本記事は「ジュルのしっぽ-猫日記-」感想文(前編)からの続きです
(人気の要素・続)
◆その3 猫からの贈り物(=社会を動かす行動力)
ジュルからもらったのは知性を高める力だけではありません。hanaさんはこのブログを通して自らの行動範囲を広げていきます。それはやがて一般人の域、そして一介のブロガーの域をも超えた社会活動となり、社会をリードする役割を担うことになるのです。活動の内容はノラ猫の待遇改善に関するものですが、イベントを通して他テーマともコラボしています。実はこの活動の原点はブログを始める前に既にあって、ブログ初日の「ジュルとわたしのメッセージ」という記事に書かれている。(この記事は現存するブログでは非公開になっています。) ブログ初期の「ジュルとノラの仲間たち」という記事にはhanaさんの思いが溢れている。さらに、出版された本(印税はすべて寄付)の最後にもページを割いて、保護猫チャイの生い立ちとともにノラ猫や保護活動の状況について書いています。「ノラネコ考」というシリーズ記事もあったらしいのですが現在は非公開になっているのが残念。
ご夫婦はジュルがいた近所の公園猫たちをTNRしたり、猫を増やし続ける近所の住人を説得したりから始まって、ついには全国的な著名活動を展開。多くの猫ブロガーたちに支持、拡散されました。環境省の審議会動物愛護部会の議事録によると、殺処分方法の改善(もがき苦しんで殺すのではなくせめて安楽死を)という要望(著名2万名以上)、それから殺処分ゼロを目指す動物愛護法の改正に関する要望(途中で著名1万名以上)が「ジュルのしっぽ」から提出されている。(Changeorgなどなかった時代です。) 無理な要望書を出して敵対関係になるのではなく、役所とも共同でできることから少しづつ改善を目指す。hanaさんの人柄が偲ばれるやり方でした。平凡な主婦だったhanaさんがここまで変貌を遂げたその原動力が、ジュルから与えられたものであることは言うまでもありません。
以上、こうしてみると、今や立派になった動物保護団体を立ち上げ代表になっている人たちも当初は一介の一般人だったけど、実はもともと非凡な才能が備わっていたのであって、hanaさんもその一人だったんだなとつくづく思います。ジュル亡き後惜しまれつつ活動から身を引いたhanaさんですが、その功績は今も残っているのです。
ご夫婦はジュルがいた近所の公園猫たちをTNRしたり、猫を増やし続ける近所の住人を説得したりから始まって、ついには全国的な著名活動を展開。多くの猫ブロガーたちに支持、拡散されました。環境省の審議会動物愛護部会の議事録によると、殺処分方法の改善(もがき苦しんで殺すのではなくせめて安楽死を)という要望(著名2万名以上)、それから殺処分ゼロを目指す動物愛護法の改正に関する要望(途中で著名1万名以上)が「ジュルのしっぽ」から提出されている。(Changeorgなどなかった時代です。) 無理な要望書を出して敵対関係になるのではなく、役所とも共同でできることから少しづつ改善を目指す。hanaさんの人柄が偲ばれるやり方でした。平凡な主婦だったhanaさんがここまで変貌を遂げたその原動力が、ジュルから与えられたものであることは言うまでもありません。
以上、こうしてみると、今や立派になった動物保護団体を立ち上げ代表になっている人たちも当初は一介の一般人だったけど、実はもともと非凡な才能が備わっていたのであって、hanaさんもその一人だったんだなとつくづく思います。ジュル亡き後惜しまれつつ活動から身を引いたhanaさんですが、その功績は今も残っているのです。
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ところでこのブログを読んで、hanaさんの感じ方や考え方には自分が当ブログに書いてきたことと共通する点が多々あるように感じました。恐縮ではありますが、それらの一部を挙げてみようと思います。
●猫を理解しようとする努力
ブログの中に「脳科学でわかる猫のこころ」というカテゴリーがあります。勉強熱心だったhana さんのひとつの集大成でしょう。内容はちょっと専門医学的でわかりにくいけど、最終回に平たく要約してあるので参考になります。当ブログにも「猫と暮らし猫を知る」というカテゴリーがあって、猫博士である高木佐保さんの報文を紹介したりと、猫の感性やその心について知ろうと努めています。
●猫は真実だけを見る (自分を相手を誤魔化さない)
●猫は真実だけを見る (自分を相手を誤魔化さない)
前述「脳科学で・・」カテゴリーの「はじめに」という記事の最後の部分(「知っていますか?」以降)で、hanaさんは猫には心があると断じ、思い込みや目をそらすことをしない(できない)、なので客観的に事実を感じる能力は人なんかの比じゃないと述べています。当ブログでも初回記事「初めまして」以来ずっと同じことを書いてきました。(「猫に学ぶ」「先回りのニャー」等)
●猫の幸福感
●猫の幸福感
猫は現在の自分の境遇を他者と比較したり過去と比較したりしない。今の自分の境遇に満足しているかどうか、それだけです。他猫がどんなにおやつをもらっても眼中にない。自分がもらえるかどうかだけ。そして猫はいつも前向き。たとえ親を失っても大怪我をしても、常に今の状況の中で最善を尽くす。そして少しでも楽しいことを見つけようと努力する。hanaさんの記述にはそんな猫への敬意が満ちているし、自分も当ブログで何度も書いてきました。
●猫のコミュニケーション
hanaさんは猫と気持ちを通わすことはある程度可能だと考えています。ブログ中の記事に度々出てくるし(「わかるんだよネコには」等)、出版社のブログにシリーズで寄稿した中でも書いています。(「コラム5」) 相手の一挙一投足を観察することでその"心"を読み取るわけです。当ブログでも同様のことを書いてます。(「観察する猫」「sixth sense」等)
●(まだまだ他にも・・)
紙面の都合で割愛しますが、共通点は他にもたくさんあります。猫にもそれぞれ個性があるとする「個性的な顔」の記事、その中の「十猫十色」という表現は当ブログの記事タイトルにもなっている。ボス猫だって順番を守るという「早い者勝ち」という記事、当ブログでも特にニャーの記事で書いてきました。もっともこれらは、多数の猫たちと暮らしている人なら誰でも共感することでしょう。
●エイズ猫の過ごさせ方
前編の冒頭にも書いたように、hanaさんはノンキャリア猫と分け隔てなく育てています。その一方でエイズ発症を抑える治療をしたり、ノンキャリア猫(後に保護したアンとチャト)のウィルスチェックを継続したりと確認に余念がない。自分もテンちゃんやシロキを分け隔てなく育て、特によくじゃれ合っていたちび太のテストを3回行いました。そして、不妊手術をしていればよほどの喧嘩をしない限り、エイズは移らないと確信した。
でもどのように育てるか。多くのサイトでは隔離して育てることを推奨しています。でもそれって、同居するノンキャリア猫のためであって当の猫のためではない。多くのサイトがエイズ発症の要因にストレスを挙げています。特に保護者に甘えたい猫など、隔離がストレスになるなら止めた方がいい。同じ理由で、自分は治療も避けてきました。その点ではhanaさんと違います。
●感じる
猫って不思議なんですよね。亡くなった猫を感じることがあるんです。仲の良かった猫同士では尚更みたいだ。自分はこのブログの中で、ジュルが亡くなった後の記事「なかよし」と「いつもいっしょ」が大好きです。ジュルの生前にどれほど想い合っていたかが伝わってくる。自分も、これまで看取ってきた猫たちに同じことを感じたりしていました。(「テツとの対話・その21 感じる」「みうからのメッセージ」参照)
◆おわりに
ジュルの猫生は短かったけど、ジュルは目一杯幸せだったと思います、「幸せの指数とは、どれだけ周囲に愛されているか、どれだけ愛を感じているかなんだ・・。」(過去記事「テンちゃんFOREVER」より) ジュルが亡くなって14年以上経ちますが、高齢となったアン・チャト含めご家族の、いや多くの読者の心に今も生き続けている。そしてこのブログが現存する限り、さらに多くの読者の心にも新たに宿り、ジュルは永遠に生き続けるのではないでしょうか。自分もその一人になれたことは幸運だったと思います。
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