遅刻

ウチの店はこれまで夜の１０時開店だったが

諸事情により７月から２時間早まり

夜８時からの営業になった

スタッフも平日は３人から２人に減らされて

何とか頑張っているのだが

早い時間のお客様はまだまだ少ないので

月～木は交代で８時出勤と９時半出勤になっている

私は火・木が９時半出勤なのだが

昨日は何を勘違いしたのか

月曜日だと言うのに遅い方の出勤だと思い込み

見事に遅刻してしまったのだ

しかもその事に気付いたのは

出勤時の中央線の中で

ママから別件でケータイに連絡があってからだ


私は電車の中では必ずマナーモードにしており

鞄の中でバイブレータが振動する事により

着信を知るのだが

８時過ぎにママから連絡を貰い

メールで用件を聞こうと思った瞬間

自分の出勤時間を間違えた事に気付いた

ママは平日あまり店に出ないので

この時間、私に連絡してくる事はないのだが…

もう一人のスタッフ、サナエさんは当然店には居ない

既に開店時間を１０分近く過ぎている

電車は西荻窪でまだ後幾つかの駅を通過しなくてはならない


さっきまで心地良く聴いていたＭＤウォークマンも

今じゃ耳障りでしかない

イヤフォンを外して鞄にしまう

駅前のスーパーでウーロン茶のペットボトルや

たばこを何種類か買って行かなきゃならない

一刻も早く店を開けなきゃならないのに

こんな日に限って買い物も多いのだ


間もなく駅に到着と言うところで

再度鞄の中でバイブレータが振動する

ママからの催促だろうか

兎に角連絡は店に到着してからだ


スーパーで買い物を終えたら

店まで猛ダッシュ

駅から近い事がせめてもの救いだ


鍵を開けてすぐに向かいのＲの小春姐さんがやって来た

「７時半から待ってたのよ～」

「ゴメンナサイ、遅刻しちゃったの」

先週末に私と約束していた件だ

「お稼ぎィ～」

小春姐さんがドアの向こうに消えた後

またケータイに着信があった

今度はママではなくユミちゃんだ

「今日はお友達と来たんだけど

　いま店の前なのよ」

遅刻した事を告げると

メイクが終わるまで何処かで時間を潰してくれると言う

何てありがたいのだろう

普通ならそのまま帰ってしまうところだ


ママへの連絡もまだだった

全く週明けから気が緩んでいる

ホントにやんなっちゃう…