目下家裏の常連ノラ、新顔ちゃんと顔白くんの改名です。
新しい名前は、
新顔ちゃん → サクラ
顔白くん → ルイ
となりました。そして、新しいカテゴリーとして堂々の独立です。
サクラとルイに関連深い過去記事も同カテゴリーに移しました。他のノラたちも登場する記事は「その他・一見さん」カテゴリーに残してあります。家裏には黄白くんなどもたまにやって来ますが、その話は別の機会に改めます。さて、2ヶ月近く前の「ご縁が薄くなったノラたち」という記事の中で、新顔ちゃんことサクラが消え入りそうだと書きました。そうなんです。しかしまだ繋がっています。まずはサクラの概略ヒストリーから。
昨年の春に住民トラブルにまで発展したハリーとシロキ。(灰白くんと白黄くん、「ノラと家猫と」シリーズ・その1参照。) 7月末にハリーを家の中に保護してようやく一段落、と思った矢先にサクラは現れた。警戒心が強く殆ど姿を見せないので、妙に求愛鳴きするシロキがおかしくなったかと思ったほどだった。そのうち2匹は仲良く食べるようになったが秋になるとシロキが再び恋狂い。左耳カットから不妊手術済みと思われるサクラに迫るシロキ。食いしん坊のシロキはご飯も奪えるのでますます好都合だった。
サクラを待ち伏せするシロキ(シロキの左奥が勝手口)
しかし、サクラはシロキを嫌って徹底的に避けた。幸いシロキがオニブなのでサクラは間隙を縫ってご飯を食べていた。そのシロキも12月には家の中に保護。おかげでゆっくりご飯を食べれるようになったサクラだが、1月になると今度は黄色系のノラたちが現れた。そして最初に現れた大人の黄白と黄色が大喧嘩を始める。これ以上の騒音はご免だと2匹を追い払うこともあったがサクラも巻き添えを食うことが度々だった。執着がなさそうだった黄白はやがて来なくなり、黄色の来店も減った頃、今度は幼顔の黄白が現れた。しかしこの黄白は他の猫との接触を避けるので(夜が多い)、とりあえず騒動は解消した。
で、安心して食べれるかと思ったサクラだが、今度はルイが現れた。はじめは仲良く食べていたルイも春になるとシロキ同様、やっぱりサクラに発情した。ルイは小柄で胴が細く手足の長いアスリートタイプだが、シロキにも勝るほどの大変な大食い。サクラを追い回し、サクラのご飯も遠慮なくぶんどる。サクラは、再び逃げ隠れしながらご飯を食べに来る生活に戻ってしまった。朝夕2度のご飯リズムは完全に崩れて不定期の来訪となる。警戒心の強いサクラはルイのように中の人が気付くまで待てないので、来たときに扉が開かなければ諦めて帰る。サクラの食事回数は一気に減ってきたのです。
仲良く食べていた頃のルイとサクラ(上)
一方のルイは次第に家裏にいる時間が増してきた。朝夕の来訪が1日に数回、多いときは5、6回もやってきては「くれ~」とわめく。春になると昼間は殆ど家裏に入り浸りになったのです。家裏でサクラの来るのを待ち、中で気配がするたびに勝手口に回って「くれ~。」 さらには中の猫たちにも興味を示し、ドアや網戸の中と外で鳴き合う。そのうちリビングや和室の前にも回って、中の猫たちと挨拶するのが日課となった。夏の暑さの中、毎日朝早くやってきてわが家の周りで過ごし、日が暮れると(本拠地に?)帰っていく。そのためサクラは夜遅くなって細々とやって来るか、わが家を諦めるしかなくなったのです。
家裏で待機するルイ
この関係は、店でのミケチビとレオの関係に似ている。サクラに配慮してルイを追い払ったときもあったが、もちろんルイが悪いわけでは毛頭なく、結局持続性の蚊除けスプレーを撒いたりしてルイを応援したのでした。勝手口を開ければ中に入ってきそうな勢いのルイだけど、人には馴れていない。こっちが外に出れば慌てて逃げる。みうのように馴れないのは、こっちが中の猫で手いっぱいでみうのときのようにスキンシップを図ろうとしないからだろう。先日書いたモドキと同じで、こちらの事情でお迎え(保護)に踏み込めず、いまだに住民票の発行(首輪の装着)すらできないでいるのです。
ルイは扉を開けると入ってきそうな勢い
最近になってやや涼しくなると、そんなルイの来訪頻度が減ってきた。今は1日に2、3回、朝夕を中心に南側の山の手からやって来ます。一方のサクラは"夜の訪問者状態"から少し脱却して、たまに早朝や夕方にもやって来る。しかし2、3日空けることも多く、空けた後はものすごいがっつきでルイ顔負け。あれだけ人や他の猫を怖がっていたサクラが、開けた扉から中を覗き込んでくるほどになりました。ただ、ちょっとしたことで慌てて逃げ隠れする臆病ぶりは以前のまま。何とか調子を戻して繋がってくれればいいなと思っています。
ところでこの2匹には共通点があって、とにかく声が小さい。特にサクラの声が小さくて、勝手口の外で鳴いていてもまず中の人には聞こえません。2日空けた後などは外で叫ぶように鳴くけど、それでも勝手口の近くにいてようやく聞こえる程度です。でも中の猫たち(特にニャー、ちび太とクウ)が気付いて知らせてくれる。ルイの声はもう少し大きいけど、ルイは勝手口に人の気配がないと鳴かない。ということで、今のところ近隣に対する気遣いは無用で過ごしています。
サクラは臆病でしかも夜の来訪が多く写真の機会がない
(昨年の秋の写真・再掲)
サクラは付き合い歴が1年を超えました。そこまでお付き合いしたノラはそうはいません。一方のルイはお近付き度(人馴れ)で急上昇。もちろんどちらも幸せにしたいノラなのだけど、現実はそう簡単ではない。先日のsippoに、ノラを保護しているうちに数が増えすぎて首が回らなくなった個人の保護ボラさんの話が載っていた。通常多頭飼育の崩壊と言えば不妊手術をしなかったことが原因だけど、このボラさんは手術もして、1匹1匹名前をつけて大事に育てていた。それでも首が回らなくなる。何故ならノラの数は無尽蔵に多いからです。保護しても保護しても、捨てる人がいるからです。
中の猫たちに挨拶するルイ
(手前右からちび太、ニャー、チキン)
外にいるノラは何とか幸せにしたい。でも中の猫たちや自分を犠牲にするわけにはいかない。保護活動を続ける人たちは、みんながみんな一様にこの悩みを抱き続けているのです。自分も、チキンとキリンを迎えた後に起きたわが家の猫たちの異変を見て思い知った。これからは彼らとも相談しながら決めていかなくてはならない。でも外の猫たちは待ったなし。ない知恵絞って、妥協案を考えていかねばなりません。
今日のサクラ(久々に明るいうちに来た)