今日も元気で頑張るニャン

家族になった保護猫たちの日常を綴りながら、ノラ猫たちとの共存を模索するブログです。

猫愛・番外編 新宿東口の巨大猫の話

2024年10月28日 | 猫愛 ~特選・猫たちの物語~
一緒に暮らしていた猫をある日突然捨てる。その猫がどんな思いをしようが、どんなに過酷な運命になろうが知ったこっちゃない。相手が猫だからできるの? いや人間の本性なんてそんなに割り切れるもんじゃない。こういった連中にとっては相手が人間だろうが同じなんです。
突然捨てられればその日の食べ物にも困る。お腹を空かせ、それでも必死で生きようとする猫たちにさらなる追い打ち。面白半分で飼い犬をけしかけて狩りの練習をさせる。逃げ惑い、大怪我をし、時には命を落とす猫たち。そんな猫たちに今度は面白半分の人間の魔の手が伸びて来る。弱い者に牙を剥き出す人間の、何と卑屈で残虐なことか。

この映画は長年かけて作成したドキュメンタリーです。我々の身の回りで起こっている現実です。しかも登場する悪人たちはごく普通の一般市民、プチブルジョアジーと呼ばれる中流階級の連中だ。ただ救いは、その一方でそんな猫たちを守ろうとする人がいる。多摩川の河川敷で暮らすホームレスのおじさんたち。第6話の「おじさんと河原猫」もしかりで、弱き猫たちを守るのはいつも社会の底辺にいる人たちなのかもしれない。それは、「心の痛み」がわかるからなのだろうか。



前回(11話)のテーマは少し重かったですね。さて今回は、ちょっとした息抜きの意味である小話を紹介します。
最近の自分は佐竹茉莉子さんの記事を読み漁っています。ノラたちにとってあまりにもむごいニュースが多い昨今、佐竹さんの話は一服の心の清涼剤のように感じるからです。今回はそんな佐竹さんの小話を紹介。もう1年半くらい前の記事ですが、いずれ紹介しようと思ってお気に入りに入れたまま忘れてました。

3年ほど前、新宿東口にあるクロス新宿ビルに巨大な猫が現れたことはご存じの方も多いでしょう。何ともリアルで、堂々としていて、いかにもそこで暮らしているかのような猫が道行く人々に挨拶してくれるのです。随分と話題になりました。
実はあの猫にはモデルがいて、それが佐竹さんと暮らしていたナツコだったのです。紹介するのは佐竹さんがそれを知った時の小話。ただそれだけなんですが、選ばれた理由を読むと「なるほど」と。猫はやっぱり偉大なり?


Back No.
第1話 「飼い主を亡くし野良になった母猫 ボロボロの姿に『幸せにしたい』とさしのべられた手」
第2話 「お日様はあたたかいって知った」7年間も閉じ込められた母猫、病魔に倒れるも幸せつかんだ最期の日々
第3話 「ヨロヨロの野良猫「困ったらおいで」 すると翌朝わが家に現れた (庭猫スンスン)
第4話 海辺の街に捨てられ、漁師たちに可愛がられた猫の「最後の日々」
第5話 最後の力を振り絞って子猫を託しにきた母猫、保護主のもとに運び終わると……
第6話 河川敷に餌をもらいに来ていた白猫「シロ」 ふたりのおじさんに愛され、生き抜いた
第7話 もうすぐ28歳!路地の人気者、黒猫「ぴーちゃん」 地域猫として町の人に見守られて
第8話 「母の愛」は炎より強い!全身やけどを負って子猫を助け、伝説になった母猫 米国
第9話 「猫の神様」がくれた生きる力、後ろ脚なくても生き抜き天国へ…その名は今も“二代目”に受け継がれ
   下半身不随の猫「らい」が“家族”に与える笑顔。認知症犬「しの」と過ごしたかけがえのない時間 ・他4
第10話 路地でクルクル回っていた全盲の子猫 あるがままの自分を生きる
第11話 いったい多摩川でいま何が起きているのか?棄てられ、虐待される猫たちの現実をまず知ってほしい

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猫愛 ~ほんわか、でもやっぱりせつない猫たちの物語・第11話~

2024年09月23日 | 猫愛 ~特選・猫たちの物語~
盲目のノラが優しい人と出会って幸せになる。前話のふっくんの話、まさに奇跡としか言いようがないですね。最近ねこちゃんホンポで新しいライターさんを募集していて、その人たちは主にSNS上の猫にまつわる美談を取り上げている。食べ物がない、事故に遭ったなどでボロボロになり朽ち果てる寸前のノラたちが保護され、数ヶ月後には見違えるような立派な家猫になった話の数々。いずれも感動を呼んで何十万回も再生されているそうです。

それらの記事の出だしには、ノラの生活が如何に過酷なものかと1行で書かれている。逆に言えば、幸運にも保護されれば立派な家猫に変身する猫たちが、保護されなければ悲惨な状況で朽ち果てていくということです。当ブログのシリーズで「エサをやるなは殺せと同じ」がありますが、前述記事の出だしの1行がそれを裏付けていると思うのです。ノラ猫は野生動物ではありません。人間とともに暮らす伴侶動物です。人間の支えがなければ生きていけない。だから彼らが保護されて幸せになった話に出会うとほっこりするんですね。でも、不幸にも出会いがなく朽ち果てていく多くの猫たちのことも忘れないようにしたいと思うのです。

閉店時に保護できなかったお店のノラ「シン」

さて、今回紹介するのはそんなノラたちの過酷な状況と支え続ける人たちの話。
第6話で多摩川の河川敷に捨てられた猫たちと彼らを支えるホームレスのおじさんの悲哀を描いた本「おじさんと河原猫」を紹介しました。今回紹介するのは同じ多摩川の河川敷を舞台にした映画「たまねこたまびと」。既にご存じの方も多いとは思いますが、人間からひどい仕打ちを受け続ける猫たちと、彼らを守るホームレス(やボランティア)の人たちを描くドキュメンタリーです。映画の上映は既に終了しているので、この映画の製作者である村上浩康監督 へのインタビュー記事を紹介します。

インタビュー記事は1回から5回まであり、さらに番外編が3回あります。下にリンクしたのは最後の番外編3ですが、その記事の最後に全記事がリンクされていますので第一回から読むことをお勧めします。(ポップアップで各記事見れる)  各回に同じイントロ文があります。記事のさらに下の方には映画の公式サイトがリンクされているので(ポップアップ)参考になります。調べてはいませんが、DVDやBlueRay、パンフレットなどはまだ購入できるかもしれません。

闇に紛れて猫たちを遺棄するばかりか恒常的に彼らを面白半分で虐待し、死にも追いやる人間たち。その一方で猫たちを必死に守ろうとするホームレスの人たち。スクリーンには人間の善と悪が赤裸々に描き出されます。これはすべて事実、現実、今起こっていることなのです。人間ばかりではない、2019年台風の際の多摩川氾濫では200匹の猫が流され不明になったとも。印象に残ったのは、猫を虐待するのは決して特別な連中ではない、普通の人たちだというひと言でした。

尚、この話は多摩川に限ったことではありません。先日は、荒川の河川敷で猫の世話をするために生活保護を拒否し続けているホームレスの人たちの話を読みました。この話は日本全国、社会の縮図なのだと思います。

◆「たまねこたまびと」製作者、村上浩康監督へのインタビュー記事



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第1話 「飼い主を亡くし野良になった母猫 ボロボロの姿に『幸せにしたい』とさしのべられた手」 
第2話 「お日様はあたたかいって知った」7年間も閉じ込められた母猫、病魔に倒れるも幸せつかんだ最期の日々
第3話 「ヨロヨロの野良猫「困ったらおいで」 すると翌朝わが家に現れた (庭猫スンスン)
第4話   海辺の街に捨てられ、漁師たちに可愛がられた猫の「最後の日々」 
第5話   最後の力を振り絞って子猫を託しにきた母猫、保護主のもとに運び終わると……
第6話   河川敷に餌をもらいに来ていた白猫「シロ」 ふたりのおじさんに愛され、生き抜いた 
第7話   もうすぐ28歳!路地の人気者、黒猫「ぴーちゃん」 地域猫として町の人に見守られて 
第8話  「母の愛」は炎より強い!全身やけどを負って子猫を助け、伝説になった母猫 米国 
第9話  「猫の神様」がくれた生きる力、後ろ脚なくても生き抜き天国へ…その名は今も“二代目”に受け継がれ
          下半身不随の猫「らい」が“家族”に与える笑顔。認知症犬「しの」と過ごしたかけがえのない時間 ・他4
第10話   路地でクルクル回っていた全盲の子猫 あるがままの自分を生きる 

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猫愛 ~ほんわか、でもやっぱりせつない猫たちの物語・第10話~

2024年08月27日 | 猫愛 ~特選・猫たちの物語~
前話に登場する障害猫たち、とにかく明るい。障害をものともせず猫生をしっかり謳歌しています。もし足がちゃんと動けたら・・なんて思わない。ありのままの自分を受け入れて、健常な子たちと比較したりなんてしない。もちろん羨ましいとも思わない。意識の上ではまったく対等です。周りの猫たちのようにできないこともあるけど、だからと言って恨めしい気持ちなんて微塵もないし負い目も気遣いもない。周りの猫たちも労わったり気遣ったりすることなく、障害猫をありのままに受け入れているのです。それが理想だとは言いません。労りや気遣いはそれもやさしさの表現だと思います。ただ、猫のように過ごせたら、気が楽になるだろうな。

前話紹介の際にも書きましたが、特筆すべきは保護者さんたちの献身的な努力です。どの話に出て来る保護者さんも、その努力を苦痛に感じるどころかむしろ楽しんでいる。障害猫が猫生を謳歌できるのはもちろんこういった人たちのおかげ。だからと言って猫は感謝しないけど、もともとそんなこと求めてもいない。いわば神の愛(無償の愛)で結ばれているからだと思うのです。

もうひとつ、奇跡的な出会いを経てこんな幸せに恵まれた猫はほんの一握りだ。多くの猫(ノラ)たちは過酷な生活に耐え、つかの間の幸せがあっても長続きせず、虐待や殺処分の恐怖と隣り合わせで生きていることを忘れてはなりません。たかが猫だと思うなかれ。猫にやさしい社会は、間違いなく人にもやさしい社会です。

食事介助が必要な難治性口内炎のサクラ

さて、今回紹介する話も幸せな障害猫の話です。
そして、またしても佐竹茉莉子さんの登場。 Sippoの連載「猫のいる風景」やフェリシモ猫部のブログ「道ばた猫日記」は自分が最も愛読しているサイトです。どの物語も感動的なものばかりで、ひたむきに生きる猫とそれに応える人たちのひたむきさが描かれる。登場する物語はいずれも実話です。佐竹さんはこれはと思う現場に何度も何度も足を運び、猫と人の愛情の絆を見出した時に、猫に寄り添った視点で書き始める。猫の心理描写がこんなにうまい人を自分は知りません。まるで猫と心が通じているかのように猫の気持ちを表現できる。テンちゃんと向き合った時の佐竹さんはまるで話をしているようだったと、当時のスタッフが言うのを今でも覚えています。

佐竹さんが綴る数多くの物語の中からひとつを選ぶというのは大変難しいのですが、これまでに登場したチャッピーやマリやピーちゃんは、自分がその時紹介したいテーマに近い物語ということで選んでいます。そして今回紹介するのは全盲の猫「ふっくん」。ただ、物語は「路子さん」の話を中心に描かれる。路子さんに救われたふっくんは、路子さんが提供する環境の下で伸び伸びと過ごす。路子さんは言う、目が見えないことや外見の悪いことを哀れむ人の気持ちがわからない。当の猫たちが一切気にせず暮らしているのにと。

(クリックしてポップアップ)

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猫愛 ~ほんわか、でもやっぱりせつない猫たちの物語・第9話~

2024年07月04日 | 猫愛 ~特選・猫たちの物語~
前話のスカーレット、感動ものですね。母猫の愛、母猫の献身がここまでのものとは。それを助けた消防隊員もすごいと思います。日本でもこのところの大雨で地域全体が冠水する災害が頻発していますが、水没地域には人間だけでなく子育て中のノラ猫母さんもきっといたはず。迫る水の中で自分だけなら逃げられても子供から離れずに人知れず命を落としたりするのだろうと思うと、自然災害とはいえ心が痛みます。

ところでこの母親の愛と献身ですが、人間だったらどうでしょうか。最近は子供の虐待など不穏なニュースばかりが目立ちますが、自分には母親の愛の強さは種族を問わず普遍のものだと思えます。人間のお母さんもスカーレットと同じように行動するに違いない。ではお父さんは? 同じに決まってますよね。

リンはスカーレットに似てるかも

さて、今回ご紹介するのはひとつの物語ではなくてテーマです。
当ブログでは最初の記事「はじめまして」以来、何度も書いてきた猫の賛歌。最近では「猫に学ぶ・partⅡ」の中で要約しています。"自分に何が起こっても後悔したり悔んだりせず"、"他者を羨むこともなく悲嘆もしない"。そして、"その状態を自分の現実として受け止める"。今回は人間には真似できないそんな猫の特性が溢れる、ハンデを持った猫たちの物語を特集しました。

自分的には佐竹さんの本になった「里山の子 さっちゃん」(NHKのモフモフでも放映された)が印象強いですが、もちろん他にもたくさんいて、Googleなどで検索すれば出てきます。今回紹介するのは自分の「お気に入り」の中から引っ張り出した6匹の子猫の物語。「初代あんよ」と「2代目あんよ」はねこけんさんのブログで、「らい」の話は晴さんのブログ「ひだまり日和」や単行本でも見ることが出来ますが、ここでは要約紹介された記事をリンクしました。他に「サエちゃん」「ハチちゃん」「元就」の話。

どれも読むと元気がでる話ばかりです。ハンデをものともせず猫生を謳歌する子猫たちはすごいけど、自分はその猫たちをサポートする人たちにも大いに感動しました。事故で瀕死の子猫を後先考えずに救おうとする。予想される(介護の)苦労をものともせずに引き取る。見栄えがいいとか手間がかからないとか、あるいは自分に懐くとか、そんな基準で猫を選ぼうとする輩には絶対に真似できないことですね。わが家の猫たちも、そんな人が里親さんになってくれたらなんて思ったりしちゃうのでした。

獣医師北澤功さんの話もリンクしておきました。身体の機能を喪失しても残った機能で生きようとする猫と、その機能を元に戻そうともがく人間。北澤さんは単に猫を神格化するのではなく、もがく人間もまた生き方なりと。確かにその人間のもがきが、新薬の開発や医療の進化につながるのですよね。



(↓2匹の「あんよ」)
(初代あんよ)
(コチビ=初代あんよ里親さん宅)
(2代目あんよ)
(らい・下半身不随の猫)
(サエちゃん・2本脚の猫)
(ハチちゃん・下半身不随の猫)
(元就・3本足の猫)
※↓獣医師・北澤功さんの話

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猫愛 ~ほんわか、でもやっぱりせつない猫たちの物語・第8話~

2024年06月17日 | 猫愛 ~特選・猫たちの物語~
前回のピーちゃんの話、すごいですね。地域の人たちと野良猫がこんなにもうまく共生することができる。佐竹さんの眼力と文章力を別にしても、まったく理想的な社会がそこにあったのです。しかも日本の中心街とも言うべき新宿に。話の中にも出てきますが、この地域には糞尿被害を訴える人も出てきます。でもいがみ合うことなく、自治体も含め徹底的に対話することで問題解決を目指すとか。やればできる。当ブログに連載している「ノラたちとの共存を目指して」にも光明を照らすお話でした。

ところで、ピーちゃんのその後情報はないかとネットで検索してみました。するとあるブログにピーちゃんの話が。ピーちゃん、少なくとも4月までは健在のようです。ということは28才になった? 地域の人たちに守られているとは言え、ノラとしては最高齢なのではないでしょうか。ノラを減らす話は捨て猫防止とTNRに任せて、今いるすべてのノラがピーちゃんのように幸せになれる社会を目指したいと、改めて思う次第です。

リン「わたしの子供たちは、オジンやソトチビに助けてもらいました」

さて今回は、「スカーレット」と名付けられた勇敢なお母さん猫の話です。30年近く前のアメリカはニューヨークで空きガレージの火事がありました。駆けつけた消防隊員が見たものは、子猫を1匹づつ火の中から運び出す母猫の姿。全身の毛が焼きただれ、視力も失った母猫は5匹の子猫を救い出すとその場に倒れてしまった。この勇敢な母猫、その後どうなったのでしょうか。

スカーレットと子猫たちはアメリカの保護団体に運ばれました。その保護団体はスカーレットの偉大な勇気をたたえて「Scarlett賞」を創設。自分の命を顧みずに勇敢な行動を取った動物に授与したそうです。元の記事は1996年のものですが、ねこちゃんホンポによって最近紹介されました。同記事にはおそらく転載制限の関係上イメージ写真しかありません。しかし記事の最後尾に出典が記されており、元の記事を併せてリンクしておきますので実際の写真はそちらをご覧ください。Googleなどで日本語に翻訳することも可能です。

(クリックしてポップアップ)

ヒョウ「わたしの子たちはオジンにひどい目に遭わされた」

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