イヴの夜

メリークリスマス

出勤中に更新している

下りの電車に遅れが出ている

帰宅客が集中している為だろうか

駅に向かう道ですれ違ったカップルは

デパ地下で何かお惣菜を買ったらしく

女性の方が「１００グラム○○円だったわ」と呟いていた

もしかしたら仲間内でのパーティーかもしれない

彼らの手にケーキとおぼしき物はなかった

それぞれが分担して必要な物を揃えているのだろう


彼らの後に見かけた御婦人は両手に持ち切れないくらいのデパートの袋

やや大きめのケーキも併せ持っていた

これから家族でクリスマスを祝うのだろうか

どの窓にも幸せなイヴの夜が訪れます様に

懐かしい再会

今日は昔のゲイ仲間と久々の再会

脳梗塞で倒れて２年間のリハビリの後

何とか独り暮らしを始めた友達を

私を含めた４人のゲイ友が訪れたのだ


メールのやり取りを頻繁にする１人以外とは

実に２０年近く会ってなくて

ホントに懐かしいやら気恥ずかしいやら

風貌の変化が一番大きかったのは

体重が○キロ増の私だったのだけれど

口には出さないまでも

みんな「エッ？」って感じだったんじゃないかと思う

何故なら最後に彼らに会った時には

私はスーツを着た会社員だったから


デパ地下でお惣菜やケーキを買って

小田急線の某駅に降り立つ私たち

「駅から１分とか言ってたけれど、まさかね」

計画性のないオネエが仕切ったのが悪かった

迷いに迷って無駄に時間を費やしてしまった

電話で確認すると随分と駅まで引き返す事に…

「全く勘弁してよ～」とブーイング

それでも何とか辿り着いて

件のゲイ友に再会

昔は太ってたイメージの彼だったが

病気でかなり痩せたらしい

半身に麻痺が残っているが

何とか１人暮らしが出来るまでに回復

１２畳ワンルームのお部屋はフローリングで

とっても綺麗に片付いていた

誰か同居人でも居てお世話してるのかなと勘繰るほど


懐かしいエピソードや近況報告など

オネエたちのトークに歯止めは効かない

何たって２０年近くも会ってないのだから

積もる話は山の様にある

きっと部屋の主は疲れたに違いない

夕方６時近くにお開きにして

私たち４人は彼と名残惜しい別れをした

彼の近隣にはお姉さんとお兄さんが居て

何かあったらスグに来てくれる環境らしい


お互いにもう若くはない仲間たち

今は元気で居るけれど

いつ彼の様になるとも限らない

健康だけには気をつけたいと

肝に銘じる私たちなのだった

たられば

昨夜は金曜日に続いて忙しくなった

連休中の土曜日は

これまで静かな事が多くて

スタッフは３人体制

開店早々向かいのママさんが

「あら今からなの？」と

待ち構えていた様に私に話しかけて来る

床をモップで拭きながら

適当にあしらう私

「じゃあお稼ぎ～！」


少ししてＲ恵が口開けに来店

いつもお土産を持って来てくれる彼女

この夜はスパークリング日本酒の「澪」とゼナ

澪は先日、速水のパパが連れて行ってくれた店の嬢が

とても美味しそうに呑んでいた

あの藍色の瓶が目の前にある

早速グラスに注いで呑んでみたら

まあ美味しい、爽やかな甘さが癖になる

ちょっとハマりそうだ


Ｒ恵の後には続々お客様が来店

すぐに満席となり

そこへ電話が鳴り響く

「今から行きたいんだけど～」

今すぐは難しいけれど

１０分くらいでお客様が帰るから…

電話の向こうはプープープー

切られたらしい

すぐに座れないのなら他所に行く

お客様は当然そう思う

こんな時に狭い店は辛いのだ

このお電話のお客様以外にも

ピーク時間帯の満席時に

金曜日に続いて覗いてくれたＦさんも

入店できなかった

この時間帯を少し過ぎたら

たちまちお席に余裕が…

ホントあと３０分遅くお電話いただいたら

お見えいただいたらスムーズにご案内出来たのに

こんな時はいつも「たられば」と歯がゆい


とにかく少ない人数ながら

賑やかな土曜日を無事終えられてホッとしたのだった




　

年の瀬らしく

連休前の金曜日

給料日前、クリスマス前、正月前も重なって厳しい状況を覚悟していたが

忘年会のお客様を含めて大賑わいの年末らしい夜となった

ママが早々と出勤していたので吉祥寺でユウスケと飲んでいた速水パパを

２２時には迎えに行く事が出来た

最近パパが贔屓にしている９月オープンの大箱キャバ

ボーイのユウスケは前からパパに

「自分も連れて行って下さいよ～」とお願いしていたのだ

この日は彼の誕生日と言う事もあって早い時間に招待していただいたのだ

２２時を３０分くらい回ったその店は、まだ空席だらけで

３０人近く嬢を抱える店としては少しお寒い状況だったが

その後、団体客を含め後続に恵まれ他所の店ながら安堵したのだった


速水パパを連れて店に戻ると当店もこの夜は久々に超大入りとなり

泣く泣く入店出来ないお客様をお断りする事に…

ぎゅうぎゅう詰めの上、更に入店させても座席がないし、接客も不可能だ

雨で泣かされた水曜や木曜に御来店いただいていたなら

どれだけ大歓迎出来たか…

半ば悔しい思いも手伝ってお断りしたお客様に手を合わせる


ここの所、暇を嘆く日々だった

早い時間に電話をくれたサコ姐が勤める店は今月一杯で閉店らしい

暗い話も多かった今年の暮れ

昨夜の大賑わいで少しは年の瀬らしくなったが

果たして今夜は…

浮かれてないで気合いを入れて行くわよ～

お掃除の神様

暇を嘆く事が多い今年の年末

おまけに昨夜に続き今夜も雨だ

出勤前から気が重い

電車の窓ガラスを叩く雨粒がうらめしい

昨夜は遅い時間にＫちゃんから電話があった

忘年会の帰りで、誰かお客さんの中に可愛い女性が居たら来店すると言う

残念ながら、その時間の店内はノーゲストだった

もっと早くに連絡をくれれば暇を持て余してそうな女性に打診したのに

Ｋちゃんは、また日を改めて飲みに行くと言って電話を切った

近所の飲み屋も水を打った様な静けさだ

暇だからってボーッとしているのも虚しいので

ボーイと店内の掃除を始めた

普段行き届かない場所を念入りに磨く

暇な時に試すと不思議とお客様が見えるジンクスの一つだ

それにしても寒々としている店内

外はまだ雨が無情にも降り続いていた


しばらくして電話が鳴った

近所のスナックのママからだ

「今から３人で行っても良い？」

お掃除の神様って居るのね