今日も元気で頑張るニャン

家族になった保護猫たちの日常を綴りながら、ノラ猫たちとの共存を模索するブログです。

改名「サクラ」と「ルイ」 ~新顔ちゃんと顔白くん~

2019年08月29日 | (故)ルイ(新手、顔白)
目下家裏の常連ノラ、新顔ちゃんと顔白くんの改名です。
新しい名前は、
新顔ちゃん → サクラ
顔白くん   → ルイ
となりました。そして、新しいカテゴリーとして堂々の独立です。

サクラとルイに関連深い過去記事も同カテゴリーに移しました。他のノラたちも登場する記事は「その他・一見さん」カテゴリーに残してあります。家裏には黄白くんなどもたまにやって来ますが、その話は別の機会に改めます。さて、2ヶ月近く前の「ご縁が薄くなったノラたち」という記事の中で、新顔ちゃんことサクラが消え入りそうだと書きました。そうなんです。しかしまだ繋がっています。まずはサクラの概略ヒストリーから。

昨年の春に住民トラブルにまで発展したハリーとシロキ。(灰白くんと白黄くん、「ノラと家猫と」シリーズ・その1参照。) 7月末にハリーを家の中に保護してようやく一段落、と思った矢先にサクラは現れた。警戒心が強く殆ど姿を見せないので、妙に求愛鳴きするシロキがおかしくなったかと思ったほどだった。そのうち2匹は仲良く食べるようになったが秋になるとシロキが再び恋狂い。左耳カットから不妊手術済みと思われるサクラに迫るシロキ。食いしん坊のシロキはご飯も奪えるのでますます好都合だった。

サクラを待ち伏せするシロキ(シロキの左奥が勝手口)

しかし、サクラはシロキを嫌って徹底的に避けた。幸いシロキがオニブなのでサクラは間隙を縫ってご飯を食べていた。そのシロキも12月には家の中に保護。おかげでゆっくりご飯を食べれるようになったサクラだが、1月になると今度は黄色系のノラたちが現れた。そして最初に現れた大人の黄白と黄色が大喧嘩を始める。これ以上の騒音はご免だと2匹を追い払うこともあったがサクラも巻き添えを食うことが度々だった。執着がなさそうだった黄白はやがて来なくなり、黄色の来店も減った頃、今度は幼顔の黄白が現れた。しかしこの黄白は他の猫との接触を避けるので(夜が多い)、とりあえず騒動は解消した。

で、安心して食べれるかと思ったサクラだが、今度はルイが現れた。はじめは仲良く食べていたルイも春になるとシロキ同様、やっぱりサクラに発情した。ルイは小柄で胴が細く手足の長いアスリートタイプだが、シロキにも勝るほどの大変な大食い。サクラを追い回し、サクラのご飯も遠慮なくぶんどる。サクラは、再び逃げ隠れしながらご飯を食べに来る生活に戻ってしまった。朝夕2度のご飯リズムは完全に崩れて不定期の来訪となる。警戒心の強いサクラはルイのように中の人が気付くまで待てないので、来たときに扉が開かなければ諦めて帰る。サクラの食事回数は一気に減ってきたのです。

仲良く食べていた頃のルイとサクラ(上)

一方のルイは次第に家裏にいる時間が増してきた。朝夕の来訪が1日に数回、多いときは5、6回もやってきては「くれ~」とわめく。春になると昼間は殆ど家裏に入り浸りになったのです。家裏でサクラの来るのを待ち、中で気配がするたびに勝手口に回って「くれ~。」 さらには中の猫たちにも興味を示し、ドアや網戸の中と外で鳴き合う。そのうちリビングや和室の前にも回って、中の猫たちと挨拶するのが日課となった。夏の暑さの中、毎日朝早くやってきてわが家の周りで過ごし、日が暮れると(本拠地に?)帰っていく。そのためサクラは夜遅くなって細々とやって来るか、わが家を諦めるしかなくなったのです。

家裏で待機するルイ

この関係は、店でのミケチビとレオの関係に似ている。サクラに配慮してルイを追い払ったときもあったが、もちろんルイが悪いわけでは毛頭なく、結局持続性の蚊除けスプレーを撒いたりしてルイを応援したのでした。勝手口を開ければ中に入ってきそうな勢いのルイだけど、人には馴れていない。こっちが外に出れば慌てて逃げる。みうのように馴れないのは、こっちが中の猫で手いっぱいでみうのときのようにスキンシップを図ろうとしないからだろう。先日書いたモドキと同じで、こちらの事情でお迎え(保護)に踏み込めず、いまだに住民票の発行(首輪の装着)すらできないでいるのです。


ルイは扉を開けると入ってきそうな勢い

最近になってやや涼しくなると、そんなルイの来訪頻度が減ってきた。今は1日に2、3回、朝夕を中心に南側の山の手からやって来ます。一方のサクラは"夜の訪問者状態"から少し脱却して、たまに早朝や夕方にもやって来る。しかし2、3日空けることも多く、空けた後はものすごいがっつきでルイ顔負け。あれだけ人や他の猫を怖がっていたサクラが、開けた扉から中を覗き込んでくるほどになりました。ただ、ちょっとしたことで慌てて逃げ隠れする臆病ぶりは以前のまま。何とか調子を戻して繋がってくれればいいなと思っています。

ところでこの2匹には共通点があって、とにかく声が小さい。特にサクラの声が小さくて、勝手口の外で鳴いていてもまず中の人には聞こえません。2日空けた後などは外で叫ぶように鳴くけど、それでも勝手口の近くにいてようやく聞こえる程度です。でも中の猫たち(特にニャー、ちび太とクウ)が気付いて知らせてくれる。ルイの声はもう少し大きいけど、ルイは勝手口に人の気配がないと鳴かない。ということで、今のところ近隣に対する気遣いは無用で過ごしています。

サクラは臆病でしかも夜の来訪が多く写真の機会がない
(昨年の秋の写真・再掲)

サクラは付き合い歴が1年を超えました。そこまでお付き合いしたノラはそうはいません。一方のルイはお近付き度(人馴れ)で急上昇。もちろんどちらも幸せにしたいノラなのだけど、現実はそう簡単ではない。先日のsippoに、ノラを保護しているうちに数が増えすぎて首が回らなくなった個人の保護ボラさんの話が載っていた。通常多頭飼育の崩壊と言えば不妊手術をしなかったことが原因だけど、このボラさんは手術もして、1匹1匹名前をつけて大事に育てていた。それでも首が回らなくなる。何故ならノラの数は無尽蔵に多いからです。保護しても保護しても、捨てる人がいるからです。

中の猫たちに挨拶するルイ
(手前右からちび太、ニャー、チキン)

外にいるノラは何とか幸せにしたい。でも中の猫たちや自分を犠牲にするわけにはいかない。保護活動を続ける人たちは、みんながみんな一様にこの悩みを抱き続けているのです。自分も、チキンとキリンを迎えた後に起きたわが家の猫たちの異変を見て思い知った。これからは彼らとも相談しながら決めていかなくてはならない。でも外の猫たちは待ったなし。ない知恵絞って、妥協案を考えていかねばなりません。

今日のサクラ(久々に明るいうちに来た)

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頑張れリン、わが家の紅一点

2019年08月27日 | リン(旧イエミケ),クウ,キー
みうとキリンがいなくなって
リンはわが家の紅一点となりました
みうと築きつつあった女子連合も
今はもう適いません

でも、リンには母の逞しさがある
ニャーとちび太のつけ狙いが激しさを増しても
じっと耐えてやり過ごす
子育てを経験した元ノラは
困難や逆境、耐えることには慣れている

机の下(椅子の上)のリン

リンは1日の大部分を
テーブルと椅子の間に隠れて過ごす
でもニャーとちび太が2階で寝れば
リンの時間がやって来る

そろそろとリビングの真ん中に出て
まず背伸び
窓から外を眺めたり
キャットタワーで爪研いだり
ソファの上でくつろいだり
1日1時間にも満たない自由時間を満喫します

リラックスポーズがみうに似てきた

そんなリンが不憫で
何とかならないかと気を揉む保護者
ニャーもちび太もいい子だし
怒るわけにはいきません

無心に外を眺めるリン

リンを差別すれば
他の猫にはすぐわかる
それがリンにとってアダになってはいけないと
今は隠れて応援してます

頑張れリン
負けるな、紅一点
いつか必ず
家猫生活を心置きなくエンジョイする日がやって来るから

くつろぎながらも警戒心は休まない

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えっ、おれって敵役なの? ~モドキの悲哀とヒストリー~

2019年08月24日 | モドキ
4月以来になるモドキの話です。ただ、肝心のモドキはこのひと月半ほど見ていません。
モドキに関しては申し訳ないというか、後ろめたい気持ちが先行します。その理由はこれまでのモドキの歴史と、その時々の当ブログの記事タイトルが物語っている。

モドキが初めて店に顔を出したのは2年前の春。まだ1才前後の若者でした。当時はテンちゃんがリード生活を始めた頃で、ダイフクがちょくちょく顔を出していた。モドキはその間隙を縫って通いの身ながらも店に定着。昼間は1日中店にいて、店のここかしこでスタッフの気を引き続けた。そのときの記事のタイトルが「店の子になるんだ」(2017.6月)。 しかし当時の殺人的な忙しさの中でスタッフに相手にされず、7月に入るといつしか姿を消したのでした。「モドキよ・・・」(2017.8月)。

若武者の面影が残る一昨年のモドキ(再掲)

半分諦めかけていたその年の11月、モドキは再びやって来た。モドキはすっかり逞しくなっていました。というより、ノラとしての生き方に拍車がかかって来たというか・・。その後のモドキはテンちゃんやちび太のみならず、ダイフクにカブキやミセミケとも時間差等で折り合いをつけて店に通い続けた。ダイフクが消息を絶った1月以降は、相変わらず通いの身ではあったがもう店の一員のような安定感だった。「おじゃましま~す、モドキですゥ」(2018.2月)。 でも当時は消息を絶つ前のダイフクの、後足を引きずって移動する痛ましい姿(事故か虐待か)に気を取られ、モドキまでは気が回らなかった。

春になると、モドキの足は再び遠のいてきた。まず店で食べることが少なくなってきて、そのうち殆ど食べなくなった。やがて来店頻度も減ってきて、来るときは何日か続くこともあるのだが1週間に1回、2週間に1回となり、7月になるとついに来なくなった。当時はカブキやミセミケも消息を絶ち、ちび太はわが家に越していたので店はとっても静かになったのです。しかし、8月になるとモドキは再びやって来ました。「お久しで~す、モドキですゥ」(2018.8月)。


看板猫さながらの振る舞いだった昨年秋

それからのモドキは、あの出会った頃のようにぐんぐんと店に入り浸ってきた。食べるのは相変わらず付き合い程度だけど、1日中店にいてスタッフに存在をアッピール。「ぼくだって店の子だい! ~モドキの夢~」(2018.9月)。 ところがまたしても順番待ちとなったモドキは、11月に入って寒くなってくるとばったり来なくなった。「保護してほしかったの? ~モドキの落胆~」(2018.11月)。 やがて、店には立ち寄らずにSC内を巡回するモドキを目にするようになったのです。「風来坊健在 ~その後のモドキ~」(2018.12月)。

スタッフの気を引こうと一生懸命な昨年秋のモドキ(再掲)

今年になってモドキは1月にまた姿を消したが、3月には現れた。でも店には昔を懐かしむように立ち寄るだけ。特別においしいおやつをあげるとおもむろに食べていく。貫禄がついて、おおらかで、スタッフを怖がる風でもなかった。人の顔を見てはピーピー鳴いていた若い頃とは違って、もの静かでひと声も発しない。何だかノラとしての風格さえ漂わせていました。そのモドキが、先月の初旬にまた姿を消した。

この2月にはレオ(当時はテンチビ)が店に居着いた。とても積極的でピーピー鳴きながらスタッフを追いまわし、あっという間に市民権を得て店を本拠地にしたのです。夜にやって来るモドキとは当初は折り合いがついているように見えたけど、そのうちモドキが「うるさいっ」とばかりにレオを追うようになった。あわや勃発の直前でK君が止めたこともあったが、その数日後の夜、トラックの荷台で寝ていたレオをモドキが襲い、レオは一時歩けなくなるほどの大怪我を負った。それ以来、レオはモドキを避けて夜間は室内(観葉売り場)で過ごさせることにした。モドキが敵役のようだがそうではなく、モドキが店でゆっくりできるようにするための配慮でもあったのです。


昨年暮以降は、店に来てもスタッフとあまり関わらなくなった

先日ご近所に住む猫好きのご夫婦と話をしていたら、最近は白い大柄の猫の代わりに昔のニャーに似た猫が庭にやって来ると言うのです。そのお宅には家猫が多いので挨拶に来るらしい。それでピンときた。白い猫というのはダイフク、ニャーに似た猫というのはモドキだろうと。モドキはダイフクのシマを継いだのかもしれません。SCの裏にコンビニがあって、ダイフクもモドキもそこでの目撃情報がある。彼らにとって貴重な餌場だったのだろうか。しかしそのコンビニは先月閉店した。ノラの生活には、いつ拠り所がなくなるかもわからない危うさがつきものだ。

モドキがノラとして風格を増したといっても、感心どころか複雑な心境になるばかりです。その歴史を振り返ればわかるように、モドキは何度も保護猫になる機会があったのに、レオみたいに最後の一歩を踏み出せなかった。何故なら、こちらが手を差し伸べなかったからです。テンちゃんがいたり家の中が満杯だったりと事情があったにしても、モドキにしっかりと応えることができなかった。その結果としてモドキはノラの道を極めようとしている。それが、自分のモドキに対する後ろめたさの理由でした。

店を通らず迂回して裏に抜けることも (店裏にて)

「これだけノラがいればとても全部の面倒は見きれない」と言うのはいい。総体としてはその通りだ。でも命や人生はそれぞれがひとつの世界であり、ひとくくりなんかにできるはずがない。自分の行動が出会った一匹一匹のノラの人生(猫生)を左右しているのだということを、決して忘れないようにしたいと思うのです。ソトチビしかり。ダイフクしかり。シャッポもしかり。モドキだけでなく決して彼らを忘れない。いつか彼らに再会し、そしてお迎えする日の来ることを願いながら。


事務所前にてくつろぐモドキ(昨年秋・再掲)

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キリン、新天地に向かう

2019年08月21日 | チキン,キリン,ポニー
キリンが新しい生活に向けて旅立ちました。
キリンはチキンより2週間遅れてわが家に来た。チキンと同じ場所で保護されたので2匹は兄妹の可能性が高い。出会った当初から旧知のように馴染んでいたことからも伺える。2週間のノラ生活のせいかキリンはチキンのように保護者に馴れなかった。でも女の子らしく遊び方がかわいい。子猫ならではの活発なところはあっても、チキンのように暴力的なところがない。

チキンとキリン(手前) 当家に来た頃

しかしチキンより小柄で大人しいキリンは、チキンにとって格好の遊び相手。チキンに追い回され、組み伏せられて噛みつかれ、ついには悲鳴を挙げて逃げ出すとまた追い回される。一緒に寝ているときは微笑ましいけど、猫の世界に口出すなとは言え何とかならないものかと気を揉むことしきりなのです。たまにキリンがチキンを追い回すとつい応援したりして。

2匹とも保護時350g前後と標準の1/3程度だった体重が、その後ひと月で標準の1.6kgまで増えた。キリンは小柄の割には大食らいで、チキンの倍くらい食べています。チキンは保護者を親と慕うがキリンは猫同士の関わり合いに夢中で保護者に馴れない。何だかクウに似ている。でも子猫なので油断も隙も多く、必要があれば捕まえるのは簡単。捕まっても抵抗するどころか喉を鳴らしたり、それよりも追いかけられることの方が怖いようだ。

2匹はいつも一緒でした(右チキン)

そんなキリンが目に怪我をしました。最初は右目、次に左目。同じ頃シロキやクウも目に怪我をした。どうやらチキンが原因らしい。キリンの右目と他の猫たちは自力で治り、保護者は抗生物質の投与だけで済ませた。しかしキリンの左目のときは粗相問題の最中でしかもみうが倒れ、正直キリンまで気が回らなかった。1週間経っても治らない(目が開かない)ので病院に連れていくと、瞼が融合しつつあって(このままでは)開かなくなるかもしれないと。慌てました。結果的には治ってきたがまだ全開にはならず、目に膜を貼った感じが残る。しかも目薬投与のために何回も捕まえたのですっかり人間嫌いになり、今では家庭内ノラの如くになってしまった。

チキンの里親さん探しはひと月ほど前から始めました。かわいいし人懐こいのですぐに決まると思った。これまで3人の申込みがあったのですが、2人はペット不可の集合住宅だったのでお断りしました。残る1人はニャンコの経験がなく、しかも2才のお子さんがいるということでこっちが遠慮した。結果的に、ちび太のときと同じような感じでご縁に恵まれません。一方キリンは最初から里親さんが決まっていました。

寝るときは大好きなシロキおじさんと(中チキン)

お互いに引っ越す前にご近所だった、当家とは40年以上の付き合いになるお宅です。同世代ですが隣家に息子さん家族が暮らし、リフォームで家を繋げて今はばかでかい家に住んでいます。小さいお子さんはいないし全員が大の猫好き。当家より都心に近いが閑静な住宅街でこれまでは中外飼いだった。でも「虐待されたら嫌だから」と今度は完全中飼いにするそうです。ああ、これも時流なんだなと。「なるべく自由に過ごさせる」の方針は当家と同じ。特筆すべきは、このお宅で暮らした猫ちゃんが全員20才過ぎまで長生きしたこと。保護者の性格や方針も含めて、ニャンコにはとっても暮らしやすい環境なのだと思います。ちなみに先住ニャンコはいません。

左目が開かなくなって通院、待合室にて

そうは言っても、ニャンコにとって何処にともわからないまま強制的に連れて行かれる恐怖は想像を絶するものだろう。自分もハリーのトライアルのときにそれを思い知った(「おっとりハリーのトライアル」参照)。保護ボラさんのブログでトライアルに出発することを「幸せになりに行く」と表現しますが、それは先が見えている人間の話。本人(猫)はこの世の終わりに遭遇したくらい不安なのです。自分がその立場になってみれば容易にわかる話で、だから猫の生活環境を変えるときは思い切り気を遣う必要があるわけです。

案の定、里親さんと対面したキリンはそれまで聞いた事もない悲愴な声でキューウ、キューウと鳴き始めた。対面のためにケージに入れておいたので、檻の中で不安気に鳴くキリンにこっちの胸が痛んだ。やがてキリンは諦めたように静かになり、里親さんに引き取られて行きました。自分の臭いのついたマットとトイレ砂一式、それにキリンの大好きだったレトルトをつけてあげた。その間他の猫たちは2階に隠れて出てこなかったが、やがてキリンを探すチキンの姿が心に残った。

孤高の猫、ニャーにもくっつくキリン

こうして、キリンはトライアルに旅立ちました。トライアルと言っても失敗はないので、猫たちにとっては今生の別れです。チキンは翌日(つまり昨日)も少しおとなしかったが、今日にはまた元気一杯駆け回っています。そのチキンの里親さん探しは今後も続けていく予定です。とにかく保護者や他の猫にくっついているのが大好きなチキン。あまり馴れ過ぎないうちに里親さんが現れるといいのだけど。

(追伸)
キリンは一昨日里親さん宅に着いてからはテレビの裏に隠れて出てこなかったそうです。でも夜になって暗く誰もいなくなると出てきてご飯を食べトイレも済ませたとか。昨日は人の前でもご飯を食べた。今日は顔の前にご飯を出したら喉を鳴らして食べたとか。「あんなに食べて大丈夫?」と妻に電話があったらしい。トイレも順調らしく、キリンは新しい生活に向けてしっかり第一歩を踏み出したようです。やっぱり子ニャンの前向きパワーはすごい。


旅立ち前夜のキリン、知能指数の高そうな表情が印象的な子ニャンでした

後注)2匹ともウィルスチェック済、陰性でした。


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シロキおじさん

2019年08月18日 | ハリー(灰白)とシロキ(白黄)
半年ぶりとなったシロキの記事です。テンちゃんに続いてみうまで失って傷心の極みですが、保護猫たちの生き様を書き伝えることをライフワークと決めた以上、中断はしません。

一時は冷蔵庫の上が定位置だったシロキ
開ける度にこの顔で・・・

FIV陽性でデブでオニブでブサイク。しかも昨年末の保護当初から背中の脱毛や猫風邪や猫ニキビ(顎)が次々と発症して治療に専念。完治はしたものの今度は鳴き癖がついてしまった。昼夜関係なく、周りに人や猫がいてもわざわざ避けて別室で鳴きわめく。その鳴き方は求め鳴きで、長くても5分くらい。

出た! シロキスタイル
最近はどこでも堂々とやってます

3ヶ月くらい前から多いときで1日に5、6回、今は少なくなったけどそれでも2、3回は鳴いてます。シロキの甲高い笛のような声はよく通るのでご近所の静寂に響き渡る。もともと"前科"があるし(「ノラと家猫と」参照)、夜などは結構気を遣います。

ニャーとちび太の牙城にも平気でお邪魔

寂しいのかそれとも何かを探しているのか。一方気弱でいじられキャラだったシロキは最近になって自信がついてきたようだ。他の猫たちの真ん中でもドテッとのびてるし、一緒になって駆け回るシーンも増えてきた。保護者にも甘えてきたりちょっかい出してきたり。

リンの向かいの椅子の上も開拓
さて、リンの用心棒になれるか?

最重量の図体でも、おおらかでのんびりした性格のせいで他の猫に恐怖心を与えない。脱毛症になったほどの繊細さは普段は片鱗も見せません。それに、結構我慢強いということもわかってきた。実はシロキ、最近加入した暴れん坊将軍、チキンの子守役に就任したのです。

とにかくチビニャンパワーは凄まじい。この2ヶ月の間に壁紙もキャットタワーもボロボロにされて保護者も諦め顔。しかもキリンとの相乗効果で手がつけられず、他の猫たちも絡まれたらすかさず逃げまくる始末。子育て経験のあるリンの"お叱り"は唯一効果があるのだが、肝心のリンがニャーやちび太からの隠遁生活なのでなかなか怒る機会がない。

そこに登場したのが、その程度ならまったく気にしない大物シロキなのでした。シロキはチキンに絡まれてもやさしく相手をしてあげる。先日はチキンに後足でぴんぴんと連続的に顎を蹴られ、頭を上下に揺らしながらそれでも相手をするシロキに思わず笑ってしまった。そして、何と我慢強い猫だろうと。

そんなシロキなので、今ではチビニャン2匹からお父さんの如く慕われています。大食漢のシロキだけどチビたちがご飯を盗りにきても怒らない。お遊びの相手はもちろん、眠くなったチビたちには添い寝する。何から何までやさしいシロキおじさんなのです。

 
シロキの隣が安心のチキン         シロキのご飯に割り込むキリン

最近はそんなシロキの平和な生活ぶりに癒されることが多い。シロキに関しては、駄目もとで里親さん探しを行う予定が本人(猫)の体調不良が続いたせいですっかり延びてしまった。その間にシロキというニャンコの穏やかな性格が見えてきて、今や株が急上昇です。でもこのシロキの良さは、そこそこ生活を共にしてみないとわからないだろうなあ。最近のテレビやマスコミはとにかく顔とスタイルばかり追い求めるから、里親候補の人たちも影響されてミーハーになりつつあるのかな。

そんなことを気にしながら、シロキおじさんの活躍ぶりに目を細めています。一方キリンのトライアル日程が決まりました。いよいよ明日出発です。

 
寝相 (左:シロキとキリン 右:シロキとチキン)

キリンは明日、トライアルに旅立ちます


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