夏木広介の日本語ワールド

駄目な日本語を斬る。いい加減な発言も斬る。文化、科学、芸能、政治、暮しと、目にした物は何でも。文句は過激なくらいがいい。

消費増税と野田内閣

2012年01月15日 | 政治問題
 昨日の東京新聞に「消費増税シフト始動」の大きな見出しがあり、「首相、一体改革決意」とあった。いよいよ消費税の増税に取り組む気構えが明確になった。見出しでそうだと分かるが、でも「シフト」とは一体どのような意味なのか。何となく分かるのだが、正確には分からない。

・シフト=(米語で「位置の移動」の日本語形)1・変形守備態勢(野球で)「バントシフト」。 2・入れ替え(自動車のギヤの)
・シフト=1・形勢・配置の変更。特に、野球で、打者に応じた守備位置の移動「バントシフト」。2・切り替え。「ギアシフト」「シフトキー」

 そうか、パソコンの「シフトキー」ってそう言う意味だったのか。いつも使っているくせに、その意味を考えた事が無かった。でもパソコンの場合に「シフト=チェンジ」とは思いにくい。
 それにしても、何でこんなカタカナ語を使う必要があるのだろうか。「消費増税態勢かためる」でいいではないか。記事を分かりにくくしてどうしようと言うのか。多分、この見出しを付けた記者なりデスクは「シフト」でとても分かり易くなった、と考えているのだろう。だから、時々、分からない文章が出て来て、私は頭を抱えている。

 そして今日の同紙。共同通信社の新内閣発足を受けての全国緊急電話世論調査の結果が発表されている。改造効果が全く見られないのに、ほっとする。国民はそんな事で騙されたりはしないのである。ただ、目玉としての岡田氏の登用に「期待する」が59・4%もあって、一瞬、あれっ? と思った。世論は増税を支持しているのか、と。
 けれどもそうではなかった。国会議員定数と国家公務員給与の削減が実現しない場合には「増税すべきでない」との回答が79・5%にも達しているのである。

 首相が岡田氏に期待している「ぶれないで、逃げないで結論を出してくれる政治家だ」が実現する事を心から祈る。でも常に「ぶれて、逃げてばかりいる」首相が、そう期待するのを本当に信じられるだろうか、との疑念は大きい。首相が逃げないのは、原発を輸出すると言う、信じられない政策からだけである、と私は思っている。