ねこらい堂  「おやじマニアの日常」

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マカロニ千一夜 2「その音楽の素晴らしきこと」

2007-08-01 00:02:47 | マカロニ
マカロニ・ウェスタンとはイタリア製西部劇であることをお話しました。
イタリア製なので、スタッフは当然ながらイタリア勢が占めております。
濃い話になりますと、スペインでのロケーション撮影の場合は、
現場スペインの撮影クルーを雇っていたという事実もあるのですが、
それはさて置いて・・・。

イタリアの音楽と言えば思い出すのは、カンツォーネ、オペラ。
映画音楽家もその流れを汲んで、メロディアスかつ情感たっぷりの作風の
人が多いのです。ニーノ・ロータがその代表格。

マカロニ・ウェスタンもその恩恵を受け、音楽面では本場ハリウッド西部劇を
上回る充実したスコアが提供されました。

ハリウッド西部劇では、どうしてもカントリー音楽やマーチ風という呪縛から
逃れられませんでしたが、その縛りがないイタリア製西部劇では、自由な楽風が
発明されました。

哀愁の口笛、パワフルでかつ動物の鳴き声のような奇妙なコーラス、
高圧的に鳴り響くトランペット、血沸き肉踊るハイテンポなリズム等々。

これらは、マカロニウェスタンで発明され、世界中に輸出されました。
日本でも、幼心に「ああ、これは格好のいい曲だ!」と感動した曲には、
後になって大なり小なりマカロニウェスタンのスコアの影響を受けているのを
知り、驚くことがあります。

トランペットが高らかに鳴り響く「必殺シリーズ」の殺しのテーマ曲は、「5匹の用心棒」のスコアとそっくりですし、幼心に胸躍らせた「海のトリトン」のテーマ曲のリズムリズムセクションは、マカロニウェスタンで追跡のシーンのスコアでよく使われる曲と同じです。

マカロニウェスタンのスコアと言えば、今や大家となったエンニオ・モリコーネが有名です。彼のマカロニ作品はどれも外れがありませんが、出世作の「荒野の用心棒」、油が乗り切った「続・夕陽のガンマン」、リリカル路線にややシフトした「夕陽のギャングたち」がお勧めです。
これらの作品が気に入られたら、他のマカロニ作曲家たちのスコアにも手を広げられることをお勧めします。
今度日本でリメイクされるルイス・エンリケス・バカロフの「続・荒野の用心棒」、さわやかさではマカロニ随一のフランチェスコ・デ・マージの「南から来た用心棒」、男臭さムンムンの曲調が泣かせるノラ・オルランディ(美形の女流作曲家!)の「皆殺し無頼」等々。

もし、これらも気に入られて「もっと教えろ!」と思われた方、
あなたも立派なマカロニ者の一員です。

早速メールください!


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