夏木広介の日本語ワールド

駄目な日本語を斬る。いい加減な発言も斬る。文化、科学、芸能、政治、暮しと、目にした物は何でも。文句は過激なくらいがいい。

社団法人・日本地下鉄協会って何だ?

2011年03月04日 | 社会問題
 この所、新聞を読む暇が無かったので、先月の28日の新聞を今頃になって読んだ。東京新聞の 「こちら特報部」 に国が所管する公益法人に対する地方自治体の負担金の話が載っていた。そこに社団法人・日本地下鉄協会と言うのがある。東京を除く八つの都市は市だが、東京は東京都と東京地下鉄の二団体が負担をしている。全体の負担額は年間5420万円になる。そんなに巨額ではないが、一体どんな仕事をしているのか、非常に疑問になる。
 地域で競合する交通機関、例えば私鉄とかバスなら、日本民営鉄道協会とか、○○バス協会などがあるのは納得が行く。より良い公共交通機関を目指しての活動がある。しかし市が運営する地下鉄がどのようにして地域での公共交通機関の発展のために活動出来ると言うのか。いくら大阪市と京都市、神戸市が近くても、たとえ相互乗り入れが実現したとしても、それが日本地下鉄協会の仕事になるのだろうか。
 同協会が挙げる主な事業は、地下鉄整備関連の予算確保に向けた国会議員や中央省庁への働き掛けや、ニリアモーターで動く地下鉄の研究である。これなど、何も協会でやってもらわなくても各自治体で十分に出来るはずだ。特にリニアモーターの研究など、わずか年間5420万円の予算で出来るのか。そして、国会議員や中央省庁への予算確保に向けた働き掛け、と言うのが臭い。袖の下の臭いがぷんぷんする。

 更には社団法人・公営交通事業協会なる物まであって、地方自治体の交通事業経営に関する諸問題の解決に協力する、と定款に定められているとあって、こちらには自治体が持っている地下鉄やバス、路面電車の車両数や収入などに応じて31の自治体から計5800万円の会費を取っている。と言う事は、地下鉄を持っている自治体は二重取りをされている事になるらしい。 「交通事業経営に関する諸問題の解決に協力」 などと言う曖昧でいい加減な仕事が定款で定められているのだから、根っからの曖昧でいい加減な協会である事が一目瞭然である。
 自治体は 「会費を下げて、見合う仕事を」 と要求しているとの事だが、当然である。市民の税金だから垂れ流しなのである。市民が汗水垂らして稼いだお金を、湯水の如く使っている。これらの積み重ねがどれほどになるのか。目に見える小さな施しの陰に、どれほど見えない多くの収奪があるのか。