奇怪な出来事に
ぶち当たることがあります。

お題です。

課題:次の三つの言葉を用いた文章を作りなさい

「ダンウィッチの怪」
「三沢光晴」
「わが青春のアルカディア」



さてさて、先日サントラCDの新譜を買いました

「自転車紳士西部を行く」
「ダンウィッチの怪」です。

「自転車紳士~」はテレンス・ヒル主演のマカロニ・ウェスタンですが
再発作品なのと、あとG&Mアンジェリスの爽やか系音楽ですんで
まあ、条件反射的・パブロフの犬的購入、てやつです。

今回の目玉は「ダンウィッチの怪」!
アメリカ製なんですけど
ラブクラフトのクトゥルー神話の映画化のようですんで
「どんなおどろおどろしい音楽なんやろ?」
とジャケット見て衝動買い。

聞いてみたら、びっくり仰天!!

「ブルース・リーの死亡の塔/香港版オリジナル音源集」
とでも言える内容です。

日本で強引にくっつけたサントラとは全く別の
オリジナル盤です。

「日本で強引にくっつけたサントラ」とは何でしょうか?
奇ッ怪、面妖な!


これが映画のサントラ盤の、ダークサイドであります。



香港のカラテ映画なんかは、
元が著作権無視のいい加減な曲を付けたりしてますんで
そのままじゃ日本公開できず、日本で曲を作曲して
入れ替えたりしているんですね。

でもさすがに、日本人の作曲者の名前を出すと興醒めなんで
正体不明のいかがわしい方々が
日本製のサウンドトラックを提供しています。

その中での第一人者が、謎の作曲者・キース・モリスン。


ジャッキー・チェンの映画には
キース・モリスン以外でも
井上鑑氏や、果てはブレイク前の久石譲氏なんかが
ノンクレジットで曲をつけたりしているのであなどれません。


その中でも特に多作なのが
謎のキース・モリスン氏。
「ブルース・リーの死亡の塔」もそうです。

「ブルース・リーの死亡の塔」のサントラは、
オリジナル香港スコア「ダンウィッチの怪」(版権無視)
日本追加録音版スコア・作編曲 キース・モリスン
ということになります。

キース・モリスンなる作曲者は、
『世界の空軍』
『クレージーモンキー 笑拳』(テーマ曲)
『少林寺』
『スパルタンX』(三沢光晴のテーマとしても有名)
『レイズ・ザ・タイタニック』(テーマ曲)
などの日本追加録音版スコアを作曲を担当していますが、
実はその正体は、「火曜サスペンス劇場」の作曲者として知られる
木森敏之氏のペンネームなのであります。

キース・モリスン=キモリ
のもじりだったんですね。

木森氏は「わが青春のアルカディア」の音楽も担当されましたが
「火曜サスペンス劇場」のオープニング曲をまんま
流用する等、なかなか香ばしい仕事ぶりでありました。

ちゃん、ちゃん、ちゃん、ちゃん
ちゃん、ちゃん、ちゃん、ちゃん
ちゃちゃ!

って曲です

「アルカディア号殺人事件」というような風情でありましたね。



「ダンウィッチの怪」から
「死亡の塔」・三沢光晴・「火曜サスペンス劇場」・「わが青春のアルカディア」
と見事に線で繋がりました。

おそまつ。

アナログ音源の楽しみ

2009-05-22 02:07:47 | サントラ・コレクター
子供の頃は映画音楽が好きで、よくレコードを買っていました。
子供のお小遣いで買えるのは、一枚500~700円の
シングル盤ともドーナッツ盤とも言われたEP盤が中心でして
一枚2000円を越えるLP盤は、1ヶ月のお小遣いが吹っ飛びますんで
慎重に慎重に買ったものです。

ただ、子供心にLP盤に入っている映画音楽はどれも「本物」だと
信じていましたので、ペラペラな演奏のカバー版なんかが
が収録されていたりすると、
「何これ?ウソの曲が入っている!
 お小遣い、返せ!」
と涙にくれたものでした。

そのうちに、映画音楽の「本物」は
サウンドトラック盤と呼ばれること、
映画音楽の「本物」はレコード会社(大概は系列の原盤会社)毎に
いろいろと持ち主が違うこと。
だから、この映画の「本物」の音楽は、どの系列のレコード会社が
このサウンドトラックの権利を持っているかを知ることが重要なこと、

これらを高い授業料を払って、習得することになるのです。

、RCA、セブンシーズ、UA、WB、Odeon、フィリップスといった原盤会社。
RCAはビクターと提携、セブンシーズ・UAはキング、WBはワーナーパイオニア

なんていう、他人からするとどうでもいい知識を蓄えはじめるころ、
純真無垢だったNEKO少年は、映画音楽道の泥濘に
半分足を踏み入れてしまっていたのですね。


でも、お小遣いを全て使って買った、
大脱走、ハイ・ヌーン、荒野の1ドル銀貨といったテーマ曲を
収録していた某LPが、全曲「にせもの」と
分かった瞬間の脱力感は、今でも鮮烈に覚えています。
子供心に、2000円以上も取るのだから、これらの曲は
当然「本物だ」、と固く思い込んでいましたもんで、
ホント

「大人って、汚い!」

なんて思ったものです。

これらの曲は、原盤の権利が全部違う会社なので
これらの「本物」を収録したLPは、当時は存在しえないことを
悟ったのは、それから1年ぐらいたった後のこととなります。

バルディオスの音楽

2008-11-30 22:16:58 | サントラ・コレクター
先日、久しぶりに映画版バルディオスの音を
じっくり聞いてみました。

この作品、映画公開当時に正規版のサントラLPが出たのですが
その後20年以上、今日に至るまでなぜかCD化されていません。

版権が複雑なんでしょうか、
それとも作曲が故・羽田健太郎大先生なので、そちらのからみなんでしょうか。

幸いアナログ版のサントラLPは、奇跡的に手元に残っており、いまだに
ヘビーローテーションで聞いていますが、他のあまたあるサントラ盤と同じ
呪いがやはり、この音盤にもかけられているのです。

それは、「一番カッコイイ曲が収録されていない!」という
例の呪いです。

映画でいうと、BFS基地発信から土星宙域での大決戦に至るまでのBGMです。
疾走感抜群の羽田節炸裂の曲・・・。
「何故、この名曲が収録されていない!」

仕方がないので、DVD音源からこの部分だけ抜き出して録音。
やはりフィルムサウンドトラックだと音が痩せているので
Audioソフトで補正をかけてやると、、、、

フィルム上ではあまり聞こえなかった、パーカッション、リズムセクションが
血沸き肉踊るノリで聞こえてきので再びびっくり!
聞き惚れています。

一日も早い、音楽マスターテープからのCD化を望む限りです。
ほんと。

「殺し屋32口径」オリジナルサウンドトラック

2008-10-04 12:32:52 | サントラ・コレクター
今日、通販で頼んでいたサントラCDがドカドカ届く。
その中の1枚が、長い間待ち焦がれていたサントラ、
「殺し屋32口径」(原題 Killer Calibro 32)です。





本邦未公開のマカロニ・ウェスタンなのですが
才人ロビー・ポイテヴィンの作による音楽が
とにかく素晴らしいのです。

いかにも昭和(?)というか60年代風のサウンドが
またカッコイイ。

タイトルバックに流れたインストルメンタル曲と
叙情派のカンツオーネ歌手、マウリツィオ・グラーフが歌う
同メロディラインの「Amica Colt(「コルトは俺の親友」とでも訳すか)」が
泣かせる。





朝からヘビー・ローテーションで聞きまくっています。
ふと、日本中で同じ感激に浸りながら聞いている方が何人か
いらっしゃると思うと、これはまた親近感を感じてしまいます。

こんな感じの曲なんですよ、ということで
映画版のオープニング画像をみつけました。

http://jp.youtube.com/watch?v=iC4-ZiGmUl8

キッチュでサイケなアニメーション処理が
いかにも60年代風という感じです。

興味をもたれた方は、輸入CD屋さんで探してみてください。
500枚限定プレスという触れ込みみたいですが
経験上、そう簡単にはなくならないもたいです。
(世界中で500人しか買わないというのも寂しい感じですけどね)