今日も元気で頑張るニャン

家族になった保護猫たちの日常を綴りながら、ノラ猫たちとの共存を模索するブログです。

猫愛・特別編 超大人気だった過去の猫ブログ(後編)

2025年03月29日 | 猫愛 ~特選・猫たちの物語~
 本記事は「ジュルのしっぽ-猫日記-」感想文(前編)からの続きです

(人気の要素・続)
◆その3 猫からの贈り物(=社会を動かす行動力)
ジュルからもらったのは知性を高める力だけではありません。hanaさんはこのブログを通して自らの行動範囲を広げていきます。それはやがて一般人の域、そして一介のブロガーの域をも超えた社会活動となり、社会をリードする役割を担うことになるのです。活動の内容はノラ猫の待遇改善に関するものですが、イベントを通して他テーマともコラボしています。実はこの活動の原点はブログを始める前に既にあって、ブログ初日の「ジュルとわたしのメッセージ」という記事に書かれている。(この記事は現存するブログでは非公開になっています。)  ブログ初期の「ジュルとノラの仲間たち」という記事にはhanaさんの思いが溢れている。さらに、出版された本(印税はすべて寄付)の最後にもページを割いて、保護猫チャイの生い立ちとともにノラ猫や保護活動の状況について書いています。「ノラネコ考」というシリーズ記事もあったらしいのですが現在は非公開になっているのが残念。

ご夫婦はジュルがいた近所の公園猫たちをTNRしたり、猫を増やし続ける近所の住人を説得したりから始まって、ついには全国的な著名活動を展開。多くの猫ブロガーたちに支持、拡散されました。環境省の審議会動物愛護部会の議事録によると、殺処分方法の改善(もがき苦しんで殺すのではなくせめて安楽死を)という要望(著名2万名以上)、それから殺処分ゼロを目指す動物愛護法の改正に関する要望(途中で著名1万名以上)が「ジュルのしっぽ」から提出されている。(Changeorgなどなかった時代です。) 無理な要望書を出して敵対関係になるのではなく、役所とも共同でできることから少しづつ改善を目指す。hanaさんの人柄が偲ばれるやり方でした。平凡な主婦だったhanaさんがここまで変貌を遂げたその原動力が、ジュルから与えられたものであることは言うまでもありません。

以上、こうしてみると、今や立派になった動物保護団体を立ち上げ代表になっている人たちも当初は一介の一般人だったけど、実はもともと非凡な才能が備わっていたのであって、hanaさんもその一人だったんだなとつくづく思います。ジュル亡き後惜しまれつつ活動から身を引いたhanaさんですが、その功績は今も残っているのです。

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ところでこのブログを読んで、hanaさんの感じ方や考え方には自分が当ブログに書いてきたことと共通する点が多々あるように感じました。恐縮ではありますが、それらの一部を挙げてみようと思います。

●猫を理解しようとする努力
ブログの中に「脳科学でわかる猫のこころ」というカテゴリーがあります。勉強熱心だったhana さんのひとつの集大成でしょう。内容はちょっと専門医学的でわかりにくいけど、最終回に平たく要約してあるので参考になります。当ブログにも「猫と暮らし猫を知る」というカテゴリーがあって、猫博士である高木佐保さんの報文を紹介したりと、猫の感性やその心について知ろうと努めています。

●猫は真実だけを見る (自分を相手を誤魔化さない)
前述「脳科学で・・」カテゴリーの「はじめに」という記事の最後の部分(「知っていますか?」以降)で、hanaさんは猫には心があると断じ、思い込みや目をそらすことをしない(できない)、なので客観的に事実を感じる能力は人なんかの比じゃないと述べています。当ブログでも初回記事「初めまして」以来ずっと同じことを書いてきました。(「猫に学ぶ」「先回りのニャー」等)

●猫の幸福感
猫は現在の自分の境遇を他者と比較したり過去と比較したりしない。今の自分の境遇に満足しているかどうか、それだけです。他猫がどんなにおやつをもらっても眼中にない。自分がもらえるかどうかだけ。そして猫はいつも前向き。たとえ親を失っても大怪我をしても、常に今の状況の中で最善を尽くす。そして少しでも楽しいことを見つけようと努力する。hanaさんの記述にはそんな猫への敬意が満ちているし、自分も当ブログで何度も書いてきました。

●猫のコミュニケーション
hanaさんは猫と気持ちを通わすことはある程度可能だと考えています。ブログ中の記事に度々出てくるし(「わかるんだよネコには」等)、出版社のブログにシリーズで寄稿した中でも書いています。(「コラム5」)  相手の一挙一投足を観察することでその"心"を読み取るわけです。当ブログでも同様のことを書いてます。(「観察する猫」「sixth sense」等)

●(まだまだ他にも・・)
紙面の都合で割愛しますが、共通点は他にもたくさんあります。猫にもそれぞれ個性があるとする「個性的な顔」の記事、その中の「十猫十色」という表現は当ブログの記事タイトルにもなっている。ボス猫だって順番を守るという「早い者勝ち」という記事、当ブログでも特にニャーの記事で書いてきました。もっともこれらは、多数の猫たちと暮らしている人なら誰でも共感することでしょう。

●エイズ猫の過ごさせ方
前編の冒頭にも書いたように、hanaさんはノンキャリア猫と分け隔てなく育てています。その一方でエイズ発症を抑える治療をしたり、ノンキャリア猫(後に保護したアンとチャト)のウィルスチェックを継続したりと確認に余念がない。自分もテンちゃんやシロキを分け隔てなく育て、特によくじゃれ合っていたちび太のテストを3回行いました。そして、不妊手術をしていればよほどの喧嘩をしない限り、エイズは移らないと確信した。

でもどのように育てるか。多くのサイトでは隔離して育てることを推奨しています。でもそれって、同居するノンキャリア猫のためであって当の猫のためではない。多くのサイトがエイズ発症の要因にストレスを挙げています。特に保護者に甘えたい猫など、隔離がストレスになるなら止めた方がいい。同じ理由で、自分は治療も避けてきました。その点ではhanaさんと違います。

●感じる
猫って不思議なんですよね。亡くなった猫を感じることがあるんです。仲の良かった猫同士では尚更みたいだ。自分はこのブログの中で、ジュルが亡くなった後の記事「なかよし」と「いつもいっしょ」が大好きです。ジュルの生前にどれほど想い合っていたかが伝わってくる。自分も、これまで看取ってきた猫たちに同じことを感じたりしていました。(「テツとの対話・その21 感じる」「みうからのメッセージ」参照)

◆おわりに
ジュルの猫生は短かったけど、ジュルは目一杯幸せだったと思います、「幸せの指数とは、どれだけ周囲に愛されているか、どれだけ愛を感じているかなんだ・・。」(過去記事「テンちゃんFOREVER」より) ジュルが亡くなって14年以上経ちますが、高齢となったアン・チャト含めご家族の、いや多くの読者の心に今も生き続けている。そしてこのブログが現存する限り、さらに多くの読者の心にも新たに宿り、ジュルは永遠に生き続けるのではないでしょうか。自分もその一人になれたことは幸運だったと思います。

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※ブログの最初のページをリンクしておきました。まだ読まれてない方は初めから日付順に読むことをお勧めします。そのページの下の記事から上に読み進め、読み終えたらページ右下の「次ページ」にて先のページへ。再び一番下の記事から上に読み進めます。中断する場合はそのページを保存。バックナンバーから最初の月に行くこともできますが、月が変わるたびに再操作になるので面倒です。

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猫愛・特別編 超大人気だった過去の猫ブログ(前編)

2025年03月27日 | 猫愛 ~特選・猫たちの物語~
今回と次回はあるブログについての感想文です。「ジュルのしっぽ-猫日記-」
随分前に終了した過去のブログですが、ブログ主さんの厚意で今でも公開されています。おそらく昔からの猫好きで知らない人はいないでしょう。

◆出会い
自分との出会いは、エイズキャリアの猫に関して調べている時でした。昨年エイズ発症して旅立ったシロキを自分は他の猫と何の変りもなく育てた。山ほど勉強した上での自分の判断でしたが、それが良かったのか悪かったのか・・。そんな時「ネコエイズについて」というある記事を見つけた。その人は、自分同様にキャリア猫を分け隔てなく育てていた。今回その記事を見直した際に、実はそれがブログの1記事であることに気づき、改めてそのブログに出会ったのです。

◆色褪せない読者を夢中にさせる世界
そのブログは14年ほど前に更新終了していました。で、見たのが最後のページ。長編大河小説のエピローグのように、一種の虚脱感をもってその世界の終焉を語っていた。そして最後から3ページ目。とってもチャーミングな猫(ジュル)が読者に向かって「もう泣かないで」と語りかけてくる。その下には旅立ちと49日の報告。4000を超える膨大な数のコメント。最後からの3ページで不思議な感動を覚え、ブログの初めから読み進めることにしたのです。基本は大量の写真を使った絵日記のような単純構成。書かれているのはとりとめのない日常。何とも言えない暖かな世界。合間に知的なプログラムが埋め込んである。最後から数か月前まで読んで、先に進めなくなった。何故なら自分はブログの世界から見れば未来の人間で、その先で何が起こるのか知っている。とても読み進めることができなかった。

それからの1週間ほどは、このブログの関連記事を集めまくりました。YouTubeやインタビューサイト、新聞や雑誌や大手サイトの紹介記事、他ブログとの交流、著名活動、イベント・・・hanaさん(ブログ主)の広範囲な活動、そして他ブログへの影響を知ることができた。ブログの初めの部分は本になっているので、その本も手に入れて読みました。それで落ち着いて最後まで読むことができ、その後メモを取りながらもう一度初めから読み直した。

資料を集めると、ブログの裏側にあるいろいろな事実が分かってくる。ノラ時代のジュルとご夫婦の付き合いはブログを始める前年のこと。その年夏の台風来襲の折に、避難できず駐車場に突っ伏したままのジュルを見て泣きながら帰ったhanaさん。その意を汲んで一緒にジュルを連れて帰ったご主人。記事にも少し書いてあるけど、この名シーンはありません。hanaさんはジュルが家猫になって変わったと言う。大量のコメント欄にもジュルが変わったという意見が多いけど、自分にはそうは見えなかった。どんな猫でも、いや人間だって、辛苦に耐えている時と幸せな時では表情が違うものだ。掲載されたジュルのノラ時代の写真は、既にhanaさんご夫婦の愛を感じていたのだと思います。

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このブログは猫との"のろけ話"が中心ではあるけど、いわゆる巷に溢れている「うちの猫自慢」的なものとは一線を画している。その違いを決定的にした3つの要素について書いてみようと思います。他人には真似できないこれらの要素が、大人気を集めた理由ではないかと自分なりに考える次第です。

◆その1 礼節に満ちた純粋猫愛物語
全編を通して感じるのが、hanaさんがジュルをありのままに受け入れていること。そしてジュルに対して限りなく寛容であること。さらには、ご主人がhanaさんとジュルに対してとても寛大で、陰になり日向になりサポートしていること。ご夫婦の猫愛がひとつひとつの行動によって裏打ちされていることが、ブログに記されていなくても読者には伝わるのです。ジュルはその喜びと幸福感を全身で表現することで、ご夫婦にも幸福感を分けている。ジュルは普通の猫だし猫自慢的な主張は一切ないけど、このご家族の関係性が読者の羨望の的になったのではないでしょうか。これはひとえに、ご夫婦の人間性によるものだと思います。ただ、猫愛に溢れた人はご夫婦以外にも大勢いる。昨今のSNS時代、何十万もの"いいね"を集めた投稿はたくさんあります。このブログが他と違うのは、これだけではないのです。

◆その2 知的向学心と成長物語
先にジュルは特段変わったように見えないと書きましたが、実は変わったのはブログ主のhanaさんの方でした。「動物初心者でごく普通の人間」(自己評価)だったhanaさんが向学心に目覚め、どんどんその知識を深めていく。この方が如何に勉強熱心だったか、ブログ初期の記事を見ればわかります。そしてイベントやコメント欄等を通じて多くの人たちとコミュニケーションを図り、経験を積み、さらにブログに書き留めることでその知性を磨き、高めていく。ブログの初めでは周囲に尋ねてばかりだったhanaさんが、ブログの後段では自信をもって説明する側の人になっている。そう、このブログはブログ主であるhanaさんの成長物語であり、そのきっかけを与えてくれたのがジュルだったのです。もちろん誰にでもできることではないですが。

※後編に続きます

hanaさんも紹介している澤田さんの作品です(YouTubeに現存)

ジュルのしっぽ-猫日記-(326ページ)
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※ブログの最初のページをリンクしておきました。まだ読まれてない方は初めから日付順に読むことをお勧めします。そのページの下の記事から上の記事へと読み進め、読み終えたらページ右下の「次ページ」にて先のページへ。再び一番下の記事から上の記事へと読み進めます。中断する場合はそのページを保存。バックナンバーから最初の月に行くこともできますが、月が変わるたびに再操作になるので面倒です。

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猫愛 ~ほんわか、でもやっぱりせつない猫たちの物語・第14話~

2025年02月06日 | 猫愛 ~特選・猫たちの物語~
前話(13話)のトラの話は、猫にもこんな生き様があるのだというひとつの例ですね。人でも動物でも、その生き様に触れるとある種の感動を覚えます。(動物の生き様はNHK「ダーウィンが来た」でよくやってますよね。) それはやっぱり、生き様とは命の営みであり、育みであり、その苦楽が命の尊厳だからこそなのだと思います。

しかもトラは、他の多くのノラたちと同様に殺処分される運命の猫でした。トラはラッキーだった? いや違います。殺処分されるノラたちの運命が理不尽なのです。おそらくどんなノラでも、トラのように救われれば同様の生き様を経て、その猫生をまっとうしたのだと思います。動物福祉と口では簡単に言いますが、個々の動物の生き様に思いを馳せるところから始まるのではないでしょうか。それは、食肉用動物に対しても同じなのだと思います。


わが家の初代3匹組(左テツ、右くも、手前ハナ)

さて今回は、前回同様「ペットと暮らせる特養から」のエピソードで猫の「祐介君」の話。祐介君は保護主の後藤さん(仮名)と一緒に入居しました。今回はその祐介君ではなく、後藤さんの方に話の焦点を当てています。一人暮らしの高齢保護者に共通の気掛かり、もし自分に何かあったら愛猫はどうなってしまうのか。自分(オジン)も例外ではありません。後藤さんはその不安から体調を崩し、危篤状態になってしまう。しかしその後藤さんを救ったのもまた、祐介君なのでした。

相思相愛の人と猫。筆者の若山さんは、「犬は人、猫は家につく」とよく言われるがそれは違うと訴える。猫だって人としっかりと結びつき、相互信頼、相思相愛になるのだと。まったくもって自分も同感です。

この家が人生(猫生)のすべてとなった若かりし頃のハナ、くも、テツ(左から)
生活の主体を外に広げる実の子供たち(3人)よりも、強い絆で結ばれたように思います

◆yomiDr.コラム『ペットと暮らせる特養から』より、猫の「祐介君」のエピソード
(※クリックしてポップアップ) 

Back No.
第1話 「飼い主を亡くし野良になった母猫 ボロボロの姿に『幸せにしたい』とさしのべられた手」
第2話 「お日様はあたたかいって知った」7年間も閉じ込められた母猫、病魔に倒れるも幸せつかんだ最期の日々
第3話 「ヨロヨロの野良猫「困ったらおいで」 すると翌朝わが家に現れた (庭猫スンスン)
第4話 海辺の街に捨てられ、漁師たちに可愛がられた猫の「最後の日々」
第5話 最後の力を振り絞って子猫を託しにきた母猫、保護主のもとに運び終わると……
第6話 河川敷に餌をもらいに来ていた白猫「シロ」 ふたりのおじさんに愛され、生き抜いた
第7話 もうすぐ28歳!路地の人気者、黒猫「ぴーちゃん」 地域猫として町の人に見守られて
第8話「母の愛」は炎より強い!全身やけどを負って子猫を助け、伝説になった母猫 米国
第9話 ①「猫の神様」がくれた生きる力、後ろ脚なくても生き抜き天国へ…その名は今も“二代目”に受け継がれ
    ②下半身不随の猫「らい」が“家族”に与える笑顔。認知症犬「しの」と過ごしたかけがえのない時間 ・他
第10話 路地でクルクル回っていた全盲の子猫 あるがままの自分を生きる
第11話 いったい多摩川でいま何が起きているのか?棄てられ、虐待される猫たちの現実をまず知ってほしい
番外編 新宿東口の巨大猫の話
第12話「出来ることを。。。」痩せ細り、道路に横たわっていた小さな猫 温かな腕の中で、命は確かに瞬いた
第13話「癒し猫 上・中・下」入居者に寄り添い続けたトラ 最期は入居者と職員に抱きしめられて天国へ

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猫愛 ~ほんわか、でもやっぱりせつない猫たちの物語・第13話~

2025年02月04日 | 猫愛 ~特選・猫たちの物語~
前話(12話)の道端に行き倒れていた猫さん(サクちゃん)、多くの人の努力も空しく力尽きてしまいました。読んだ人は、やり場のない哀しさと憤りをブログ主さんと共有したことと思います。これがノラの悲哀。ブログ主さんは最後に付け加えます。「誰からも気づかれず、外でヒトリで、息絶える命が多数あり。でもそれは、外で生きてる動物たちには日常であり、その危険は防ぎようがない」「私がどうしても許せないのは、人が故意に捨てたり、人間社会の利益の為だけに殺処分される命があるということ・・」  やり場のない哀しさと憤りの正体が、ここにありました。

人間と同じように、どんな猫にもその猫の人生(猫生)があります。道端で行き倒れるなんて、どんなに惨めで苦しくそして悔しかったか。殺処分にしても、年間1万匹まで減ったことは朗報ですか? 自分には何万匹も1匹も同じだと思えます。ノラたちを謂れのない苦しみから解放することは、これまでも書いてきたように人間との戦いなのです。

無念の事故死した初期の店の子、チビ

さて、今回の話。
ヨミドクター(yomiDr.)というサイトをご存じでしょうか。いろいろためになる記事や多くの人のコラムが掲載されています。そのひとつに若山三千彦さんが執筆しているコラムがある。若山さんは「社会福祉法人心の会 」の創設者であり、2012年に犬や猫と暮らせる特別養護老人ホーム「さくらの里山科」を設立しました。コラムでは、ホームで暮らす人やワンニャンの様々なエピソードを綴っています。

終生老人ホームなので、人間もワンニャンも看取りそして看取られる。このコラムのテーマは、ご本人が意識しているかどうかはわかりませんが、「別れ(死別)」です。なので全体に漂うもの悲しさは否めないけど、読むとどことなくホンワカ、そしてホッとする。まさにこのシリーズのテーマにピッタリなのです。それはどんなに苦しい人生(猫生、犬生)であっても、最後は幸せに満ちて旅立っていくから。出来事を淡々と語り、間に自分の見立てを挟む。若山さんの文章は、読めばわかりますが気遣いや優しさに満ちている。ご本人の人柄が滲み出ているのです。

ホームには入居者が同伴で連れて来たワンニャンの他に、ホームが保護団体を通して保健所から引き取ったワンニャンもいます。そのワンニャンが入居者やスタッフと一緒に和気藹々と暮らしている。若山さんは犬猫の専門家ではないし、アニマルセラピーを目的としているわけでもなく、そのための訓練もしていません。ただ人もワンニャンも幸せになってもらいたい、それだけです。
ここではホームで暮らした2匹の猫を今回と次回に分けて紹介します。今回は、ホーム開設当初にやって来て様々な入居者を看取り、そして最後は看取られた通称"癒し猫"トラの話。

◆yomiDr.コラム『ペットと暮らせる特養から』より、猫の「トラ」のエピソード
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FIPを発症し、若くしてこの世を去ったルイ

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第1話 「飼い主を亡くし野良になった母猫 ボロボロの姿に『幸せにしたい』とさしのべられた手」
第2話 「お日様はあたたかいって知った」7年間も閉じ込められた母猫、病魔に倒れるも幸せつかんだ最期の日々
第3話 「ヨロヨロの野良猫「困ったらおいで」 すると翌朝わが家に現れた (庭猫スンスン)
第4話 海辺の街に捨てられ、漁師たちに可愛がられた猫の「最後の日々」
第5話 最後の力を振り絞って子猫を託しにきた母猫、保護主のもとに運び終わると……
第6話 河川敷に餌をもらいに来ていた白猫「シロ」 ふたりのおじさんに愛され、生き抜いた
第7話 もうすぐ28歳!路地の人気者、黒猫「ぴーちゃん」 地域猫として町の人に見守られて
第8話「母の愛」は炎より強い!全身やけどを負って子猫を助け、伝説になった母猫 米国
第9話 ①「猫の神様」がくれた生きる力、後ろ脚なくても生き抜き天国へ…その名は今も“二代目”に受け継がれ
    ②下半身不随の猫「らい」が“家族”に与える笑顔。認知症犬「しの」と過ごしたかけがえのない時間 ・他
第10話 路地でクルクル回っていた全盲の子猫 あるがままの自分を生きる
第11話 いったい多摩川でいま何が起きているのか?棄てられ、虐待される猫たちの現実をまず知ってほしい
番外編 新宿東口の巨大猫の話
第12話「出来ることを。。。」痩せ細り、道路に横たわっていた小さな猫 温かな腕の中で、命は確かに瞬いた
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猫愛 ~ほんわか、でもやっぱりせつない猫たちの物語・第12話~

2024年11月28日 | 猫愛 ~特選・猫たちの物語~
「まいどなニュース」や「ねこちゃんホンポ」の新人ライターさんたちは題材をSNSから選んでいるようです。語り口も「~だそうです」が主体で、いまいち情感が伝わってきません。それでも自分が読んでいるのは最初の数行、その猫が幸せになる前の状況が気になるから。捨てられた、ガリガリに痩せた、ノミダニ被害、劣悪な環境・・・。保護した時に胃洗浄したら出てきたのは小石、木くず、ビニール等々。ノラたちの真実がそこにあると思うからです。

こういった記事を読むのはもともと猫好きで、ノラの置かれた立場を憂慮する人だから、幸せになったノラよりむしろそうでないノラの方が気になってしまう。例えば過酷な環境で暮らしていた親子ノラの子供たちが保護されて幸せになった記事。幸せそうな子猫たちの描写とは裏腹に、読者は思うのです。母猫はどうなったのかと。かつてコメント欄にそういった質問が沢山ついた記事があった。それでも読者は、どんな猫ライターさんたちでも応援しているのだと思います。



今回紹介するのも、結構あっさりとしたまいどなニュースの記事。
道端に行き倒れていた猫を助けようと奔走した人たちの話です。自分には紹介したい物語がたくさん溜まっていますが、今回は先日目にしたこの記事を紹介することにしました。ノラの悲哀、そして助けようと奔走する人たちの心情は書き方などに関係なく伝わってきます。哀しい話ではあっても、こういった人たちがいることに勇気が湧く。

実はこの話を読んだ時、覚えがありました。少し前に読んだブログの記事です。元のブログ記事には終わりの方に自分が最も共感した部分があったのですが、まいどなの記事では省略されていました。なので併せてそのブログ記事もリンクしておきます。(ブログ主さんには連絡しておりませんが。)


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安心安全、不都合のない贅沢な暮らしが幸せなんじゃない
どのくらい愛されているか
周囲の愛情をどのくらい感じているか
幸せの指数とは、そんなことなのかもしれないな 
(過去記事「テンちゃんFOREVER」より)

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第1話 「飼い主を亡くし野良になった母猫 ボロボロの姿に『幸せにしたい』とさしのべられた手」
第2話 「お日様はあたたかいって知った」7年間も閉じ込められた母猫、病魔に倒れるも幸せつかんだ最期の日々
第3話 「ヨロヨロの野良猫「困ったらおいで」 すると翌朝わが家に現れた (庭猫スンスン)
第4話 海辺の街に捨てられ、漁師たちに可愛がられた猫の「最後の日々」
第5話 最後の力を振り絞って子猫を託しにきた母猫、保護主のもとに運び終わると……
第6話 河川敷に餌をもらいに来ていた白猫「シロ」 ふたりのおじさんに愛され、生き抜いた
第7話 もうすぐ28歳!路地の人気者、黒猫「ぴーちゃん」 地域猫として町の人に見守られて
第8話 「母の愛」は炎より強い!全身やけどを負って子猫を助け、伝説になった母猫 米国
第9話 ①「猫の神様」がくれた生きる力、後ろ脚なくても生き抜き天国へ…その名は今も“二代目”に受け継がれ
   ②下半身不随の猫「らい」が“家族”に与える笑顔。認知症犬「しの」と過ごしたかけがえのない時間 ・他
第10話 路地でクルクル回っていた全盲の子猫 あるがままの自分を生きる
第11話 いったい多摩川でいま何が起きているのか?棄てられ、虐待される猫たちの現実をまず知ってほしい
番外編 新宿東口の巨大猫の話
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