うどんは嘘つきだ。だって自分はアラブの石油王だと言い張るし、実家に帰ったら30人の召使がいて、とても美味しく茹でてくれるんだと言うから。刻み葱とてんかす散らして汁に沈んでいるうどんが石油王なわけない。身の程をわきまえろと、天麩羅によく言われる。もう誰もお前の話なんか信じない、弁護士の俺が言うのだから嘘ばかりついていると痛い目に会うぜ。実際うどんの話を誰も信じていない。かまぼこも油揚げも七味唐辛子も一味唐辛子だって、やっこさんまた言ってるよ、と内心ばかにしている、たった一人を除いて。素うどんは鈍い。良く言えば、純真で疑う事を知らない。素うどんは、うどんの話を聞いていいるだけで、コシがでてくる。素うどんにとってうどんは憧れの的だった。自分とは違う見たこともない世界を教えてくれる教師だった。何よりうどんが好きだった。
僕は能力者でうどんがのどにするすると入っていく瞬間彼らの記憶が僕の脳裏に。
僕は能力者でうどんがのどにするすると入っていく瞬間彼らの記憶が僕の脳裏に。
ぽん酢は、最近すこし鬱陶しくて、ゆずにいろいろと相談しているようだ。
土鍋もぽん酢も刻み葱だって生まれて初めてスポットライトを浴びたといって喜んでいるはずですよ。
食べ物裏ストーリーシリーズでまたやってみようと思いました。
正月、煮干のところに年賀状が届く。
「僕たち結婚しました、そして、子どもが生まれました」
ふたりの満面の笑顔の真ん中で笑っているゆずポン。