今日も元気で頑張るニャン

家族になった保護猫たちの日常を綴りながら、ノラ猫たちとの共存を模索するブログです。

ダイフク ~哀愁のヒールキャラ~

2016年11月30日 | ダイフク
このサブタイトルをつけるのに迷いました。
自分にその資格があるのかと。
ダイフク本人にとっても、戸惑いの連続であったに違いないのです。

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秋から冬になる頃、食欲旺盛になったノラが店に現れることがあります。
ダイフクが店に来たのはちょうど1年前の12月初め。当時ポンとニャーの残したカリカリが不自然になくなることがあって、その原因がダイフクでした。

      
              ダイフクの雄姿
            目は三白眼でちょっと怖い

人を極度に警戒し、事務所の裏やラックの下に隠れ、人の気配がなくなるとさっと出てきて残り餌を平らげる。そのうちたまに来るダイフクにもカリカリをやるようになって・・。ポンとニャーはダイフクを警戒、でも人間を警戒するダイフクは、表に出ようとはしなかった。

その後ダイフクは1週間~10日に1度くらいのペースで来店、次第に慣れてきてスタッフにねだったり、事務所内で食べることも。 ただ、根強い人間不信のせいかいつも陰の存在で、春になると姿を見せなくなりました。

      
         事務所に入り込んで食べるダイフク
 当時ポンはいなくなり、警戒心の強いニャーと遭遇することは殆どなかった

そのダイフクが再び頻繁に現れるようになったのは、ニャー、チビ、シャッポが平和に暮らし始めた5月の終わり頃。ダイフクの姿に3匹は警戒を強め、ニャーとチビは先逃げで回避、シャッポは対峙しつつも、大事には至らなかった。 この頃は、何とかみんな仲良くできないものかと期待していたのですが・・。

しかし事態は悪化する一方に。
シャッポとダイフクの間で何度かバトルが、そしてとうとうニャーが捕まって、後脚流血の騒ぎに。(このときニャー初めての通院。) チビもひたすら逃げまくるばかりで、3匹の平和と看板ニャンコの生活は無残にも崩れていったのです。

ダイフクの行動はどんどんエスカレートし、明らかに3匹を追い払い始めました。ニャンコの世界には力関係の序列があると聞きますが、その意味で格上のダイフク、シャッポがそれを認めてないと知るや連日、店中に執拗なマーキング。

3匹は店にいられなくなり、ニャーは8月炎天下の広い駐車場で車の下を渡り歩いているうちに脱水症状に、チビは身体が小さいので店内の隙間に身を隠す生活、シャッポはそそくさと食べるだけで、普段はSCの外での生活となりました。
この状況に、店ではついにダイフクを追い払おうと決めたのです。

しかし事態はさらに悪化。
ある日、3匹が事務所で食事中、ちょっと目を離した隙にダイフクが潜入して大騒ぎに。事務所の入口はひとつ、中は袋小路なのです。シャッポがダイフクに向かったようでその間に他の2匹は難を逃れました。騒ぎに驚いて駆けつけたAiさんが見たものは、仰向けに転がされたシャッポの上にダイフクが乗って喉に噛み付く寸前。Aiさんの脅しでダイフクは逃げたけど、シャッポは暫く放心状態だったそうです。 それ以来、シャッポはひどくダイフクを恐れるようになりました。

さらにその数日後、裏駐車場のフェンス際でダイフクに追い詰められたチビを発見。
当時は雑草が膝まで伸びていて、ダイフクは身を隠し、怯えるチビとの間を詰めているところでした。すんでのところでダイフクを追い払った時のチビのほっとした顔。

しかし、その数日後にチビの2度にわたるフェンスからの落下と救出劇、さらに、チビの最後となった3度目の落下。 その頃のダイフクはスタッフに追い払われるので、夜に出没するようになっていました。ダイフクがチビの落下に関与したかどうかは確証こそないものの、可能性は拭えなかったのです。

そして、チビの敵とばかりに徹底的に追い払われたダイフクは、再び姿を見せなくなりました。

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こうして書いてみると、確かにダイフクはヒールキャラですね。
でも、ダイフクの視点から書くとこうなります。

流れ流れてある店にたどり着いたら食べ物があった。店の人はやさしくて、わざわざ食べさせてくれるようにもなった。もっとお近づきになろうと思ったら邪魔なニャンコがいるので追い払った。力ならまかせてくれ、自信はある。やさしい人たちにも、自分のカッコイイところを見せないと。でもある日突然、店の人たちが食べ物もくれなくなったどころか自分を追い払うようになった。どうしてだかわからない。人間って、本当に何なんだかわからない・・・。

野生の法則でいけば強いダイフク。生き残り競争に勝ったはずなのに、判官びいきの人間を敵に回してしまったのです。ノラにとっては何とも理不尽な結末でした。このブログの挨拶記事でも書いたように、ニャンコは裏切らない。 裏切ったのは人間、そう、私です。

正直、ダイフクには悔しさや腹立たしく思う気持ちもある。でも贖罪の意識もあって、それでこれまで彼のことを書けなかったのだと思います。

ただ、ごく最近になって再びダイフクの出没情報が。シャッポを案ずる気持ちと同時に、ダイフクがまだ健在だったと知ってほっとした気持ちも。

ダイフクは夜になると現れて、たまにK君から食べさせてもらっているようです。シャッポとニアミスしたときも数回。 K君によると、シャッポと顔を合わせてもダイフクがシャッポに向かうことはなくなった、とのこと。

   
    ダイフク(左・棚の下)と固まったシャッポ(K君提供)
       ダイフクは食べ終わるとさっさと消えるらしい


今は、このまま少し様子をみることにしました。まだ予断を許さない状況ですが、とにかくシャッポの身を最優先に考え、シャッポに人が付き添っているとき以外はダイフクにはやらない、シャッポの寝床にダイフクが近づかないよう配慮する。

仲良くとまではいかなくても、お互いに関わり合わずに共存する。
それがノラの処世術。 野生とは違うのだよ、ダイフク君。

コメント
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